(2011年1月11日 共同通信社)
ノーベル化学賞を受賞した根岸英一・米パデュー大特別教授が、
地球温暖化の原因となるCO2から、医薬品など有用な化合物を
つくり出す"人工光合成"の実現を目指し、研究計画を立ち上げた。
化学反応を促す触媒として、金属を使う。
光合成は、植物や藻類がCO2と水から炭水化物を合成し、
酸素を出す反応。
温暖化防止には、CO2を吸収する森林の保全が重要とされ、
今回の計画はCO2を原料として役立てようとの狙い。
根岸さんが特別招聘教授に就任した北海道大触媒化学研究センターを
中心に、東京工業大、東京大、京都大などの研究者100人以上が
参加予定の大型プロジェクト。
化学賞の受賞対象は、炭素でできた化合物を自在に結び付け、
別の化合物をつくる「クロスカップリング反応」。
触媒として、根岸さんは「遷移金属」と呼ばれる特定の金属のうち、
パラジウムを使用した。
新たな計画は、パラジウム以外の遷移金属も広く対象とし、
CO2から別の化合物を合成するのが目標。
複数のグループに分かれ、有用なものだけを選択的に作りだす
「不斉合成」の研究や、クロスカップリングで新材料を探す研究も進める。
どの金属を触媒にすれば効率よく反応を繰り返すかを、
突き止めるのが課題で、根岸さんは、
「既成概念を捨てるプロセスがないといけない。
しばらく時間はかかるが、自然の世界でできている光合成を、
われわれができなかったら恥ずかしい」と意気込んでいる。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/1/11/130734/
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