(岩手日報 5月13日)
県は2008年度、新エネルギー政策の一環として、
米のバイオエネルギー化に本腰を入れる。
多収米「岩南29号」の田植えを、奥州市胆沢区小山の実証田で行った。
県が多収米を一般圃場で実証試験するのは初めて。
海外からの家畜飼料が高騰する中、飼料米への活用のほか、
休耕田対策としても期待。
岩南29号は、県オリジナルの多収米品種。
今年、品種登録の申請を予定。
収量は、一般の主食用米の約1・5倍の10アール当たり800キロ。
実証試験は10年度まで続け、施肥や耐冷性、じかまきの適性なども調べる。
稲わらからバイオエタノールに転換するための技術開発を、
岩手生物工学研究センター(北上市)などと連携して推進。
実証試験は金ケ崎町でも行う予定。
3カ年計画で、本年度は約1400万円を予算措置。
県は本年度から、「いわてバイオエネルギー利活用構想」を策定。
20年度を目標に、地域循環を基本とする
バイオエネルギーの地産地消を目指す。
多収米の作付けは、豚や鶏用の飼料増産のほか、生産調整などによる
休耕田の活用策としての機能も持つ。
利用されていない県内の水田は、昨年で約1600ヘクタール。
同区の農業佐藤功さん(63)は、「生産者は、やはり米が作りたい。
食べるだけでなく多目的に活用する態勢づくりが必要」。
バイオエタノール生産の実用化には、採算に見合う技術開発などが
必要で時間を要するが、県農業振興課の徳山順一総括課長は
「試験により技術を確立して、低コストでの多収を目指す。
地域の中でエネルギー循環のモデルをつくりたい」。
◆多収米
収量を多くするため、品種改良された米。
ひとめぼれなど一般の主食用米の平均収量は、
10アール当たり540キロ程度、
本県オリジナルの岩南29号は、同800キロ。
稲わらの収量も多い。食味は劣るが、食用米としても可能。
岩南29号は、1994年に交配。
耐冷性があり、いもち病に強いほか倒れにくい。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20080513_2
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