2008年6月29日日曜日

がん制御遺伝子発見 白血病幹細胞で 日米伊チーム、根治向け一歩

(毎日新聞社 2008年6月19日)

慢性骨髄性白血病の根治につながる治療法を、
日米伊の研究チームが開発。
がん細胞を生み出す幹細胞を、薬が効く活性化状態にして攻撃する。
肺がんなど他のがんに応用できる可能性もあり、注目。
英科学誌「ネイチャー」で発表。

慢性骨髄性白血病の幹細胞は通常、ほとんど増殖しない
「静止期」にあり、薬が効きにくい。
米ハーバード大医学部の伊藤圭介研究員らは、
日米の患者80人以上から骨髄を採取し分析。
9割以上の患者で、PMLという遺伝子が強く発現し、薬が効きにくかった。

人工的にPMLをなくしたマウスは、幹細胞が一時的に活性化。
「PMLは、白血病幹細胞の活動を抑え、幹細胞の機能を長持ちさせている」。
白血病のマウスに、PMLを抑える亜ヒ酸を投与後、抗がん剤を与えた。
白血病細胞が幹細胞も含めて消失し再発しなかった。
ヒトの白血病細胞でも効果があった。

白血病に限らず、がんの幹細胞は「静止期」の性質を持つ。
研究チームは、亜ヒ酸を投与してPML発現を抑え、
幹細胞を活性化させてから抗がん剤を投与する新治療法について、
日米伊で臨床試験の準備を進めている。

◇平尾敦・金沢大がん研究所教授(幹細胞生物学)の話

幹細胞の細胞周期が治療効果に影響するとみられるがんは、
白血病をはじめ複数あり、他のがんに応用できる可能性が十分ある。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=75806

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