(毎日 6月6日)
インドを覆っていた森林が、18世紀以降伐採された結果、
夏の降水量が3割程度減った可能性が高いことが、
海洋研究開発機構(横須賀市)と名古屋大の分析で分かった。
産業革命以降の化石燃料の大量使用が、
地球の気候に影響を与えたといわれるが、
それ以前にも人間の活動が気候を変えていたことをうかがわせる。
米科学アカデミー紀要に発表。
インドには、かつて広大な森林が広がっていた。
海洋機構の高田久美子主任研究員(気象学)らは、
土地利用の変化が気候に与える影響を調べるため、
インドが森林に覆われていた1700年と、
木々が伐採され農地開発が進んだ1850年を基準年に選んだ。
米地質調査所が保管している植生の調査資料に基づき、
地球全体の大気や熱の移動をコンピューターで計算し、
基準年の前後計50年間の平均降水量を予測。
その結果、夏(6~8月)の降水量がインド西部で約3割減。
この地域は、アジアモンスーン(季節風)の影響で、
年間降水量の大部分が夏に集中。
地表が森林だった時代は、上空に雲ができやすく雨が多かったが、
空気がとどまりにくい農地になって、少雨になったと考えられた。
この傾向は、ヒマラヤの降雪量の変化から予想できる降水量と一致。
高田さんは、「気候変動に影響を与えるのは、
温室効果ガスだけではない。
森林伐採などによる土地利用の変化も、考慮する必要」
http://mainichi.jp/select/science/news/20090606k0000e040010000c.html
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