(読売 6月4日)
学生の生活習慣やマナーの指導でも、職員が活躍。
目玉焼き、ハム、野菜サラダ。
鳥取大学米子キャンパスの食堂で、医学部医学科の新入生
31人が朝食をとっていた。
井上貴央医学部長(57)ら教授や上級生も席を並べ、
勉強やサークル活動について質問を受けたり、アドバイスをしたり。
時計の針が8時半を指すと、一斉に教室へ向かった。
この催しは、新入生に無料で朝食を提供する「ふれあい朝食会」。
「朝食をしっかり食べて、しっかり学んでほしい」との狙いで、
2004年度から始めた。
鳥取大の新入生の8割は県外出身で、人脈づくりや
1時限目の出席率アップにも一役買っている。
メニューは、選べる主菜と、ご飯、みそ汁。
費用は1人分が300円、大学と大学生活協同組合連合会が負担。
1年生の上田康史さん(19)は、「1人暮らしを始めたばかり。
いつもは抜くことが多い朝食をしっかり食べられ、友達も増えた」と満足。
米子キャンパスのほか、地域学部など3学部を置く鳥取キャンパスで、
4月中にそれぞれ4日間実施。
職員十数人が、朝食券を回収したり、学生を席に誘導したりした。
鳥取キャンパスでの朝食会には、北嶋充学生部長(58)が
毎朝顔を出した。
「餅は餅屋で、生活面の支援は職員の出番。
積極的に学生に接触し、早めの問題解決を図っている」
本名俊正理事(63)は、「職員は、縁の下の力持ちではなく、
教員とともに表舞台に出てほしい」と期待。
「必要なのは、TPOをわきまえた身だしなみ」、
「美しい表情は心の中から」、
「相手の話に真摯な気持ちで耳を傾けることから、コミュニケーションは始まる」
実践女子大学は、1~4年の全学生に、礼儀作法や心構えを解説した
小冊子「マナーの実践」を配った。
進路指導を担当するキャリアセンターが、社会への巣立ちの第一歩となる
就職活動などに役立ててほしい、と独自に作成。
お辞儀の仕方、電話の受け答えの方法。
「マナー」と銘打ってはあるが、人生訓の色合いも濃い。
先輩が後輩に語りかける口調で、すてきな女性に近づくための
手助けをするという趣向。
生活科学部4年の水野絵夢さん(21)は、
「笑顔や前向きな考え方の大切さなど、卒業後も役立ちそう」
執筆したキャリアセンター次長の串崎扶美子さん(54)は、
同大の系列校に8年間通った卒業生。
旅行業界で15年以上働いた経歴を持ち、国際的なマナーにも精通。
串崎さんは、「学生が社会で花開いてほしい。
一職員として母のような気持ちで、できることをしただけ」
学業、生活の両面で、より質の高い学生を社会に送り出すため、
裏方の努力が続く。
◆キャリアセンター
就職や進学など、学生が進路を考えるためのサポートを行うために
大学が設置する部署。
キャリアアドバイザーなどと呼ばれる職員らが常駐し、
主に3、4年生を対象に就職情報の提供や履歴書の書き方、
面接の受け方などの支援、相談にあたる。
就職部などと呼ばれたこれまでの組織に比べ、
早い学年からキャリア教育を行う場合が多い。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090604-OYT8T00287.htm
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