2010年10月27日水曜日

遺伝資源めぐり本格交渉 途上国強硬、難航も予想 「生物多様性会議」

(2010年10月14日 共同通信社)

医薬品開発に役立つ植物や微生物など、
遺伝資源の国際的な利用に関する議定書づくりを進める
生物多様性条約の特別作業部会が、名古屋市で始まった。

論点ごとの本格的な交渉に入ったが、発展途上国が、
遺伝資源の利益配分の対象をどこまで広げるかをめぐり、
強硬姿勢を示し、今後の協議の難しさを予想させる展開。

議定書策定は、第10回締約国会議(COP10)の主要議題。
遺伝資源の商業利用の利益を、原産国に公平配分する
ルールづくりを目指す。
多様性の保全や持続的な利用を促す狙いもあるが、
交渉は難航、採択の見通しは不透明だ。

作業部会の冒頭、ホッジス共同議長は、
「みなさんは、将来の世代にも責任を負っている」と交渉の進展を促した。

遺伝資源の利益配分の対象を広くしたい途上国が相次いで、
過去の議論の流れを無視する形で主張を展開、先進国が反発。

ワクチン開発で、利益が見込まれるウイルスを、
製薬企業が途上国で入手する場合など、
病原体の利用も集中的に討議したが、
新型インフルエンザ流行などの緊急時には柔軟な対応を求める
先進国に対し、途上国は難色を示した。

交渉は、議定書発効前に途上国から持ち出した
遺伝資源も対象にするのか、などが大きな対立点。

作業部会は15日まで、16日にまとめの会合が開かれる。
一部途上国は、遺伝資源の議題を、もう一つの主要議題である
多様性保全の国際目標と絡めて交渉する構えで、
議論は締約国会議の最終盤にもつれこみそう。

作業部会のカサス共同議長は、協議の進展に自信を見せる一方、
「今会合の終了時、保留状態の項目が残るかもしれない」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/10/14/126890/

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