2010年11月11日木曜日

新聞活用に備える(4)作り方 出張指導が好評

(読売 10月30日)

「班ごとに編集長を決め、選ぶ記事と分担を話し合って。
字ばかりだと堅い印象になるので、カットや写真も工夫してください」

東京都北区の赤羽文化センターで開かれた、
同区教育委員会主催の教員向け新聞作り教室。
短時間で仕上げられる新聞制作の方法を先生たちに伝授したのは、
新聞教育支援センターの吉成勝好代表(66)。

同センターは、新聞活用学習(NIE)に熱心な首都圏の小中高校の
元教師やNIEを担当した新聞記者OBが集まり、
3年前に設立された非営利の団体。

学校や子どもたち、保護者、一般市民らに、新聞作りのほか、
新聞を使った学習、広報紙作りなどの指導。
「可能な限り、いつでもどこへでも、助っ人として参上します」がモットー。

この日、小中学校の教員27人が参加。
5、6人の班に分かれ、B4判の割り付け用紙を使った新聞制作に挑戦。

まず、トップ、準トップ、コラムなど5本の記事の位置を決め、
割り付け用紙にハサミを入れて、ブロックごとに切り分ける。
こうしてできたスペースに収まるよう、用意された資料を
もとに記事をまとめ、見出しも付ける。
最後に合体させ、テープでとめ、コピーすればできあがり。
この方法だと、仲間が同時に作業でき、失敗しても直しが簡単。

「字は太く、マス目いっぱいに書き、見出しの活字に模様を入れたり、
飾り罫を使ったりすると効果的」と吉成さん。
北区立東十条小学校の川崎由美子教諭(29)は、
「前に新聞作りをした時、大きな模造紙に小さな見出しと
バランスが取れず失敗した。
これだと手分けし、いい物がすぐできる」

1時間ほどで仕上がった各班の紙面を見比べ、
「見出しは名詞になりがちだが、動詞や形容詞が入ると変化が出ます」
何度かやれば上達します。
学校生活のことを随時、学級通信などにして配ると、
子どもたちの家庭からも喜ばれます」と吉成さん。

新聞学習の実践が長い吉成さんは、こうした出張指導の要請が
この春からにわかに増え、忙しくなってきた。
学校ばかりではなく、自治体が企画する親子対象の新聞学習講座や
生涯学習講座のほか、学習塾からも「小学高学年向けに」と依頼。

「入学試験に、新聞記事から出題されるようになっている。
家庭でも関心が高まっているのを感じます」

新聞で子どもが伸びることを知っているベテランの力は、
今や引っ張りだこになっている。

◆割り付け用紙

方眼紙のように各行、各段に薄い罫が入っている。
どの位置にどの記事、写真を入れるのか線を書き入れ、
編集する際の設計図となる。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101030-OYT8T00181.htm

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