(2011年1月31日 共同通信社)
息や皮膚から発散される「生体ガス」で体調を調べ、
病気の診断もできるようにしようと、
国立循環器病研究センター(吹田市)のチームが、約千人を対象に
10年間、ガスと体の状態との関係を見る調査に乗り出した。
こうした規模の調査は、国内初。
センターの下内章人循環病態生理研究室長は、
「ガスの採取は、採血と違い体への負担がほとんどない。
疾患の判断ができれば、健康診断で広く使われるようになるだろう」
生体ガスに含まれる気体は、窒素や酸素のほか水素、一酸化窒素、
一酸化炭素、アセトンなど数千種類に上る。
ガスの種類や量は、生活習慣や疾患の有無が影響し、微妙に変わる。
チームは、健診に来た人に依頼し、ガスの採取を開始。
2年に1度採取し、成分の変化と病気、体調との関係を解析。
息は、樹脂製のバッグに吹き込んでもらい、
手から発生するガスは密閉した手袋でとる。
息と、手のひらから発生したガスを同時に採取し、
直接分析できる高感度装置も独自に開発。
生体ガスは近年注目され、国内外で研究が進行中。
エタノールは飲酒、アセトアルデヒドは食道がんや咽頭がん、
アセトンは糖尿病と関係することが分かってきた。
腸内細菌の発酵作用で発生する水素を測って、食べ物が消化される
時間を調べたり、禁煙外来では喫煙すると増える一酸化炭素量を
測定したりするのに利用。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/1/31/131772/
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