(読売 1月29日)
「いつも小言ばかり言ってごめんね。
あなたを叱っている時、お母さんもつらくて悲しいんです」、
「スポーツ、勉強、恋愛、今しかできないことを、
めいっぱい楽しんでください。応援しています」
京都府舞鶴市立城北中学校の体育館。
同中PTA会長の長内加津美さん(44)が、全校生徒の前で、
保護者らが書いた手紙を読みながら、涙で声をつまらせていた。
全校合唱コンクール2日目の舞台。
手紙の紹介後、保護者ら約130人が壇上で合唱。
するとアンコールで、多くの生徒が壇上になだれ込んだ。
保護者らと300人近くで、「世界に一つだけの花」を合唱。
「『帰れ』、『うざい』と言われるかと少し怖かったが、
親たちの気持ちが伝わっているとうれしかった」、
指揮をしていた元PTA会長の船越正一さん(47)。
かつては、一部の生徒が授業を抜け出したり、
かっとなってトラブルを起こしたりと、落ち着かない学校だった。
雰囲気が変わり始めたのは、2008年、田中正信校長(56)が赴任、
PTA活動の活性化を、学校改善の取り組みの一つに位置づけてから。
「親が生き生きと学校にかかわる姿を、子どもに見せるのがいいと考えた」、
田中校長は振り返る。
PTAが動き出した。
1年目は、活動への参加者を増やそうと、ソフトバレーボール大会や
学校周辺清掃への親子参加を積極的に呼びかけ、
手書きのビラなどでPR。
最初は反応が少なかったが、参加して楽しかったという声が
寄せられるようになった。
2年目、7、8年前に自然消滅していた地域の資源回収が
PTAの主導で復活。
親子で一緒に町内を回り、アルミ缶、新聞紙などを集めるなど、
活動が軌道に乗ってきた。
当時会長だった船越さんは、「親子の絆を深めるのが目標だった」
3年目の今年度、「学校へ行こう!キャンペーン」を目玉に。
授業参観に加え、希望者が全学級を見学する学校参観を年3回実施。
生徒会との意見交流会も開いた。
「親たちがきちんと見てくれていると感じる。
みんなも、盛り上がりと元気が出てきた」、
前生徒会長の3年千歳倫太郎さん(15)。
田中校長は、「保護者が温かく見守る中で、
子どもたちが自信を持って育ってくれれば」
保護者のかかわりが、学校に安定をもたらしている。
◆PTA
子どもの学校ごとに、保護者と教師で構成。
母親が仕事や介護で参加しにくくなる一方、
昨今は父親の積極参加が目立つ。
教員の多忙さ、役員の重い負担などから、
仕組みの見直しが求められている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20110129-OYT8T00220.htm
0 件のコメント:
コメントを投稿