(読売 9月25日)
「金のために、これをやっているんじゃない。
金のためだったら、別のスポーツを選んでいた」と
男子競泳界のスーパースター、マイケル・フェルプス(米)は言い切った。
「これ」とは、五輪で1972年ミュンヘン五輪のマーク・スピッツの
金メダル7個と並ぶという目標。
フェルプスは、決して自分の銀行口座をふくらませるために、
競泳の歴史を書き換えているわけではないが、
ついに、スピード社が金7個で支払いを約束していた
100万ドル(約1億580万円)のボーナスを北京五輪で手にした。
北京以前の彼の年収は、340万ユーロ(約5億2700万円)と見込み、
この推定額は現実とかなり隔たりがあるのは間違いない。
競泳界では、イアン・ソープ(豪)は絶頂期に年収600万ユーロ。
ロイター通信が報じた専門家の推計では、
「フェルプス・チーム」の年間売上高は2000万ユーロ(約31億円)に届く。
スポンサーには、VISA、マクドナルド、オメガなどトップ企業がずらり並ぶ。
2002年4月にスポーツエージェントのオクタゴン社の代表、
ピーター・カーライルと会ったとき、フェルプスは17歳にもなっていなかった。
カーライルは、「何が望みか」と尋ねた。
半年前にプロに転向していたフェルプスは、
「水泳を革新したい。スポーツ専門チャンネルで毎日、
水泳が放送されるようにしたい」と答えた。
2人は、成績は必要条件だが、それだけでは不十分だと意見が一致。
天才選手は、過密な大会出場計画を練り上げ、
報道に毎日取り上げられてファンのハートをつかんだ。
アテネ五輪の直後、カーライルは長期戦略を説明。
メディア面でも経済面でも、避けては通れない国、中国に、
2008年まで毎年1回行くべきだ――。それも、スポンサー付きで。
フェルプスは、スピード社、VISAとマクドナルドなどの
違ったスポンサー付きで、4回の中国行きを実行。
北京五輪をゴールに、フェルプス・チームは
思い切った中国征服作戦を取っていた。
http://www.yomiuri.co.jp/sports/lequipe/
0 件のコメント:
コメントを投稿