(毎日 11月10日)
赤字経営が続く四国アイランドリーグで、
黒字転換にめどをつけた球団がある。
今季、2連覇を果たした香川オリーブガイナーズ(高松市)。
小崎貴紀球団社長(37)は、
「リピーターを戦略的に作ることができた」。
ホームの1試合平均観客数は、前年比約1・6倍の1592人。
年間集客数は、7万1634人でリーグの史上最多記録を更新。
カギは、無料チケットの有効活用。
初年度は、リーグ全体で約40万枚をばらまき、赤字が膨らむ要因に。
香川では、地域別の配布枚数と実際に訪れた観客数の「着券率」を集約。
着券率の高い地域で営業を強化し、安定した集客を実現。
「家族客」の取り込みも効果的。
市内の全公立小中学校約3万5000人の児童・生徒に、
無料チケット付きのチラシを配布した結果、
保護者を含めたリピーターが増えた。
リーグ1球団の年間経費は、1億~1億3000万円。
香川は今季、リーグ最多となる約40社のスポンサーから6000万円、
チケット3000万円、グッズ1300万円、飲食1200万円に加え、
2人がプロ球団入りを果たし、契約金や初年度年俸の2割が収入となり、
総収入は1億2500万円に達する見通し。
昨季から独立採算制に移行し、独自の経営戦略が可能になったことも大きい。
香川は、職員を6人に倍増して積極経営を選んだ。
元広島投手やアテネ五輪銀メダリストの豪州代表スラッガーを獲得し、
戦力アップにも取り組んだ。試合の質の向上は、集客に直結。
一時は球団存続が危ぶまれた高知は今オフ、
阪神・藤川球児投手の兄が球団代表に就任し、営業戦略を練り直し。
来季から新加入の長崎は、米独立リーグ人気球団と提携して
米国流のイベント充実に力を注ぐ。
今季スタートしたBCリーグの村山哲二代表(43)は、
「まず1球団だけでも、黒字化のモデルをつくりたい」。
香川の職員は、今季途中に徳島へ派遣され、
来季は別の職員が福岡の新球団で運営に携わる。
香川のノウハウは各地へ波及している。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/news/20071110ddm035050027000c.html
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