(Medscape 10月17日)
低脂肪食パターンは、閉経後女性において卵巣癌の発生率を低下させる
可能性があることを示す研究結果が報告。
フレッド・ハッチンソン癌研究センター(Fred Hutchinson Cancer Research Center)
のRoss L. Prenticeらは、
「Women's Health Initiative [WHI] Dietary Modification (DM)
Randomized Controlled Trial(女性の健康イニチアチブ食事改良
ランダム化比較対照試験)において、
「低脂肪食パターンが、慢性疾患の発生率に及ぼす効果を
乳癌と大腸癌、卵巣癌と子宮内膜癌で評価した」。
1993-1998年に、閉経後女性48,835例がDM介入(n=19,541)または
通常食(n=29,294)にランダム化された。平均追跡期間は8.1年間。
DM介入の目的は、総脂肪摂取を消費エネルギーの20%に減少、
野菜、果物、穀物の摂取量を増加させること。
癌の転帰を確認し、重み付けしたログランク検定を用いて、
卵巣、子宮内膜の浸潤癌、全浸潤癌、他部位の浸潤癌の発生率を群間で比較。
通常食群と比較して、DM介入群は卵巣癌のリスクが低かった。
全卵巣癌のハザード比(HR)は、統計学的に有意ではないが、
HRはDM介入の期間が長くなるにつれて低下。
最初の4年間は、卵巣癌のリスクは両群とも同程度
(介入群0.52 対 対照群0.45例/1000人-年)。
しかし、次の4.1年間に、DM介入群では同リスクが低下
(介入群0.38 対 対照群0.64例/1000人-年)。
子宮内膜癌のリスクは群間に差がないが、
全浸潤癌の推定リスクは対照群より介入群の方がわずかに低い。
研究の限界として、
5種類の癌のリスクに関する多重比較のための補正が、
同知見の統計学的有意性を低下させた可能性、
全期間に介入効果の一貫性が認められず、効果の確実性が低いこと、
対照群より介入群で卵巣癌が早く検出された場合には
累積ハザード推定値が歪められた可能性。
「低脂肪食パターンは、閉経後女性において
卵巣癌の発生率を低下させる可能性がある。
DM試験は、全浸潤癌の減少の可能性も示唆。
被験者に対して非介入で追跡を継続しており、
低脂肪食パターンがこうした癌の発生率に及ぼす効果について
更に有益な評価が行える可能性がある」
J Natl Cancer Inst. 2007;99:1534-1543.
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=58911
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