2008年5月22日木曜日

スポーツ21世紀:新しい波/268 バレー協会・個人登録制度/3

(毎日 5月17日)

日本バレーボール協会(JVA)は、個人登録制度で
選手たちが受けられるメリットの一つに、
「JVA主催の大会と、予選に出場する権利を得られること」。

これについて、「個人登録に反対する草の根バレーの会」の中心メンバー、
筑波大付高の藤生栄一郎教諭は、「部活動の実態に合わない」。

新制度では、登録選手全員に登録料の支払いが義務づけ。
しかし、中学、高校の部活動は、公式戦に出場する
レギュラー選手ばかりではない。

初心者など、当面試合出場の可能性がほとんどない部員にも、
レギュラーと同額の登録料が課される。
「試合でベンチにも座れず、体育館の別の所で応援するだけの子に
『お金を払え』とは言いにくい」と藤生教諭は話す。

藤生教諭は、東京都内の強豪校にあった2軍チームが忘れられない。
「都内外を巡り、練習試合をしていた。
公式戦に出られれば、都で16強入りは間違いなかった」。
しかし、控え選手である彼女たちが日の目を見ることはなかった。

これは、構造的な問題。
全国中体連、全国高体連は、大会への出場を「1校1チームが前提」。
この前提を改めないままでは、新制度によるメリットを受けられない
控え選手が数多く生まれるだろう。

JVAも、この課題を意識し始めた。
立木正夫会長はホームページで、
「選手が年間に出場できる試合が少ないなら、
(中略)出場機会を増やす工夫が求められる」、
「10歳前後からジュニア年齢までの選手やチームに対し、
どの地域で、どのような大会を充実させ、創造する必要があるのか。
個人登録制度により実態をつかみ、具体的な対策を考えられる」。

JVAの山岸紀郎専務理事は、
「同一校から複数チームが出場したり、
中学・高校生が地元クラブチームから大会に出場したりできるよう、
将来は検討が必要かもしれない」。

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/

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