2008年2月15日金曜日

Tリンパ球:理研が作り分けを解明 拒絶反応抑制に道

(毎日 2月12日)

体内に入った異物を排除する免疫反応を担う2種類の「Tリンパ球」が
作り分けられる仕組みを、理化学研究所の研究チームが解明。
アレルギーや移植後の拒絶反応を、人為的に抑制する手法の開発に
つながる成果で、米科学誌サイエンスに発表。

Tリンパ球には、異物の侵入情報を他の免疫細胞に伝える「ヘルパーT細胞」と、
異物を直接攻撃する「キラーT細胞」の2種類。
いずれも胸腺で共通の前駆細胞から作られるが、
どう作り分けられているかは謎。
2種のバランスが崩れると、免疫不全やアレルギーなどを引き起こす。

理研の谷内一郎チームリーダー(免疫学)らは、
通常は前駆細胞から「ヘルパー」と「キラー」が2対1の割合でできるのに、
Runx」というたんぱく質を作れないマウスでは、
「キラー」がほとんどなくなることを発見。
Runxが、「ヘルパー」への分化を促す遺伝子に結びついて働きを抑制し、
前駆細胞から「ヘルパー」だけが
作られることのないようにしていることを突き止めた。

谷内さんは、「今回の発見を応用して人為的に作り分ける技術ができれば、
再生医療や免疫疾患の新たな治療法への応用が期待できる」。

http://mainichi.jp/select/science/news/20080213k0000m040115000c.html

0 件のコメント: