(読売 5月2日)
北京五輪への出場権をかけたワールドカップ(W杯)で初優勝し、
本番でも初のメダルへの期待が高まるイタリアの女子バレーボール。
競技人口でも、男子の約7万5000人に対して、女子は約23万人と、
圧倒的に「No.1」のスポーツ。
ここまで浸透した背景に、トリノ大学外国語学部の八木宏美・契約教授は
「日本のアニメの影響が大きかった」。
2002年、イタリア女子は初めて世界選手権で頂点に立った。
メンバーは、1982年に放映が始まった『ミミとバレーボールの仲間たち』
を見て、バレーを始めたり、さらに熱中するように。
当時の主将、アンナマリア・マラージさん(38)は、
「みんな主人公のミミにあこがれていた。
努力すれば、報われるとか、イタリアのアニメにはない面白さに、
みんなが夢中になった」と少女時代を振り返って目を輝かす。
『ミミ』と呼ばれたアニメは、『アタックNo.1』のイタリア語版。
マラージさんは、男性に圧倒的な人気を誇るサッカーと比べ、
汚れのないように見える点が特に女性から人気を得た理由。
イタリアサッカー界は、ここ数年を見ただけでも、
審判を巻き込んだ大規模な不正が発覚したり、
サポーターの暴力や死亡事件が後を絶たないなど、暗い影に。
バレーは、『ミミ』の影響もあり、友情や努力などをはぐくむいいイメージがあり、
サッカーを毛嫌いする母親が娘たちに勧める。
イタリア連盟広報のカルロ・リージさんは
「(バレーは)女性は常に美しくありたいという、イタリア人の感性に合っている」。
ネットで隔てられたバレーは、接触プレーによるけがも少なく、
美しさを損なうほどの筋肉がつくこともない。
1990年男子世界選手権優勝メンバーで、バレーの普及活動を行っている
アンドレア・ルケッタさん(45)は、
「『ミミ』は自分にとって聖書のようなものだ」。
ただ、25年以上も再放送され続けているため、時代遅れの部分もあるとして、
『スパイク・ガールズ』という“新約版”の製作を進めている。
『アタックNo.1』の精神を受け継いだ作品は、来年末に放送開始予定。
「子供にバレーの素晴らしさを知ってもらうのに、アニメは素晴らしい手段。
これからの25年、『ミミ』の役割を果たすものにしていきたい」。
http://www.yomiuri.co.jp/olympic/2008/feature/continent/fe_co_20080502.htm
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