2008年2月5日火曜日

ES細胞で筋ジス治療 米チーム、マウスで成功

(共同通信社 2008年1月21日)

筋肉の力が徐々に失われる遺伝性疾患の筋ジストロフィーの
症状を示すマウスに、遺伝子操作した胚性幹細胞(ES細胞)を注射して、
筋肉の機能を一部回復させることに成功したと、
米テキサス大の研究チームがネイチャーメディシン電子版に発表。

筋ジストロフィーのマウスを、あらゆる細胞に分化する能力を持つ
ES細胞の移植で治療したのは初めて。
遺伝子を操作するため、すぐには人への応用はできない。

筋ジストロフィーのうち、患者の多いデュシェンヌ型は、
筋細胞の形を保つタンパク質「ジストロフィン」が遺伝子変異のため作られず、
筋力の低下や筋委縮が起きる。

マウスのES細胞を培養し、筋細胞への分化を促進する遺伝子「Pax3」
人工的に導入。筋細胞になるよう分化し始めたものだけを取り出した。
これを病気のマウスの大動脈に注射したところ、
1カ月後には筋細胞になって筋肉に定着し、ジストロフィンも作られていた。
通常のマウスほど強くないが、ある程度筋力が回復。

ES細胞を注入する治療では、無限に増殖するがん化が懸念されるが、
筋細胞に分化するものだけを厳選した結果、
3カ月後にもがんは起きなかった。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&articleId=66147

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