(毎日新聞社 2008年1月19日)
社交的な人や自己中心的な人ほど肥満が多く、
心配性の程度が強いほどやせの人が増える傾向にあることが、
約3万人を対象にした辻一郎・東北大教授(公衆衛生学)らの調査で分かった。
性格と肥満の関係は、十分な根拠がないまま議論されることが多く、
1万人以上を対象に調べた研究は世界的にも例がない。
国際心身医学会誌に掲載。
宮城県内の40-64歳の男女を対象に調査。
身長や体重、生活習慣などに加え、
「話し好きか」、「人が何を考えているか気になるか」など
48項目を尋ねる性格検査を実施。
▽外向的(社交性、陽気さ)
▽神経症的(心配性、緊張しやすい)
▽非協調性(攻撃性、自己中心性)
▽社会的望ましさ(律義さ、虚栄心)
の各傾向について、程度別に4グループに分けて
体格指数(BMI)との関係を調べた。
飲酒量や運動習慣などを考慮して分析した結果、
「外向的傾向」が強いほど、「肥満」とされるBMI25以上の割合が増えた。
最も外向的なグループの肥満の割合は、最も内向的なグループに比べ、
男性で1・73倍、女性で1・53倍。
「非協調性」が強い場合も、肥満が増えた。
「神経症的傾向」が強いと、BMI18・5未満の「やせ」が増えた。
神経症的傾向が最も強いグループのやせの割合は、
最も弱いグループの2倍以上。
研究チームの同大大学院生、柿崎真沙子さん(心理疫学)によると、
因果関係は明確でないが、性格と関連する神経伝達物質の一部が
食欲にも関係していることが背景に。
柿崎さんは、「肥満改善指導で外向的な人には指導回数を増やすなど、
効果的な健康教育プログラムの開発につながる可能性がある」。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&articleId=66086
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