(WebMD 2008年8月28日)
世界保健機関(WHO)の報告によれば、
今日生まれた女児の推定寿命が80歳以上であるか45歳未満であるかは、
その女児が母国と呼ぶ国次第である。
経済状態による健康の不公平(health inequity)を、
各国内のみならず世界的規模でも検討、
1世代以内に健康の不公平を是正するようを求めている。
「避けることができる健康の不公平は、人々が成長し、生活し、働き、
年をとっていく環境と、疾患治療のために整備されている制度が原因で発生。
生死の条件は、政治的、社会的および経済的な力により形作られている」
WHOは2005年、「健康の公平を推進するための対策に関する
エビデンスを集めること、ならびに健康の公平の達成に向けた
世界的な活動を振興すること」を目的として、
Commission on Social Determinants of Healthを設立。
WHOは、国際保健事業の指導的かつ調整的機関としての役割。
同報告書は、世界中に存在する健康格差の例を3つ挙げている。
1)糖尿病患者の80%は、低所得国または中所得国に居住。
2)母体死亡の生涯リスクは、アフガニスタンでは8人に1人、
スウェーデンでは17,400人に1人。
3)米国では、アフリカ系アメリカ人の死亡率が白人と等しいと仮定した場合、
1991~2000年には886,202人の死亡を回避できたと予想。
上記委員会は、健康の不公平に対する3本柱からなる取り組みを概説。
1)日常生活の状態、すなわち人々が成長し、生活し、働き、
年をとっていく環境を改善すること
2)権力、金および資源の不公平な分配(日常生活の状態の構造的要因)に、
全世界、国家および地域レベルで対処すること
3)問題を分析し、対策を評価し、知識基盤を拡大するとともに、
健康の社会的決定因子に関する教育を受けた労働力を育成し、
健康の社会的決定要因に関する社会の認識を高めること。
同報告書は、感情的な実施要請で締めくくられている。
「健康の不公平の是正は、Commission on Social Determinants of Healthの
倫理的責務。社会の不公平は、多くの人々を死に至らしめている」
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=79410
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