「地球環境に優しい技術には、お金がかかる」
そんな現状を覆そうと、太陽光発電の分野で近年、
途上国の貧しい住民が利用できる、安くて簡単な技術の開発が進んでいる。
オーストラリア・ニューサウスウェールズ大博士課程の
ニコール・ケッパー氏が考案した「iJET(アイジェット)」もその1つ。
ケッパー氏によれば、アイジェットは
「インクジェット方式のプリンターとマニキュアの除光液、
ピザの焼けるオーブンがあれば作れる」太陽光発電機。
従来の工程と違い、クリーンルームを備えた工場や熟練した技術者を
必要としないため、約半分の費用で製造できる。
同氏は今年、この技術で、同国の優れた科学者に贈られる
「オーストラリア博物館エウレカ賞」を受賞。
「工程を簡素化し、分かりやすくすることが、
太陽光発電を途上国に普及させるカギ」。
途上国ではすでに、インフラ整備に膨大な費用と時間のかかる
従来の電力供給システムに代わるものとして、太陽光発電が注目。
アフリカ東部などで灯油ランプをソーラー式発光ダイオード(LED)照明に
切り替えるプロジェクトに取り組む非営利団体「ソーラーエイド」の
ジェレミー・レゲット会長は、
「一軒一軒の家、ひとつひとつの村に設備を取り付けることにより、
太陽光発電は着実に普及するだろう。
太陽光発電のコストを下げるための技術は、日進月歩の勢い。
新たな発明も大歓迎だ」
ケッパー氏が描くのは、アイジェットを途上国の企業が製造し、
地元の家庭に販売するという将来像。
「現地で製造できれば、雇用創出などの経済効果も期待できる」。
当面の課題は、太陽光発電機の主要な材料となる
シリコンの使用量をいかに減らすかということ。
「シリコンは、製造コストの約50%を占めているのが現状。
コスト削減のためには、この割合を低くする必要がある」
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200809060019.html
0 件のコメント:
コメントを投稿