2008年9月16日火曜日

シャープ 菌・ウイルスなど撃退する照明器具発売

(じほう 2008年9月5日)

シャープは、独自の「プラズマクラスター技術」を搭載した
LED照明や空気清浄機など、6品目の発売を開始すると発表。

空気中に浮遊するカビ菌やウイルスなどを分解・除去する
機能をもつ技術を、同社は21世紀型の健康・環境商品と位置付け、
病院などの公共機関やオフィス向けに販売する方針。

同社は、プラズマクラスター技術の改良を進めており、
新型インフルエンザウイルスの分解・除去効果もある。

プラズマクラスターは、シャープ独自の技術で、
空気中では不安定になるプラスとマイナスのイオンを、
プラズマ放電により、複数の水分子を粒子の周囲に
ぶどうの房(クラスター)状に集め、安定させることに成功。

プラズマクラスターイオンは、浮遊するカビ菌、ウイルスなどの表面に付着して
酸化力の強い物質に変化し、表面のタンパク質を瞬時に分解・除去。

プラズマクラスター技術を発光ダイオード(LED)照明のほか、
イオン発生機、空気清浄機、冷蔵庫、ドラム式洗濯乾燥機に搭載する。

LED照明には、プラズマクラスターイオン発生装置を組み込み、
「天井からふりそそぐようにイオンを放出し、空中で浮遊する
カビ菌・ウイルス・ダニのアレル物質を取り囲んで分解・除去する」。

発売するのは、室内が明る過ぎる場合に3段階で暗くできる機能があり、
省エネにも貢献する製品(DL-N028N、16万2750円)など5種類。
10月24日から順次発売。
既存の建物でも、工事をすれば設置できる。

シャープは、プラズマクラスター技術を「除菌イオン」として
エアコンや空気清浄機に搭載する一方、
細菌(MRSA、セラチア菌)や真菌(アスペルギルス)、
ポリオウイルスなどを分解・減少させる効果を、実験レベルで確認。

新型インフルエンザでは、1cm当たり7000個の濃度のイオンを噴出させ、
増殖能力を99%減少。
イオン濃度をさらに高めて行った実験で、10分で、ウイルスを
ほぼ100%分解・除去。

実験したのは、新型インフルエンザ関連の国際会議で
議長を務めるなどしたロンドン大のジョン・オックスフォード教授ら。
教授が社長の企業とシャープの共同研究として、
ヒトから採取した新型インフルエンザウイルスが浮遊する
容積1m3のボックス内に、1cm3当たり約5万個と高濃度のクラスターイオンを
10分間吹きつけ、「感染力価」の変化を測定。
細胞に対するウイルス感染力を示す感染力価が減り、
感染力が99.9%減った。

オックスフォード教授によると、感染に至るウイルスの空気中濃度は不明だが、
50%程度除去できれば効果がある。
「このような新技術は武器の1つとなり、
インフルエンザとの戦いを効果的にする」(同教授)。
シャープも、「実空間で有害な物質を除去できることを、
模擬的な空間で実証したい」(専務執行役員・技術担当の太田賢司氏)。

実生活レベルでの感染制御力について、
医療関係の研究機関などと協力して研究する方針。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=79578

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