2011年5月21日土曜日

インタビュー・環境戦略を語る:カシオ計算機・高須正取締役

(毎日 5月2日)

カシオ計算機は、50年にCO2排出量を05年比80%削減などの
目標を掲げ、環境問題に取り組んでいる。
高須正取締役に、環境戦略を聞いた。

--どのような体制で環境問題に取り組んでいるか?

◆91年、副社長を委員長とする環境保全委員会を設置したのが始まり。
その後、役員や各事業所の責任者が参加する「環境会議」や、
環境目標を立案する環境センターを設置するなど、体制を拡充。

現在、環境センターには15人の専従社員がおり、
環境データの収集・分析などを行っている。
社員には、環境方針や事業所ごとの環境目標を記した
名刺サイズの「環境カード」を持たせている。

社員は、CO2削減などに向けた「自分の役割」をそれぞれ書き込むなど、
常に環境に配慮した行動ができるよう、社員一人一人に徹底。

--具体的にはどのような取り組みを進めているか?

◆01年度から、化学物質の使用規制や省エネなど14項目を点数化した
基準を作り、合格した商品を「カシオグリーン商品」と認定する制度を始めた。
社員も積極的に取り組み、08年度には「グリーン商品」の
売上高比率が84%に達した。
09年度から、新たに、消費電力20%削減などさらに厳しい基準に合格した
「グリーン商品」を、「カシオグリーンスター商品」に認定する制度を始めた。

09年に新設したドイツのオフィスでは、地熱エネルギーを
冷暖房に利用するシステムを導入。
中国のグループ工場では、製品出荷の際、トラックではなく鉄道を使う
モーダルシフトに取り組むなど、
世界中のカシオグループでエコに取り組んでいる。

--東日本大震災の影響で夏に予想される電力不足に向け、
企業の節電対策にも注目が集まっている。

◆震災直後から、稼働しているエレベーターや照明の数を
減らすなどの対応を実施。
より詳細な対応策は検討している最中だが、社内報なども使って
社員にも注意喚起し節電を徹底。

--今後、どのような活動を推進するか?

◆50年の長期目標達成のため、20年にCO2削減量を05年比で
30%削減する中期目標を定め、モーダルシフトの拡大や
太陽電池の導入などを検討。
製品を通じて、環境に貢献することもメーカーの大切な使命。

カシオは、創業当時から、小さく、薄く、軽く、省電力につながる
製品をつくることに力を注いできた。
今後も、世の中にないものを創造し、社会に貢献するという
企業理念を実践しながら、社員一丸となって取り組んでいく。
==============
◇たかす・ただし

慶応大学工学部卒。73年カシオ計算機入社。
執行役員コンシューマ事業部副事業部長、執行役員開発センター長などを
経て、03年から現職。東京都出身。61歳。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2011/05/02/20110502ddm008020031000c.html

津波に強い地域づくり技術チリと共同研究へ

(サイエンスポータル 2011年4月21日)

科学技術振興機構は、地球規模課題対応国際科学技術協力
プログラムの新しい課題として、資源・エネルギー分野5件、
生物資源分野2件、防災分野2件、感染症分野2件を決めた。

防災分野の新課題に、チリ・カトリック教皇大学との共同研究、
「津波に強い地域づくり技術の向上に関する研究」
(研究代表者・富田 孝史・港湾空港技術研究所 上席研究官)が選ばれた。
研究期間は4年間。

チリは、日本の太平洋岸と同様、海底プレートが陸側のプレートの下に
沈み込む場所に面しているため、過去に何度も大きな地震が起きている。
昨年2月、マグニチュード(M)8.8の巨大地震が発生し、
沿岸に巨大な津波が押し寄せ、800人以上が亡くなった。
日本にも翌日、場所によっては1mを超す津波が到達。

1960年、観測された地震としては最大の超巨大地震
(M9.5、死者1,742人)が起きている。
この時も、最大6mの津波が日本に到達、
三陸海岸沿岸を中心に142人が亡くなった。

共同研究では、両国で発生した津波による被害のまとめと
その推定手法や、今後両国で発生する津波による被害予測や
想定被害への対策、高い精度の早期警報手法や津波観測網など、
津波に強い地域や人づくりに関する研究を行う。

研究代表者の富田 孝史 氏は、
土木学会東日本大震災特別委員会総合調査団の一員として、
今月初め、東北地方太平洋沖地震の被災地を訪れ、
釜石湾口防波堤など港湾施設や海岸の津波による被害の状況を調査。

地球規模課題対応国際科学技術協力プログラムは、
開発途上国の研究機関と国内の研究機関が共同で、
両国にとって必要な地球規模の課題解決を目指す研究支援制度。
政府開発援助(ODA)と連携して実行するのが特徴、
開発途上国だけでなく先進国からもユニークな取り組みとして注目。

研究開発期間は3~5年。
1研究課題に対し、科学技術振興機構から間接経費を含め、
年3,800万円程度のほか、国際協力機構のODA経費から研究員派遣、
外国人研究員招へい、機材供与、現地での活動経費など、
年に6,000万円程度が支給。

http://scienceportal.jp/news/daily/1104/1104211.html

2011年5月20日金曜日

「国体の縮小開催探れ」 県説明で市町村の要望相次ぐ

(岩手日報 5月18日)

2016年岩手国体開催に関する県の市町村説明、
「開催は困難」とする県方針に対し、市町村側からは、
「縮小開催の可能性も探るべきだ」との声が多く出た。

県は、関係団体と協議しながら、施設改修の見直しなどを軸に、
どの程度の縮小開催が可能かを試算する構え。
今後、首長から意見を聞くことも検討。

県は9日から全市町村で説明し、
宮古、岩泉、紫波、洋野の4市町を訪問。
全体で118億円に上る開催費用や人員体制などを示し、
「被災者の生活再建優先だ」と理解を求めた。

多くの市町村は、教育長や担当職員が対応。
縮小開催の可能性も探るべきだとの反応が、見送り容認論を上回った。
「首長に伝える」など、聞くにとどめる自治体も多く、
当初計画通りの開催を求める声はなかった。

紫波町の川村秀彦教育長は、「人や予算がないから『開催しない』と
決めるのではなく、開催に向け工夫してほしい」と要請。
ヨット競技を開催予定だった宮古市は、
首長が意見交換する場も必要だと注文。

佐々木敏夫教育長は、会談後「施設が被災し、当初計画通りでは
無理だと感じる」と説明に一部理解を示した。

岩泉町の三上潤教育長は、判断するため検討材料を示すよう
求めた上で、「開催に踏み切るのであれば、町としては対応できる」

洋野町の日当博治副町長は、
「現状では、被災地でやるべきだとは言えない。
復興状況を見極めたい」

県は、今回の反応も踏まえ、
▽スタンド増設など施設改修の見直し、
▽参加者数の削減、
▽開・閉会式の簡素化、
▽競技数の縮減-
などを軸に日本体育協会などと協議、シミュレーションする方針。

県国体推進課の西村豊総括課長は、
「復興の励みになるとの声も多かった。
(開催の可否などを)具体的に検討してもらえるよう、
どの部分でどの程度縮小できるか探る」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110518_7

***
5年後の国体に向けて進めるべき。
5年たっても、イベントが開けないというのでは、はっきり言って情けない。
岩手県が5年でここまで復興したのだという姿を全国に、全世界に示すためにも、
子供たちがスポーツをする夢や目標を持たせるためにも、
ぜひ国体は開催してほしい。

ちなみに、2019年はラグビーのワールドカップが日本で開催されます。
その時に、ラグビーの街・釜石はどうするのでしょうか?
試合会場やキャンプ地として立候補するのでは?
そのためにも、2016年の国体を開くことは世界にも注目されることになります。
叡智を集めて、多くのサポートをいただいて、開催してほしいです!

「柳之御所除外」どう対応 浄土との関連性認められず

(岩手日報 5月8日)

「平泉の文化遺産」に対し、国際記念物遺跡会議(イコモス)は、
「登録」勧告の条件として、柳之御所遺跡の除外を示した。

コンセプトと構成資産との直接的な関連性が必要とする
イコモスの姿勢の表れであり、再挑戦に際し除外された資産の
追加登録に向け、厳しい現実が突き付けられた。

奥州藤原氏の居館で、政治行政上の拠点「平泉館」と
推定されている柳之御所遺跡。
イコモスは、今回「浄土思想との直接的な関連性の点から、
本資産の顕著な普遍的価値の一部を成すものとは認められない

「平泉」は、登録延期となった前回の反省を踏まえ、
今回は「浄土世界」をコンセプトに掲げ、浄土思想に直接的な関連がある
六つに資産を絞り込んで再挑戦。
前回、イコモスから「浄土世界との直接的な関連が薄い」などとの
指摘を受けた奥州市の白鳥舘遺跡、長者ケ原廃寺跡、
平泉町の達谷窟、一関市の骨寺村荘園遺跡を除外、
これらの4資産は追加登録に回った。

今回の6資産のうち、柳之御所遺跡は、中尊寺や毛越寺のように
直接的な浄土世界ではないが、浄土世界を成立させた藤原氏の拠点。
その意味で、同遺跡は4資産の追加登録に向けた試金石。
推薦書では、同遺跡が無量光院などと緊密な位置関係にあるとの
観点も示したが、その論理はイコモスには通じなかった。

世界遺産委員会の行方次第では、柳之御所遺跡が「復活」する
可能性はあるが、勧告通り除外されれば、
追加登録を目指す資産は、「浄土世界」との同時代性や
間接的な関わりといった論理を超えて、
直接的な関わりを証明する論理構成が求められる。

世界遺産に向け大きく前進した「平泉」だが、
前段には多年にわたる発掘調査成果に基づいた平泉研究の蓄積がある。
その契機が、1988年に始まった柳之御所遺跡の大規模発掘調査。

県教委による調査は、今なお続く。
出土した多種多様な遺構・遺物は、浄土世界を成立させた
藤原氏の性格解明のみならず、日本史研究にも大きく寄与。
同遺跡が構成資産から除外されたとしても、着実な調査進展が必要。
その成果が、浄土世界の輝きを一層増すことになる。

◆大矢邦宣・盛岡大教授の話

いい結果が出て、大変うれしい。
被災地の励ましにもなるだろう。
「平泉」が認められたことはもちろんだが、日本人本来の美意識が
認められたともいえよう。

世界遺産といえば、壮大なものというイメージがあるが、
金色堂のように小さなものに対する美意識、自然を生かし大切にする
美意識が日本文化だ。
柳之御所遺跡の除外については、素直に受け止め、
将来的な追加登録に向けて前向きに捉えたい。

◆入間田宣夫・東北芸術工科大教授の話

「平泉」が世界に認められた。歓迎すべき勧告だ。
工藤雅樹先生(推薦書作成委員会委員長、故人)が生きていたら、
どんなに喜んだろう。

柳之御所遺跡は、中尊寺や毛越寺を造営した藤原氏の根拠地であり、
浄土世界の全体をつなぐ上で不可欠な要素と考えていただけに、
除外は非常に残念。
6月の世界遺産委員会に向け、早急に推薦書作成委員会を開き、
今後の対応を議論する必要がある。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110508_7

2011年5月19日木曜日

がれき焼却スタート 太平洋セのキルン稼働

(東海新報 5月18日)

大船渡市の太平洋セメント大船渡工場(安藤國弘工場長)で、
工場内に流れ着いたがれきの焼却処分が始まった。
セメント生産の心臓部であるキルン設備が、震災後初めて稼働。
今後は、市内で撤去されたがれきの受け入れも進める。

同工場では今月9日、施設稼働に必要な高圧電力の送電体制が復旧。
主要地方道より東側の高台に位置し、浸水被害を受けなかった
5号キルンが17日未明から稼働。
工場内に流れ着いた土砂や木材、プラスチック類を投入する
作業が始まった。

キルンは、セメント生産時の中心的な施設で、
石灰石をはじめ各種原料を高温焼成によって混ぜ合わせる。
焼成機能を生かし、これまでも産業廃棄物処分などが行われた実績がある。

工場内では、安全を確認しながら慎重に作業が行われ、
1時間あたり5㌧ほどのがれきが、約800度で焼却処分。

今回の焼成は試行段階だが、今後も24時間体制でキルンを稼働。
工場内には約750㌧のがれきがあり、21日までには全て終えたい。
その後、浸水被害に遭った民有地で撤去を終えた、がれきを受け入れる。

現在、市内各地に設けられた仮置場にがれきが集まり、
すでに5㍍以上の高さに積まれた光景も。
キルンでは、スクラップ業者が引き取る鉄類などは受け入れられないが、
比較的多種類のがれき処分が可能。
ただし、5㌢以下に破砕する作業が必要。

安藤工場長は、「関係機関の協力を得ながら、ここまで来ることができた。
予定通りに復旧が進んでいる。
焼却灰もセメントの原料とすることができるため、
早く他の設備を復旧させて再生産したい」

当面、5号キルンはがれき焼却に専念し、セメント生産は行わない。
焼却を進める間に、1号キルンや護岸部分などの設備復旧を進める。
セメントの再生産は、11月中旬を目標。

http://www.tohkaishimpo.com/

携帯が不通になったのはなぜ?想定外の広域・長期停電が拍車

(産経新聞 5月14日)

「震災後、多くの携帯電話が一時、不通に。
テレビでは、『携帯がつながらず家族と連絡できない』との
悲痛な声の一方、携帯で話す被災者の映像も。
携帯がつながったり、つながらなくなったりしたのはなぜ?」

◆途切れた通話

3月11日、大きな揺れの後、石巻市の伊藤芳栄さん(56)は、
自宅にいて津波で行方不明になった娘の英理奈さん(24)の
携帯電話にかけ続けた。
何度目かにつながり、「逃げて!」と叫んだ。
その直後、ぷつりと通話が途切れた。

「窓を閉めていて、津波に気づかなかったんでしょうか。
もっとちゃんと話せていたら」と悔やむ。

震災後、東北に限らず、多くの地域で携帯電話がつながりにくい状態に。
安否確認などで電話する人が殺到したため、
携帯電話各社が発信規制をしたため。

最大で、NTTドコモは90%、KDDI(au)は95%、
ソフトバンクは70%の発信を規制。
90%なら、同じエリアにいる10人のうち1人しかつながらない状態。

ドコモの担当者は、「回線がパンクすると、消防や警察などへの
優先回線も使えなくなる恐れがあった」と、規制の必要性。

一夜明け、被災地の事態はより深刻化する。
携帯の電波を中継する各社の基地局は、数時間から十数時間もつ
バッテリーを備えているが、長引く停電で軒並みダウン。
「ここまで長い時間停電することはいままでなかった」(ソフトバンク)

震災翌日の3月12日現在で使えなくなった基地局は、
ドコモが6720カ所、KDDIが3680カ所、ソフトバンクが3786カ所。
東北ではドコモが半数、KDDIは3分の2の基地局が機能を停止。

ドコモでは、津波の直撃を受けた基地局は約100カ所、
機能停止の大半が停電による影響。
基地局がダメになっても通常、周辺基地局が電波をカバーするが、
地域一帯の基地局が機能しなくなるという、
想定を超えた広範囲の被害となった。

各社は、非常時に基地局の代わりとなる移動基地局車を
全国各地から東北に向かわせたが、道路の寸断や渋滞に阻まれた。

被災地に着いても、自治体から被害情報が得られず、
待機する状態が続いた。
『何ですぐ配備できないんだ』と歯がゆい思いだった」とKDDI担当者。

◆余震が冷や水

携帯各社は、基地局車に加え、衛星回線でつなぐ装置を投入する
応急措置を進める一方、基地局の復旧に努めた。

大半が復旧しだした4月7日、最大震度6強の余震が襲う。
ドコモで約1200カ所、KDDIで約500カ所の基地局が再びダウン。
余震が続くごとに安否を確認する人で電話が集中、発信規制が再開。
その都度、つながりにくい状況が再現した。

通話がつながりにくかったのに対し、通信状況が比較的
安定していたのがメール。

ドコモが震災直後に、一部で発信規制をした以外は、ほぼ規制はなかった。
音声に比べ、情報量が少なくて済むからだ。
それでも震災直後は、受信が大幅に遅れる現象も出た。

ソフトバンクの担当者は、「道路は正常だが、発信が多く、
車が渋滞しているような状況だった」

福島第1原発周辺や一部の山間部を除いて、
4月末までに各社の基地局はほぼ復旧。

今回の震災を受け、携帯各社では、基地局車や移動電源車、
自家発電機などを増やす方針を打ち出した。

ドコモでは、人口密集地など重要基地局については、
バッテリーを24時間使えるように拡充させる。
ソフトバンクも、バッテリー容量を増やす方針だ。
KDDIでは、東北以北と全国各地域を結ぶ基幹通信網3ルートのうち、
2ルートが使えなくなり、安否を伝える災害用伝言板を含めて
障害が出たため、日本海側にも新たにルートを整備する。

通話に比べ、メール通信が安定していたことから、
ドコモは、声をメールに載せて送るシステムの導入も検討。
ソフトバンクの担当者は、「バッテリーを拡充させても、
電気が復旧しなければ限界がある。
われわれだけの対策ではムリだ」

KDDIでも、「基地局車を何台投入したところで、被災地で迅速に
活動できなければ意味がない。
自治体との連携も含め、災害時の想定を見直す必要がある」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110514-00000573-san-bus_all

***
携帯電話は、震災の時には全く繋がりませんでした。
メールも、ネットもできない状態でした。
スカイプやツィッターが有効だったという報道もありましたが、
それはネットが使える環境の場合。
ネットが使えない以上、これらは機能しませんでした。

規制はある程度は仕方ないとして、
例えば、家族や友達との無料通話設定をしているところだけはOKにするとか、
番号によって使える時間をずらすとか、何か工夫をしてほしい。

震災の廃木材で仮設住宅 チップ化し建設資材に

(岩手日報 5月3日)

岩手大農学部の関野登教授(木質資源工学)と、
県立大盛岡短期大学部の内田信平准教授(建築設計)は、
宮古市の建設業者と連携し、東日本大震災で生じた廃木材を
活用した仮設住宅供給の仕組みづくりを進めている。

廃木材をチップ化して、パネルとして建設資材に活用。
短時間で建設できるのが特長。
被災地では、仮設住宅の早期建設を望む声が強く、
がれき処理や地元企業の雇用創出にもつながる新たな試みとして注目。

建設の仕組みは、自治体が収集した廃木材のうち、
利用できるものをチップ化して木質ボードに加工し、
パネルとして建設資材に活用。

他の建材も、可能な限り本県産や県内業者の加工にこだわった。
建設時間の短さや断熱性能の高さも特長。
使用後に解体・保管し、再利用することも可能。

建設費用は、鉄骨を素材とする一般的な仮設住宅と同等で、
2DK(約30平方メートル)1戸当たり300万円前後。

建築を担うのは、宮古市内の建設業5社。
4日には同市内で試作品2戸を完成させる予定、
関野教授らは作業のスピードや造りやすさなどを検証。

業者は2日、取り組みを県の応急仮設住宅公募供給事業に応募。
採択されれば、5月中旬にも量産に入り、
宮古・下閉伊地区で6月末までに計60戸の供給が可能。

取り組みを通じて、
▽被災者の早期入居
▽雇用創出
▽がれき処理の促進―
などの社会的効果が見込まれ、
▽廃木材利用技術の進展
▽木質仮設住宅の生産性改善
▽仮設住宅の居住性向上―
といった学術的効果も期待。

内田准教授は、「仮設住宅建設に関わる費用は、県内で循環させたい」と
地元業者、県産素材にこだわる意義を説明。
将来的には、同システムを全国に発信していく考え。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110503_11

2011年5月18日水曜日

名古屋市が一関に支援拠点 東大も遠野分室開設

(岩手日報 5月14日)

陸前高田市への行政支援を行っている名古屋市は、
一関市大東町摺沢地区に、職員派遣の拠点となる
「被災地域支援本部」を開設。

東京大(浜田純一総長)も、遠野市の市庁舎西館に、
同大救援・復興支援室遠野分室を開設。
被災地を後方支援する他県の事務所が次々と設置され、
支援態勢は拡大。

【名古屋市】
職員や住民ら約50人が出席、事務所開きが行われ、
河村たかし市長が自ら看板を掲げた。

事務所は、JR大船渡線摺沢駅前に設置。
職員34人が交代で常駐し、住民票交付や総務会計、福祉、土木など
陸前高田市の行政全般を支援。

現地では、事務を完結できないケースもあるあるため、
パソコンを設置し事務機能も持つ。
開設は、来年3月31日までの予定。

河村市長は、「市職員から応援しようという機運が上がった。
まず、産業支援を急ぎたい」と意気込み。
河村市長は、県庁で達増知事と懇談。

【東京大】
救援・復興支援室長の前田正史副学長らが、
及川増徳副市長と看板を設置。
作業スペースも整備され、業務を開始。

分室には、職員1人と補助職員らを常駐。
情報収集や復旧に向けた研究分析など、教職員をサポート。
現地活動の調整役や情報発信などを担う。

前田室長は、「東京大が、災害復旧のための活動拠点を置くのは初めて。
各教員による研究分析や提言などを通じて、
被災地を継続的に支援したい」

及川副市長は、「研究成果を被災地のため、
活用していただけるとありがたい。
遠野市としても活動を支えていく」と期待。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110514_10

高規格道5年で全線開通 県が重点整備目標

(岩手日報 5月13日)

県は、東日本大震災で被災した沿岸部を縦横に走る
三陸縦貫自動車道と東北横断自動車道釜石秋田線などの
高規格幹線道路を、「復興道路」と位置付け、
3年以内の重点整備、5年以内の全線開通を目標とすることを固めた。

13日に開く、県東日本大震災津波復興委員会で公表する
復興ビジョンの主要な柱立ての中で、重点事業として盛り込む方針。

三陸縦貫道は、仙台市から宮古市の沿岸部を走る224km
(県内延長103km)。
被災した各市町村間を、虫食い状態でしか整備が進んでおらず、
本県の開通率は37%と、全線開通の見通しは立っていない。

東北横断道は、釜石市から秋田市に至る212km(同113km)、
本県部分の開通率は40%程度と、
全線開通の目標は示されていなかった。

今回の震災では、両道路は損傷がほとんどなく、
津波襲来時の避難道路やその後の緊急物資の輸送路として有効に機能。
地域住民の避難路としても利用されるなど、大きな効果を発揮した。

県は、復興には両道路など高規格道路のネットワーク化が
必要不可欠と判断。
復興ビジョンの中で、3年程度で取り組む「短期」の事業として、
両道路などの重点整備、「中・長期」の事業には全線開通を盛り込んだ。

事業実施には、地元負担に対する国の財政支援が必要なため、
早期の全線開通に向けて、国に対しても強力に要望する方針。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110513_2

***

三陸縦貫道は、もっと早く完成させるべきだった。
大船渡は、完成していたため、国道45号線が水没して
不通になってしまっても、縦貫道があったため孤立せずに済んだ。
一方、陸前高田は大船渡からの縦貫道が完成していなかったので、
物資や人材などの輸送を、細くてカーブの多い山道を
利用するしかなかった。
今も、この山道を利用する車で渋滞する。
道路の重要性を、もっともっと認識すべきだった。

防潮堤64%が損壊 県内漁港海岸の被害状況

(岩手日報 5月9日)

県は8日、東日本大震災による県内の漁港海岸
(水産庁所管の海岸)の防災施設の被害状況を公表。

防潮堤は、津波のために総延長39・4kmの、
約64%に当たる25・3kmが損壊。
シミュレーションに基づき、防災施設が津波の高さを抑制するなど、
一定の効果を果たしたことを説明。

漁港海岸の防災施設被害は、第2回県津波防災技術専門委
(委員長・堺茂樹岩手大工学部長、委員8人)で、県が提示。

被害が顕著だった山田町の船越漁港海岸の防潮堤は、
浦の浜、船越南両地区で計510m、田の浜地区で計230mが全壊。
大船渡市の越喜来地区の3海岸では計600m、
大槌町の吉里吉里漁港海岸では計240mが全壊。

被災のメカニズムも示され、押し波による破損や陸側への倒壊に加え、
防潮堤を越えた津波の引き波によって、
基礎部分の盛り土が浸食され、海側に倒壊したケースも。
水門は142基中52基、門扉は331基のうち137基で被害が確認。

県は、防災施設の有無による津波の最大水位と流速、到着時間を
比較したシミュレーション結果を公表。

宮古市の田老地区は、防災施設有りの場合が堤防背後の最大水位で
3・1m低く、津波の到着時間も7分遅かった。

委員は、今回のシミュレーションで対象となった沿岸9地点について、
防潮堤などに一定の効果があったと判断。
詳細な検討に必要なデータを加え、
今後追加の計算をしていくことを県に求めた。

次回は23日に開催予定。
同専門委は、県復興委が6月上旬までにまとめる
復興ビジョンの素案に議論を反映させる。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110509_3

2011年5月17日火曜日

SW支援へ「スクラム」 新日鉄釜石OBら結成

(岩手日報 5月5日)

東日本大震災で大きな被害を受けた釜石市を本拠地とする
社会人ラグビーの釜石シーウェイブスRFCを支援する組織
「スクラム釜石」が4日、発足。

チームの前身、新日鉄釜石のOBらが結束。
サポーター会員の拡大を図り、シーウェイブスの支援を通じて、
被災地の復興を後押し。

設立記者会見は、東京・丸の内で開かれた。
ともに元日本代表で、スタンドオフとして活躍した
松尾雄治さん(57)がキャプテンに、
プロップとしてチームを支えた石山次郎さん(53)が代表に就任。

松尾さんは、「日本選手権7連覇を達成できたのは、
皆さんの心からの応援があったから。
今後も、チームと街の人が良い関係を保っていけるよう支援する

石山さんは、「チームが勝てば、釜石が活気づき、
それが岩手や東北全体の元気につながるだろう。
側面から継続して支援していく」

「スクラム釜石」は、OBやラグビーファン約20人で発足。
チームの運営資金不足が見込まれるため、
1万人のサポーター会員登録を目標に掲げ、
首都圏の試合会場などで活動を展開。
ラグビー教室など、普及活動にも協力する。

シーウェイブスの高橋善幸ゼネラルマネジャーは、
「新日鉄釜石時代から、継続してチームを応援している人が多いので、
スクラム釜石の活動は心強い」と感謝。

「スクラム釜石」の問い合わせは、
事務局の電子メール(scrumkamaishi@gmail.com)へ。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110505_2

被災地で先進的モデルを 医療、介護を一体化

(2011年5月13日 共同通信社)

厚生労働省の社会保障制度改革案は、
東日本大震災の復興について、医療機関や福祉施設、保育所などが
大きな被害を受けた被災地で、今後の社会保障の先進的モデルとなる
地域社会を構築するよう提唱。

同省案では、医療や介護サービスを円滑に受けられ、
高齢者の単身世帯でも安心して生活できる地域として再生することが
重要だとし、「安心して暮らせる地域社会」のモデルを示すべき。

具体的には、医療や介護などが日常の生活圏で一体的に受けられる
「地域包括ケアシステム」の導入を提言。
地域間で連携が図れるようなモデルケースをつくり、
医療機関のネットワーク構築も提起。

今後の街づくりで、福祉施設などの災害弱者が利用する施設は、
優先して安全な場所につくっていくことが必要だと強調。
自然エネルギーの積極的な導入のほか、
被災者の雇用創出に配慮するよう求めた。
役場などを再建する際、介護サービスなどの拠点を
併設することを提案。

厚労省案では当初、東日本大震災に関する部分に、
「国家財政のさらなる悪化」などの表現があったが、
民主党サイドから待ったがかかり、削除。
「震災に乗じた消費税率の引き上げを連想させるのを懸念した」
(厚労省幹部)とみられる。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/5/13/136453/

国体の「縮小」試算へ 県説明会で市町村は開催に賛否

(岩手日報 5月10日)

県は、2016年の岩手国体を「開催困難」とした方針について、
市町村に対する説明を開始。

開催に多くの人員や多額の経費が掛かる現実を訴える県側に、
自治体からは、「早期復興が第一」と理解を示す声がある一方、
「規模縮小も模索すべきだ」と開催を望む意見も。

県は、縮小開催した場合のシミュレーションも行う方針を明らかにし、
「時間をかけて協議をする」との考え。
県国体推進課の西村豊総括課長らが盛岡、北上、一関、平泉の
4市町を訪問。

開催した場合、前年から100人を超える人員が必要で、
施設整備費と運営費で、約118億円の県負担が見込まれる
自治体別の経費も示し、盛岡、北上両市は、
県内最多の22億円が必要との見通し。

これに対し、受け止めはさまざまだ。
一関市の千葉一夫体育課長は、
「市として沿岸の後方支援に力を入れており、早期復興が第一。
開催するなら、復興後にきちんとした形で開くべきだ」と県方針に賛同。
正式競技のない平泉町の斎藤清寿教育次長も、
「方針に反対する立場にない。県の内情は分かった」と理解。

主会場地となっている北上市の高橋守教育次長らは、
市長の開催への強い意向を伝え、「工夫は必要だろうが、
開催に向けて頑張ってほしい。
知事と首長の意見交換の場も持ってほしい」と要望。

盛岡市の千葉仁一教育長は、
「今回の説明は、正規の規模で開催する場合の例だ。
規模縮小や施設基準の見直しなど、さまざまな方法を模索してほしい」
と再考を求めた。

終了後、西村総括課長は、「さまざまな意見があるのは理解した。
自治体側の要請に沿って、規模を縮小した場合などを想定した
シミュレーションも行いたい」

「莫大な復興予算が必要という事情は理解してほしい。
時間をかけて丁寧に説明する」

県は、17日まで全市町村で方針を説明。
競技団体の意向も聞きながら、対応を検討する。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110510_1

2011年5月16日月曜日

「平泉」世界遺産へ イコモスが「登録」勧告

(岩手日報 5月7日)

国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関、
国際記念物遺跡会議(イコモス・本部パリ)は7日早朝(日本時間)、
世界遺産登録に再挑戦する「平泉の文化遺産」について、
柳之御所遺跡を構成資産から除外することを条件に、
「登録」とするよう勧告。

イコモスの評価は、世界遺産委員会に大きな影響力を持つため、
「平泉」の世界遺産入りはほぼ確実。
正式な登録可否は、6月にパリで開かれる
第35回世界遺産委員会で決まる。

イコモスの勧告は、
▽登録
▽情報照会
▽登録延期
▽不登録―の4段階。

平泉は、「登録」という最も高い評価を受けた。
最終関門となる第35回世界遺産委員会は6月19~29日、
フランスのパリで開催。
委員国21カ国による審議で、登録の可否が決まる。

「平泉の文化遺産」は2001年、世界遺産暫定リストに登載。
08年の前回は、イコモスが「登録延期」を勧告。
逆転登録を目指したが、同年の世界遺産委員会でも評価は覆らなかった。
日本の世界遺産候補で、「登録延期」となったのは平泉が初めて。

これまで登録された日本の世界遺産数は、
14件(文化遺産11件、自然遺産3件)。
平泉が登録されれば、15件目となり、
文化遺産としては北海道・東北で初。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110507_4

釜石SWが本格始動 「ラグビーで元気を」

(岩手日報 5月4日)

社会人ラグビーの釜石シーウェイブスRFCは3日、
釜石市松倉グラウンドで、5日までのミニ合宿に入り、本格始動。

東日本大震災で、大きな被害を受けた同市。
チームは犠牲者こそいなかったが、自宅を流されたり、
職場が被災した選手がいる。
何よりクラブを支えてくれた多くの市民が、
悲しみと絶望のふちに追いやられた。
今こそラグビーで元気を。
「北の鉄人」の決意のシーズンが幕を開けた。

松倉に、ラグビーが戻ってきた。
鮮やかな緑の芝を大男たちが駆ける。
久々の楕円球の感触に、笑みがこぼれる。
駆けつけたサポーターは、大漁旗を力いっぱい振って鼓舞。
初日から午前、午後の2部練習でみっちりと汗を流した。

フッカー小野寺政人選手(27)は、
「(久々の練習で)足がついていかなかった」と苦笑い。
2月に入居したアパートが流されたが、
「もっとつらい境遇の人がたくさんいる。
震災を言い訳にせず、結果を出す

大槌町出身のロック三浦健博選手(34)は、
決して諦めず、最後までボールを追いかける、
そんなプレーで見る人を勇気づけたい」と誓った。

冬場の体力づくりを進めていたチームは、震災で活動を中断。
ボランティアで救援物資の積み降ろしをしたり、
子どもたちとタグラグビーをしたりと、
自分たちにできることをやってきた。

市内は、震災の爪痕が色濃く残る。
高橋善幸ゼネラルマネジャー(46)は、再開すべきか悩んだが、
ラグビーを通じ、釜石に元気と勇気と希望を与えるのが
使命だと思った」と力を込める。

年間約7千万円で運営してきたチームは、
スポンサーの被災で、2千万~3千万円減収する見通し。
前身の新日鉄釜石が、日本選手権7連覇を果たすなど、
ラグビー史にその名を刻む釜石。
感動を与えられてきた全国のファンは放っておかなかった。

義援金が、既に800万円以上寄せられ、
新日鉄釜石OBが首都圏でサポーター拡大に取り組む動きも。
複数の強豪から、「釜石に出向いて試合をしたい」と、
強化面でもありがたい申し出が相次いだ。

サポーターも、今まで以上の熱い声援で支える覚悟だ。
同市の歯科医福成和幸さん(64)は、
「前へ前へと進むプレーで、市民に元気を与えてほしい」

2001年4月のクラブ化から丸10年。
新たな物語のホイッスルは鳴った。
地域と歩んできたラガーマンたちは、被災者の思いを胸に刻み、
悲願のトップリーグ昇格へトライする。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110504_1

***
スポーツは、街や社会を明るくさせ、活気を与えてくれます。
今こそ、地域に支えられてきた恩を返すべき。
スポーツは、多くの人に支えられて存在するもの。
私も、釜石SWのサポーターとして、今シーズンの活躍を期待します!!

税と社会保障 未成年の医療費軽減 中学生以下1割、世代負担を平準化 民主党素案

(2011年5月12日 毎日新聞社)

政府の税と社会保障の一体改革に関し、民主党の
「社会保障と税の抜本改革調査会」(会長・仙谷由人官房副長官)が
まとめた医療・介護制度改革素案の全容。

現役・高齢世代の負担を公平に近づけるため、
中学生以下の医療費の窓口負担割合を1割とするなど、
原則2~3割の未成年の負担軽減を図る。

支払額に上限を設けている高額療養費制度を、
難病患者ら長期療養者向けに拡充する方針を打ち出し、
財源として、一般外来患者の窓口負担に一定額を上乗せする
「受診時定額負担制度」の導入も検討。

民主党は、素案を近く政府の「社会保障改革に関する集中検討会議」
(議長・菅直人首相)に提案。
同会議が、5月末にまとめる社会保障改革案に反映させる。

素案では、高齢者に偏りがちとされる社会保障給付に関し、
「若者や現役世代に、過度に依存する状態から脱却しなければならない」

医療費の自己負担割合(現行は原則▽0歳~小学校就学前2割
▽小学生~69歳3割▽70~74歳2割▽75歳以上1割)の見直しを明記、
中学生以下を1割、20歳未満は2割へ引き下げる一方、
軽減措置によって1割に抑えている70~74歳は、
本来の2割に戻すと例示。

世帯単位の支払額を抑えるため、
医療・介護や子育て費用の合計額に上限を設ける仕組みも検討。
医療費の窓口負担が上限を超えた場合、
企業の健康保険組合などから上限超過分の払い戻しを受ける
高額療養費制度については、長期療養が必要な患者への払戻額を
増やす案などを検討。

外来の窓口負担に一定額を加算する制度をセットで導入し、財源とする。
上乗せ額は、一律100円程度を想定。

介護保険制度では、40歳未満にも保険料負担を求めることを検討。
市町村の国民健康保険への加入が多い非正規労働者にも、
被用者保険を適用することも盛り込んだ。


◆税と社会保障:民主の医療・介護改革素案(要旨)

1<改革の必要性>

我が国の「皆保険」は、将来にわたって維持しなければならないが、
その土台が揺らぎ始めている。
国民全体が医療や介護の実態を正しく理解し、過剰サービスは享受せず、
若者や現役世代に過度に依存する状態から脱却しなければならない。

2<改革の方向性>

1、精神科医療、予防医療など(自公政権時代の)社会保障国民会議で
検討が不十分と思われる項目について、2025年を見据えた検討を加える。

2、地域に必要な医療・介護従事者の確保と調整のスキームを検討する。

3、包括的な医療・介護連携のための機能分化とネットワーク構築を進める。

4、5(略)

3<具体的内容>

▽比較的高額で長期にわたる療養を必要とする場合、
保険者の機能として負担軽減策を講じる。
この機能を高めるため、受診時定額負担制度の導入についても検討。

▽給付費に占める税の負担割合を高める方策を検討。

▽医療保険の自己負担割合の見直しを検討。
義務教育終了まで1割、20歳未満2割、20~69歳3割、
70~74歳2割、75歳以上1割等。

▽医療・介護の自己負担を含め、社会保障負担の世帯合算に上限を設ける。

▽介護施設における給付の公平化を図るとともに、
介護保険の2号被保険者の年齢を引き下げることを検討。

▽長く健康を保った場合、保険料上のインセンティブを考慮。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/5/12/136425/

2011年5月15日日曜日

避難所の被災者、不眠症訴え平時の4分の1 多忙・遠慮で潜在か

(2011年5月10日 毎日新聞社)

東日本大震災の避難所で過ごす就労年代の被災者を診察した
医師らが、不眠症患者の数をまとめたところ、
一般の健康診断時の4分の1前後という結果が相次いで出た。

医師らは、極度の緊張を強いられる避難所生活にしては
低すぎる数値で、復旧作業に追われ診察を受ける余裕がないことや
「遠慮」が主因と分析。
医師自らが進んでケアに当たる、「予防的回診」が大切だと訴えている。

独立行政法人「労働者健康福祉機構」(川崎市)が09年4~6月、
健康診断に伴い18~65歳の約2600人を調べた際、
不眠症患者は16%。

同機構の医療チームが3月25日~4月11日、岩手、宮城両県の
15避難所で18~65歳の計97人を診察、
不眠を訴えたのはわずか4人。
国立国際医療研究センターが、3月22日~4月21日、
宮城県東松島市の避難所で診た20~50代の324人も、
不眠症は3%。

同機構が被災者に理由を尋ねると、不眠が続いても、
「受診する時間がない」、「避難所で眠れないのは仕方ない。
医者への相談は気がひける」と話した人も。

労働者健康福祉機構の医療チームが先月27、28両日、
仙台市若林区の避難所で行った回診に同行。

「我慢するつもりだった」。
気丈に振る舞う被災者の姿が目に焼き付いた。
27日午前、約30人が生活する公共施設の会議室。
無職の佐藤征一さん(67)は、「毎夜目が覚める。
元々血圧が高かったが、津波で家を流され、
1カ月以上も降圧剤を飲んでいない」

血圧はやはり高く、今回は薬を処方された。
別の公共施設の会議室で食事していた男性(60)は、
警備の仕事を失い、ハローワークに通う毎日。
ストレス障害と診断、昼寝の励行を勧められた。

小学校に避難中の不眠症の主婦(60)は、
最高血圧が180以上。
「以前は血圧が低く、大丈夫だと思ったんだけど……」

チームの精神科医、小山文彦さん(49)は、
「被災者には、医療者側から手を差し伸べることが必要だと実感」

夏目誠・大阪樟蔭女子大教授(ストレス科学)は、
勤労世代は、周囲の期待などから我慢して
診察を受けていないのではないか。
潜在的な病を掘り起こす必要がある」と指摘。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/5/10/136340/

タンパク移植し骨再生 名古屋大、ラットで成功

(2011年5月10日 共同通信社)

骨などのもとになる「間葉系幹細胞」の培養液に含まれる
タンパク質を寒天に混ぜ移植することで、
ラットの頭の骨を再生させたとする研究結果を、
名古屋大の上田実教授(顎顔面外科学)らがまとめた。

上田教授によると、骨の再生医療では幹細胞そのものの移植が
必要とされており、それを覆す成果。
上田教授は、「細胞移植で問題となる腫瘍化のリスクが減り、
治療にかかるコストも100分の1以下にできるかもしれない」
日本炎症・再生医学会で発表。

研究グループは、人間の骨髄から採取した間葉系幹細胞の培養液を
凍結乾燥させ、細胞の機能を調節するタンパク質「サイトカイン」を
含む粉末を作製。

粉末を水に溶かして寒天に混ぜ、ラットの頭の骨に開けた
直径5mmの穴に移植。
8週間後には、ラット数十匹すべてで骨が再生し、
中には完全に穴がふさがったものもあった。

移植した部分に全身から間葉系幹細胞が集まり、骨が再生していた。
寒天の代わりに、骨の成分であるコラーゲンを使うと、
より短期間で再生した。
乾燥させた培養液に再生効果があったことから、
「製剤化も容易」(上田教授)。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/5/10/136318/

医療、介護改革で社会保障支出増の抑制策が優先課題

(2011年5月11日 WIC REPORT(厚生政策情報センター))

OECD(経済協力開発機構)は、OECD対日審査報告書2011年版を公表。
OECDは、ヨーロッパ諸国、アメリカをはじめ先進34ヵ国によって
国際経済について協議する機関。
OECD経済開発検討委員会は、加盟国の経済・社会情勢を調査し、
毎年報告書として出版。
今回は、その日本版が公表。

日本の経済状況および政策について、2011年3月7日に委員会によって審査、
同4月15日に承認。
3月11日に発生した東日本大震災を踏まえ、
その影響を考慮した経済見通しなどを展開。

社会保障に関しては、高齢化および医療・介護の質を
向上させるため、国の社会保障費は、今後10年間にわたり、
対GDP比で2%程度増加
すると見込まれること、
社会保障基金の収支が、2009年度には対GDP比で
1.5%程度の赤字に達していることなどの背景から、
「安定的財源の確保など、財政運営戦略の基本ルールを守ることが重要」
「医療、介護分野における改革などを通じた社会保障支出の
増加抑制策が優先事項
となる」と分析。

(1)介護サービスをより厳密に監視し、
病院から適切な介護施設へのシフトを促す、
(2)病院が効率性を高める動機づけのため、診療報酬を疾病ごとに
設定する診断群分類の改革により、支払方式の改善を図る、
(3)後発医薬品を報酬支払の基準とすることで、利用を拡大する、
(4)専門医による不必要な診断を減らすため、ゲート・キーパー制を導入する-
の4点を社会保障支出の増加抑制策として挙げている。

OECD対日審査報告書2011年版(4/21)
http://www.m3.com/tools/Document/WIC/pdf/201105_2/1534_1_1.pdf

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/5/11/136400/

2011年5月14日土曜日

バイオ燃料を本格生産へ いわて生協

(岩手日報 5月14日)

いわて生協(滝沢村、飯塚明彦理事長)は、
2011年度からバイオディーゼル燃料の使用や精製に本格的に取り組む。

原料の廃食油の回収を家庭にも拡大し、
本年度は7万Lの精製を目指す。
東日本大震災では、ガソリンや軽油不足となったが、
同燃料が威力を発揮。
CO2排出削減だけでなく、ガソリンなど化石燃料不足への対応、
福祉施設などへの精製委託による経済効果も期待できそうだ。

いわて生協は、地球温暖化対策として06年、同燃料の使用を開始。
09年から、店舗の総菜部門の廃食油を原料に、
自前施設での精製に切り替えた。

本年度は、500mL入りペットボトルで組合員からの回収を開始し、
4月30日までに116Lを回収。
空いたペットボトルは、太平洋セメントや新日鉄釜石で燃料利用する。

震災直後、ガソリンや軽油などの燃料が不足。
同生協は、県内の精製施設のほか、全国の生協から提供された
同燃料によって、被災地におにぎりなどの支援物資を配送し、
炊き出しや移動販売にも大きな力を発揮した。

本年度は、家庭から8万Lを回収。
盛岡市や遠野市、陸前高田市などの5福祉施設にも委託し、
7万Lを精製する計画。
いわて生協での使用量は3万Lと、前年度より倍増。
30台の車両用燃料として使う予定。

燃費は軽油と同じだが、CO2排出量はゼロとみなされるため、
本年度は約80トンのCO2を削減。
各施設は、精製した燃料を独自に販売することで、収入増も期待。

いわて生協環境事業推進室の岡村治室長は、
「廃棄物が資源に活用できる。
回収システムを軌道に乗せたい」と意気込む。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110514_9

ハイブリッド人工神経が傷治す…マウス実験成功

(2011年5月10日 読売新聞)

様々な組織の細胞に変化できるiPS細胞(新型万能細胞)と、
高分子化合物製のチューブとを組み合わせた
「ハイブリッド(複合)型人工神経」で、マウスの脚の神経線維を
再生させることに、大阪市立大の中村博亮教授と
奈良県立医科大の筏義人教授らが成功。

けがや病気で傷ついた手足の神経の新たな治療法として期待。

手術用縫合糸の材料になる高分子化合物を加工、
表面は頑丈で内側はスポンジ状の2層構造のチューブ(直径2mm)を作製。
スポンジ層に、マウスのiPS細胞から作った神経系細胞を染み込ませた。

後ろ脚の神経が5mm欠損したマウスに、この人工神経を移植したところ、
3か月後には生活にほとんど影響がないまでに、
歩行能力が改善した。

スポンジ層に神経系細胞を染み込ませなかった場合、
回復しにくく、何も移植しないと脚がまひしたまま。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/5/10/136330/

[人口動態] 日本のこどもの割合は13.2%、諸外国の中で最低水準

(2011年5月9日 WIC REPORT(厚生政策情報センター))

総務省は5月2日、「我が国のこどもの数-『こどもの日』にちなんで-」を公表。
これは、各種統計資料から日本のこどもの数(15歳未満人口)について
推計したもの。

本推計によると、平成23年4月1日現在のこどもの数は、
前年比9万人減の1693万人、昭和57年から30年連続の減少、
過去最低となった。

総人口に占めるこどもの割合は、前年比0.1ポイント低下の13.2%、
昭和50年から37年連続して低下。

こどもの割合を諸外国と比較、
上位は、ナイジェリア44.3%、エチオピア42.8%、パキスタン41.6%と、
4割を超えているのに対し、日本は13.2%で、最も低い水準。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/5/9/136289/

全仮設住宅群に診療所 医師、看護師ら千人応援 地域医療「空白」埋める

(2011年5月9日 共同通信社)

厚生労働省は、東日本大震災で甚大な被害を受けた
岩手、宮城、福島の3県に建設する仮設住宅群すべてに原則、
仮設の診療所を整備する方針。

診療に当たる医師や看護師らも、被災地だけでは足りないことから、
日本医師会などに中・長期の派遣を要請。
常時、千人程度の応援を送り込む。

震災で、被災地の地域医療は大きな被害を受けた。
もともと医療過疎地だっただけに、再建には数年以上かかるとみられ、
仮設診療所での医療支援で、「空白を埋める」(厚労省幹部)のが狙い。

避難生活の長期化で、避難所では体調を崩す高齢者が増加、
深夜に肺炎などで救急搬送される例も少なくない。
仮設診療所では、風邪から高血圧症の治療など、
地域の診療所で受けられるような初期医療を提供、
感染症予防にも当たる計画。

阪神大震災の際、十数カ所で仮設診療所が設けられたが、
地域医療が徐々に回復したため、
医療支援は医師や保健師の巡回が中心。

厚労省では、近くに病院や診療所があるケース以外は、
仮設住宅群に診療所を設置。
近所に診療所があっても、大規模な仮設住宅群には診療所を設け、
すべての入居者が診療を受けられるようにする。

厚労省は、第1次補正予算で、被災地への仮設診療所約30カ所の
建設費として約10億円を計上、
避難所周辺への設置が中心で、仮設住宅への本格的な整備は
第2次補正予算からになる見通し。

被災3県には、日本医師会の災害医療チーム(JMAT)や
日本赤十字社の応援医師、看護師、保健師ら約1100人が展開。
厚労省では、「今後数年は、現在の応援人員ぐらいは必要」

※仮設診療所

大規模災害により、地域の医療機関が被災した際、
医師や看護師らが常駐、住民に初期医療を提供する施設。
プレハブ造りが主流だが、組み立て式のものもある。
阪神大震災時にも、仮設住宅に併設。
東日本大震災で厚生労働省が計画しているのは、
エックス線などの検査室なども備えた本格的なもので、
1カ所につき3千万~4千万円程度の費用が必要。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/5/9/136246/

2011年5月13日金曜日

ジャンパー膝予防へ冊子 埼玉・熊谷のスポーツ医らが執筆 「安心してバレーを」

(2011年5月3日 毎日新聞社)

バレーボール選手に多い故障の一つで、ジャンプのしすぎによる
膝の痛み「ジャンパー膝」の予防と治療に関する冊子を、
県バレーボール協会医科学委員会がまとめた。

競技やトレーニング時だけでなく、日常生活での注意点などにも触れ、
12カ条にわたって分かりやすく解説。
同委員会は、「ジャンパー膝への知識を深め、
安心してバレーを楽しんでほしい」

3月末に発刊された
バレーボール ジャンパー膝の予防・治療ガイドライン」。

執筆の中心となったのは、藤間病院(熊谷市)などを運営する
医療法人「藤和会」理事長の医師で、同委員会の萎沢利行委員長。

東京慈恵会医科大時代は、セッターとして活躍。
整形外科・スポーツ医学が専門で、07年に同委員会設立と同時に
委員長に就任。

1982年、同病院で勤務以降、ジャンプ膝を訴えて
県北地域の小学生から大学生まで数多く訪れることに驚き、
2年前に協会に所属する7~60歳以上の2453人にアンケートを実施。
男性の3人に1人、女性の4人に1人がジャンパー膝で
苦しんだ経験のあることが分かった。

冊子は予防編6カ条、故障後のケア編6カ条から構成。
予防編では、競技中の体の使い方やストレッチの方法だけでなく、
心身の働きを高める睡眠や食事の取り方、疲労回復の方法など、
日ごろの生活での留意点まで紹介。

ケア編では、体を動かしながら治す運動療法や再発予防の
トレーニング方法などを、かみくだいて説明。
カラー写真をふんだんに取り入れ、見やすさにも気を配った。

萎沢委員長は、「ジャンパー膝は、慢性化しやすく悩んでいる人は多い。
この冊子で痛みを抑え、長くバレーを続けることに役立ててほしい」との願い。

A5判、49ページで500円(税込み)。
申し込み・問い合わせは、藤間病院(電話048・522・0600)。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/5/6/136123/

医療の疑問にやさしく答える 患者力トレーニング 美しく長く… 福岡・患者塾

(2011年5月3日 毎日新聞社)

キャンディーズのスーちゃんが、55歳の若さでこの世を去った。
「普通の女の子になりたくて」、キャンディーズが解散したのが昭和53年。
視聴率という数字だけで評価される世界に絶望して、
放送の仕事をやめ、僕が医学部に再入学したのも昭和53年。

スーちゃんは女優として復帰。
僕も、数字以外で評価される道がきっとあると考え直し、
ホームドクターとしてテレビに出るように。
スーちゃんには、ファンとして特別な思いがある。
女優として、もっともっとがんばってほしかった。
くやしいと言う思いが、時間の経過と共に募って行く。

ちゃんと検診を受けていれば、おそらくこんなことには
ならなかったのではないか。
きっと仕事が忙しかったりさまざま事情で、
乳がんを早期に発見することができなかったのでしょう。
その事情を知る術は、僕たちにはない。

この患者塾でも、乳がん検診を受けてほしい、と何度も訴えて来た。
30歳~64歳の女性のがん死亡原因の第一位は、乳がん。
僕の知人の女性で、若くして世を去った人の多くは乳がん。
そんな話をすると、かなりの女性が乳がん検診を受けてくれる。

継続して受け続けてくれる人は多くない。
「あんな痛い検査はもういい」、
「要精密検査と言われ、精密検査を受けるが、
経過観察のままで数年がたち、中途半端な状態に耐えれない」という理由。

それぞれの理由は十分に理解できる。
安全のためには、手間暇やお金や多少の痛みと言う代償がどうしても必要。

近くPEMと言う新しい乳がん検査の器械が、日本でも使えるようになる。
マンモグラフィー程は痛くなく、5mm以下のしこりでも見つかり、
しこりを触れない乳がんも発見可能。

それぞれの女性にそれぞれの思いがあるが、
多少の心と体の痛みと、費用と時間という代償を払ってでも、
美しく長く生きる道の方を選んでほしい。
…………………………………………………………………………………
◇相談室

Q・ずっと咳が続いている

咳がずっと続いている。
近くの先生にみてもらったら、「がんの可能性もないし結核でもない。
おそらく咳喘息だ」と、アドエアと言う喘息の吸入薬を処方。
それでもほとんど改善しない。
何か変な病気ではないかと心配。福岡市中央区、38歳、女性

A・アレルギー性咽喉頭炎の可能性も

かぜが治った後2週間くらい咳がつづく場合、咳喘息を疑う。
喘鳴ではなく、咳が主な症状の喘息で、気管支拡張剤で改善。
咳喘息は、昼間より床に入ってからの方が症状が激しいのも特徴。

この人の場合、夜昼問わず咳が出て、かぜが引き金と言う訳でもない。
肺の感染症や腫瘍、喘息の可能性が低く、
心臓や食道の病気などの可能性もなければ、
一番考えられるのは「アレルギー性咽喉頭炎」

喘息の薬が効かないことを、今かかっている先生に伝え、もう一度相談して。
アレルギーの薬を新たに処方するか、耳鼻咽喉科の先生を紹介してくれる。

Q・白内障と緑内障。手術の順番は

糖尿病で網膜症のチェックのため、眼科に通っているが、
白内障と緑内障の両方があると言われた。
手術が必要と言われているが、順番はどちらが先がいいのか?
かかりつけの先生は、「白内障かな?」と。北九州市小倉南区、72歳、男性

A・両方同時に手術することも

白内障も緑内障も、加齢とともに進行するため、
両方を併せ持つことは珍しくない。
白内障は、水晶体が濁るために見えにくくなる病気。
緑内障は、眼圧が上がるために、視神経を圧迫して
視野が狭くなるなどの症状が出る。

緑内障が軽く、手術がまだ必要でない場合、
白内障の手術を優先する。
緑内障が手術が必要な状態だったり、白内障の術後に
眼圧が上がる可能性のある場合などは、
両方同時に手術することがある。

この人の場合、糖尿病もあり、内科医と眼科医で緊密な連絡をとって、
熟練した眼科医に手術してもらう必要がある。
納得行くまで相談して。
……………………………………………………………………………
回答まとめ・小野村健太郎さん

質問は事務局へ
〒807-0111 福岡県芦屋町白浜町2の10「おのむら医院」内
電話093・222・1234 FAX093・222・1235

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/5/6/136118/

2011年5月12日木曜日

タイから福島に医療チーム 避難所で感染症予防活動へ

(2011年5月6日 共同通信社)

東日本大震災で被災した福島県に派遣される
タイの災害医療支援チームの結成式が、
バンコクの日本大使公邸で行われた。

医師と看護師の2人で構成するチーム2組が、
福島県立医科大と協力し避難所を巡回、
子どもの感染症予防の活動を行う。

外国からの医療チームの派遣は、
イスラエル、ヨルダンに続いて3カ国目。

第1陣として、7日に出発するナリット医師は、
「友人である日本人を支援できるのは光栄で、
できる限り役に立ちたい」

小島誠二駐タイ大使は、「困難な状況に立ち向かい、
日本を助けてくれることに感謝する。
避難所の子どもたちに明るい光が届けられることになるだろう」

今後、避難所で子どもの感染症のリスクが高まると見込まれ、
日本政府側が海外の医療チームの派遣を要請、タイ政府が受け入れた。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/5/6/136159/

こころの体温計 「心の健康診断」、神奈川・平塚市の自殺防止サイトで細分化

(2011年5月3日 毎日新聞社)

平塚市は、自殺防止対策で昨春導入したインターネットによる
メンタルヘルスチェック機能「こころの体温計」
https://fishbowlindex.jp/hiratsuka/)に、
先月から新たに「赤ちゃんママモード」と「家族モード」を加え、
「心の健康診断」を細分化した。

赤ちゃんママモードは、慣れない授乳などで、
睡眠不足が重なり、心身のバランスを崩しやすい出産後の女性が対象。

「明るく楽しい気分で過ごせた」、
「日常生活の中で興味のあることがたくさんあった」など5項目について、
「半分以上」、「ほんのたまに」などの6段階の中から、
自分に当てはまる状況をチェックすると、
「少しお疲れ気味ですね」など、四つの判定が出る仕組み。

赤ちゃんを抱く女性の表情が朗らかだったり、
涙を流すなどしているイラストとともに表示される。

家族モードは、家族や職場など「本人」の近くにいる人たちが
チェックする仕組み。
周囲の人たちがアドバイスなどを考えることができる。

昨年4月から、同市が始めた「本人モード」は、
1年間で5万8305件の利用があった。
同市くらし安全課は、「心の健康は目に見えないので、
知らないうちに悪化していることもある。
今回は、『産後うつ』などをチェックできる分野を増やしたので、
気楽に利用してほしい」と呼びかけている。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/5/6/136120/

2011年5月11日水曜日

政府の復興構想会議が視察 五百旗頭議長、「サポートしていきたい」

(東海新報 5月8日)

政府の「東日本大震災復興構想会議」の
五百旗頭真議長(防衛大学校長)らメンバーが7日、
大船渡、陸前高田の両市を現地視察。

地元の両市長は、津波浸水地域に対する公的資金による補償や
国の一時買い上げなどを要望。
被災状況を聞き、惨状を目の当たりにした五百旗頭議長は、
「今の時代は、人智を尽くせばできることがいろいろある。
素晴らしい街を立派に再建することが、日本社会に求められている。
復興会議としても、しっかりサポートしていきたい」、
何を緊急にやるかを詰め、6月中に第1次提言を行い、
復興に向けた指針策定のための全体像を答申する。

視察は、委員の河田惠昭(関西大学社会安全学部長・教授)、
高成田亨(仙台大学教授)、中鉢良治(ソニー㈱代表執行役副会長)を
含む4氏が訪れた。

県庁で達増知事と会談後、大船渡市役所に到着し、
戸田公明市長と意見交換。
戸田市長は、浸水地域の市民の所有地を公的資金で補償を求め、
漁業者への国家支援と持続可能な漁業、
被災企業や個人事業者への支援、
第2次補正予算のスピード成立の4項目を要望。

五百旗頭議長は、戸田市長が提言した持続可能な漁業について
詳しく訪ね、河田委員が崩壊した大船渡湾口防波堤について、
「湾口防波堤を無くすより、大きく整備拡充するのがいいのでは」と言及。
同市長は、「今後も何度となくやってくる中小の津波に、
湾口防波堤と防潮堤で十分対応できる。
大きな津波に対しては、浸水地域に人が住むのをやめるようにしたい」

河田委員によると、大船渡湾口防波堤は世界で初めての湾口防波堤で、
今回の大津波でも下部は残っている。
戸田市長は、「人が死なない、家が流されないまちづくりが一番大切
一行は、大船渡中の避難所から津波浸水地域を視察。

陸前高田市災害対策本部では、戸羽太市長と意見交換し、
高田松原周辺を視察。
同市長は、三陸縦貫道の早期全線整備はじめ、
津波浸水区域の国による一時買い上げ、住宅ローン支払い中に
新築する場合の二重ローン対策、自営業者(商店主など)への
失業補償について要望。

復興構想会議は、被災地域の復興に向けた指針策定のための
復興構想について、内閣総理大臣の諮問に基づき、
審議を行うために先月設置。
有識者15人で構成、達増知事もメンバー。

各メンバーは今月2日から福島、宮城、岩手を順次視察。
五百旗頭議長が、「これほどの凄まじさとは。
特に陸前高田市の場合は、この世の姿とは思えない惨状。
古い時代には高台に逃げるというほかなかったが、
今の時代には高台移転や堅牢な建物を建てるなど、
人智を尽くせばできることがいろいろある。
素晴らしい町を立派に再建するということが、日本社会に求められている。
復興会議としても、立て直そうと言う意思を持つ人々を
しっかりサポートしていきたい」

3県を視察した感想では、
置かれた状況が、どこも違うことが最も衝撃的。
相談しながら、何を緊急にやるかを詰めていきたい」、
復興を考える上で、「地元の人たちがどういうことを考えているかが
一番大事な土台だと思っており、その意味で三つの県を訪ねて、
すさまじい悲惨さと共に多様性を見ることができたことは非常に貴重な土台。
6月に全体像を示し、第1次提言を行う」

答申の中の第1次提言は6月中に行うが、
「特に急がなければならないと判断した場合には、
5月中に緊急提言を行うこともある」

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施設不足、避難は長期化 介護でも緊急支援態勢を 「被災地の介護」

(2011年5月2日 共同通信社)

東日本大震災は、介護の現場における災害時の課題をあぶりだした。
岩手、宮城、福島の被災3県では、
多くの介護施設が運営できない状態に陥り、介護職員も被災。
長引く避難生活で、健康を損なう高齢者も多く、対策が求められている。

被災後、介護を必要とする高齢者が増えていることを受け、
厚生労働省は各事業者に対し、施設の入所定員を超えた
受け入れを容認し、避難所や旅館などの避難先でも
介護サービスを受けられるようにした。

4月28日時点で、3県から約1800人が県外の施設などへ避難。
福島第1原発事故に伴い、30km圏内の施設入所者など、
計約1500人も退避。

全国から3県への介護職員派遣は、被災1週間後に始まり、
述べ約800人が被災地で活動。
石巻市の担当者は、被災直後を振り返り、
「災害派遣医療チーム(DMAT)のように、介護の分野でも
専門職がすぐ駆けつけてくれたら」と、迅速な支援態勢の確立を提案。

家族の被災により、介護の手を失った要介護者、自宅を失い
「住んでいた地域に戻れるのか」と訴える高齢者...。
「先が見えない不安も日に日に高まっている」と、
担当者の心配は募る一方。

厚労省が、2012年度の介護保険制度改正で導入を目指すのが、
要介護者が住み慣れた自宅や地域で暮らすための
「地域包括ケアシステム」。
介護、医療などのサービスが一体的に受けられ、
緊急時には30分以内にヘルパーらが駆け付ける態勢を指す。

今回、被災地では介護の担い手である多くの介護職員や家族が
犠牲となった上、交通網が寸断され、
深刻な燃料不足から医療品や人手が行き渡らない状況が続いた。
同システム導入は、途切れない在宅支援が前提であり、
災害時の対策も検討が必要だ。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/5/2/136095/

2011年5月10日火曜日

気仙沿岸水産加工場、今秋本格稼働へ準備 水産加工場、サンマなど見据え

(東海新報 5月7日)

東日本大震災による大津波で、甚大な被害を受けた
気仙沿岸の水産加工場は、サンマをはじめ秋漁に合わせた
本格稼働に向けて準備を進めている。

大船渡市の誘致企業・阿部長商店大船渡食品では6日、
新卒採用5人を迎える入社式を開催、早期再開を誓った。
倉庫内にあった水産物の埋設作業も進んでいるが、
今後はライフライン復旧や修繕費用の助成など、
行政側の支援充実が急がれている。

阿部長商店大船渡食品の工場は、大船渡町欠ノ下地内にあり、
敷地面積は約4・5㌶。
施設は鉄骨4階建て、建築面積は約1万4300平方㍍。
市道野々田川口橋線に沿う形で、冷蔵庫棟が整備され、
盛川沿いに加工場棟を置く構造。

昨年8月から一部稼働し、11月には竣工式を盛大に開催。
サンマやイカ、イサダなどを扱い、2階部分に整備した加工棟も
今年1月から動き始めた矢先、東日本大震災による大津波の被害。

冷凍庫、冷蔵庫を中心とした1階部分は甚大な被害を受けたが、
2階の機械設備には大きな損壊はなかった。
同社では、早期稼働に向けた準備を進め、
現時点では7月中の一部操業、秋漁が始まる8月中旬以降の
本格稼働再開を目指している。

再開に向け、まず求められたのは、倉庫内に入っていた水産品の処理。
日数が経過して悪臭も鼻を突く中、厳しい作業を強いられた。
大船渡食品では、従業員に加え、気仙出身の今春入社予定者5人も
自主的に参加。
献身的な姿勢を受け、「会社の一員として早く迎え入れよう」と、
本来6月に開催する予定だった入社式を前倒し、開催。

工場2階で行われ、幹部職員のほか、大船渡食品で勤務する
従業員約50人が参加。
阿部泰浩社長は、「地域に残ることを選択した皆さんは、大事な宝。
従業員一丸となってがんばりましょう」とあいさつ。
阿部泰兒会長も、早期復興に向けて激励の言葉を寄せた。

一人ひとりに、阿部社長から辞令が交付、
新入社員を代表して鈴木早希子さんが、
「今回の経験を乗り越えていくことで、
復興への絆を深めていくことが大事」と決意。
その後は作業に入り、倉庫から出した水産品の処分にあたった。

「夏場の一部操業、秋漁本格化」を目指す動きは、
他の水産加工場でも見られる。
カツオ漁に合わせ、6月の営業再開を目指す大船渡魚市場では、
夏にはサバ、秋には全国でも上位の実績を誇るサンマの水揚げを控える。

サンマは、県外船籍の漁船も多く、受け入れ機能が整えば、
まとまった水揚げが期待。
経営者から、「来シーズンを待っていては、流通から忘れ去られる」と、
早期再開を急ぐ声が聞かれる。

工場が集積していた地域の多くは浸水域にあり、
まずは電気や水といったライフライン復旧が最優先。
これまでの設備資金返済に、新たな復旧費用分が重なる
「二重債務」の負担は大きいとして、
公的機関に支援を求める動きも広がっている。

気仙沿岸の加工業者で構成する大船渡湾冷凍水産物協同組合の
佐藤泰造理事長は、「だんだん具体的な動きは出ているが、
売り上げを管理していたコンピューターの復旧など課題は多い。
再開に向けた事業主のやる気をつなぎ続けるのが、我々の役割」

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被災地を福祉モデル地区に 在宅医療・介護充実図る 老人施設は高台建設へ

(2011年5月2日 共同通信社)

政府は、東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた
岩手、宮城、福島の3県沿岸部を、「医療・福祉モデル地区」として
優先整備する方向で検討に入った。

老人福祉施設や病院などを中核に、地域の在宅医療・介護の充実を図る。
高齢者比率の高い被災地の復興の新たな街づくりには、
医療・福祉機能の充実が不可欠と判断。

宮城、岩手両県の沿岸部では、津波により老人福祉施設53施設が
壊滅的被害を受け、使用不能となっている。
これらの施設では、入所者だけでも438人が死亡・行方不明。
新たな施設は高台に建設したり、多層構造とするなど防災面にも十分配慮。

政府は、「社会保障と税の一体改革」で5月中にまとめる
社会保障改革案に盛り込み、復興構想会議で議論される
被災地の新たな街づくり案に反映させる方針。

3県の沿岸部は、もともと医療過疎が進み、
在宅医療・介護も整っていなかった。
震災で、避難所などに避難した高齢者が十分なケアを受けられない
例も顕在化し始めている。

モデル地区では、震災前から実現に向け議論が進んでいた
「地域包括ケアシステム」を本格的に導入。
医療機関や介護施設が連携し、高齢者が自宅などで
必要な医療や介護を受けられる仕組みで、
少人数の利用者に短期の宿泊などを提供する
「小規模多機能型居宅介護サービス」と組み合わせることで、
より利用者ニーズに応える形を取る。

24時間の訪問介護・看護サービスの実施で、
災害時にも高齢者や在宅患者らを自宅でケアできる態勢を整える。

被災地域の事情や条件もそれぞれ異なるため、
高齢者の少ない地区では、医療・福祉施設に代わり、
文化・教育施設を中核にすることも検討。

*地域包括ケアシステム

地域住民に健康づくりなどの保健、在宅ケアを含む医療、
退院後の介護といった各サービスを連携させ、提供する仕組み。
日本は、西欧諸国に比べ、在宅型の医療や介護の提供が
遅れていることから、政府は2012年度の介護保険法改正に
合わせ、導入を検討。
地域の病院と診療所、介護施設などが診療情報を共有することで、
希望に添った生活支援を図れるほか、
24時間の訪問介護・看護の実施で、緊急時には30分で
ヘルパーらが駆けつけられる態勢を整える。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/5/2/136090/

2011年5月9日月曜日

助け合い広がる連休 全国の一般ボランティア 気仙でも通常の2倍ほどの活動者増える

(東海新報 5月5日)

東日本大震災により、大きなダメージを受けた気仙沿岸には、
大型連休とともに、全国各地からボランティア活動に足を運ぶ
人の数が増えている。

その数は、これまでの土、日、祝日に比べ2倍程度。
被災地域では、地元住民とボランティアが手を携えて汗を流す、
例年の連休には見られない光景が広がっている。

県社会福祉協議会による県内各地の災害ボランティアセンター(VC)
活動状況まとめによると、県内には発生当日から5月3日までに、
5万1782人のボランティアが訪れている。

大船渡市災害VCには、集計を始めた3月12日~5月3日までに4621人、
陸前高田市災害VCには3月23日~5月3日までに4597人が入っている。

両市では、大型連休以前の平日はおおむね50~70人ほど、
土、日、祝日は100~200人ほどのボランティアが入っていたが、
連休スタートの4月29日から増加傾向、
被害の大きい陸前高田は300人台。
後方支援の拠点となっている遠野からの訪問も多い。

4日も、およそ300人が作業を展開。
活動時間として定められた午前9時~午後3時の間、
家屋内外の片付け作業など、ニーズに応じた各種作業を繰り広げた。

同市気仙町の長部地区では、津波により壊滅的被害を受けた
水産加工場群から流出したとみられる魚などの片付けが行われた。

同地区では、現段階で本格的ながれき撤去作業に至ってはいない。
沿岸から距離のある住宅地にまで流れている魚が、
気温の上昇とともに腐敗し、悪臭は地域住民を困らせ、
市からもボランティア作業の要請が出ている。

友人2人と先月30日から陸前高田で活動しているという、
東京都の会社員・平山直樹さん(28)は、
「使命感というわけではないが、ゴールデンウイーク中に
何かできれば、と考えて来た。
陸前高田は初めて。映画のセットのような印象を受けた」

平山さんら約80人のグループは、500㌔の片付けを目標に作業。
火ばしやスコップを手に、地面やがれきの間に散乱したサンマやサケ、
袋詰めのイクラなどを丁寧に拾い集めた。
平山さんも、「においはすごいが、この地で一生懸命に水産業を
営んできた人たちを思うと、そんなことは言っていられない」と体を動かした。

魚などの除去作業は、重機によるがれき撤去が本格化するまで、
継続実施される見込み。
地元住民は、「困ってはいるが、自分たちの身の回りで手いっぱい。
ボランティアさんの協力には頭が下がる思い」と感謝。

週末にかけ、活動者増は続くものとみられる。
各災害VCは、いずれもグループ単位での活動を原則とし、
個人よりも団体、事前連絡のあったものを優先的に受け入れ。
希望者には、出発地の市町村社協、都道府県社協の
ボランティア活動保険(天災タイプ)加入、宿泊(車中泊、テント泊除く)、
食事、交通手段の事前確保などを求める。

大型連休に伴い、被災地へ向かう道路は交通量が増え、
陸前高田市へ向かう国道340号と343号は、日中の渋滞状態が顕著。
緩和に向け、県警などでは不要不急の一般車両通行自粛などを呼びかけ。

http://www.tohkaishimpo.com/

***
私の大学時代の友人も、ボランティアで来てくれました。
瓦礫の片づけ、側溝の掃除、盛川河川敷の清掃、
支援物資の仕分け、炊き出し作業など、
5日間も滞在して活動して頂きました。
本当にありがとうございました。
このような支援を多く頂き、励ましを頂き、
復興へと邁進していきたいと思います。

2011年5月8日日曜日

福島県立医大、医師を“玉突き”派遣 移動短く診察長く へき地医療支援システム

(2011年3月3日 毎日新聞社)

県立医大(福島市)から2病院を通して、
医師を“玉突き”で医療過疎地の診療所に派遣する
「へき地医療支援システム」が注目。


都市部の大学病院から、直接診療所に派遣する仕組みが一般的、
県立医大方式は、医師の移動時間が短くて済み、
診療にじっくり取り組める利点。

文部科学省の医学部定員に関する検討会で、
菊地臣一学長が、全国的にも先進的な「福島モデル」として概要を発表。

システムは、04年度に開始。
(1)県立医大の助手15人を、県立会津総合病院に週1回派遣、
(2)会津総合は、助手受け入れで診療時間が空く医師を、
県立宮下と県立南会津の両病院に派遣、
(3)同じく余裕ができた宮下から柳津町と金山町の国保診療所に、
南会津から只見町国保朝日診療所に医師を派遣。

柳津町で毎週月曜、金山町で毎週火~金曜、只見町で隔週木曜--
に内科医と整形外科医の応援が受けられるようになった。

玉突きの元となる助手は、臨床研修が終わったばかりで、
県立医大で研究しながら診療に当たる。
県が、1人当たり年間800万~1000万円の人件費を負担。
安くはないが、立場が不安定になりがちな臨床研修終了直後の助手を
好待遇で迎えることで医師確保ができる。

県立医大は助手枠を90人に増やし、別事業では地域の拠点病院に
定期的に派遣するなど、地域医療再生に取り組んでいる。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/3/3/133223/

日米豪が人道支援で連携 3月から太平洋諸国巡回

(2011年3月3日 共同通信社)

米海軍で、東太平洋を管轄する第3艦隊のウィルソン准将は、
米軍を中心に日本やオーストラリア、フランスなどが参加して、
アジア太平洋地域で人道支援活動を行う
「パシフィック・パートナーシップ2011」の概要を発表。

米軽巡洋艦「クリーブランド」などが3月21日から8月上旬にかけ、
トンガ王国やパプアニューギニア、ミクロネシア連邦などを回り、
地域医療や学校建設などを支援、文化交流も実施。
海上自衛隊からは昨年に続き、艦船と医官らが参加。

ウィルソン准将は、「米軍は、人道支援と災害支援に重点を置いている」と、
同パートナーシップの意義を強調。
災害に迅速に対応するため、「米軍の各地への展開は不可欠」、
関係国と海上航行の安全確保のため、緊密に協力している。

同パートナーシップは、米国が2007年から主催、
海自は毎年医官らを派遣。
昨年、当時の鳩山由紀夫首相の「友愛ボート」構想の一環として、
海自輸送艦が初参加した。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/3/3/133239/

小学校英語(3)市民が授業支援の会

(読売 3月4日)

6年生の教室をのぞくと、3人の先生が英語活動を指導。
1月下旬、大阪府南東部にある大阪狭山市の市立西小学校。
担任の池田明稔教諭(27)と外国語指導助手(ALT)、
NPO法人「大阪狭山小学校英語活動支援の会」の宮園美香さん(44)。

「I get up at 6:30.」、「I eat lunch at 12:30.」。
ALTの発音を手本に、担任の指示で子どもたちが声を合わせる。
宮園さんは教室を回り、戸惑う子どもがいると、
席まで行って一緒に発音していた。

同会は、英語教育の担い手を地域に求めようと、
市の呼びかけで昨年5月に発足。
同市や近隣に住む元中学・高校英語教師や英会話塾講師など、
英語指導経験のある市民32人が参加。
同会で研修を受けた30歳代~60歳代の23人が、
昨年9月から市立小学校の5、6年生の英語活動で、
指導の補助役として教壇に立っている。

同市教育委員会学校教育グループの中田智己課長(51)は、
「児童の成長を見守りながら、継続して関わってもらうことが重要、
研修も含めて任せられるNPOの協力は効果的。
教員とALTとの橋渡し役もお願いできる

自宅で、子ども向け英会話教室を開いている宮園さんは、
経験を公教育の現場で生かしたい、と同会に参加。
「最初は不安もあったが、会の教職経験者から
アドバイスをもらったりして、すぐに慣れた。
先生たちの役に立てるのはうれしい」

池田教諭は、「ALTとうまくやりとりできない時、
宮園さんに間に入ってもらえるし、個別指導も任せられるので助かっている」

学校へ派遣されるメンバーには、市の助成金などから
1時間1000円が支給。
教育の市民協働を掲げる市だからこそ、実現できたのかもしれない。
地域挙げて、国際人を育てることができれば」と、
同会副理事長の石井重光さん(68)は期待。

地域人材の活用について、小学校英語活動に詳しい
渡辺寛治・文京学院大学外国語学部教授(64)は、
「必要な訓練を受けていなかったり、
単発的に授業を補助していたりするケースもある」と、問題点を指摘。
「学校任せにするのでなく、教育委員会が採用や研修などで
中心的役割を担うことが望ましい」

◆メモ


文部科学省作成の新学習指導要領解説では、
「地域の実態に応じて、外国語に堪能な地域の人々の協力を得る」ことが、
指導体制の充実策として挙げられている。
同省の2009年度調査によると、英語活動で補助人材を使った
授業のうち、地域人材を活用したのは、年間授業時間の16%。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20110304-OYT8T00191.htm

2011年5月7日土曜日

小学校英語(2)電子黒板 先生に自信

(読売 3月3日)

「教科を英語で言うよ。正しい発音を聴いて」。
教壇に1人で立つ学級担任が、電子黒板に映し出された
イラスト入りの教科名を、専用ペンで指す。

「ソーシャルスタディーズ」、「ジャパニーズ」――
ネイティブスピーカーの音声が流れると、
児童たちは一斉に大きな声で発音。

京都市立藤ノ森小学校で、1月14日に行われた
「全国小学校英語活動実践研究大会」の公開授業。

5年生のクラスでは、「時間割作り」をテーマに授業が行われた。
各自が英語で、教科名が記されたカードを時間割表に張り付け、
ペアで「What do you study on Monday?」、
「Istudy math,music,……」などと会話。

対馬淡君(10)は、「英語を話すのはちょっと難しいけど、
外国人の先生がいない時でも音で聴けるから、慣れてきた」

藤ノ森小では、2006年度に教員が「英語活動部」を設け、
全校挙げて指導法などの検討を重ねてきた。
担任主導の授業に有効なツールとして活用しているのが、電子黒板。

08年度から5、6年生の授業で導入し、年間35時間のうち、
外国語指導助手(ALT)が配置されていない19時間で主に使っている。

「児童に生の英語に触れさせたり、視覚から興味を引き付けたりできる。
英語指導に不慣れな担任の不安解消にもつながっている」と、
杉本和彦校長(59)は電子黒板の効用を説く。

公開授業を行った坪田宙教諭(28)は、もともと英語が苦手で、
初めは子どもたちに、英語を発音して示すことさえ恥ずかしかった。
「でも、電子黒板を使ううちに、自分でも指導できると自信が出てきて、
ALTとのチームティーチングでもひるむことがなくなった」

京都市では、1997年度から3年かけて、
全市立小学校に英語活動が導入され、市教委が独自開発した教材が、
指導案や活動事例集とともに各校に配布。
02年、教員たちで組織する京都市小学校英語活動研究会が発足。
同研究会が中心となって、04年に始まった
全国小学校英語活動実践研究大会は、今年で7回目を数えた。

同研究会会長の藤村徹・京都市立養正小学校校長(55)は、
英語活動の推進には、教員自身が研究会や校内で、
積極的に授業のアイデアを出し合い、指導力を高めていく
取り組みが欠かせない。
電子黒板の活用は、その成果のひとつ」

◆メモ

文部科学省が作成した補助教材「英語ノート」には、
デジタル版として、CDや電子黒板に対応したDVDがある。
黒板に投影された教材を専用ペンで操作する仕組みで、
「英語ノート」の内容を音声や絵を使って説明できる。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20110303-OYT8T00198.htm

レアアース使用しない磁石材料生成

(サイエンスポータル 2011年3月7日)

東北大学大学院の高橋研・教授、小川智之・助教と
戸田工業などの研究グループは、レアアースを使用しない磁石に
なりうる物質として期待されている強磁性窒化鉄の粉末を、
分離・生成することに成功。

生成された強磁性窒化鉄は、鉄より大きな磁力を持ち、
大気中でも非常に安定という特徴があることが確認。
生産性や収率も非常に高いことから、実用化が期待できる。

ハイブリッドカーや電気自動車、洗濯機やエアコン用など、
パワーが必要なモータには、現在、レアアースである
ネオジムやジスプロシウムを含む磁石が使われている。

レアアースは産出国が偏っているため、安定的な輸入に不安がある。
レアアースを含まない磁石の開発が急がれている。

強磁性窒化鉄は、1972年に高橋實・東北大学教授(故人)が、
その存在を提唱、これまで薄膜はできるものの、
磁石材料に適した安定的な粉末生成法は見つかっていなかった。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/1103/1103071.html

2011年5月6日金曜日

復興への希望は(下) 震災50日、戸羽 太陸前高田市長に聞く

(東海新報 5月1日)

――震災以降を振り返っての率直な感想と、最優先で取り組んできたことは?

戸羽 大変厳しい状況の中で、自衛隊、警察、消防、全国の自治体、
ボランティアの応援、世界各国からの励ましがあり、
避難者の皆さんにも我慢強く協力していただいた。
何とか、少しずつ前に進んできた。

行政とすれば、行方不明の方々を1人でも多く、
ご家族の元に返してあげたい。
それは今も変わらず、最優先にやってきた。

――震災では、漁業、農業が壊滅的な被害を受けた。

戸羽 漁業については、漁協や国の関係機関、県と話し合っている。
市の経済の下支えでもあり、大事にしなければ。
漁業者からの声は、時間がかかっても整備をした中で一からやりたい、
とりあえずワカメ養殖だけでもなどとそれぞれ、
行政よりは漁協が中心となって漁業者の意思統一を図り、
同じ方向で市も応援できる形をつくっていきたい。

農業は、自家用生産が中心、津波による塩害問題も。
私個人としては、農業そのものの切り替えを図るのも必要。
ある議員から、たとえば漢方薬などがつくれないかという話も。
こういうタイミングだからこそ、切り替えも可能だし、
研究機関の応援も得られる。
農業でもご飯を食べられるよう、皆さんと相談をしていきたい。

――商工業の復興、雇用対策への取り組みは?

戸羽 商工業が、今すぐ復活するのは難しい。
仮設商店街や仮設住宅が各地域にできたとき、
必要な店などはつくっていきたい。

雇用に関しては、避難所での調理や高齢者の話し相手など、
ボランティアでやっていることを仕事にすれば、
男女関係なく働ける場がいっぱい。
1人が1週間ずっと働くのではなく、曜日別などにして、
一人でも多くの人が働く形も考えなければならない。

生活費すべてをまかなうのは難しいが、あまりお金を使わなくて済む、
今の期間にいくらかでも収入を得れば、自立への準備、
きっかけづくりにはなる。
本格的には、大企業が復興支援という名の下に雇用の場を
つくってもらえるよう、呼びかけを図っていきたい。

――浸水区域の土地を利用する考えは?

戸羽 いろんな考え方があるが、私個人からすれば、
基本的に住む地域ではない。
商店街のようなものであれば、許される部分は出てくるが、
あれぐらいの平場であれば、太陽光や風力発電、養殖漁場の拡大など、
可能性はいろいろある。
専門家の意見を聞いて市民に提示し、
方向性を決めていかなければならない。

新しく生まれ変わった陸前高田市が、
「よくなったね。若い人たちにも魅力のあるまちになったね」と
言われる風にならないと。
犠牲になった方々の気持ちに報いるためにも、
大事なところは大事にしながらも、思い切った転換をしなければ。

――仮設住宅の建設、入居が進むが、市内で必要戸数が建設でき、
以前のような地域社会を維持できるか?
被災者の自立に向け、どのような道筋をつける考えか?

戸羽 仮設住宅は、2000ちょっとの数があれば足りるのでは。
最終的な数は分からないが、その数ならば市内で建てられる。

地域社会については、小友町の方が小友町に住むことを
ベースに考えているが、以前と同じ地域に住みたいという声に
100%応えるのはちょっと難しい。
それができない地区も、できるだけ固まって別の地域に行けば、
人間関係は保てるよう、配慮はさせていただいている。

市内にもガソリンスタンドができ、
ガソリンは自分で手に入れられるようになった。
地元のスーパーからは出店の話を聞いている。
今後、買い物難民やガソリン不足の問題はだんだん解消され、
家があっても、そういう理由で動けなかった方々には、
自立をしていただかなければならない。
仕事がなく、蓄えがないという方も。
今後は、生活保護などの相談にも乗っていかなければならない。

被災という部分はあっても、徐々に本来の姿に戻していかなければ。
その中で、「仕事も見つけ、生活保護がなくても大丈夫」となるよう、
仕事をつくり、企業にも呼びかけ、雇用の面でも相談に乗っていきたい。
仮設住宅に入ったから、これだけの時間が経ったからと、
突然切り離すわけにはいかない。
実態や個々の家庭状況を見ながら、
できることをやっていかなければならない。

http://www.tohkaishimpo.com/

小学校英語(1)研修不足 担任に不安

(読売 3月2日)

「ヘッド・ショルダーズ・ニーズ・アンド・トウズ」。
児童役の小学校教員たちが、CDから流れる歌に合わせ、
身振りを交えて、体の部位を示す英語を繰り返す。

2月中旬の週末、小学校英語活動の研修会が、
神田外語学院で開かれ、6講座に計42人が参加。

受講した千葉県内の公立小学校教員の男性(44)は、
「授業づくりのアイデアをつかめれば、と参加した。
校内では、自分も含め英語をうまく使えない教師が多く、苦労している」

埼玉県内の公立小教員の女性(40)は、
「公的な研修だけでは、新年度から自信を持って授業を進めるには不十分。
研修制度を充実させてほしい」

神田外語大学児童英語教育研究センターの長田厚樹センター長(55)は、
「外国語活動の必修化を目前に控え、改めて不安や戸惑いを抱く
先生は多いのでは」と、教員たちが休日返上で研修に参加する背景を分析。

同大などで構成する神田外語グループは、
2007年から教員向けに、様々な小学校英語講座を開き、どれも大盛況。
当初は東京だけだったが、今では札幌から静岡まで、全国9会場で開催。

小学校教員の大半は、教員養成課程で英語指導教育を受けていない。
教科でない英語活動に教科書はなく、文部科学省が作成した
補助教材「英語ノート」があるだけ。
統一した授業内容が決まっているわけではない。

文科省は、今年度までの2年間で、教員1人あたり計30時間の
校内研修を行うよう求めてきた。
ベネッセ教育研究開発センターが昨年、実施した調査によると、
全国の公立小の5、6年生の学級担任らが、
09年度から10年度夏休みまでに受けた校内研修は、平均6・8時間。
「0時間」も、20・4%に。

英語活動の中心となるのは、「学級担任」が66・6%。
一時の外国語指導助手(ALT)に依存した授業から、
本来あるべき姿に戻っている。

担任の責任がますます重くなる中、
授業の準備は整っているというにはほど遠い。

◆小学校の外国語(英語)活動が、来月から5、6年で必修化。
準備不足や人材不足など、課題は少なくないが、
既に特色ある授業を展開している事例も。
各地の取り組みを紹介し、対応策を考える。

◆メモ

各校での研修は、都道府県、政令市、中核市の教育委員会主催の
研修を受けた「中核教員」が担い手となって行われる。
文科省が、全国の公立小学校を対象に実施した調査によると、
中核教員研修には2008、09両年度に各校から平均2人が参加、
たとえ1時間でも校内研修を実施した学校は、09年で78.9%。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20110302-OYT8T00169.htm

肥満糖尿病 インスリンが筋肉に届きにくく、高血糖に 東大など仕組み解明

(2011年3月2日 毎日新聞社)

肥満になると、毛細血管の働きに異常が生じ、
血糖値を下げるホルモン「インスリン」が、
全身の筋肉に届きにくくなることを、
東京大などの研究チームがマウスの実験で解明。

インスリンが届かないと、筋肉が血液からブドウ糖を取り込めず、
高血糖状態が続いて、糖尿病を発症しやすくなる。
2日付の米科学誌セル・メタボリズムに掲載。

健康な人では、食後に血糖値が上がると、
膵臓のβ細胞からインスリンが分泌され、血液を通じて全身に届けられる。
筋肉は、インスリンが到達したことが引き金となって、
ブドウ糖を取り込みエネルギーに変えるが、
インスリンが毛細血管から筋肉に届く仕組みはこれまで不明。

研究チームは、インスリンが到達したことを、
他の分子に伝える物質「IRS2」に着目。

毛細血管の細胞に、IRS2を持たないマウスは、
通常のマウスと比べ、筋肉に届くインスリンの量が半分程度に減った。
「インスリンが届いた」という信号が、他の分子に適切に伝わらないため、
インスリンを血管の外の筋肉に送り出すための仕組みが機能しなかったから。

普通のマウスに、脂肪分の多い餌を8週間与えて肥満状態にしたところ、
IRS2が健康なマウスの2割程度しかなく、
インスリンが血管から筋肉に届きにくくなっていた。

研究チームの門脇孝・東京大教授は、
「IRS2を増やす薬剤が開発できれば、生活習慣などが影響する
2型糖尿病の根本的な治療になりうる」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/3/2/133169/

2011年5月5日木曜日

復興への希望は(上) 震災50日、戸田公明大船渡市長に聞く

(東海新報 4月30日)

――3月11日以降の対応を振り返った上で、現在の素直なご心境を?

戸田 最初の3日間は、緊急対応モードを作ることに力を注いだ。
避難所を回り、住民の皆さんからさまざまな話を聞いた。
自分なりに要望をまとめ、部課長会議や国会議員、政府の方々に
ぶつけることを繰り返してきた。

市内の主な企業を回った中で、皆さん前向きに再開への活動を始め、
勇気づけられた。
市では災害復興局を立ち上げ、復興基本方針も発表。

自治体、自衛隊、日本国政府、海外からの支援隊などには、
感謝の気持ちでいっぱい。
世界的に注目された災害であり、教訓を今後のまちづくりに
生かしていかなければ、と感じている。

――現時点で、最優先で取り組むべき課題は?

戸田 被災地で事業再開するためのライフライン復旧が、非常に急がれる。
店舗兼住宅となっていた個人商店や個人事業主は、行き場を失っており、
再開への一歩を支えたい。

仮設店舗設置を国が支援しようとしている中、一刻も早く実現させたい。
空き店舗に移るのは限界があり、被災した大船渡町内に
仮設店舗を造ることも必要。
津波が押し寄せた縁辺部、がれき撤去を終えた土地が候補地に。

電気、水道の復旧は、とくに水産業で急がなければ。
魚市場はカツオ漁に合わせ、6月の営業再開を目指す。
氷、冷凍、加工の各工場も動き出し、漁業者も活動する。

避難生活が長くなるにつれ、住民の皆さんも生活の質に対する
不満感が出てくるはず。
仮設住宅の建設を急ぎたい。
父、母が亡くなった児童生徒のケアも重要。

――震災では、漁業や水産業全般で壊滅的な被害を受けた。

戸田 現在、漁業者は船を共同使用しながら動いているが、
少ない所得から始めるのはやむを得ない。
元に戻るまでの必要経費を支援する施策を、国を挙げて考えてほしい。

未来指向型として、生産体制を個人ベースから協業、企業ベースに
移行させることも、国が先導していい。

――失業者も増えている。
当面の雇用の場確保に加え、商工業再生に向けたビジョンをどう描くか?

戸田 国として、各事業主に震災による損失額を補填、
補助することを考えてほしい。
損害額を被ったままでは、非常に重い負担に。

復興計画を作る過程で、さまざまな分野で復興プロジェクトが出てくるが、
国支援と並行して、できるだけ早く着手したい。
スピード感を持って動き出せば、早期雇用は相当進む。

――国や県に対して、どのような施策を期待しているか、
民間や住民レベルで望んでいる支援は?

戸田 スピード感を出すための工夫をお願いしたい。
平時でも非常時でも、スピード感が大事。
補正予算が決まった段階で、各市町村への配分額が
即刻固まるような流れが重要。
復興特区というか、既存の法律や税制に縛られない
柔軟な運用も望みたい。

民間団体の皆さんには、被災者の生活の質を上げる支援を期待。
市内では、被災前から医療・介護分野の充実が課題の一つ。
緊急時で、もっと大変な状態になり、さらに支援を望みたい。

――浸水地域での土地利用は、今後どのように進めるべきか?
計画策定に向け、どのようなプロセスを考えているか?

戸田 津波が来ても死者が出ない、家が流されないまちづくりを、
国で支えてほしい。
「災害は忘れたころにやってくる」であり、仕組みとしての定着が重要。
市でも、災害危険区域指定や都市計画の用途変更を検討したい。

浸水域に住宅は建てない。
ただし生産、業務施設は建て続ける。
新たに建てる場合、避難所として使えるような構造を考慮。

浸水域にある既存建物を使って、事業を再開することはウェルカム。
将来、再建する場合、さらに災害に強い構造にしてほしい。
商店街では、店舗と住居は分離する形など、
安心・安全なまちづくりを目指していきたい。

いろいろな意見が出てくると思うが、市内の各地区や業界、行政、
市民の各代表、学識経験者の議論を経て、一つの方向性を出したい。
計画を策定する中、スピードは重視したい。

http://www.tohkaishimpo.com/

ブログ再開!

ブログを再開します!

このたびの東日本大震災では、
私の住む岩手・大船渡をはじめ、
多くの沿岸部が津波による被害を受けました。
また、度重なる余震によって、内陸部の一部にも被害が及びました。

震災のはじめのころは、ライフラインがすべて止まり、
生きていくだけで精一杯という状況でした。
2週間後に電気が復旧し、ネットも49日目にようやくできるようになりました。

これまでも、友人や見知らぬ方々から多くの支援を頂き、
こうしてある程度の生活まで回復できて、本当に感謝でいっぱいです。

それでも、まだまだ大船渡の街は瓦礫でいっぱいです。
ゴミやヘドロによる悪臭もあります。
仕事や教育の環境は、少しずつ回復していますが、
震災前には程遠い状況です。

教育では、学校自体が被災したり、避難所となっていたり、
校庭には仮設住宅が建てられていたりと、
勉強や部活動をするには不自由を強いられています。

仕事では、大船渡の主要産業である水産加工や
太平洋セメント、アマタケといった企業がまだ再開できない状況です。
企業の再開と雇用の維持が進まないと、
多くの人が離れていくかもしれません。

また、陸前高田や気仙沼、大槌といったところは、
大船渡よりも復興が遅れているようです。
やるべきことはたくさんあります。

私は、少しでも復興へのサポートができればと思います。
5年でも、10年でもかけて、また海の街・大船渡を復興させたいですね!!

2011年3月13日日曜日

教員の研修(6)学生サークルで授業力

(読売 2月26日)

教員志望の学生ら約20人が集まっていた。
玉川大学の教室。

模擬授業サークル「和(なごみ)」のメンバーたちが、
国語や算数、英語など様々な教科のプリントや教材を配り、
順番に教壇に立って、5~10分程度の“ミニ授業”を展開。

「先生の同級生が、車でひき逃げをして、女性を死なせてしまいました」
ある男子学生は、道徳の授業の題材として、自身の経験を紹介。
「その同級生は、『気付かなかった』とウソをついてしまった。
みんなはどう思いますか?」

「はい、そこまで」。
指導する谷和樹准教授(46)が、授業を止めて講評。
「教師が実体験を語る場合は重くなってしまい、
児童たちの心に残り過ぎてしまうことも。
気を付ける必要があります」

同サークルは、2年前に結成。
週に1回勉強会を行い、月に1度、谷准教授の指導を受ける。
算数でのグラフの使い方、国語の音読でのリズムの取り方……。
小学校教員として、約20年の経験を持つ谷准教授が、
まず学生たちに授業をさせた後、自身の指導法を披露し、
培ってきた技術を伝授していく。

代表で、同大3年の中沢由里子さん(22)は、
最初は模擬授業でも、緊張で足が震えたが、続けるうちに慣れた。
「子ども好きというだけでは、良い先生にはなれない。
学生が授業をする機会は多くないので、できることをすべてやり、
授業がうまくなりたい」

授業力を鍛える学生サークルが、各地で活発化。
教育実習が、小学校でも4週間程度と短いことなどが背景。
現職教員らでつくる教育研究団体「TOSS」の学生サークルだけでも、
北海道から沖縄まで47サークルを数える。

TOSSでは昨年度から、学生たちの授業力を競う
「模擬授業インカレ」を開催。
どれだけ聴衆を熱中させたか、などが勝敗の基準で、200人以上参加。

新年度から小学校教諭になる「和」前代表の同大4年、
吉岡里那さん(22)は、2年連続で全国大会出場を決めた。
「授業の力を比べることに、最初は違和感があった。
今は勝ち負けより、頑張っている人たちがこんなにいるんだ、と
大きな刺激を受けています」

自主的な研修が、学生たちのやる気を生み出している。

◆模擬授業インカレ

正式名称は、TOSS学生模擬授業全国大会。
地方予選に、各大学の学生が参加。
授業開始15秒のつかみや目線、リズムなどTOSSの授業技量検定に
基づいた基準で優劣を競う。
予選で好成績の学生5人が1チームを結成し、全国大会に出場。
今年度は、3月12日、江戸川区総合文化センターで行われる。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20110226-OYT8T00201.htm

歌でつながれ椿の里 19日開幕の「大船渡サミット」

(岩手日報 3月10日)

大船渡市のふるさと大使を務める東京のアカペラカルテット
XUXU(しゅしゅ)は19、20の両日、同市で開催される
全国椿サミット三陸・大船渡大会(実行委主催)のテーマソングを制作。

「camellia(カメリア)~椿のうた~」と題し、
ツバキの魅力を上品に歌い上げる。
気仙ゆかりの歌手が、「椿の里・大船渡」を全国にアピールする歌は、
19日のサミットで披露。

「camellia」は、メンバーのyumiさんが詞・曲を担当。
「全国各地の人が、地域の偏りなくツバキを思い浮かべられるように」と、
品種やルーツなどを研究して歌詞を書いた。

「花びらは手をつないで 輪になって支えあう」など、
ツバキの細部にまでこだわる詞。
3番には、大船渡市末崎町にある樹齢1400年の「三面椿」も登場。
美しいハーモニーと親しみやすいメロディーが印象的で、
「咲き誇れ 椿」と結ぶ。

XUXUは、2002年にメジャーデビューした女性4人組。
「しゅしゅ語」という独自のスキャットで、幅広いジャンルを歌う。
ジャズ界での評判が高く、海外ツアーも行う。

yumiさんの祖父が、気仙地方出身という縁で09年、
大船渡サンマソング「オラ!サンマ」を発表。
「さんりく・大船渡ふるさと大使」に委嘱され、市のPRソングも手掛ける。

yumiさんは、「ツバキの花びらのように、みんなが手を取って
つながれることを願っている。
初披露のサミットでは、心を込めて演奏したい」

女優浜美枝さんの記念講演なども予定される同サミットは、
19日午後1時半からリアスホールで開催。
XUXUは、オープニングに登場。
入場無料。
13日午前9時から、市役所で入場整理券を配布。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110310_14

ハチ公、がんだった 76年間保存の臓器分析

(2011年3月2日 共同通信社)

飼い主の帰りを待ち続けた忠犬ハチ公が死んだ後、
東京大で76年間保存されていた臓器を、MRIなどで分析、
ハチ公はがんだったと確認したと、
中山裕之東大教授(獣医病理学)らが発表。

死んだ直後の解剖結果から、これまで死因は
寄生虫によるフィラリア症とされていた。

中山教授は、「どちらが直接の死因になったかは分からないが、
両方とも死因になりうる重大な病気だ」

中山教授によると、飼い主が東京帝国大教授だったことなどから、
1935年3月8日にハチ公が死んだ後、心臓と肺、肝臓、脾臓が
ホルマリン液に漬けて保存された。

この臓器を、詳細に観察した記録がないことに中山教授が気付き、
昨年暮れからMRIと顕微鏡で観察。

心臓と肺の広範囲に、悪性腫瘍を確認。
肺で発症し、心臓に転移した可能性が高いといい、死因の一つと結論。
フィラリア症に感染していたことも、あらためて確認。

秋田県大館市によると、ハチ公は雄の秋田犬で23年生まれ。
生後約2カ月で飼い主にもらわれ、その死後約10年間、
帰らぬ飼い主を渋谷駅で待ち続けた。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/3/2/133164/

摂食障害、100人に2人 女子中生「予備軍は数倍」 危険ダイエットに警鐘 厚労省研究班が初調査

(2011年3月2日 共同通信社)

女子中学生の100人に2人は、専門医の治療や指導が必要な
摂食障害と推計、厚生労働省研究班の初の大規模調査。

国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所の
小牧元・心身医学研究部長は、「予備軍は、この数倍はいるだろう」、
「過度の食事制限は、成長期の中高生に特に悪影響が大きい。
ダイエットをよしとする風潮が、子どもを危険にさらしている可能性

摂食障害は、自覚がなく治療が難しいケースが多く、
きちんと食べるよう教える予防策や、専門機関による
サポート体制の充実が求められそうだ。

調査は2009~10年、関東と中国地方の計2都市の36中学校に通う
約8千人を対象に実施。
国際的な標準に基づき、体形や食事への意識など28項目を尋ね、
5161人(女子2604人、男子2557人)から有効回答。

その結果、女子の1・9%、男子の0・2%が、
身体だけでなく、心の問題にも対応できる専門の医師の下で、
治療や指導を受ける必要がある摂食障害と判断。

拒食症につながりかねない痩せることを目的にした行為
(直近の4週間に2回以上)をみると、
「下剤を使った」は女子1・1%、男子0・7%、
「口に手を突っ込むなどして吐いた」は女子1・4%、男子0・9%、
「食事を抜いた」は女子3・6%、男子2・6%、
「過度の運動をした」は女子6・8%、男子3・8%。

過食症への入り口にもなる、「むちゃな大食いを、直近の4週間に
8回以上した」のは、女子3・5%、男子1・3%。

摂食障害とされた女子は、
(1)夜遅くまで起きている、
(2)家族との食事は楽しくない、
(3)家族から「もう少し痩せたら」と言われる、
(4)気持ちを本当に分かってくれる人は誰もいない-
などに当てはまる傾向。

◆摂食障害

拒食症と過食症に大別される精神疾患の一種。
主に女性がかかり、死に至ることも。
拒食症の場合、病気の自覚がないまま、食事の量を極端に減らし、
食後に口に手を突っ込んで吐いたり、下剤を大量に飲んだりする。
過食症では、食欲のコントロールが効かず、大食いを繰り返す。

一つの原因として、人間関係や家庭環境などから生じるストレスに
うまく対処できないためとの指摘もあるが、はっきりしていない。
厚生労働省研究班の調査では、1980~98年の間に約10倍に増えた。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/3/2/133157/

2011年3月12日土曜日

携帯端末での音楽聴取で音の聞き分けに支障も

(サイエンスポータル 2011年3月4日)

携帯音楽プレーヤーで、大音量の音楽を聴き続けると、
音を聞き分ける能力が低下する危険があるとの研究結果を、
自然科学研究機構 生理学研究所の研究グループが明らかに。

周囲に雑音がある環境下で聴くため、つい音量を上げるのが原因。
一つ一つの音を聞く分には支障がないため、
通常の聴覚検査では異常が見つからないことも分かった。
雑音がある中で、音を聞き分ける検査も必要、と研究者たちは指摘。

生理学研究所の岡本秀彦准教授、柿木隆介教授は、
ドイツの研究者と共同で、普段から大音量で携帯音楽プレーヤーを
聴いている13人と、そうでない13人の若者を対象に、
音を聞き分ける力を生体磁気計測装置(MEG)による
脳の反応の違いで調べた。

この結果、雑音の中から音を聞き分ける能力が、
携帯音楽プレーヤー常用者の方が弱くなっていることが明らかに。

静かなところで、特定の周波数の音が聞こえるか聞こえないかを
検査する通常の聴覚検査では、
常用者でも非常用者でも違いがない。

「騒々しい場所で、携帯音楽プレーヤーを楽しむ時は、
大音量ではなく、ノイズキャンセラーなどの機能を使って、
音は控えめに」と岡本准教授。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/1103/1103041.html

ナノチューブの新しい作製法

(サイエンスポータル 2011年3月1日)

新しいセンサー材料や電子デバイスなどへの応用が期待されている
ナノチューブの新しい作製法を、
京都大学と高輝度光科学研究センターの研究グループが開発。

京都大学大学院理学研究科の北川 宏・教授、大坪 主弥・研究員
らは、
金属イオンや有機分子から成る金属錯体をつなぎ合わせる
ボトムアップ法と呼ばれる手法で、
微細な筒状物質「ナノチューブ」をつくり出すことに挑んだ。

白金イオンとビピリジン、エチレンジアミンから成る
一辺約1nmの正方形状の金属錯体と、ヨウ素を室温で反応させ、
正方形状の金属錯体が、ヨウ素を介してつながった
四角柱状のナノチューブを作製することに成功。

このナノチューブは、筒状の内孔部に水やアルコールの分子を
取り込める一方、窒素や二酸化炭素の分子は取り込めない。

ナノチューブは、さまざまな分子を取り込んで吸着する性質以外にも、
導電性や高い耐久性を持つことから、
電子デバイス材料への応用が期待。

今回の成果は、構成要素(パーツ)となる金属イオンや有機分子を
組み換えることによって、いろいろなサイズの細孔や形状、
性質を持つナノチューブを作製できる可能性を示した。

今後、ガス分子に対して敏感に応答するセンサー材料や、
ガス吸着能力と導電性を併せ持つ、新たな多機能電子デバイスへの
応用が期待できる。

ナノチューブは、1991年に飯島 澄男 氏(名城大学大学院 教授)が
発見したカーボンナノチューブが有名、さまざまな応用が期待。
作製に1,000℃以上の高温が必要なことから、
いろいろなサイズや形状のものをつくることは難しい。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/1103/1103011.html

教員の研修(5)いじめ対策 NPOの力も

(読売 2月25日)

「目つきが悪い」、「相手の気持ちが分からない」。
いじめ加害者のイメージが続々と挙がる。

意見が出尽くすと、講師役のNPO法人「湘南DVサポートセンター」の
滝田信之理事長がほほ笑んで言った。
「『1年1組』のみんな、よくできました。
本物の中学1年に劣らない数の意見が出ましたね」

東京都港区の民間施設で行われた同センターの
「いじめ防止プログラム」指導者研修。

生徒として滝田理事長の指導を受けていたのは、
小中、高校の教員ら約20人。

「加害者を知る」作業を通し、加害者の排除だけでは
根本的な問題解決にならないことなどを、約3時間をかけて学んだ。

プログラムは、滝田理事長が心理学の手法を使って開発した
家庭内暴力(DV)用のものを、校内に応用。
2007年から小、中学生向けのいじめ対策として使い始めた。

全体の説明会と、クラス単位のワークショップからなる計5時間。
中学校ではその後、いじめ防止のリーダー役の生徒を募り、
いじめを許さない校風づくりもする。

プログラムへの関心は、徐々に高まりつつある。
藤沢市で07年に試行したところ、一定の効果が認められ、
09年度から希望する市立小中学校での実施を予算化。
文部科学省も、今年度から同センターに補助金を出し、展開の糸口を探る。

一方、課題もある。
指導者養成に時間がかかる点。
滝田理事長によると、実際にいじめのある学級で実施した場合、
子どもの心を傷つける恐れもある。

講義中心の研修を20時間以上受けたうえで、
経験豊富な指導者と共に実践を積む必要がある。
通常業務だけでも忙しい教員は、この点がネックとなり、
プログラムを一人でできるようになった教員は、まだ数えるほど。

三重県伊勢市立五十鈴中学校の西村朱美教諭は、
今冬から滝田理事長の支援を得て、同中でプログラムを始めた一人。
「将来は独り立ちしたい」と意気込む。

文部科学省の緊急調査によると、今年度、
全都道府県・政令指定都市の教育委員会が、
いじめ問題に関する教員研修を実施、
その内容は一般的な講義形式が多い。
より実践的な手法を求める教員たちにとって、
こうした民間の研修への期待は大きい。

草の根からの試みが、教育現場を変えようとしている。

◆文部科学省の緊急調査

2010年12月実施。
全都道府県と政令指定都市の教育委員会が、
「今年度中にいじめ問題に関する教員研修を実施した、または実施する」。
その内容(複数回答)は、「講義・講話方式」が100%と最も多く、
「グループ協議」80.3%。
市区町村の教委では、研修の「実施の予定なし」33.9%、
内容も「講義・講話方式」77.8%、「グループ協議」44.9%。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20110225-OYT8T00205.htm

2011年3月11日金曜日

教員の研修(4)発達障害を医師と学ぶ

(読売 2月24日)

世田谷区内の多目的ホールの一室に、
年代も様々な小学校の教員ら、約20人が集まっていた。

発達障害を学ぶ勉強会。
講師の宮尾益知・国立成育医療センター発達心理科医長に、
女性教諭(41)が問いかけた。

「小学1年生ですが、暴れて級友を殴ってしまいます。
止められない時、大声で抑止してもいいのでしょうか?」

宮尾医長は、女性教諭に児童の家庭環境などを尋ねながら、
「まずは、お母さんの話をよく聞いてあげて。
『私も親だからわかります』という話し方をすると、
親も安心して聞いてくれます」とアドバイス。

女性教諭は、「本で読むのと、実際に医師の助言が
聞けるのとは全然違う。
じっくり話を聞き、気持ちをほぐしてあげる必要があるとわかった」

勉強会は、現職教員らでつくる教育研究団体「TOSS」のメンバーが、
昨年春から月1回のペースで開いているもの。

宮尾医長を囲んで講義を受け、それぞれの指導経験を報告。
発達障害の研修は、各地の教育委員会で開かれているが、
医師から最新の知見を継続的に学べる機会は貴重で、
首都圏だけでなく、兵庫県や福島県からの参加者もいる。

児童生徒が、授業中に教室内を歩き回るなど、
教室の「荒れ」や「学級崩壊」と言われる事象の多くが、
発達障害に由来している可能性がある。

TOSSの向山洋一代表は、「発達障害への理解と、
それにどう対応するかが、今の教員に欠かせない」と強調。

「臨床教育学」を提唱している北海道教育大学大学院の
庄井良信教授(50)は週1回、同大学院で学ぶ現職教員ら
約10人を集め、ゼミを行っている。
1人が報告する指導事例について意見や質問を交わし、
児童生徒への理解を深めるのが狙い。

庄井教授によると、ベテラン教員でも、発達障害や不登校、
いじめなど様々な課題を抱えた子どもたちに戸惑うことも少なくなく、
自らの指導を問い直そうと、大学院の門をたたく人が多い。

「教師の教育は、用意された講座を消化するだけでは不十分。
プロの教師として、自分自身や抱える課題への理解を深め、
コミュニケーション力を身に着けるには、体験を語ることが不可欠

◆TOSS

「Teacher’s Organization of Skill Sharing」の略。
前身は、向山洋一代表が始めた「教育技術法則化運動」、
優れた教育技術を「法則」として定石化し、
「我流の授業を改めよう」と提唱。
全国で約1万人の教員が参加、各地でサークルを作り、
指導力向上のための講座などを行っている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20110224-OYT8T00182.htm

スポーツ政策を考える:菊幸一・筑波大教授(スポーツ社会学)

(毎日 2月26日)

メディアは、勝った負けたの話題は提供する。
スポーツは、人間にとって大事で、価値あるものとして伝えているだろうか?

スポーツが文化として残すべきものであるならば、
試合の結果だけでなく、プロセスの中に大事なことや
意味があることを、そのプロセスを自ら味わい、楽しむことを伝えてほしい。

登山ブームと言われている。
中高年者は頂上に到達しなくても、川のせせらぎや森のざわめき、
鳥のさえずりを聞いて心地よさを感じ、自然との一体感を味わっている。
競争ではなく、体と環境が直接向き合う世界が、
多くの人を引きつけているのだと思う。

トップを目指すアスリートと違い、一般の人は山登りにしろ、
ランニングにしろ、さまざまなスタイルでスポーツを楽しんでいる。
日常生活圏域のスポーツライフを充実させていくためには、
車ではなく、人の流れを優先させた環境整備を図っていくことが第一で、
ただスタジアムや体育館などの箱モノを造れば済むという話ではない。

民主党が言っていた「コンクリートから人へ」はとても重要で、
すべて人間の体から発想していくことが求められている時代。

子どもの体力が低下している問題で、子どもは遊ばなくなった、
体を使わなくなったと大人たちは嘆く。
駅にエレベーターやエスカレーターができれば、
子どもだって階段を上るより、便利な方を選ぶ。

かつて町中には、子どもたちの遊び場がたくさんあった。
道路が行き止まりになった先には空き地があり、
車が入って来ないので、子どもたちはそこで自由に遊んでいた。

車のための道路を優先させて、利便性を高めていく中で、
路地裏は消えた。
子どもたちの遊び場を、よみがえらせる街づくりの政策が求められている。

スポーツの世界では、サッカーが手の使用を禁じているように、
日常の生活ではあり得ないような課題が設定。
いま自分が持っている力と課題との距離を測りながら、
努力したら達成できる課題を設定する。
その課題を克服していくプロセスの楽しさを味わう。

これは、社会がどんなに変化しても変わらないスポーツの本質で、
その営みは、社会のいろいろな課題を設定して克服していくプロセスと同じ。

もしスポーツが、次の世代に残せるものがあるとするならば、
他から与えられたのではなく、自ら設定した課題にチャレンジしていく
楽しさを味わう営みだろう。

手段としてのスポーツ、つまり教育的な効果があるから、
健康のためにいいからなどではなく、スポーツの原点である
プレーすることの素晴らしさを、子どもたちに伝えていかなければならない。
==============
◇きく・こういち

1957年生まれ。東京学芸大卒。日本スポーツ社会学会理事長。
「『楽しい体育』の豊かな可能性を拓く」(編著)、「『からだ』の社会学」(編著)

http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2011/02/26/20110226dde035070018000c.html

岡山・ロボットスーツ無料貸与 歩行リハビリに活用

(2011年2月28日 毎日新聞社)

岡山県は4月から、足が不自由な人の歩行を助ける
ロボットスーツを、県内の病院や施設に無料で貸し出す事業を始める。

筋力が衰えた高齢者や脳卒中患者のリハビリへの活用の可能性を探る。
地方自治体によるロボットスーツ普及支援は全国初で、
予算は、3年間で約6200万円。
県は、「ロボット大国・日本の有望株に先行投資して、
新産業を誘致したい」

貸し出すロボットスーツは「HAL」。

「ハイブリッド補助手足」を意味。
開発した筑波大の山海嘉之教授が、岡山市出身という縁で
普及支援を決めた。

全身型(重さ約23kg)と下半身型(同約15kg)があり、
山海教授が設立したベンチャー企業「サイバーダイン」が、
09年からレンタル販売、全国で約160台が稼働。

HALは、白い樹脂でカバーした近未来型デザイン。
皮膚に付けたセンサーが、脳が出す電気信号を感知すると、
股や膝など関節部分にあるモーターが動いて、人間の動きを補助する。

県は下半身型HALを、年間20台前後貸し出す。
従来のリハビリ装具に比べ、リハビリ期間の短縮につながるか、
脊髄損傷など重度のリハビリへの対応ができるかなどを調べる。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/2/28/133080/

2011年3月10日木曜日

教員の研修(3)生徒や親の心理を知る

(読売 2月23日)

不登校を防ぐには、学年の最初の3日間が肝心。

生徒たちにグループではなく、ペアを組ませて、
クラスで誰か1人は話せる級友を持てるようにしましょう。
隣の人に声をかけて。

『最初の3日が肝心だぞ』」
講師を務める諸富祥彦・明治大学教授(47)(教育臨床心理学)
指示すると、約40人の参加者は一斉に隣を向き、
照れながらも、「最初の3日が肝心だぞ」。
会場の空気がフッと和んだ。

習志野市の千葉工業大学を会場に、
「千葉県教育カウンセラー協会」が主催した
「教育カウンセラー」養成講座の初日。

カウンセリングを応用した指導で、子ども同士が互いに関わり合う
場面を、意図的に作り出すことの大切さを語る講義に、
教員を中心とした参加者はじっと聞き入った。

「親にケンカの連絡をしたら、全部録音されていて驚いた」、
「『担任を代えろ』と言われた」。
この日の後半は、「保護者対応の実際」がテーマ。
参加者は3~4人のグループに分かれ、保護者から学校に
持ち込まれた苦情の体験を、それぞれが保護者と教諭、
校長の役割を演じて追体験。
保護者への接し方を考えた。

「『私のことをわかってくれない』という親は多い。
親も子も、自尊感情を傷つけないことが重要。
相手の話に理解を示しながら、聞くのが大切」と諸富教授は助言。

教育カウンセラーは、1999年に発足したNPO法人
「日本教育カウンセラー協会」が設けた認定制度。

勉強や進路、交友関係など子どもたちが抱える課題に対し、
カウンセリングの技術を、日常の指導の中で生かすのが目的で、
これまで約1万5000人が資格を取得。

カウンセリングや児童生徒の心理を学ぶ教員対象の研修は、
自治体などの主催で各地で開かれているが、同協会の講座には、
より専門的な知識を求める教員たちが集う。

「教科書の60ページだよ」。
授業中、こんな風に児童同士での声かけを指示することで、
「勉強する意識が高まり、ボーッとする子が減った」と、
千葉県市原市立若宮小学校の森岡里佳教諭(33)は、
養成講座の成果を語る。
折り合いの悪い児童同士でも、声かけが話をするきっかけに。

同協会の村主典英理事(56)は、「一緒に学ぶことで、
参加者同士のつながりができ、相談したり、互いに高め合うことができる」

◆学校のカウンセラー

不登校や非行などに対応する「スクールカウンセラー」が代表的。
臨床心理士、精神科医、心理学系の大学教授らが
教育機関に出向くなどして相談業務に当たる。
教育カウンセラーは、心理職ではなく教育者と位置づけ、
日常の指導に活用するため、教員らが取得する場合が多い。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20110223-OYT8T00162.htm

豆腐店起源の酵素、宇宙へ…エイズ、高血圧解明に期待

(2011年3月1日 読売新聞)

長岡技術科学大などのグループが、
たんぱく質分解酵素の結晶構造解明を目指し、
国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」での
実験実施を目指している。

「DAP B2」
と呼ばれるこの酵素は、
たんぱく質分解の仕方が非常に珍しく、そのメカニズムを調べることで、
病人への栄養補給に応用したり、たんぱく質分解が関係していると
みられるエイズや高血圧の発症の仕組みを解明したりなどの成果が期待。

この酵素は、ある微生物(バクテリア)から生成、
それは約20年前、豆腐製造の廃液の中から発見。

当時同大の学生だった小笠原渉准教授と、教授だった
森川康・名誉教授が、特殊な能力を持つ微生物を採集するため、
長岡市上除町の「今井豆富店」で、廃液を調べる中で、行き当たった。

たんぱく質は、アミノ酸が鎖のようにつながった構造、
この酵素は、たんぱく質をアミノ酸2分子からなる「ジペプチド」単位で、
規則的に切断していく働きがある。

ジペプチドは、栄養素として、アミノ酸より消化吸収が早い。
この酵素の働きがわかれば、たんぱく質からジペプチドを
大量に生成させ、病気で栄養補給が困難な患者に対し、利用が可能に。

この酵素が、なぜこうした働きを持つのかは不明で、
これを調べるには、結晶の構造解析が必要。
無重力状態で結晶を生成させれば、解析できる可能性が高く、
小笠原准教授らは昨年、「きぼう」内で行う実験として応募し、
最終選考候補に残った。
選考結果は4月下旬にわかる。

小笠原准教授や、同大出身で岩手医科大の野中孝昌教授らが
グループを作り、共同研究を進めている。
選考されれば、今年6月21日にカザフスタンで打ち上げられる
プログレス補給船に搭載され、宇宙飛行士により、
「きぼう」で結晶生成の実験が行われた後、
ソユーズ宇宙船で9月16日に同国へ帰還する予定。

小笠原准教授は、「長岡の豆腐店から広がる、宇宙への道。
応用範囲が広く科学的にも期待が大きいので、ぜひ実現して、
構造解析を成功させたい」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/3/1/133112/

「海外で...」夢抱き 医療英語学ぶ看護師

(2011年2月28日 共同通信社)

ニュージーランド地震で安否が分からない邦人の中には、
英語を学ぼうと留学した13人の看護師がいる。

開発途上国での医療ボランティア、高度な医療行為を行う
欧米の医療機関への就職...。

自らの医療技術を生かせる場を広げようと、
海外を目指していたさなかだった。

被災した語学学校「キングズ・エデュケーション」には、
医療専門英語のコースがある。

不明の大坪紀子さん(41)は、青年海外協力隊員の体験を機に看護師に。
「将来は、アフリカの人たちの役に立ちたい」との夢。

「ニュージーランドの病院で働きたい」と知人に話していた早坂美紀さん(37)、
阪神大震災被災者を治療した経験もある玉野裕子さん(43)。
彼女たちは、このコースを受講していた。

ミャンマー、カンボジアでの医療を支援するNPO法人
ジャパンハートは2010年度、約150人の
ボランティア看護師を現地に派遣。

日本の看護師免許では通常、外国で医療行為はできず、
受け入れ国が実績を認める団体の一員として特別に携わる。

スタッフの女性は、「渡航費の負担を伴っても続ける人もいて、
04年の設立から増え続けている」

青年海外協力隊には10年度、203人の看護師が応募。
語学試験などをパスした66人が、医療支援のため海外へ出た。

看護師の社会的地位が高い欧米などの医療機関就職を目指す人も多い。
ニュージーランドなど一部の国は、日本の看護師には
語学力審査だけで、看護師登録を認めている。

語学を含む看護師向け留学プログラムを扱う旅行社
トラベルパートナーズの戸塚雄二社長は、
「欧米での就職は、高い技能を持つ看護師の競争。
登録されても、就職は容易ではない」と指摘、
プログラム参加者もここ10年間増え続けている。

海外に出た看護師数は統計がないが、
日本看護協会は、世界19カ国の看護師受け入れ状況に関する
情報をサイトで提供。

日本も、フィリピンなどから看護師を受け入れ、
医療者の国境を越える移動は世界的な傾向。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/2/28/133002/

2011年3月9日水曜日

教員の研修(2)元校長と授業振り返る

(読売 2月19日)

新潟県長岡市の夕暮れ。
授業を終えたばかりの木本高志・市立栖吉小学校教諭(36)が、
市の教育センターにやってきた。

市の教育委員会が実施する教員研修「教員サポート錬成塾」で、
指導役の元教師と一緒に、その日の授業を振り返る。

題材は、この日午前に行われた5年生の体育のバスケットボール。
校長経験者でもある広部隆司さん(63)は、
授業の様子を、自分で撮影した写真で流れを示しながら、
振り返りを始めた。

授業では、チームメートに責められたのか、涙を流す女子がいた。
「『何してんだと責めるよりも、励ます言葉を考えよう』と指導すれば、
子どもたちは応えてくれる」と、広部さんが語りかけると、
木本教諭は深くうなずいた。

「授業のアイデアを見てもらえるのも、この研修ならでは。
力のある先生に教えてもらえるのはぜいたくで、ありがたい」と木本教諭。

2003年度に始まった錬成塾。
小学校の教員になって4年目の木本教諭が受講したのは、
採用2~6年目が対象の「ベーシック」コース。

校長経験のある元教師から年5回、自分の授業について
事前と事後に研修を受けるもので、今年度は48人が受講。
7年目以降の中堅が対象の「クリエーティブ」コースもあり、
両コースでこれまで計約460人が受講。

若い人を育てるのは、年長者の責任。
現職の頃を振り返ると、もう少ししてあげられればよかった、
との思いもあった」と、錬成塾の塾長も務める広部さん。

「マニュアルを教えるのではなく、子どもを見て、
一緒にどうすればいいかを考える。
現職の頃よりも勉強になっています」

中堅や若手が、教員OBなどに学ぶ教育委員会主催の研修は、
東京都や宇都宮市など各地で行われている。

東京都教育委は06年度から、採用5~10年の若手を
ベテランが指導する「東京教師道場」を開催。
定員は毎年400人。
10人程度のグループに分かれ、2年間かけて互いの授業を見学し、
検討し合う。

都教職員研修センターの杉本昌彦統括指導主事(48)は、
「昨年3月の修了者について、校長の97%が『授業力が向上した』と
アンケートで回答している。
授業の細かな分析を2年間続ける中で、力が培われている」

◆ベテラン教員に学ぶ研修

宇都宮市教委は、今年度から、中堅がベテランと授業を公開し合う
「教員マイスター制度」に取り組む。
金沢市教委は、小学校のベテラン教員が指導する「金沢『匠』塾」を実施。
宮崎県教委も、ベテランが塾長になる「宮崎授業力リーダー養成塾」を実施。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20110219-OYT8T00183.htm

インタビュー・環境戦略を語る:花王・後藤卓雄専務執行役員

(毎日 2月28日)

09年6月、「いっしょにeco(エコ)」をキーワードとする環境宣言
CO2排出量や水の使用量などについて、
20年時点での削減目標(05年比)を定めた花王。
エコロジーを経営目標の根幹として掲げるのはなぜか?
その狙いを、後藤卓雄専務執行役員に聞いた。

--環境宣言発表の経緯を聞かせてください。

◆花王は以前から、商品のコンパクト化や詰め替え化など、
環境対応に力を入れてきた。
企業の当然の使命ととらえ、あえて外部に
宣言するようなことはしなかった。

世界的に環境問題への関心が高まっている中、
環境問題に真正面から取り組む姿勢をはっきり示すべきだと考え、
花王石鹸発売120周年の節目の年(2010年)を前に、
生活と地球環境の新たな調和を目指そうと、環境宣言を発表

--「いっしょにエコ」という言葉に、どのような思いを込めたのか?

◆製造から使用・廃棄まで、商品のライフサイクルすべての段階で、
環境負荷を小さくすることが重要だが、我が社だけではできない。
お客さまと、パートナー(取引先)と、社会と、という
三つの「いっしょに」を考えた。

「お客さまといっしょに」は、花王の環境対応製品を
消費者が使う場面で、毎日無理なく環境負荷を低減していこうと。
「パートナーといっしょに」は、流通業者など取引先と、
流通段階での配送頻度の低減などに取り組む。
「社会といっしょに」では、00年から「都市緑化基金」と共同実施している
植樹活動「花王・みんなの森づくり活動」など、
社会と連携した環境活動を目指す。

--環境対応製品には何があるか?

◆環境宣言後に発売した、
すすぎが1回で済む濃縮液体洗剤「アタックネオ」、
少量で効き目の高い柔軟剤「ハミングネオ」、
すすぎ1回で済む柔軟剤入り濃縮液体洗剤「ニュービーズネオ」--
の「ネオシリーズ」は、花王独自の環境技術に基づいた
節水・節電型の製品。
昨年9月、化粧水「ビオレうるおい弱酸水」の詰め替え用を発売。

--今後の展開は?

現在、和歌山事業場内に次世代の環境技術の開発拠点
「エコテクノロジーリサーチセンター」を建設中で、
今年夏に動き出す。

新たな環境技術の開発を進め、環境宣言で定めた、
製品のライフサイクル全体でのCO2排出量の35%削減や、
製品使用時の水使用量30%削減を達成したい。

「アタックネオ」は、すでに中国とオーストラリアで
現地の洗濯文化にあった商品に改良し、発売、
今後もさらに海外展開を進める。
==============
◇ごとう・たくお

71年、新潟大工学部卒。花王石鹸(現花王)入社。
パーソナルケア・化粧品技術部長、常務執行役員などを経て、
08年6月から現職。63歳。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2011/02/28/20110228ddm008020022000c.html

アンドロイド携帯、これが仕事で使えるアプリ

(日経 2011/1/16)

携帯電話各社が、米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を
搭載したスマートフォン(高機能携帯電話)の開発に力を入れている。

アンドロイド端末の国内出荷台数は、
2010年度中に米アップルの「iPhone(アイフォーン)」を上回る見通し。

スマートフォンは、「アプリ」と呼ぶ応用ソフトをネット経由で取り込んで
機能を拡張し、表示や使い勝手などを自分好みに
カスタマイズできるのが特長。
アンドロイド端末で、仕事に役立つアプリや使用上の注意点を探った。

仕事に役立つアプリは、主に個人で使うものと、
企業で本格的に使うものの2種類。

アンドロイド向けアプリ紹介サイト「アンドロイダー」を運営する
トリワークス(渋谷)の百名覚編集グループリーダーが推奨する
個人向けアプリを見てみよう。

スケジュール管理で、一番人気はジョルテ。
端末に標準搭載のアプリは、使い勝手が悪いことが多いが、
「システム手帳のような画面で、月表示や週表示を簡単に切り替えられる」

ファイル共有アプリでは、エバーノートが知られている。
ネット上に、文書や画像などのファイルを保管することで、
自宅や会社のパソコンで編集した文書などを、外出先から確認できる。

少し変わったアプリでは、名刺読み取りアプリのビズカロイド・ライト。
スマートフォンのカメラで名刺を撮影すると、
文字認識機能を利用し、住所や電話番号などを読み取り、
アドレス帳に登録できる。

表計算やプレゼンテーションなどの閲覧ソフトでは、
エクセルのファイルなどを閲覧できる、
ネットフロント・ライフ・ドキュメンツが便利。

ドキュメント・トゥー・ゴーなどの有償版では、
閲覧だけでなく編集に対応したものもある。

企業向けの業務アプリでは、情報共有ソフトやセキュリティー管理が登場。
エクスチェンジ・タッチダウンは、米マイクロソフトの情報共有ソフト
「エクスチェンジ」のメールやスケジュールなどの情報を、
アンドロイド端末から参照する機能を備える。

A-Secureでは、端末の紛失や盗難時にGPSによる場所の調査、
操作のロックやデータの消去を遠隔指示できる。
対応端末は一部に限られるが、企業で本格導入する場合は
セキュリティーの向上に役立つ。

注意しなくてはならないのは、アプリを使いすぎると、
電池を急速に消耗してしまうこと。

NTTドコモの「ギャラクシーS」を購入したある会社員は、
電池が半日も持たなかった。
大量のアプリを、同時に起動していたのが原因。

電池を効率的に使うには、アプリの稼働状態を表示する
タスク管理ツールが不可欠。
「タスク管理ツールを入れ、起動中のアプリをこまめに
終了するようにしたら、一日持つようになった」

無線LAN(構内情報通信網)や全地球測位システム(GPS)などの
設定を、簡単に変更できる設定管理ツールも便利。

無線LANやGPS機能は、非使用時に無効とすれば、
電池の持ち時間が長くなるほか、
「会議のとき、簡単にマナーモードに切り替えられるので便利」

アンドロイドは、端末ごとにOSのバージョンや画面サイズが
異なるため、アプリ利用時に注意が必要。

端末によってアプリが使えなかったり、画面表示が乱れたりする。
グーグルのアプリ配信サイトでは、有償アプリ購入後に返品できる
仕組みがあるが、昨年12月に返品期間を、
従来の24時間以内から15分以内に縮めた。
購入後は、必ずアプリの動作を確認しておきたい。

http://www.nikkei.com/biz/skill/article/g=96958A90889DE0E3E7E0E5E6E0E2E3E0E2E3E0E2E3E38A84E0E2E2E2;p=9694E2EAE2E3E0E2E3E2E1E6E1E7

2011年3月8日火曜日

教員の研修(1)定年後 新人の育成役

(読売 2月18日)

稲城市の市立稲城第三小学校3年2組の教室。
担任で新人の一色香織教諭(25)が、黒板の前に立つ。
チャイムが鳴ると、児童39人が次々に前に出て、
暗記してきた春の七草などを整然と発表。

秩序立った授業の背景には、この学級のもう一人の担任、
教員歴40年の白尾秀子教諭(61)の存在。

「お尻はイスの奥までくっつける」、
「机とおなかの間はこぶし一つ分だけ空ける」――
一色教諭は、白尾教諭の助言を受け、年度初めに生活習慣を
かみ砕いて黒板に書き、繰り返し指導してきた。
「白尾先生に言われなければ、ここまで細かくは指導できなかった」と
一色教諭は振り返る。

若手の指導力向上のため、東京都教育委員会は今年度から、
新たに採用された小学校教員に、ベテラン教師が
「新人育成教員」として、1年間付きっきりで指導する新しい研修を始めた。
全国でも珍しい試み。

白尾教諭は、一昨年春に同小を定年退職後、
今年度から新人育成教員となった。
「生活の乱れを後から直すには、大変なエネルギーが必要。
最初から良いルールを浸透させることで、学習もスムーズにいく」、
ベテランならではのコツを明かす。

「通常の研修だと指導は受けても、実際の教室の中まで
見てくれる人がいない。
この研修は、毎日家庭教師がいるようなもの。
若手の成長が格段に早い」、同小の寺井尚一校長(63)。

「『どんな学級にしたい』という目標は、どの先生も持っているが、
『どうやって』がわからない。
それを示してくれるのが新人育成教員」

学校では今、ベテランの大量退職が続く。
都教育庁によると、公立の小中、高校などで2005年度は
約900人だった定年退職者が、07~09年度は毎年1600人を超えた。
新人育成教員の事業費は、年間約5億円。
新人に手厚い研修を行うのは、1年目でも学校では
保護者たちから先生として完成された指導力を求められるため。

都は、10年度からの5年間で500人の新人育成教員を任用する予定。
今年度の新人育成教員の体験記を冊子にまとめて配布し、
経験を広めたいとしている。

◆ベテランの大量退職

1960~70年代、都市部では人口が急増し、児童数の増大のため、
団塊世代の教員らが大量に採用。
この時期に採用された教員が定年退職の年齢となり、
今後数年間は大量退職が続く。
都市部の各教育委員会では、採用枠を拡大。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20110218-OYT8T00204.htm

医療現場に仏教を、「臨床僧」誕生 介助法など習得、今夏までに派遣開始

(2011年2月28日 毎日新聞社)

患者やその家族が、心穏やかに過ごすための手助けをしようと、
僧侶の有志の会「臨床僧の会・サーラ」が、京都市で発足。

代表は、禅僧で医師でもある対本宗訓さん(56)。

対本さんは、臨済宗仏通寺(広島県)派の管長まで務めたが、
「医学が扱う生命と、宗教が説く『いのち』の双方を知りたい」と、
45歳で帝京大医学部へ入学し、医師になった。

医学部の6年間、命という言葉がほとんど出てこなかった。
科学だけでは、患者の『死んで私はどこへ行くのか』という
質問に答えられない。
かと言って、衣を着た僧侶がいきなり病室で説法しても、
患者には届かない。
日常の言葉で、法を説く力が求められる

免疫力が低下している患者もおり、知識なく病室に入るのは危険。
会では、参加希望の僧侶にヘルパーなどの資格を取ってもらう。

人体の基本的な仕組みや医療倫理の基礎を研修し、病院で実習。
教義や説法は脇に置き、まずは食事や入浴の介助、
花壇の手入れなどを通して汗をかき、患者に信頼してもらう道を取る。

多くの病院にとって、僧侶は葬式イコール死のイメージが強く、
白眼視されがちなゆえ、僧侶の派遣を長続きさせる
システムづくりを重視している。

僧侶の宗派は問わないが、現在は臨済宗の禅僧約30人が参加を希望。
長野県下諏訪町の福田精裕・慈雲寺住職(43)は、
僧堂で修行中に父母が相次いで病気で倒れ、見送った経験。

「修行してはいても、介護中は精神的に参った。
死期が近づいたり、介護が長引いて苦しんでいる人を今度は助けたい。
求められれば、人は死ななくてはならず、
死は受け入れるべきものだと語らせていただく

事務局長の児玉修さん(63)の口調は厳しい。
エリートコースを歩んだ傲慢な医者と、悩み苦しむ人に対して
何もしない怠慢な僧侶、どちらも動かすのは大変だ。
当面は、貴重な残り時間を無為に過ごさざるを得ない
終末期の患者のために働く。
決してボランティアではなく、死を語れる存在の僧侶として
受け入れてくれる病院を探している」。

今夏までに派遣を開始する予定。
事務局の電話とファクスは(075・954・1005)。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/2/28/133077/

「早寝早起き」親の工夫が必要

(2011年2月25日 読売新聞)

なかなか実行できないのが、子どもの早寝早起き。

親の上手な働きかけや工夫が必要だ。
入園や入学を控えている家庭では、早めに生活のリズムを整えたい。

京都市の小学2年生の前田凪彩さん(8)は、今年1月から、
学校で配られた「早起き・早寝カレンダー」への記入を続けている。
毎日、起床と就寝の時刻を点で記し、
つなげて折れ線グラフにすることで、変化が見える。

これまで、夕食が午後8時、就寝が10時、起床が午前7時過ぎと遅め。
親子で話し合い、夕食を午後7時にしたところ、
就寝が少しずつ早まり、9時に寝られる。
姉や弟も刺激を受け、朝も声を掛け合って午前6時半には起き、
8時前の登校班の集合時間に遅れることもなくなった。

母親の栄美さん(38)は、「カレンダーでやる気が出た。
朝からせかさずに済み、子どもとの口論が減った」

早寝早起きは、子どもの成長にどんな意味があるのだろう?
兵庫県立総合リハビリテーションセンター中央病院内にある
「子どもの睡眠と発達医療センター」のセンター長、
三池輝久さんは、「十分な量と質の高い睡眠を取ることは、
子どもの心身を育て、能力を発揮することにつながる。
そのためには、早寝と早起きがセットで必要

乳幼児期や小学校低学年までに必要な睡眠時間の目安は、
9~10時間。
「成長期の子どもは、夜間に熟睡することで、
脳細胞や神経の発育が促される」

同じ10時間でも、夜9時ごろ寝るのと夜ふかし後の
午前0時ごろから寝るのとでは、睡眠の質が違う。

起床後、頭が働き活動できるまでには一定の時間が必要、
「登園や登校の時間から逆算し、早めに寝かせなければなりません」

文部科学省などは、授業への集中力を高めようと、
2006年から、「早寝早起き朝ごはん」を提唱、
家庭にも働きかけている。

行動に移すための具体的なポイントは何か?

保育関係者や小児科医らでつくる「子どもの早起きをすすめる会」の
発起人で、南和歌山医療センター小児科医の星野恭子さんは、
まずは早起きから。
思い切って普段より1時間ほど早く子どもを起こして、
それを1週間続けると、次第にリズムができる。
起床や就寝の時間を記録すれば、行動を振り返りやすい

仕事で帰宅が遅い親も多く、寝かせる時間も遅くなりがち。
「難しいとは思うけれど、子どもと一緒に寝て、
朝早く起きて家事をしたり、触れ合ったりするなど、
生活リズムを合わせるよう努めて。
早寝早起きは、子どもの健やかな成長につながるので、
家族全員で協力して、身につけてほしい

◆子どもに早寝早起きをさせるポイント(星野さんの話を基に作成)

〈1〉朝、カーテンを開けて日光を浴びさせる。
体内時計をリセットする効果がある。

〈2〉朝食にスープなど子どもが好きなメニューを作り、
「できたよ」と言って起こす。

〈3〉昼間たっぷり活動させる。

〈4〉夜遅い時間のテレビ番組を見たい場合は録画する。

〈5〉ゲームは「夜8時まで」などとルールを決める。

〈6〉寝室を暗くする。

〈7〉絵本の読み聞かせや子守歌、おやすみのあいさつなど
「入眠儀式」を設けるのも効果的。

〈8〉安心して眠れる環境が大切なので、小学生でも添い寝していい。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/2/25/132893/

2011年3月7日月曜日

インサイド:トヨタとスポーツ/5止 グループ企業は闘志前面 プライド持ち競い合う

(毎日 2月26日)

近年のスポーツ界では、トヨタ自動車のグループ企業も
各競技で全国優勝した。

女子バレーボールでは、10年にデンソーが全日本選手権優勝。
男子バスケットのアイシンは今年、全日本4連覇を達成。
女子駅伝では、08年に豊田自動織機が実業団を制した。
3社とも、トヨタ自動車本社がある豊田市に隣接する刈谷市に本社を置く。

スピードメーターやエアコンなど、自動車部品を製造するデンソーは、
かつてトヨタ自動車の開発部門。
今でも、トヨタが約25%を占める筆頭株主。
今は、トヨタとの取引は全体の半分。
09年度は、自動車部品製造会社で世界一の売上高を記録。

スポーツチームは01年にバレー、ソフト、バスケット、陸上長距離の
女子4部を、強化部に指定。
人事部にスポーツ強化室を置く。
支援理由を、永田将人室長は「棚に並ぶ商品ではないので、
一般の認識が低い。
スポーツで、ブランド価値を高める狙いもある

これまでソフト日本代表で、染谷美佳が08年北京五輪金、
バレーでも井上香織が10年世界選手権で銅を獲得。
永田室長は、「日本一になり、世界の舞台で活躍できる選手を輩出したい」

◆互いにライバル

アイシン精機も、トヨタが株式を約23%所有。
オートマチック変速機で高い技術力を誇り、
約4割はトヨタ以外の国内外の自動車メーカーとの取引。
トヨタ以外からも売り上げを得ているという状況は、デンソーと同じ。

社員の関心は高く、山田竜一郎バスケット部部長は、
「勝敗が(試合開催日の)週明けのあいさつになるほど」

日本リーグで、トヨタ自動車とも対戦機会があり、
「勝ちたいというより、勝たないと優勝できない」とライバル心。
バスケットは、外国選手も複数入りチームを構成するが、
「広告宣伝と思っていない。
企業として、プライドを持ってやっている」と山田部長。
コートは、相手がトヨタでも対等、と意識できる格好の舞台。

トヨタの一部門などから成長し、
「トヨタを追い越せ」と発奮するグループ企業。
一方で、本社や練習場が同じ愛知県内で近接していることもあり、
両者は底上げのため、さまざまに交流している。

豊田自動織機は、トヨタの豊田章男社長の曽祖父で、
グループ創始者・豊田佐吉が設立した「本家」。
今は、自動車組み立てとフォークリフト生産が主。
今季初めてラグビー・トップリーグに昇格し、トヨタ自動車とも対戦。
田村誠監督は、トヨタでラグビー部長なども務めた経験があり、
強化面でアドバイスも受けている。

女子ソフトは昨年、トヨタ自動車が日本リーグで優勝。
4位に豊田自動織機、デンソーも5位。
3チームは、シーズン前のオープン戦で頻繁に対戦する。
運動部の運営を担当する豊田自動織機ウェルサポートの
朝倉康善社長は、「『負けるな』という声が、社内で大きい。
グループ企業同士での切磋琢磨は強化につながる

◆実業団の灯消さぬ

NEC男子バレー部、日産自動車硬式野球部など、
複数回の全国優勝を誇る名門企業チームが次々と消えた。
その中で、「うちはやめない」と存続方針を打ち出して、
スポーツを支え続けるトヨタ自動車。
選手のレベルアップを担う、リーディングカンパニーへの期待は大きい。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2011/02/26/20110226ddm035050121000c.html

漢方最前線(5)高齢社会に養生の知恵

(2011年2月25日 読売新聞)

「おなかの底から、気味の悪い冷気がどっと上がってきて、
動悸が止まらない」

「のどの奥に、梅干しのタネのようなゴロゴロしたものが詰まって、
せきをしても取れない……」

診療室では時々、びっくりするような訴えがある。
臨床検査を繰り返しても、これといった原因が見当たらず、
医師、患者双方が苦しむケースも多い。

平馬直樹・日本医科大学講師(58)は、現代医学では
相手にされないような症状でも、漢方医学には治療の手がかりがある。

「それぞれ奔豚気(ほんとんき)病、梅核気(ばいかくき)と呼ばれる症状。
現在では、パニック症候群や自律神経失調症に属すが、
昔からこうした患者がいた。
中国・漢時代から治療法が記録」。
「気」の巡りを改善させる治療薬で、症状が軽減する例も多い。

漢方医療には内科、精神科などの診療科はない。
心と身体を、ことさら区別しない「総合診療」が持ち味。
「医療の根幹をになうのは、西洋近代医学。
漢方は、野球でいえば外野の外の球拾いの役割。
主力陣が持てあます症状の中には、漢方医学で対処できるものもある。
両医学をうまく組み合わせることが大切

その総合診療の良さが発揮されるのは、高齢者医療。
そこでは、医師に頼るだけではなく、
患者本人の健康への自覚も問われる。

漢方薬は、この30年で日本の医療に広く普及したが、
「漢方医学そのものの理解は進んでいない」と、ベテラン医師たちは指摘。

丁宗鉄・日本薬科大学教授(63)は、
「大切なのは、養生の知恵。
未病のうちに気づく、節制し、保養すること。
年齢と共に、臓器や組織にトラブルが起こるのは人の当たり前の姿。
不具合を全部取り除くのではなく、不自由でもその範囲で快適さ、
生活の質を維持できればよい。
西洋医学も含めて、医療の考え方をこうした方向に組み替えていくべき」

石田秀実・九州国際大学名誉教授(60)は、
「世界の伝統医学の多くが、過去のものとなった中、
中国伝統医学は、心身を全体的に把握する、
とりわけて豊かなシステムと現実的有効性を持っている」

その文化資産を上手に活用できるかどうかは、
私たちの老後にも大きな影響を与えるだろう。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/2/28/133069/

北東北の医工が連携 盛岡で初の交流会

(岩手日報 2月26日)

北東北3県の医療機器関連企業、医療機関などが一堂に会する
北東北ものづくり医療機器産業交流会が、初めて開かれた。

医療機器関連産業は、景気に左右されにくく、
自動車、半導体に続く本県産業振興の第3の柱。
自社の固有技術を応用展開して、業界参入を目指す企業が集まり、
企業間連携、医療と工業の「医工連携」を図った。

3県から、関係者約100人が参加。
30の企業、研究機関が技術パネルを展示して、
自社の強みをプレゼンテーション。
本県からは10企業、機関が参加。

産業用機械のレンズの研磨加工を得意とする品川光学(奥州市)は、
2009年から生体に優しいCCM合金の人工股関節分野に参入。
骨頭部とカップ部の研磨技術で、高い評価を得ている。

白井光一社長は、「12年度までに試作品を完成させ、
13年度から大手メーカーに供給できるようにしたい」、
高度な研磨技術の多分野への応用展開をPR。

会場では、岩手医大、秋田大医学部付属病院、
弘前大大学院医学研究科の教授らが、
医療機器開発、医工連携などをテーマに講演。

企業関係者は、医療側のニーズを今後の研究開発の参考。
交流会は、北東北3県の関係機関の主催。

いわて医療機器事業化研究会の共同代表の一人で、
共立医科器械(盛岡市)の餘目正敏社長は、
「北東北で埋もれている技術の発掘、有効活用に一体で取り組み、
医療機器関連産業の振興、地域活性化につなげたい」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110226_11

2011年3月6日日曜日

インサイド:トヨタとスポーツ/4 グランパス支援 地域とつながるツール

(毎日 2月25日)

昨秋、Jリーグ参加18年目にして初優勝を決めた
名古屋グランパスの前身は、旧日本リーグのトヨタ自動車サッカー部。

93年、Jリーグ発足に伴うプロ化に際し、トヨタだけでなく、
日本リーグを支えてきた企業チームは戸惑いを見せていた。
「地域密着」を掲げ、クラブ名称に企業名を入れることを禁じた
Jリーグの方針に、異を唱える企業は多かった。

最終的に、トヨタはJリーグ参加に踏み切った。
「グランパス支援を、トヨタ従業員の士気高揚につなげる関係ではない。
一出資会社としての付き合いにする」がトヨタ側の判断。

グランパスがプロとしてスタートするには、
企業チームとは異なる価値観の創出が必要。

◆サッカー教室も


今も、グランパスがトヨタの多大な財政支援で支えられているのは事実。
22・5%を出資する筆頭株主で、グループ企業の出資も10社を超える。
歴代社長は、トヨタグループの役員も兼務し、クラブハウスと練習場は、
硬式野球、ラグビー部が使うトヨタスポーツセンター(豊田市)の一角。
ユニホームの胸のロゴなどに出すトヨタの広告費用は、億単位。
しかし、プロクラブへの出資には違う意味合いがある。

ホームタウンの名古屋市にゆかりのある中部電力やJR東海、松坂屋など、
トヨタグループ以外の企業も出資し、チーム名の通り、
グランパスは「名古屋」のクラブ。

グランパスの福島義広・代表取締役専務は、
「トヨタグループ以外の企業からすると、ハードルが高いかもしれないが、
さまざまな形で協賛をいただければ」と広げた間口を強調。

愛知県全域ではここ3年間、東部の豊橋、岡崎両市で
子供たちのためのサッカー教室を設立し、
グランパスのコーチ陣が地域の指導者に対してセミナーを開いている。

選手の幼稚園訪問や年間チケット購入者と、
ストイコビッチ監督や闘莉王らトップ選手との交流会なども開催、
愛知県サッカー協会の小久保孝専務理事は、
「地域をより重視しているように感じる」

◆V効果で観客増員

かつての企業スポーツは、大企業を置く各地の都市「企業城下町」を
基盤に発展してきた。
スポーツは、社員の福利厚生や士気高揚だけでなく、
企業と地域社会を結ぶ役割を果たしてきた。

バブル崩壊や景気低迷の時期を経て、スポーツの価値観も
地域との関係を重視する方向にシフトし始めてきている。

こうした動きは、サッカー以外のプロスポーツにも波及し、
プロ野球では、ダイエー(現ソフトバンク)が福岡、ロッテは千葉、
日本ハムは北海道に本拠地を移し、地元住民の支持を確実に得ている。

昨季、グランパスの1試合の平均観客動員数は、
初優勝もあって、前年比約4000人増の約2万人に。
J1全体が、前年比500人減の約1万8400人の中、
福島専務は、「初優勝で地元が大いに盛り上がり、
熱心なサポーターだけでなく、多くの人が興味を持ってくれた」と
優勝効果を強調。

その盛り上がりをどう発展させていくか?
グランパスの動向は、トヨタという世界的企業と地域との関係を
これからも映し出していくに違いない。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2011/02/25/20110225ddm035050060000c.html

LRT:環境負荷小さい次世代型路面電車 東京・銀座でも計画

(毎日 2月21日)

国内外で、次世代型路面電車(LRT)が注目。

走行時の環境負荷が小さいことや、ドーナツ化現象に悩む
市街地の再生策として、日本でも再評価の機運が高まり、
東京・銀座で、約半世紀ぶりにLRTを走らせようとする計画。

住民との合意形成や既存の交通機関との調整などが課題。
中央区は、11年度予算案でLRT導入を検討するため、
調査費1500万円を計上。

土木部管理課は、「LRTを走らせることが可能か不可能か判断したい」と
慎重だが、具体的な青写真を描いている。

有望視するのが、臨海部の晴海・勝どき地区から築地を経由し、
銀座を結ぶ約3kmのルート。

道路が狭い都心では、レール幅を確保するのは難しく、
車道に専用または優先レーンをとって、
車両をつないだ連結バス(BRT)を走らせる構想も。

有賀重光・管理課長は、「BRTでも、電気やハイブリッドなど
環境にやさしい技術がある。エコなまちづくりに貢献できる」

計画の背景は、地価下落による都心回帰現象。
晴海を含む月島地区は、高層マンションの建設が相次ぎ、
過去10年間で人口が約1・5倍に増加。

晴海地区は、半径500m以内に地下鉄の駅がなく、
住民から新しい交通システム整備の要望が10年来寄せられていた。

LRT建設費は、車両費を除いて1kmあたり20億~40億円、
地下鉄と比較して10分の1近く、コスト面でも魅力的。

国土交通省は、06年に警察庁と「LRTプロジェクト」を設け、
整備費補助など自治体の導入支援を本格化。

支援第1号は、同年にLRTを国内で初めて新規開業させた富山市。
09年、市中心部の環状線が開業。
業績も好調で、商店街や住宅地などを狭い範囲に集約させる
「コンパクトシティー」も進んだ。
高齢化や低炭素型社会先進地として、評価が高い。

鹿児島市を走る市電では、06年度から線路敷き部分に
芝生を植える緑化事業を進めている。

景観向上やヒートアイランド現象の緩和などが狙いで、
広島市なども追随。
日本に先駆け、欧州では人口20万~50万人規模の
都市を中心に導入が進む。

ストラスブール(仏)、カールスルーエ(独)など、
LRT先進地として紹介される都市では、中心部から自家用車を締め出し、
歩行者と公共交通だけを通行させている。

「ポスト富山」の課題も浮上。
10年度末、一部区間でLRTの新線を開業予定だった堺市では、
09年秋の市長選で整備計画が争点となり、
反対派の竹山修身氏が現職を破って当選。
採算性などを理由に白紙となった。

沿線住民との合意がないまま事業を推進しようとした
旧市政への不信感が表れた形で、
LRTを巡る合意形成の難しさが教訓として残った。

国交省街路交通施設課は、LRT導入の条件を、
(1)まちづくり計画、
(2)沿道住民、
(3)既存の公共交通、
(4)予算・採算性--
の4分野での合意形成が必要と指摘。

谷口守・筑波大教授(交通環境政策)は、
「沿道空間全体の見直しや既存の交通ネットワークの中で、
LRTをどう位置付けるかが重要。
LRT導入で、交通渋滞が頻発すれば、かえって温室効果ガスの
排出量は増える。
都市中心部への集中投資に反対する意見も多く、
政争の具となりやすい。
首長の指導力が問われる」

◇振動少ない低床式

LRT(ライト・レール・トランジット)は、従来の路面電車に比べ、
騒音や振動を抑え、低床式車両で乗り降りしやすい
バリアフリー仕様が特徴の輸送システム。

排ガスがなく、減速時のエネルギーを電力として再利用するため、
環境負荷が小さい。
既存の道路に軌道を敷設でき、建設費が抑えられるので、
導入を検討する自治体が増えている。
既設路線でも、新型車両の導入などでLRT化が進んでいる。

日本初の路面電車は、1895年に京都市で開業。
日本交通計画協会によると、ピーク時の1930年代前半には、
65都市で総路線距離約1480kmに達したが、
高度成長期以降、自家用車や他の交通機関の普及などで減少。

昨年3月現在、17都市で総距離は約206kmに落ち込んだ。
銀座では、71年に姿を消した。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2011/02/21/20110221ddm016040048000c.html

花粉症の季節は沖縄へ 50~60代の長期滞在 旅行業界に期待も

(2011年2月23日 共同通信社)

くしゃみ、鼻水、目のかゆみ。
鼻が詰まって、頭もボーッ。
今年は、スギなどの花粉の飛散量が多いといわれ、
こうした症状が出る心配が少ない場所で、花粉症の季節を過ごそうと、
沖縄県に長期滞在する人が目立っている。

北海道の一部地域とともに、旅行業界では
旅のきっかけづくりとして期待する動き。

▽マスクいらず

気温が20度を超えた、2月初旬の那覇市。
横浜市の主婦、児玉麻里さん(52)は、花粉から逃れることと、
沖縄への移住準備を兼ね、夫と一緒に昨年12月から約3カ月間、
市内のマンスリーマンションに滞在。
「今年は、花粉症の症状が出ないと思うと安心」

20代のころから、花粉症に悩まされてきた。
「若いころ、ティッシュの箱を持ち歩くような状態。
薬の影響もあって眠くなってしまうし、大変だった」。

近年、症状は落ち着いてきたものの、
横浜にいたころは、マスクを着用することが多かった。
沖縄に来てからは無縁に。

沖縄で短期滞在のマンションを展開するSUMUKA(那覇市)は、
花粉症からの避難や避寒を兼ねた滞在予約や
問い合わせが増えている。

50~60代の夫婦が予約の中心で、1月ごろから2、3カ月程度
滞在する人が多い。
部屋料金は2人で滞在する場合、1カ月約16万円。
同社総務部の仲宗根和美さんは、「症状が出なかったことを喜んで、
次の年の予約をする方もいます」

キャンピングカーで寝泊まりしているのは、吹田市の矢間文夫さん(63)。
毎年、2~5月のゴールデンウイーク明けまで、沖縄県内に滞在。
もともとキャンピングカーで全国を回るのが夢、
定年退職後に花粉症に悩まされる季節は、
「沖縄に逃げよう」と思い立った。

今年で3回目。
「マンゴー農園を手伝ったり酒盛りに参加したり、
地元の人との交流を楽しんでいる」

▽宿泊プランも

旅行会社JTBの店舗、トラベルゲート横浜では、
2月に開催した顧客向けのセミナーで、花粉症対策を取り上げ、
沖縄旅行を提案。

2回、3回と訪れている人もいる場所だけに、
旅行の新たなきっかけづくりとしての期待。

北海道上士幌町の「ぬかびら源泉郷」でも、スギがないことをアピール。
糠平舘観光ホテルでは、今年から個人向けに、
「スギ花粉避難宿泊プラン」を提供。

専用の食事メニューや温泉入浴、森林浴などで免疫力を高め、
花粉症による日ごろのストレスを解消してもらうのが狙い。
この季節に長期間休める人は多くない。

JTBトラベルゲート横浜の太田裕基子さんは、
「週末に1日プラスし、少しでも花粉から離れるだけでも、
気分が変わるはずです」と提案。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/2/23/132773/