2007年12月29日土曜日

最前線:購入者の反応楽しみ--セガ・宮崎浩幸執行役員

(毎日 12月3日)

家庭用ゲーム機市場に人気ソフトを提供し続けているセガ
ゲーム機の特性を引き出す開発力は、業界で高く評価。
毎日新聞などと新作ソフトを製作したセガの宮崎浩幸執行役員に、
市場の最新事情や戦略を聞いた。

--家庭用ゲーム機市場の現状は。

◆任天堂の「Wii(ウィー)」など据え置き型ゲーム機に、
かつてのソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の
「プレイステーション(PS)2」のような勢いがない。
一方、携帯型ゲーム機は任天堂の「ニンテンドーDS」が、
異例の早さで国内販売台数2000万台を突破。
DSは開発費が安いため、ソフト開発メーカーが参入しやすい。
結果的に手軽に遊べるソフトが多数そろい、ゲーム初心者を引き寄せた。
ソフト開発メーカーの主戦場は、既にDSに移った。

--任天堂をパートナーとして初めての共同製作を行いましたね。

◆任天堂の「マリオ」とセガの「ソニック」という両社を代表するキャラクターが
競演するスポーツゲーム「マリオ&ソニック AT 北京オリンピック」を発売。
WiiとDSの2機種に対応し、国内外から予想以上の反響がある。
面白い研究をしている研究機関やブランド力のある企業と組む機会は増えていく。

--毎日新聞と共同製作したDS用ソフト「毎日新聞 1000大ニュース」も
11月29日に発売されました。

◆毎日新聞の創刊から今年までの135年間に掲載されたニュースをクイズにした。
政治や事件、スポーツなどあらゆる分野の知識を問われる。
過去をさかのぼっていく「タイムスリップモード」や、
間違いを探す「添削クイズ」など、初心者が楽しめる仕掛けが満載。
9月に第1回試験が行われた「ニュース時事能力検定」に対応し、
模擬試験として使うこともできる。

--ゲームソフトはこれからどう変わっていくのでしょう。

◆かつて、一番面白いのは家庭用ゲーム機という時代があった。
その後、携帯電話やパソコンなどが登場し、状況は大きく変わった。
今は、ゲームが携帯電話などと時間を奪い合っている。
クリアまでに数十時間かかる大作より、
ちょっとした空き時間に遊べるソフトが人気を集めている。
この流れは加速していくだろう。

--ゲームソフト作りの魅力は何ですか。

◆購入者の反応を予想しながら作るのが楽しい。
ただ、過去に売れたソフトが今後も売れるとは限らない。
毎回ゼロからのスタートになるから大変だ。
だが、成功体験が続かないからこそ、
売上本数など結果が出た時はうれしい。
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■人物略歴

東大文学部卒。93年にセガ・エンタープライゼス(現セガ)入社。
海外営業部長、マーケティング統括局長などを経て、
05年から現職。福岡県出身。45歳。

http://mainichi.jp/select/biz/news/20071203ddm008020135000c.html

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