(毎日新聞 2007年12月25日)
名古屋市立大大学院元教授の汚職事件を機に、
医学博士の学位申請者からの審査担当教授らへの謝礼が問題。
医学系大学院を持つ全国の国公立大学法人にアンケートを実施、
65%にあたる30校が、謝礼について実態調査も注意喚起も
行ったことがないと回答。
各大学OBの複数の医師は、謝礼の慣習を認めており、
大学院側の問題意識の低さが浮かんだ。
調査は、全50校の医学系研究科長らに
謝礼の慣習の有無、実態調査や注意喚起の有無などを択一式で尋ね、
46校から回答を得た。
謝礼の慣習について、「ない」と答えたのは39校。
和歌山県立医大だけが「ある、または聞いたことがある」を選んだが、
開始時期や内容は「分からない」。
九州大は「お菓子程度の謝礼はある」、
名市大は「謝礼があると聞いたことがある」と答えたが、
いずれも慣習としての謝礼は否定。
「未把握」、「調査中」も計4校。
実態調査を実施したのはいずれも事件後で、
名市大、名古屋大、岐阜大の3校にとどまった。
教授らに謝礼を受け取らないよう注意喚起を行っているのは12校で、
うち4校は事件後に実施。
調査も注意もしていない大学院は30校で、
うち29校が謝礼の慣習を「ない」と言い切った。
大阪大で博士号を取得した30代医師は、
審査の主査に10万円を払ったことを認め、
「全国の医学系大学院の慣習で、払うのは当たり前だ」。
東北大で博士号を取得した40代医師は、
担当教授に数万円の謝礼を払い、食事の接待もしたといい
「100万円を学位取得者の頭割りで払う教室もあった」。
◇明治以来の慣習--医事評論家の水野肇さんの話
学位への謝礼は、「税金のかからない収入」として明治以来の慣習で、
全国で続いているのが実情。
大学医局は、一国一城のあるじとして教授一人に権力が集中しており、
外からチェックできない特殊な世界だ。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=65056
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