2007年12月25日火曜日

あしたのかたち/80 強い関大/4

(毎日 6月9日)

200字を書くのに苦労している学生がいるかと思えば、
400字詰めの原稿用紙を催促する学生もいた。
スポーツフロンティア(SF)入試で入学してきた学生を対象に、
関大が実施した「文書作成能力向上講習会」のひとコマ。

課外教育として計6回開かれ、1、2年生の希望者延べ100人が受講。
テーマは、サッカーW杯や五輪など。
指導した文学部の吉田永宏教授(今春定年退職)は、
「体力不足」を感じたという。

「文章を書くことが習慣になっていない。
まず、何を考え、何を認識しているかを身につけさせることが大事。
文章表現は次の段階」。

学業との両立に向けた支援策の一つで、河田悌一学長が提案。
プロ野球選手がインタビューで、「頑張りました」、
「応援、よろしくお願いします」などと繰り返すのを見て、
河田学長には思うところがあった。

品格のあるスポーツ選手になってほしい
スポーツだけで卒業していく学生では困る。
社会に出ても通用する人材を育てたい。
文章が書ければ、人前できちっとあいさつできるようになる」

スポーツクラブに所属している学生には、ジレンマがある。
技術が上がれば上がるほど、レギュラーとして試合に出る機会が増え、
講義に出席したくても、大会出場や遠征のために欠席せざるを得ない。
学力不足というより、単位取得が困難な状況に陥りがち。

今年は内容、回数とも拡充される予定で、
一人でも多くの学生が出席できるよう各クラブの部長、監督にも協力要請。
文章力の低下は、一般学生にも当てはまる。

吉田さんは、「今年はカリキュラムを作って指導したい。
答案やリポートを書けるようになることが当座の狙いだが、
論理を発展させて主張するためにも、文章力は大事。
ゆくゆくは単位認定してもらえるように」。

SF入試組を、河田学長は期待を込め、「学生文化のフロントランナー」と。
文武両道に加え、判断力や決断力をも兼ね備えたアスリート。
彼らこそが真の意味での「フロントランナー」に。

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/archive/news/2007/20070609ddn035070034000c.html

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