(毎日 2月15日)
健康維持にスポーツは欠かせないが、スポーツ中の突然死は後を絶たない。
防止するには、どうしたらよいのだろうか?
東京都済生会中央病院の三田村秀雄副院長(循環器)によると、
スポーツ中の突然死の原因は年齢によって大きく異なる。
若年層の場合は、心臓に生まれつき異常や疾患があったり、
乳幼児期に川崎病にかかったケースなどが多いが、
中高年の場合、多くが心筋梗塞。
「スポーツでの突然死のリスクは、安静時の17倍というデータも」。
心臓突然死は予測できないが、心筋梗塞の4大危険因子と言われる
高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙は危険度を高める。
予防には、普段から定期的にトレーニングして急に激しいスポーツをしないこと、
スポーツをする前日は十分な睡眠を取ること。
風邪もあなどってはいけない。
風邪が原因で心筋炎を起こすことがあるから。
スポーツ前やスポーツ中に胸痛、血の気が引くような感じのめまい、
脈の乱れを感じるような動悸があったら、すぐ中止する。
汗をかいて脱水状態になると、血液が固まりやすくなるので、
こまめな水分補給を心がける。
スポーツの前後にウオーミングアップとクールダウンを十分することや、
普段の健康チェックも重要。
心電図は安静時だけではなく、スポーツ時の負荷をかけた状態でも取るとよい。
もし倒れた場合は、いかに早く対処できるかが生死を分ける。
「3分以内に対処できれば、7割が助かる。
人が倒れたら、心停止かもしれないという意識を持つこと。
AED(自動体外式除細動器)の配備が進んでいるが、
目につくところに置き、何かあった時のシミュレーションをしておくことが大事」。
とはいえ、周囲の人がどうしていいか分からず、
時間ばかりたってしまうこともありうる。
全米公認アスレチックトレーナーの資格を持つトレーナーらが発足させた
NPO法人、スポーツセーフティージャパン(佐保豊代表理事)は、
無料の携帯電話サイト「スポーツセーフティー」
(http://www.sports-safety.net/m/ss)で、
緊急事態への対応を写真入りで解説した「緊急対応ガイド」を配信。
「人が倒れて動かない」、「痛がっている」、「息苦しそうにしている」、
「意識がもうろうとしている」、「けいれんしている」の五つの入り口から、
状況に応じた対処法が分かる仕組み。
人が倒れている場合、周りの安全を確認した上で、意識の有無を確認。
意識がない場合は、救急車を呼ぶと同時にAEDの用意も指示。
気道を確保し、口の中に異物があれば取り除き、呼吸の有無を確認。
AEDがある場合には使い方を、
ない場合には人工呼吸や心臓マッサージの手順を解説。
「日本は、スポーツ事故を予防しようという意識や技術の普及が遅れている。
米国での調査では、スポーツでの事故は7~8割が予防できる。
特に、子どものスポーツにかかわる指導者や学校の先生、施設関係者、
保護者は責任として、最低限の知識を身につけてほしい」。
http://mainichi.jp/life/health/news/20080215ddm013100172000c.html
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