2008年2月21日木曜日

過労になると脳下垂体細胞が次々と死滅 大阪市大実験

(朝日 2008年02月15日)

極度の過労によって、脳の中心部にある内分泌器官、
脳下垂体の細胞が次々と死滅していることを、
大阪市立大の研究チームがラットによる実験で判明。
過労は、生体の機能が落ちるだけとみられていたが、
実際は生命維持の中心器官の一つが破壊されていることを立証。

06年度の脳・心疾患で死亡した「過労死者」は147人。
過労を早く見つける「過労マーカー」の開発に役立つと期待。

大阪市立大の木山博資教授(解剖学)らは、
ラットの飼育箱の底に1センチ強の深さに水を張り、5日間観察。
ラットは、体が水にぬれるのをとても嫌う性質があり、
立ったまま数分うとうとする程度しか眠れなくなる。
徹夜で働く人間と、ほぼ同じ状態。

このような状態のラットの脳下垂体を調べると、
5日目に細胞が死滅し始め、下垂体の中葉と呼ばれる部分がスポンジ状に。
下垂体中葉には、脳の神経核A14という部分から
神経伝達物質ドーパミンが供給。
疲労がつのるにつれて、A14のドーパミン生産能力が減り、
下垂体の死滅細胞が増えていた。

実験後、飼育箱から水を抜くと、ラットはすぐに睡眠をとり、
半日後には活動を再開。
しかし、下垂体が元の状態に戻るには数日間かかった。
早めの休養が重要であることを示している。

http://www.asahi.com/science/update/0215/TKY200802150139.html

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