2008年8月3日日曜日

公共交通利用促進へ「実験」 盛岡と滝沢

(岩手日報 7月28日)

県は、公共交通機関の利用促進に向けた社会実験を始める。
2年計画で、盛岡市の青山、渋民地区、滝沢村の住民を対象に、
「モビリティ・マネジメント(MM)」と呼ばれる施策を導入。

アンケートを複数回実施するなどして、
マイカーから公共交通機関への転換を目指す。
バスカードで、IGR青山―盛岡駅間を乗車できる実験も行う。
29日に事業主体となる地域協議会を立ち上げる。

MMは11月から、盛岡市の青山、渋民地区でそれぞれ
500―1000世帯を対象に行う。
滝沢村では、2009年度にIGR巣子駅周辺の住民を対象に行う。

▽アンケートで、公共交通の利用実態や移動手段を調査
▽経済、環境、健康面から公共交通と車を比較した資料を配布、
公共交通の利点をPR―などの活動を実施。

一定期間を置いて、再びアンケートを行い、
▽移動手段が変わったかを調査
▽一連の取り組みを通して「賢い車の使い方」を考えてもらう、
といった手順で意識改革を促す。

調査結果は公表し、県の施策に反映させるほか、
効果があれば他市町村にも取り組みを広げたい考え。

MMに詳しい東京工業大の藤井聡教授(交通計画)は、
「MMは全国120カ所で行われ、地方都市でも効果を上げている。
平均で1、2割の人が車の利用を減らしており、
岩手の公共交通を再生させる可能性は十分にある」。

バスカードの共通利用実験は、10~12月まで盛岡、青山両駅に
バスカードの読み取り機を設置し、IGRを利用。
アンケートで需要を調べ、双方の連携方法を探る。

2つの取り組みは、環境省の「低炭素地域づくり面的対策推進事業」を活用。
本年度は、本県を含め全国25自治体が採択。
事業費は2年間で2500万円を見込む。

事業主体として立ち上げる「盛岡地域地球温暖化対策地域協議会」は
県、IGR、バス事業者、商業団体で構成。
今後、具体的な取り組みを協議する。

◆モビリティ・マネジメントとは

利用者に対し、公共交通の利用が環境、安全、健康などに良い影響を
もたらすことや、公共交通の便利な利用方法などを効果的に
情報提供することで、マイカーから公共交通の利用へ
自発的な転換を促すコミュニケーション施策の総称。
過度に自動車に依存するライフスタイルの見直しを目指す。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20080728_12

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