(読売 1月15日)
2016年夏季五輪招致に名乗りを上げている東京、シカゴなど7都市が、
国際オリンピック委員会(IOC)に申請ファイルを提出。
本格的な招致レースの幕が開いた。
IOCは、競技会場配置、財政、交通など25の質問項目に分かれた
申請ファイルの内容を吟味、6月の理事会(アテネ)で、
五輪開催能力に基づく第1次選考を行い、数都市に絞る。
「いよいよスタート、という感じ」。
2016年東京五輪招致委の河野一郎事務総長は、
IOCに提出した申請ファイルを公表。
「改善点はあるだろうが、現段階としては十分な準備ができた。
五輪を招致するに値する力を(東京は)持っていると思う」。
東京の計画の最大の特徴は、「大都市の真ん中で行う五輪」。
東京の都心全体を「オリンピック・パーク」と名付け、
都市活動と五輪体験との共存をうたう。
都市に五輪を浸透させ、一体的な雰囲気を作り出すと同時に、
「環境など大都市の課題を先取りした、(先進的な)モデルも示す」。
競技会場は、1964年東京五輪の「遺産ゾーン」と、
臨海地区に新設する「東京ベイゾーン」、
その間に位置する五輪スタジアムなどの「結びクラスター(会場群)」に大別。
遺産ゾーンは代々木と皇居周辺、
東京ベイゾーンは夢の島と海の森周辺に分かれるため、
全部で五つの会場群を持つ。
「パーク」は、既存施設の利用で分散しがちとなる会場群を、
逆手に取った発想。
発想自体は目を引くが、実態を伴わないとの印象を与えないためには、
斬新なプロジェクトや継続的な活動で、
五輪体験が「息づいている」ことをアピールする必要。
現時点での招致レースは、最右翼のシカゴを東京とマドリードが追う展開。
競技会場配置を軸にした各都市の招致計画の比較では、
二つの会場群に集約したマドリードのコンパクトさと、
ミシガン湖岸に沿って展開するシカゴの簡潔さが、
分散型の東京をやや上回る。
交通、警備面も含め、分散配置では計画が複雑になりがち。
シカゴは、IOCの財源を握る米国の、20年ぶりとなる夏季五輪開催をアピール。
マドリードは、連続の欧州開催という逆風を受けるが、
前回招致で培った人脈や評価を生かせる強み。
東京も、投票が北京五輪の翌年となるため、
「なぜまたアジアか」の問いに、明快な回答の準備が必要。
リオデジャネイロやドーハは昨年のパンアメリカン大会、
一昨年のアジア大会で使用した施設の再利用が核で、分散配置型。
計画や社会インフラの質では、前出の3都市とは開きがある。
ただ、リオは南米初、ドーハはイスラム圏初の五輪開催という
政治的意義を前面に出せる強みがある。
同じアジア圏のドーハが1次選考を突破すれば、東京には厳しい展開。
プラハとバクー(アゼルバイジャン)は、開催能力面で圏外。
http://www.yomiuri.co.jp/sports/etc/news/20080115iew7.htm
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