2008年1月26日土曜日

エビさんの食べるスポーツ:甘い男

(毎日 1月21日)

アスリートや指導者が肉好きであることは、ここにも何回か書いた。
指導者のみなさんとの懇親会でも、焼き肉屋が選ばれることが多い。
骨付きカルビにタン塩、ビールに韓国焼酎。
次から次へと彼らの胃袋の中に消えていく。

数時間前に見せていた厳しい指導者の顔はそこにはなく、
あるのはただのオヤジの優しい笑顔。
楽しい時間を過ごし、誰もが満腹でお開きになる。

いや、お開きになったはずであるが、後日談を聞かされることが少なくない。
「街道沿いにおいしいラーメン屋ができた」。
誰かが漏らしたささやきに、有志が続々名乗りを上げる。

そう、フィニッシュラーメン。焼き肉屋でたくさん食べたはずなのに。

しかし、この一連の行動は、実は理屈が通る。
お酒を浴びた体は、一時的なエネルギー不足に陥る。
アルコールの分解に、エネルギーが必要になるからだ。
体は、エネルギー源である糖質を欲しがる。
甘い物好きであれば、ラーメンではなくケーキ類に誘惑。
いわば、魔の時間。

理屈は合っているとはいえ、アルコールと一緒に肉ばかり食べて
主食や野菜が少ない結果でもある。
バランスが崩れた状態なので、理屈が合っているからといって
ほめられたものでは当然ない。

寝る前の脂質の取りすぎは、内臓の負担になるばかりか、
体脂肪として蓄積しやすい。
ラーメンはお茶漬けにするとか、ケーキは果物にするとか、
せめて置き換えてほしい。

フィニッシュラーメンへの流れは、習慣でもあることを認識してほしい。

お酒で思考能力が落ち、自分に甘くなるから、「ま、いいか」となる。
甘い男も善しあしなのだ。

http://mainichi.jp/life/health/chie/news/20080121ddf035050025000c.html

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