2008年7月15日火曜日

コンテナ航路が正念場 大船渡-韓国、開設1年

(岩手日報 7月10日)

大船渡港と韓国・釜山港を結ぶ外国貿易コンテナ航路が、
原油高の影響で本来の週1便から減便を余儀なくされている。

船会社が、貨物量が少なく採算性の低い港への寄港を減らしているためで、
利便性の低下からさらなる貨物の減少も引き起こしている。
本県初の定期運航として、開設1年を経過した同航路だが、
早くも正念場を迎えている。

昨年4月の航路開設から今年3月まで週1便運航だったが、
船会社の減便要請を受けて4月は3便、5月は隔週の2便に減少。
6月は、船の遅れなどが重なって1便しか寄港。

貨物量は、9月の278TEU(1TEU=約25トン積載コンテナ1個)を
ピークに、昨年度後半から減少。
今年に入って100TEU前半で推移したが、6月は23TEUにまで激減。

減便の背景には、原油高に苦しむ船会社の航路再編の流れ。
船会社は現在、燃料の重油を少しでも節約しようと
船の航行速度を落とす一方、寄港地を絞り込んでいる。
大船渡港に寄港するコンテナ船も、仙台や小名浜など国内の5港に寄港し、
他港と比べて貨物量の少ない大船渡港を省くケースが出ている。

韓国船会社の代理店を務める三栄海運(東京)の山池輝晴常務は、
「運航スケジュールを調整しているが、当面は隔週になる」。

地元水産物を輸出する大船渡湾冷凍水産加工業協同組合の
鈴木憲助参事は、「航路が安定しないのでは、荷主にとって使い勝手が悪い。
最低でも週1便を確保してほしい」。

外貿コンテナ航路は、週1便のサービスが業界の常識。
大船渡魚市場では、これからサバやサンマなどの水揚げの
最盛期を迎えるだけに、地元水産関係者にとっても利便性の低下は必至。
同港の安定しない運航スケジュールに、
便数が豊富な仙台港などに切り替える動きも出ている。

大船渡市港湾経済部の室井良雄部長は、
「週1便の運航を船会社に要請しているが、現時点で好材料は少ない。
引き続き要請を行うとともに、大口顧客の獲得を柱に貨物確保の
セールスに全力を挙げたい」。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20080710_15

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