(毎日 8月2日)
地域密着型の球団運営で、優等生とされるロッテだが、
本腰を入れて「地域」を意識し始めたのは、
04年の球界再編騒動で、プロ野球の行方に危機感を持ったから。
千葉に移転した92年、130万5000人
(水増し発表が常態化していた当時の数)の観客動員を記録したが、
その後は頭打ち。
バレンタイン監督が復帰した04年に、球団最高の159万6000人(同)を
マークしても不安はぬぐえなかった。
原因を分析し、出た結論は「足元を取り込むことをしていなかった」。
企画広報担当の羽地朝博ディレクターは、そう振り返る。
球場周辺から着手。
05年に、千葉マリンスタジアム最寄りのJR海浜幕張駅に協力を求め、
構内のチケット販売ブースの拡大などを実施。
同時に京成バスとも協力し、千葉市内の路線で選手の声による
車内放送を始めた。
現在は、渡辺俊介投手やバレンタイン監督らが車内でマナーを呼びかけ。
球場では試合後、その日のヒーローが球場正面のステージに登場し、
ファンと勝利の喜びを分かち合うイベントを開く。
歌を披露する選手もおり、今では球場の名物に。
観客動員は、実数発表が始まった05年に133万4014人、
06年に134万9656人、07年155万8430人と順調な伸び。
今季の100万人到達は、最下位に低迷した時期もありながら、
昨季より1試合遅いだけの47試合目。
フロントは、「地元への定着が進んだ結果」。
今後は、「野球ファン以外」の集客も目指し、知恵を絞る。
Jリーグのジェフ千葉とは、お互いの試合で
選手の応援メッセージを流してファン層拡大を図る。
5月には、千葉のラーメン情報サイトと協力し、
球場内でオリジナルの「ビクトリーラーメン」を販売。
多くのラーメン好きが来場。
「野球だけでなく、楽しい場所としてのマリンスタジアムを発信していきたい」
危機感から始めた努力が、ロッテの強みとして実りつつある。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/
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