農業を取り巻く環境は、営農者の高齢化や後継者不足、
農地の荒廃など多くの課題を抱えている。
資材高騰の煽りで肥料価格も大きく値上がりし、農家経営を圧迫。
こうした中、健康な土づくりによる成長促進と作業労力の軽減化などに
つながる微生物有機肥料が注目。
この画期的な肥料は、有機物が完全発酵した土壌微生物活性剤の
「バイオソイル」と「サンデーグリーン」(ティーエフケイ(株))。
有機物を三次発酵させた土づくりをする土壌微生物保全剤で、
環境保全型農業への転換を導く土中再発酵のない完熟肥料。
いずれも土が団粒構造になるため、保水性、保肥性、保温性が高まり、
土の入れ替えが不要。
臭いもなく、有益微生物の働きで病原菌や根腐れを抑制し、
土もやわらかくなる。
東北で唯一の取り扱い代理店、大船渡市の(株)知恩(村上道義代表)は、
「作物の生育速度や収穫量アップに効果がある」。
バイオソイル施用区と対照区でナスの実証栽培を行っている
陸前高田市米崎町の農業・吉田税さん(74)は、
「施用区では、成長も収量も二倍。実がやわらかく、色つやもいい。
虫もつかず追肥もほとんど不要で、肥料と労力の節減に。
農家のコストダウンを図る意味で、栽培形態の確立を図りたい」。
近年の世界的な資源価格高騰を受け、肥料コスト上昇が農家経営を直撃。
微生物有機肥料は、従来の高度化成肥料に比べ高値感はあるものの、
村上代表は、「肥料価格高騰の折、価格が安定している微生物肥料は
収量面や農作業の省力化などメリットも多い」。
農業従事者の高齢化や産地間競争の激化、食の安心安全に対する
関心の高まりなど、農業を取り巻く環境が厳しさを増している中、
環境と人にやさしい微生物を使った土壌活性剤の効果が注目。
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