2008年8月14日木曜日

東京・日本橋、ボートでGO 元五輪監督が「授業」計画

(朝日 2008年8月8日)

東京のど真ん中・日本橋でボートをこがないか?
オリンピックの元監督が、子どもたちへの「特別授業」を企画。
終戦直後の少年時代、焼け野原の中でこいだ思い出を
話したのがきっかけで、往年のボート選手たちが集まった。

計画の発端は、ボート競技で東京五輪コーチやモントリオール五輪監督を
歴任した荒川鉄太郎さん(77)の中学時代の思い出話。
昨秋、ボート仲間の鈴木誠さん(71)に、
「戦後の焼け野原の中、ボートをこぎ始めた中学生の頃は隅田川もきれい。
日本橋川でもこいだよ」。

鈴木さんが面白がり、2人で「他の国では都会でもボートを楽しんでいる。
東京の『ど真ん中』でこがないか」。

荒川さんは、学生時代に五輪の日本代表を競ったが、夢は果たせなかった。
卒業後は、企業の研究者として働き、後輩たちの指導に力を入れてきた。
呼びかけに賛同した仲間や教え子は30人を超え、
「子どもにボートの楽しさを教える会にしよう」という案が出て、
日本橋川周辺の下見やボートの手配を始めた。

その熱意に、地元の「名橋『日本橋』保存会」が協力を約束し、
9月のハゼ釣り大会に、地元の小学生向けのボート体験会。
8月末に、こぎ方を教える特別授業も開く。
永森昭紀事務局長は、「保存会が、川の浄化に取り組んできて、
今ではフナもハゼもいる。水鳥も増えた。
ボートに乗り、子どもたちに水面を見てほしい」。

7月中旬、約30人で安全確認を兼ねて漫漕をした。
4人こぎボート4艇で、小名木川から隅田川を経て、日本橋までを往復。
「よーい、ロー(こぎ始め)」。
オールを1人1本持ち、息を合わせてすいすい進む。
「最後に隅田川でレースをしたのはいつだっけ」、
「昔はこういう感じで練習してたな」、
渋滞する首都高速道路を見上げる。

正午に日本橋をくぐると、橋の上の通行人はボートに驚いてのぞき込み、
手を振る人もいた。水面には小魚が泳ぐのが見えた。

荒川さんは、「中学生の頃、腹が減って練習はつらかったが、
ぐっと水をこぐ感じが気に入った。仲間と一緒にこぐ楽しみも知った。
ボートが楽しいスポーツだと知ってもらいたいんです

http://www.asahi.com/sports/spo/TKY200808020147.html

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