2008年7月6日日曜日

60秒間の毛髪数算定は男性の脱毛評価に有用である

(Medscape 6月17日)

『Archives of Dermatology』6月号に報告された研究によれば、
簡単な60秒間の脱毛数算定は、男性の脱毛を
実用的かつ客観的に評価できるツールである。

ベイラー医科大学のCarina A. Waskoらは、
「現時点では、広く一般に認められている、標準化されている
1日脱毛数の評価方法は存在していない」
「皮膚科の文献やメディアでは、1日脱毛数の正常値が約100本と
報じられているが、この値には疑問の余地がある」

研究の目的は、脱毛のない健常男性60例を便宜的標本として、
標準化した方法により60秒間櫛ときでの脱毛数を病院内で評価し、
その正常範囲を求めること。

被験者の年齢範囲は、20-60歳。
脱毛数は、20-40歳群で0-78本(平均10.2本)、
41-60歳群では0-43本(平均10.3本)。

いずれの年齢群も、全被験者の脱毛数が連続する測定日間で
一致を示したことから、脱毛数の個人内変動は低かった。
6ヵ月後に両年齢群の脱毛数を再評価したところ、
大きな変化はみられなかった。

経験を積んだ研究者が脱毛数を再評価し、算定値を確認したところ、
被験者自身による脱毛数算定値との差は認められなかった。
「60秒間の脱毛数算定は、適切に実施すれば、
脱毛評価の簡単、実用的かつ信頼性の高いツール」

研究の限界は、被験者のほとんどが直毛の白人男性であり、
すべての民族の人に一般化できないこと、
櫛の歯の間隔が一定でないため、脱毛数に差が生じた可能性があること、
半数のくしは歯の幅が広く、もう半数のくしは歯の幅が狭かったこと。

「今後研究を行う際、使用する櫛の歯の大きさと間隔を合わせること。
より多くの被験者を対象とし、正常値の民族差を比較するべき。
さらに研究を実施し、今回の結果と男性型脱毛症または休止期脱毛症患者で
得られる結果を比較し、算定法の有用性を向上させる」

Arch Dermatol. 2008;144:759-762.

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=76362

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