(毎日 7月2日)
「悪玉」と呼ばれるLDLコレステロールのうち、
動脈硬化を促進するのは成分の一つの「酸化LDL」であることを、
東北大の片桐秀樹教授(代謝学)らがマウスの実験で確かめた。
米医学誌「サーキュレーション」に掲載。
酸化LDLは、LDLコレステロールが酸化したもので、
LDLコレステロール全体の中のごくわずかな成分。
片桐教授らは、高LDLコレステロール血症のマウスの肝臓に
酸化LDLを蓄積させる遺伝子を導入。
血液中のLDLコレステロール全体の量はほとんど減らさず、
酸化LDLだけを3分の1程度に下げた状態を作り出した。
4週間後、普通の高LDLコレステロール血症マウスは
全身の動脈硬化の病変部分が実験前より約4割増加。
酸化LDLだけを減らしたマウスは、動脈硬化がまったく悪化しなかった。
動脈硬化促進物質の過酸化脂質などの血中濃度も減少。
LDLコレステロールは、細胞膜の材料などになる物質もあり、
薬でLDLコレステロール全体を下げ過ぎることを懸念する専門家も。
片桐教授は、「酸化LDLだけを減少させる治療法が開発できれば、
安全に動脈硬化の進行を抑制し、心筋梗塞の発症予防が
できるようになる可能性がある」。
http://mainichi.jp/select/science/news/20080702k0000m040151000c.html
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