(岩手日報 6月28日)
世界遺産登録を目指す「平泉の文化遺産」について、
国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会委員国に対する
説明資料の概要を公表。
国際記念物遺跡会議(イコモス)の「登録延期」勧告で、
証明不十分とされた浄土思想の価値について、
「平和希求」の精神がユネスコ憲章にも通じる―などと
時代や国境を超えた普遍性を強調。
説明資料は、文化庁や地元自治体関係者らが、
フランス・パリに渡り、イコモスの勧告で世界遺産にふさわしい価値を
「証明しきれていない」と指摘された原因を分析、要点をまとめた。
普遍的価値について、中国や朝鮮から6世紀以来伝わった
仏教思想の一つ、「浄土思想」の世界を現世に再現したのが平泉であり、
「平和希求」、「万物共生」、「自然との融合」の精神は
世界遺産にふさわしい―と主張。
歴史的、世界的な意義は、
▽第2次世界大戦を悔いて作られた「ユネスコ憲章」の精神にも通ずる
▽中尊寺金色堂などは、マルコ・ポーロ「東方見聞録」で
日本を「黄金の島」と記されたきっかけに、
大航海時代の遠因になったと考えられる―などと説明。
イコモスの勧告では、9つの構成資産範囲の再検討が必要と指摘、
「信仰、行政、防衛などの機能が相互に軸線に従って配置され、
周辺地形と一体となって浄土世界を表している」と反論。
文化庁記念物課の内藤敏也課長は、
「推薦書のベースは変えていないが、限られた時間でも委員国が
理解しやすいよう、焦点を絞り、表現も分かりやすくした」。
文化庁は、イコモス勧告書類で見つかった固有名詞や数字の誤り
計6点を、「事実誤認」と指摘する文書を、
ユネスコ委員会議長国カナダに提出。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20080628_3
0 件のコメント:
コメントを投稿