(朝日 2008年7月1日)
国際宇宙ステーション(ISS)に日本の船内実験室ができ、
日本人宇宙飛行士が来年から宇宙に長期滞在する。
これを見すえ、宇宙航空研究開発機構などが、
宇宙飛行士のストレスを自己診断する機器の開発や無重力で骨の量が
減るのを防ぐ研究計画を進めている。
来年1月以降、ISSに約3カ月間長期滞在する
若田光一飛行士(44)らを対象。
ストレス診断器は、弱みを見せたがらない飛行士が個人用の端末で
自分のストレス具合を知ることで、作業ミスを防ぐのが狙い。
向井千秋さんが、室長の宇宙機構・宇宙医学生物学研究室と
産業技術総合研究所が共同研究。
市販の携帯情報端末のタッチパネル式画面を使う。
25種類のゲームの中から、ストレスの相関性が高かった5種類を選んだ。
10分で「抑うつ」、「疲労」など6項目のストレス程度が点数で示され、
地上での数値と比較。
無重力の宇宙にいると、骨密度が徐々に減る。
骨折しやすくなるほか、骨から溶け出したカルシウムが尿に混じって、
尿路結石になるリスクが高まる。
日米共同研究チームの松本俊夫・徳島大教授(生体情報内科学)は、
3カ月で大腿骨の骨密度が5%ほど減る。
骨をとかす「破骨細胞」のはたらきを抑える骨粗鬆症治療薬の
ビスフォスフォネート製剤を、ISS滞在中の若田さんに週1回、食前に1錠服用。
米航空宇宙局(NASA)と共同で、
地球に帰還後の骨密度や尿路結石の有無などを調べ、
薬が宇宙でも効果があるかどうか研究。
http://www.asahi.com/science/update/0630/TKY200806300132.html
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