(WebMD 6月17日)
レスベラトールは、赤ワインとブドウの中から見つかった
抗酸化物質として知られ、すでに心臓の健康を守り癌を防ぐと
考えられているが、脂肪撃退効果もある。
ウルム大学(ドイツ)の研究者Martin Wabitschによると、
脂肪前駆細胞にレスベラトールを加えたところ、
脂肪前駆細胞の増加が止まり、成熟した脂肪細胞に変化しなくなった。
Wabitsch博士は、内分泌学会第90回年次総会“ENDO 08”で発表。
「人でも同じように効果があることを、証明しなければならない」。
レスベラトールと同じ脂肪細胞制御メカニズムを利用した薬を開発したい。
レスベラトールの健康増進効果:
Wabitsch博士らは、レスベラトールがカロリー制限と似たような作用を
示すことによって、高カロリー食を与えられている実験マウスの
肥満関連疾患を予防することを見出していた。
細胞を変え、ヒト脂肪細胞でこの物質が疑似カロリー制限効果を
示すかどうかを探った。
安定した細胞株、ヒト脂肪細胞株にレスベラトールを加え、
比較群の脂肪細胞にはレスベラトールを加えなかった。
「(脂肪前駆細胞が)倍増する時間は、通常40時間。
48時間で対照ディッシュの脂肪前駆細胞は2倍以上に増えたが、
レスベラトールを入れたディッシュでは、脂肪前駆細胞数が40~45%減少」。
レスベラトールに触れた脂肪細胞は容積も小さくなり、
実質的に脂肪細胞が縮んだ。
レスベラトールに触れたことで、インターロイキン6、8の分泌量が低下。
肥満関連疾患と考えられる糖尿病や動脈閉塞の発症に関係する物質。
フレンチパラドックス(フランス人は、比較的脂肪の多い食事を摂り
赤ワインをよく飲むのに、心臓疾患による死亡率は低い)は、
赤ワインに含まれるレスベラトールにより説明が可能という説と、
今回の研究結果はつじつまが合う。
レスベラトールの健康増進効果:
レスベラトールは、様々な方法で脂肪に作用する。
「メカニズムは、1つだけではない。
脂肪前駆細胞数の減少は、SIRT1を介して行われる」
代謝と老化に関連する遺伝子の活性化についても触れながら説明。
動物実験で、SIRT1の活動を「封じた」ときは、
脂肪前駆細胞の増殖に対するレスベラトールの影響がみられなかった。
レスベラトールの健康増進効果:
これは興味深い研究である、と
米国栄養士会(American Dietetic Association)の広報担当、
Katherine Tallmadgeは言うが、「さらに研究が必要」。
カロリー制限については、まだ十分わかっていない。
カロリー制限は体脂肪を減らし、様々な効果をもたらす。
しかし、厳しすぎるカロリー制限は骨粗しょう症などの健康問題を起こす。
レスベラトールの健康増進効果:
レスベラトールの脂肪制御メカニズムがさらに深く解明され、
レスベラトールの作用を模した薬剤を開発したい。
製薬業界は、すでにこのコンセプトについて研究を開始。
red-wine-a-weapon-in-battle-of-the-bulge
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=76197
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