(朝日 2008年8月22日)
抜歯した「親知らず」から万能細胞(iPS細胞)をつくることに、
産業技術総合研究所の大串始・主幹研究員らのグループが成功。
歯科医院などで抜いた歯を使えば、iPS細胞づくりで
患者に余計な負担をかけずにすむ。
将来のiPS細胞バンクの構築などに役立ちそう。
10歳の女児が、歯の矯正治療の際に抜いた「親知らず」から、
歯や骨のもとになる間葉系細胞を取り出し、
京都大の山中伸弥教授がiPS細胞づくりで使った3種類の遺伝子を
導入したところ、iPS細胞ができた。
山中教授は、皮膚の細胞を使っていた。
iPS細胞は、さまざまな細胞や組織になる能力があり、
患者の細胞からつくれば、拒絶反応がない細胞移植が可能になると期待。
しかし、個別の患者ごとにつくるとなると、
現実には手間や費用がかかる。
多くの人のiPS細胞を、あらかじめ集めたiPS細胞バンクづくりが構想。
大串さんは、「細胞バンクの構築には、多くの細胞源が必要。
抜歯された歯は、もともと廃棄されるもので、
患者に新たな負担がない点でも有望。
今後は、大人の歯や乳歯でも試したい」
http://www.asahi.com/science/update/0822/TKY200808220042.html
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