(CNN 9月14日)
肥満になりやすい遺伝子を持っていても、
1日3─4時間の運動を続ければその影響は現れず、
肥満を避けることができるとの研究結果を、米国の医学者らが発表。
伝統的な生活様式を守り続けるキリスト教プロテスタントの一派、
アーミッシュの人々に注目して、遺伝子と体重の関係を調べた。
メリーランド大のソレン・スニトカー博士らが、内科専門誌
「アーカイブズ・オブ・インターナル・メディシン」に報告。
欧州系白人の約30%が持つFTOと呼ばれる遺伝子の変異形は、
肥満傾向に関係することが分かっている。
ペンシルベニア州ランカスター郡のアーミッシュ居住地域で暮らす
704人を対象に、血液検査でこのタイプの有無を調べ、影響を検証。
アーミッシュは、18~19世紀にかけて北米で暮らし始めたドイツ系移民で、
現在も車や電化製品を使わず、当時の質素な生活を続けている。
アーミッシュの社会では、多くの男性が農業や大工仕事、
女性は家事や育児に、それぞれ1日の大半を費やしてきた。
対象者らは1週間、昼夜を問わず電池式モニターを装着し、
こうした生活の中での運動量を記録した。
その結果、1日に3─4時間、掃除や庭仕事、早歩きなど
運動をしている人は、FTO遺伝子を持っていても、
肥満傾向が増大しないことが分かった。
一方、運動量が最も少なく、平均的米国人並みだったグループは、
運動を続けたグループに比べ、体重が平均7キロ近く多い。
スニトカー博士は、「一般の人々にとって、肥満防止のために
19世紀の生活様式に戻すというのは非現実的な発想。
テレビを見る代わりに散歩をしたり、エレベーターの代わりに階段を使ったり、
車に乗る代わりに徒歩で出かけたりすることは、それほど難しくないはず」、
活動的な生活を呼び掛けている。
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200809140017.html
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