(朝日 2008年9月18日)
パラリンピックで、日本は不振だった。
五輪選手が出場するなど、競技性が高まっている大会への対応が遅れた。
障害の種類や、軽重で選手を分けるクラス分けにも苦しんだ。
一方で、車いすには、自動車レースF1の素材を使ったものも登場。
今回は、種目数が前回のアテネから1割も減って、472となった。
日本が得意としていた重度障害者のクラスが削減対象。
背景には、大会が「リハビリの延長」から「スポーツ」へと
大きくかじを切っていることがある。
競技性が低いことと、競技人口が少ないこと。
重度障害者のクラスがなくなったのは、こんな理由から。
アテネ陸上男子5000メートル(車いす)で金だった高田稔浩(福井)の
この種目は、今回なかった。
女子100メートル背泳ぎ(視覚障害)で世界新を出していた
秋山里奈(神奈川)も種目がなくなり、自由形に転向して
決勝に進むのが精いっぱい。
河合純一・日本パラリンピアンズ協会事務局長は、
「戦いが白熱すれば、見る人も増える」と、
こんな動きにある程度の理解を示した。
「このままではやめられない。これからも、泳ぐことで
何か感じ取ってもらえるように頑張りたい」。
競泳女子の成田真由美(神奈川)は悔しがった。
選手の障害の程度を決めるクラス分けに、泣かされた。
成田は前回7冠。通算20個のメダルを持つ日本のエース。
今回は軽いクラスと判定され、障害の程度が軽い選手たちと戦った。
出場した3種目すべてで5位にとどまった。
あるクラス分け委員によると、障害をわざと重く見せて
有利なクラスに入ろうとする選手も少なくない。
いかに公平さを保つか、という課題は残されたまま。
成田は、「クラス分けが未成熟」と残念がった。
http://www2.asahi.com/olympic2008/news/TKY200809180133.html
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