(毎日 5月26日)
女子フィギュアスケートで期待される高校生トリオが、関大に入学。
沢田亜紀、北村明子、金彩華。
3人とも、5年目を迎えたスポーツフロンティア(SF)入試と
呼ばれるスポーツ推薦で合格。
高槻キャンパスに昨夏完成した専用アイススケートリンクで、
SF入試の先輩、高橋大輔、織田信成と「世界」を目指す。
体育会クラブの愛称「カイザー」には、「皇帝、王者」の意味。
体育OB会の小坂道一会長が在籍した昭和20年代は「カイザー関大」時代。
しかし、大学紛争を契機に1970年、体育推薦入試制度が途絶えると、
64年東京五輪前後の「第2次黄金時代」の余韻は消え去った。
全共闘が体育会活動を、
「大学当局に加担する右翼」と攻撃したのが廃止の理由。
スポーツ強化にかじを切ったのは、羽間平安理事長時代(2000~04年)。
アメリカンフットボールのQBとして活躍した羽間氏には悔しい思い出が。
就任前、隣接する関大一高のアメフット部が2年連続日本一。
だが、中心選手は進学先に関大を選択しなかった。
98年センバツで準優勝した野球部のエースらも
社会人や関東の大学に進んだ。
羽間氏は、「スポーツにはリサーチ、リクルート、リフレッシュの3Rが大切。
いい人材が入って来なければ、クラブのリフレッシュも進まない」。
ほぼ30年の空白を経て03年度、SF入試を導入。
その方針は、森本靖一郎理事長に引き継がれている。
SF入試の合格者は05年度112人、06年度130人、07年度151人と
年々増え、サッカー部が2年前の総理大臣杯で
38年ぶりの日本一になるなど成果は表れつつある。
大学理事でもある小坂会長は、
「僕のベースは200人。それでもまだ足りない」。
今年度の合格者は、募集定員(全10学部で計86人)の倍近い。
河田悌一学長は、「各学部にお願いして採ってもらっているが、限界に」。
スポーツや健康を扱う新学部の設立が検討されている。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/archive/news/2007/20070526ddn035070047000c.html
2007年12月23日日曜日
ビジネス教育の必要性を示したバイオサイエンス業界求人の短期調査結果
(nature ASia-Pacific)
1970年代のバイオテクノロジーの興隆以来、
バイオサイエンスの世界とビジネスの世界との距離は
これまでになく近くなっている。
しかし、バイオサイエンス業界に関心を抱く求職者にとっての
ビジネス教育のメリットとはどれほどのものであろうか?
いくつかの利点があげられるだろう。
例えば、製薬業界は深刻な人員削減にあえいでいる(Nature 448, 965; 2007)。
しかし、まだ仕事の場がなくなってしまった訳ではなく、
ビジネス教育もその足掛かりの1つ。
ビジネス教育が、どの程度の機会拡大につながるかは測りがたいが、
ビジネススキルを取り込んだバイオサイエンスの学位を取得できる
カリフォルニア州クレアモントのKeck Graduate Instituteは、
この実情を評価する報告書を発表(http://www.kgi.edu/x6503.xml)。
Molly Schmid氏とHelen Liu氏は、
製薬企業の収益上位5社(ファイザー社、グラクソスミスクライン社、
サノフィアベンティス社、メルク社、ジョンソンエンドジョンソン社)、
バイオテクノロジー企業の上位4社(アムジェン社、ジェネンテック社、
バイオジェンアイデック社、ジェンザイム社)において、
公募されていた3,790件の求人について調査。
研究開発(R&D)の求人は、全体のおよそ17%であり、
残りはビジネス関連業務の求人。
内訳は、7%が製造、24%が管理(情報技術、財務、法務などの業務)、
25%が規制関連業務(品質管理、テクニカルライティング、統計解析)、
27%が販売・営業。
この結果は、ちょっとした警鐘に。
「通常、学者達は産業界で得られる職種がどんなものかについて
調べたり考えたりしていません。多くの人は本当に驚くことでしょう。
R&Dは、もっと多いと考えていたはず。」
この調査は、1ヶ月間という短期的なものに過ぎないが、
この数字は多様なスキルを持つことの重要性を示している。
「学生達は、科学教育を受けたことによって手に入れることができる
職種について理解する必要があります。
有機化学の研究室では、そのようなメッセージは得られない」。
Nature Vol. 448, P.1077, August 2007
http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=45
1970年代のバイオテクノロジーの興隆以来、
バイオサイエンスの世界とビジネスの世界との距離は
これまでになく近くなっている。
しかし、バイオサイエンス業界に関心を抱く求職者にとっての
ビジネス教育のメリットとはどれほどのものであろうか?
いくつかの利点があげられるだろう。
例えば、製薬業界は深刻な人員削減にあえいでいる(Nature 448, 965; 2007)。
しかし、まだ仕事の場がなくなってしまった訳ではなく、
ビジネス教育もその足掛かりの1つ。
ビジネス教育が、どの程度の機会拡大につながるかは測りがたいが、
ビジネススキルを取り込んだバイオサイエンスの学位を取得できる
カリフォルニア州クレアモントのKeck Graduate Instituteは、
この実情を評価する報告書を発表(http://www.kgi.edu/x6503.xml)。
Molly Schmid氏とHelen Liu氏は、
製薬企業の収益上位5社(ファイザー社、グラクソスミスクライン社、
サノフィアベンティス社、メルク社、ジョンソンエンドジョンソン社)、
バイオテクノロジー企業の上位4社(アムジェン社、ジェネンテック社、
バイオジェンアイデック社、ジェンザイム社)において、
公募されていた3,790件の求人について調査。
研究開発(R&D)の求人は、全体のおよそ17%であり、
残りはビジネス関連業務の求人。
内訳は、7%が製造、24%が管理(情報技術、財務、法務などの業務)、
25%が規制関連業務(品質管理、テクニカルライティング、統計解析)、
27%が販売・営業。
この結果は、ちょっとした警鐘に。
「通常、学者達は産業界で得られる職種がどんなものかについて
調べたり考えたりしていません。多くの人は本当に驚くことでしょう。
R&Dは、もっと多いと考えていたはず。」
この調査は、1ヶ月間という短期的なものに過ぎないが、
この数字は多様なスキルを持つことの重要性を示している。
「学生達は、科学教育を受けたことによって手に入れることができる
職種について理解する必要があります。
有機化学の研究室では、そのようなメッセージは得られない」。
Nature Vol. 448, P.1077, August 2007
http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=45
2007年12月22日土曜日
あしたのかたち/77 強い関大/1
(毎日 5月17日)
1時間半近く、休みなく、しかも早口で言葉をつないだ。
大阪市内のホテルで開催された「関西大学スポーツサミット」。
河田悌一学長の紹介を受け、早大学事顧問の奥島孝康氏が壇上に。
講演「続 大学スポーツの意義と強化策」。
体育会45クラブの監督、顧問教授だけでなく、大学本部、体育OB会、
校友会、付属中学・高校から約200人が集まり、一致団結ぶりを誇示。
総長時代(94~02年)、奥島氏は
「早稲田は東大ではない。スポーツも強くなければならない」と、
アディダスとパートナーシップ契約を締結するなどして、
低迷していた「早稲田スポーツ」を復活。
今春入学した野球の斎藤佑樹、卓球の福原愛は、躍進の象徴的存在。
2年連続となる奥島氏の講演は、
「強い関大」を掲げる森本靖一郎理事長の要請があって実現。
04年10月の就任以来、森本理事長はことあるごとに「強い関大」を口に。
入学式、卒業式、講演、取材……。スポーツだけでなく、
教育、研究、文化、就職、IT、財政、社会貢献に強い関大を目指す。
今年、開学121年の歴史で初めて志願者数が10万人超。
少子化の時代にあって、前年比22%増は全国的にも注目。
フィギュアスケート世界選手権の銀メダリスト高橋大輔(文学部4年)と、
そのライバル織田信成(文学部3年)の果たした役割が大きい。
戦後はバンカラのイメージがあったが、
「特色のないのが特色」とやゆされた時期が続いた。
ある大学職員が苦笑しながら言う。
「入試の広報戦略で北海道や東北を回っていたころ、
『関大と関学、どっちがどっち』とよく聞かれた」。
今では、それが笑い話になるほどの活力がみなぎる。
スポーツ強化にまい進する姿は、早大に重なる。
「うちは牛歩虎視。牛の歩みだけど、眼(まなこ)だけは見開いている」と
独自性を強調する森本理事長に対し、
ボクシング部の1年先輩で、体育OB会の小坂道一会長は、
「早稲田のマネをすることは恥じゃない。前者のわだちは安全なんです」。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/archive/news/2007/20070519ddn035070080000c.html
1時間半近く、休みなく、しかも早口で言葉をつないだ。
大阪市内のホテルで開催された「関西大学スポーツサミット」。
河田悌一学長の紹介を受け、早大学事顧問の奥島孝康氏が壇上に。
講演「続 大学スポーツの意義と強化策」。
体育会45クラブの監督、顧問教授だけでなく、大学本部、体育OB会、
校友会、付属中学・高校から約200人が集まり、一致団結ぶりを誇示。
総長時代(94~02年)、奥島氏は
「早稲田は東大ではない。スポーツも強くなければならない」と、
アディダスとパートナーシップ契約を締結するなどして、
低迷していた「早稲田スポーツ」を復活。
今春入学した野球の斎藤佑樹、卓球の福原愛は、躍進の象徴的存在。
2年連続となる奥島氏の講演は、
「強い関大」を掲げる森本靖一郎理事長の要請があって実現。
04年10月の就任以来、森本理事長はことあるごとに「強い関大」を口に。
入学式、卒業式、講演、取材……。スポーツだけでなく、
教育、研究、文化、就職、IT、財政、社会貢献に強い関大を目指す。
今年、開学121年の歴史で初めて志願者数が10万人超。
少子化の時代にあって、前年比22%増は全国的にも注目。
フィギュアスケート世界選手権の銀メダリスト高橋大輔(文学部4年)と、
そのライバル織田信成(文学部3年)の果たした役割が大きい。
戦後はバンカラのイメージがあったが、
「特色のないのが特色」とやゆされた時期が続いた。
ある大学職員が苦笑しながら言う。
「入試の広報戦略で北海道や東北を回っていたころ、
『関大と関学、どっちがどっち』とよく聞かれた」。
今では、それが笑い話になるほどの活力がみなぎる。
スポーツ強化にまい進する姿は、早大に重なる。
「うちは牛歩虎視。牛の歩みだけど、眼(まなこ)だけは見開いている」と
独自性を強調する森本理事長に対し、
ボクシング部の1年先輩で、体育OB会の小坂道一会長は、
「早稲田のマネをすることは恥じゃない。前者のわだちは安全なんです」。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/archive/news/2007/20070519ddn035070080000c.html
歴史乗り越え、研究に協力 米で被爆者代表が講演
(共同通信社 2007年12月13日)
広島県原爆被害者団体協議会の坪井直理事長は、
放射線影響研究所(放影研、広島市・長崎市)と
前身組織の活動60年を記念して、
米科学アカデミーがワシントンで開いたシンポジウムで講演し、
「検査すれども治療せず、と研究に反発したこともあった。
だが、被爆者は未来に向かって歴史を乗り越える覚悟を固めている」。
20歳で被爆した坪井理事長は、
「核兵器の廃絶を悲願している。放射線の影響研究に協力を惜しまない」。
後遺症の再生不良性貧血や大腸がんで、
10回も入退院を繰り返した経験を振り返り、
「わたしは82歳でまだ若いつもり。
信条はネバーギブアップ(決してあきらめない)だ」と締めくくると、
100人を超す聴衆が立ち上がって拍手した。
放影研は、原爆被爆者への放射線の影響調査を目的に、
1947年に活動を始めた米原爆傷害調査委員会(ABCC)が前身で、
75年に日米共同機関として発足。
シンポジウムではこうした歴史を振り返り、最新の研究動向を紹介。
米側の運営資金を拠出するエネルギー省の
マイケル・キルパトリック担当副局長は、
「公衆の被ばく基準作りに貢献した」と放影研の研究成果をたたえた。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=64311
***********************
このような動きはとても大切なことです。
戦争によって、敵味方関係なく、多くの人々が被害に遭いました。
歴史を事実として、お互いに認識しあうことが
現代においても大切です。
原爆、強制収容、慰安婦、虐殺・・・
これらは、いつ自分たちが被害者側になったり、
加害者側になったりするか、分かりません。
歴史を学ぶことで、お互いを理解し合い、
このような悲しい出来事を防ぐ努力をしなければなりません。
広島県原爆被害者団体協議会の坪井直理事長は、
放射線影響研究所(放影研、広島市・長崎市)と
前身組織の活動60年を記念して、
米科学アカデミーがワシントンで開いたシンポジウムで講演し、
「検査すれども治療せず、と研究に反発したこともあった。
だが、被爆者は未来に向かって歴史を乗り越える覚悟を固めている」。
20歳で被爆した坪井理事長は、
「核兵器の廃絶を悲願している。放射線の影響研究に協力を惜しまない」。
後遺症の再生不良性貧血や大腸がんで、
10回も入退院を繰り返した経験を振り返り、
「わたしは82歳でまだ若いつもり。
信条はネバーギブアップ(決してあきらめない)だ」と締めくくると、
100人を超す聴衆が立ち上がって拍手した。
放影研は、原爆被爆者への放射線の影響調査を目的に、
1947年に活動を始めた米原爆傷害調査委員会(ABCC)が前身で、
75年に日米共同機関として発足。
シンポジウムではこうした歴史を振り返り、最新の研究動向を紹介。
米側の運営資金を拠出するエネルギー省の
マイケル・キルパトリック担当副局長は、
「公衆の被ばく基準作りに貢献した」と放影研の研究成果をたたえた。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=64311
***********************
このような動きはとても大切なことです。
戦争によって、敵味方関係なく、多くの人々が被害に遭いました。
歴史を事実として、お互いに認識しあうことが
現代においても大切です。
原爆、強制収容、慰安婦、虐殺・・・
これらは、いつ自分たちが被害者側になったり、
加害者側になったりするか、分かりません。
歴史を学ぶことで、お互いを理解し合い、
このような悲しい出来事を防ぐ努力をしなければなりません。
世界初の人工リンパ装置が強い免疫機能を発揮することを確認!
(nature Asia-Pacific)
理化学研究所 免疫アレルギー科学総合研究センター
渡邊 武ユニットリーダー
私たちは多種多様の細菌やウイルスに囲まれて暮らしているが、
免疫機能が正常であれば、大事に至ることはあまりない。
ところが、がんやエイズなどの疾患では、免疫機能の低下により、
命を脅かす深刻な事態が生じる。
理化学研究所の渡邊武ユニットリーダー(以下、UL)は、
人工リンパ節を作製し、それを体内に移植することで
患者の免疫機能を高めることができないかと考え、
2001年頃からマウスを用いた研究を始めた。
2004年に人工リンパ節の構築に成功し、
免疫反応を誘導し、強い免疫機能を発揮することを確認。
渡邊ULらが開発した人工リンパ節の材料は、
生体適合材料として知られる「コラーゲンスポンジ」、
臓器や組織を形づくるための支持細胞である「ストローマ細胞」、
免疫反応の司令塔としてはたらく免疫細胞である「樹状細胞」からなる。
「まず2mm角ほどのコラーゲンスポンジに、
ストローマ細胞と外来の抗原を取り込ませた樹状細胞を含ませ、
それをマウスの腎臓皮膜下に移植する。
2~3週間後に、ほぼ100%の確率でリンパ節と同じような構造をもつ
直径3~5mmほどの人工リンパ節組織ができる」。
成功の鍵は、コラーゲンスポンジとストローマ細胞を組み合わせた点。
このような研究を始めた経緯について、
「細胞治療や組織再生について、大きな研究成果がもたらされているが、
免疫組織の再生と構築については手がつけられていなかった。
リンパ節(二次リンパ節)は、免疫反応の場としてきわめて重要で、
実に美しい構造をしていることもあり、人工的に構築してみたい」。
さらに、生体という3次元空間内でおきる反応の解析には、
現在使われている平面培養法ではなく、
3次元で培養する系が必要だと感じたことも大きかった。
研究は、リンパ節の構築に最低限なにが必要かを考えるところから始まった。
「マウスでは、リンパ節の形成に関わる細胞・分子・分子間相互作用について、
かなりのことがわかっていた。
私達は、リンパ節の発生や形成過程をなぞるのではなく、
エッセンスだけを使って簡便に作ろうと考えた」。
骨組みとしてコラーゲンスポンジを、
組織基盤としてストローマ細胞を使うことにした。
驚くべきことに、最初にできあがった組織は、
自然のリンパ節とそっくりの美しい組織構造とリンパ節に存在する
ほとんど全ての細胞や構造を持っていた。
得られた人工リンパ節を、免疫不全のモデルマウスの腎臓皮膜下
(腎臓皮膜は、さまざまな臓器移植実験の場として使用)に移植し、
静脈注射でがん抗原や細菌タンパク質などの抗原を投与。
「正常マウスの免疫反応の10~50倍もの強い抗体産生が誘導された」。
その理由については、免疫不全マウスでは、
免疫細胞が増殖できる十分な空間があり、
人工リンパ節には免疫反応を抑える機構が少ないことなどが考えられる。
渡邊ULは、構築までの簡便化と、ヒトを含むマウス以外の動物にも
移植できる人工リンパ節の開発を進めている。
将来は、人工リンパ節が、エイズ、がん、老化による免疫能の低下、
免疫組織の破壊に対する有効な治療法になり、
モノクローナル抗体などの医薬品産生のツールとしても利用できると期待。
「リンパ節だけでなく、胸腺、脾臓などを含めた『人工免疫組織治療』が
かならず実現すると確信している」。
渡邊ULは、免疫組織の構築に必要な全ての細胞をES細胞から誘導し、
完璧な免疫能力をもった人工リンパ節を作ることを究極の目標に掲げ、
今日も研究を進めている。
http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=17
理化学研究所 免疫アレルギー科学総合研究センター
渡邊 武ユニットリーダー
私たちは多種多様の細菌やウイルスに囲まれて暮らしているが、
免疫機能が正常であれば、大事に至ることはあまりない。
ところが、がんやエイズなどの疾患では、免疫機能の低下により、
命を脅かす深刻な事態が生じる。
理化学研究所の渡邊武ユニットリーダー(以下、UL)は、
人工リンパ節を作製し、それを体内に移植することで
患者の免疫機能を高めることができないかと考え、
2001年頃からマウスを用いた研究を始めた。
2004年に人工リンパ節の構築に成功し、
免疫反応を誘導し、強い免疫機能を発揮することを確認。
渡邊ULらが開発した人工リンパ節の材料は、
生体適合材料として知られる「コラーゲンスポンジ」、
臓器や組織を形づくるための支持細胞である「ストローマ細胞」、
免疫反応の司令塔としてはたらく免疫細胞である「樹状細胞」からなる。
「まず2mm角ほどのコラーゲンスポンジに、
ストローマ細胞と外来の抗原を取り込ませた樹状細胞を含ませ、
それをマウスの腎臓皮膜下に移植する。
2~3週間後に、ほぼ100%の確率でリンパ節と同じような構造をもつ
直径3~5mmほどの人工リンパ節組織ができる」。
成功の鍵は、コラーゲンスポンジとストローマ細胞を組み合わせた点。
このような研究を始めた経緯について、
「細胞治療や組織再生について、大きな研究成果がもたらされているが、
免疫組織の再生と構築については手がつけられていなかった。
リンパ節(二次リンパ節)は、免疫反応の場としてきわめて重要で、
実に美しい構造をしていることもあり、人工的に構築してみたい」。
さらに、生体という3次元空間内でおきる反応の解析には、
現在使われている平面培養法ではなく、
3次元で培養する系が必要だと感じたことも大きかった。
研究は、リンパ節の構築に最低限なにが必要かを考えるところから始まった。
「マウスでは、リンパ節の形成に関わる細胞・分子・分子間相互作用について、
かなりのことがわかっていた。
私達は、リンパ節の発生や形成過程をなぞるのではなく、
エッセンスだけを使って簡便に作ろうと考えた」。
骨組みとしてコラーゲンスポンジを、
組織基盤としてストローマ細胞を使うことにした。
驚くべきことに、最初にできあがった組織は、
自然のリンパ節とそっくりの美しい組織構造とリンパ節に存在する
ほとんど全ての細胞や構造を持っていた。
得られた人工リンパ節を、免疫不全のモデルマウスの腎臓皮膜下
(腎臓皮膜は、さまざまな臓器移植実験の場として使用)に移植し、
静脈注射でがん抗原や細菌タンパク質などの抗原を投与。
「正常マウスの免疫反応の10~50倍もの強い抗体産生が誘導された」。
その理由については、免疫不全マウスでは、
免疫細胞が増殖できる十分な空間があり、
人工リンパ節には免疫反応を抑える機構が少ないことなどが考えられる。
渡邊ULは、構築までの簡便化と、ヒトを含むマウス以外の動物にも
移植できる人工リンパ節の開発を進めている。
将来は、人工リンパ節が、エイズ、がん、老化による免疫能の低下、
免疫組織の破壊に対する有効な治療法になり、
モノクローナル抗体などの医薬品産生のツールとしても利用できると期待。
「リンパ節だけでなく、胸腺、脾臓などを含めた『人工免疫組織治療』が
かならず実現すると確信している」。
渡邊ULは、免疫組織の構築に必要な全ての細胞をES細胞から誘導し、
完璧な免疫能力をもった人工リンパ節を作ることを究極の目標に掲げ、
今日も研究を進めている。
http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=17
2007年12月21日金曜日
最前線:特徴ある健康食品開発--味の素・健康事業開発部、鈴木信二部長
(毎日 11月19日)
味の素は、食品や医薬品に続く成長分野として、健康事業を強化。
安全性や効能が科学的に実証された健康食品の開発に取り組む
健康事業開発部長の鈴木信二さん(51)に、
海外展開など今後の戦略を聞いた。
--どのような研究開発を目指していますか?
◆肥満予防や生活習慣病の改善などに、焦点を当てている。
天然由来の素材を開発し、人による試験を通じて
食品の安全性や有効性を調べる。
味の素グループ内の「健康基盤研究所」などと協力しながら
商品開発を進め、これまで4商品の開発に成功。
--顧客層は?
◆健康に関心の高い40~60代の顧客が多い。
「味の素の健康食品」として信頼を得ているようだ。
ただ、成長が期待される健康食品の市場は参入が多く、
競争が激しいので、特徴ある商品で顧客にアピールすることが重要。
--開発した商品の特徴を教えてください。
◆第1弾として開発したのがアミノ酸のひとつ、
グリシンを使った健康食品「グリナ」。
体内で重要な役割を担うグリシンが、「さわやかな朝をサポートする」
という商品で、05年8月の発売以降、9万人を超える顧客が購入。
「かつおの力」は、アミノ酸やミネラルなど
27種類の栄養素が含まれているカツオだしに着目。
1袋をお湯に溶かして飲めば、みそ汁8杯分のカツオだしを摂取。
--通信販売に特化する狙いはなんですか?
◆新聞広告で宣伝して、興味を持って電話をかけてきた
顧客に販売するケースが多い。
健康食品に関心を持つ顧客は、商品の特徴や食べ方など
詳しい説明を求める方が多い。
オペレーターから直接説明を受ければ、安心して購入できる。
--海外展開も進めています。
◆肥満が深刻な米国では、医師を通じて、サプリメントの
「カプシエイト ナチュラ」の販売を今年7月に始めた。
タイで栽培した辛くないトウガラシから抽出した新しい成分
「カプシエイト」が健康をサポート。
今後は、欧州や中国などへの進出も検討したい。
--味の素グループの健康事業の位置づけは?
◆グループ全体の2010年度の売上高目標は1兆5000億円で、
そのうち健康事業は2000億円。
健康事業開発部では、新商品の投入や既存商品の販売拡大などで、
2000億円の5~10%程度を稼ぎ出すようになりたい。
乳酸菌の技術をもった子会社のカルピスと共同での商品開発も検討したい。
==============
■人物略歴
一橋大卒業。79年、味の素入社。
食品事業本部営業企画グループ長を経て、
02年から健康事業開発部長。長野県出身。51歳。
http://mainichi.jp/select/biz/news/20071119ddm008020111000c.html
味の素は、食品や医薬品に続く成長分野として、健康事業を強化。
安全性や効能が科学的に実証された健康食品の開発に取り組む
健康事業開発部長の鈴木信二さん(51)に、
海外展開など今後の戦略を聞いた。
--どのような研究開発を目指していますか?
◆肥満予防や生活習慣病の改善などに、焦点を当てている。
天然由来の素材を開発し、人による試験を通じて
食品の安全性や有効性を調べる。
味の素グループ内の「健康基盤研究所」などと協力しながら
商品開発を進め、これまで4商品の開発に成功。
--顧客層は?
◆健康に関心の高い40~60代の顧客が多い。
「味の素の健康食品」として信頼を得ているようだ。
ただ、成長が期待される健康食品の市場は参入が多く、
競争が激しいので、特徴ある商品で顧客にアピールすることが重要。
--開発した商品の特徴を教えてください。
◆第1弾として開発したのがアミノ酸のひとつ、
グリシンを使った健康食品「グリナ」。
体内で重要な役割を担うグリシンが、「さわやかな朝をサポートする」
という商品で、05年8月の発売以降、9万人を超える顧客が購入。
「かつおの力」は、アミノ酸やミネラルなど
27種類の栄養素が含まれているカツオだしに着目。
1袋をお湯に溶かして飲めば、みそ汁8杯分のカツオだしを摂取。
--通信販売に特化する狙いはなんですか?
◆新聞広告で宣伝して、興味を持って電話をかけてきた
顧客に販売するケースが多い。
健康食品に関心を持つ顧客は、商品の特徴や食べ方など
詳しい説明を求める方が多い。
オペレーターから直接説明を受ければ、安心して購入できる。
--海外展開も進めています。
◆肥満が深刻な米国では、医師を通じて、サプリメントの
「カプシエイト ナチュラ」の販売を今年7月に始めた。
タイで栽培した辛くないトウガラシから抽出した新しい成分
「カプシエイト」が健康をサポート。
今後は、欧州や中国などへの進出も検討したい。
--味の素グループの健康事業の位置づけは?
◆グループ全体の2010年度の売上高目標は1兆5000億円で、
そのうち健康事業は2000億円。
健康事業開発部では、新商品の投入や既存商品の販売拡大などで、
2000億円の5~10%程度を稼ぎ出すようになりたい。
乳酸菌の技術をもった子会社のカルピスと共同での商品開発も検討したい。
==============
■人物略歴
一橋大卒業。79年、味の素入社。
食品事業本部営業企画グループ長を経て、
02年から健康事業開発部長。長野県出身。51歳。
http://mainichi.jp/select/biz/news/20071119ddm008020111000c.html
中国:杭州で4300年以上前の古城跡発見 殷墟に匹敵
(毎日 12月3日)
中国浙江省杭州の良渚(りょうしゃ)文化遺跡で、
少なくとも4300年以上前の巨大な古城跡が発見。
甲骨文字で有名な河南省安陽市の殷墟にも匹敵する
考古学的な価値があると専門家は指摘。
浙江省文物局などが18カ月にわたる調査の結果、古城跡の発見。
高さ4メートルの城壁に囲まれた古城跡は、
東西1.5~1.7キロ、南北1.8~1.9キロ、広さは約290万平方メートル。
サッカー場約400個分の面積で、
中国国内で発見された古城跡の中でも最大級。
良渚文化は、4000~5300年前に浙江省と江蘇省の境界にある
太湖周辺で発展した。
複雑な社会階層の分類を備えた文明社会だったとみられることから、
「中国最古の王朝が存在した可能性もある」。
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20071204k0000m030080000c.html
中国浙江省杭州の良渚(りょうしゃ)文化遺跡で、
少なくとも4300年以上前の巨大な古城跡が発見。
甲骨文字で有名な河南省安陽市の殷墟にも匹敵する
考古学的な価値があると専門家は指摘。
浙江省文物局などが18カ月にわたる調査の結果、古城跡の発見。
高さ4メートルの城壁に囲まれた古城跡は、
東西1.5~1.7キロ、南北1.8~1.9キロ、広さは約290万平方メートル。
サッカー場約400個分の面積で、
中国国内で発見された古城跡の中でも最大級。
良渚文化は、4000~5300年前に浙江省と江蘇省の境界にある
太湖周辺で発展した。
複雑な社会階層の分類を備えた文明社会だったとみられることから、
「中国最古の王朝が存在した可能性もある」。
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20071204k0000m030080000c.html
新しい波/253 野球独立リーグ/下 着実にレベル向上
(毎日 11月24日)
左手にストップウオッチを握り、男は手帳にペンを走らせていた。
独立リーグ日本一を争う香川-石川戦(10月27日、高松)の
バックネット裏には複数のプロ野球スカウトがいた。
楽天の中尾明生スカウトは、
「1年目は(フロントが)四国アイランドリーグを相手にしていなかった。
レベルが上がり、今では(球団の)現場からも注目選手の名前が上がってくる」。
物差しとして、プロは交流戦を重視。
05年は、オリックスとの1試合のみだったが、今年は17試合。
10月には、セ、パ12球団による教育リーグ「フェニックスリーグ」(宮崎)に、
四国リーグ選抜が初参加。
3勝8敗1分けながら、小差の試合が多かった。
大学生・社会人ドラフトでは、香川の三輪正義内野手(23)が
ヤクルト6巡目で、他に5選手が育成選手として指名。
計6人の指名は、過去最多。
今季、リーグ新記録の40盗塁をマークし、遊撃の守備も評価された
三輪ら4人はリーグ在籍3年目。
ヤクルトの岡林洋一スカウトは、
「守備、走塁、打撃とも段々と進歩している」。
監督やコーチを務める元プロ選手らによる育成機能が、
一定の役割を果たした証し。
海外も注目。
今季は、豪州から04年アテネ五輪銀メダリストら4人が加わった。
現在も豪州代表でプレーするトム・ブライス外野手(26)=香川=は、
「四国に来たのは、日本のプロ野球に行くステップになるから。
他の選手も関心を持っている」。
リーグ運営会社IBLJの鍵山誠社長(40)は、
「3年目の選手のプロ入りは特にうれしい。
コンスタントに選手を輩出し、プロへのもう一つの選択肢として認められた」。
四国リーグがまいた種は、全国各地で芽を出している。
今季スタートしたBCリーグからは、育成選手として楽天から1人が指名。
来季は福井、群馬が加入して6チームに増え、
岡山、宮崎、福島などでも新球団設立を目指す動きが加速。
夢を抱く他地域の選手には、3年間で計11選手がプロから指名された
四国が、まぶしく映っている。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/
左手にストップウオッチを握り、男は手帳にペンを走らせていた。
独立リーグ日本一を争う香川-石川戦(10月27日、高松)の
バックネット裏には複数のプロ野球スカウトがいた。
楽天の中尾明生スカウトは、
「1年目は(フロントが)四国アイランドリーグを相手にしていなかった。
レベルが上がり、今では(球団の)現場からも注目選手の名前が上がってくる」。
物差しとして、プロは交流戦を重視。
05年は、オリックスとの1試合のみだったが、今年は17試合。
10月には、セ、パ12球団による教育リーグ「フェニックスリーグ」(宮崎)に、
四国リーグ選抜が初参加。
3勝8敗1分けながら、小差の試合が多かった。
大学生・社会人ドラフトでは、香川の三輪正義内野手(23)が
ヤクルト6巡目で、他に5選手が育成選手として指名。
計6人の指名は、過去最多。
今季、リーグ新記録の40盗塁をマークし、遊撃の守備も評価された
三輪ら4人はリーグ在籍3年目。
ヤクルトの岡林洋一スカウトは、
「守備、走塁、打撃とも段々と進歩している」。
監督やコーチを務める元プロ選手らによる育成機能が、
一定の役割を果たした証し。
海外も注目。
今季は、豪州から04年アテネ五輪銀メダリストら4人が加わった。
現在も豪州代表でプレーするトム・ブライス外野手(26)=香川=は、
「四国に来たのは、日本のプロ野球に行くステップになるから。
他の選手も関心を持っている」。
リーグ運営会社IBLJの鍵山誠社長(40)は、
「3年目の選手のプロ入りは特にうれしい。
コンスタントに選手を輩出し、プロへのもう一つの選択肢として認められた」。
四国リーグがまいた種は、全国各地で芽を出している。
今季スタートしたBCリーグからは、育成選手として楽天から1人が指名。
来季は福井、群馬が加入して6チームに増え、
岡山、宮崎、福島などでも新球団設立を目指す動きが加速。
夢を抱く他地域の選手には、3年間で計11選手がプロから指名された
四国が、まぶしく映っている。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/
2007年12月20日木曜日
抗癌効果のある食事はあるのだろうか?
(Medscape 12月6日)
ある種の果物と野菜が癌のリスクを低下させ、
その通過路に発生する癌を抑制するのに役立つ可能性がある。
「抗癌作用をもつ食事」が現実に存在するわけではないが、
ある種の果物と野菜を多量に摂取することは、
発癌リスクを低下させるのに役立つと、研究者らは報告。
その知見は、果物と野菜の摂取量が多いことが癌リスクの低下と
関連することを明らかにした、以前の研究を確認および補強するもの。
最新の「A」リストには、ブラックラズベリーが食道癌の予防、
ブロッコリーのようなアブラナ科の生野菜が膀胱癌の予防に推奨。
オハイオ州立大学総合癌センター(コロンブス)の栄養学の准教授
Laura Krestyは、「魔法のような効果のある食物はない。
重要なことは、多様な果物と野菜を食べよ、旬のものを食べよということ。
本当に目指すべきことは、果物と野菜の総摂取量を増やし、
野菜中心の食事を摂るように努めること」。
ブラックラズベリーを食べることが、
食道癌になるリスクの高い人々を保護する可能性がある。
動物実験において、ブラックラズベリーが口腔、食道、結腸の癌を抑制。
果物は、酸化ストレス、フリーラジカルによる細胞破壊を減らし、
DNA損傷と細胞増殖速度を軽減する。
バレット食道と呼ばれる食道の前癌病変を有する高リスク患者を対象。
バレット食道患者は食道癌のリスクが30 - 40倍高い。
食道癌は致死的であり、5年生存率は15%。
20例の患者が、凍結乾燥したブラックラズベリーを1日に1オンス(28.3g)
または1.5オンス(42.5g)(男性はより多く)、26週間摂取。
酸化ストレスのマーカーである尿中8-イソプラスタンを測定。
「58%の患者は、8-イソプラスタンが顕著に減少」。
発癌物質の無毒化を促進するGSTpiという酵素の組織内レベルも検討。
37%の患者で、保護作用を有する酵素が増加。
癌が発生した人々が減少したかどうか、長期追跡調査は行われなかったが、
Kresty博士は、果物には「保護作用がある」と。
Roswell Park癌研究所(ニューヨーク州バッファロー)の研究者らは、
ブロッコリー、ブロッコリースプラウト、キャベツ、カリフラワーのような
アブラナ科の生野菜は、膀胱癌のリスクを約40%低下させる。
それらの野菜には、膀胱癌に対する保護効果を有すると考えられる
イソチオシアン酸塩、ITCという化合物を含む。
Roswell Park研究所Li Tang, MDは、
「生のアブラナ科の野菜は、加熱調理した野菜よりも良い。
調理中にイソチオシアン酸塩の量が60% - 90%減少する」。
膀胱癌と診断された275例、健康な被験者825例の食習慣を調査。
診断前の生および加熱調理済みの野菜の摂取、喫煙習慣、
他のリスクファクターについて質問。
1カ月にそれらの野菜を3食分以上摂取した非喫煙者は、
1カ月に3食分未満しか摂取しなかった喫煙者と比較して、
膀胱癌になる可能性が約73%低い。
Roswell Park癌研究所の腫瘍学の教授Yuesheng Zhangは、
ブロッコリースプラウトは膀胱癌の予防に、より優れている可能性がある。
4群の動物を用い、1つの群には膀胱癌を誘発する溶液を飲ませ、
ブロッコリースプラウトの凍結乾燥抽出物を摂取。
他群には、ブロッコリー抽出物のみ、発癌物質のみを摂取。
もう1つの群は対照群とし、何もしなかった。
10カ月後、「発癌物質のみを摂取した動物の96%に、腫瘍が発生」。
発癌物質とブロッコリー抽出物の両方を摂取した動物のうち、
癌が発生したのは37匹のみ。
この場合も、保護効果を示すと考えられるのはITC。
ブロッコリースプラウトは、発癌物質を無毒化する上で
重要な2つの酵素を活性化することによって効果を発揮。
American Association for Cancer Research's Sixth Annual International Conference on Frontiers in Cancer Prevention Research, Philadelphia, Dec. 5-8, 2007. Laura Kresty, PhD, assistant professor of nutrition, Comprehensive Cancer Center, Ohio State University, Columbus. Yuesheng Zhang, MD, PhD, professor of oncology, Roswell Park Cancer Institute, Buffalo, N.Y. Li Tang, MD, PhD, Roswell Park Cancer Institute, Buffalo, N.Y.
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=64059
ある種の果物と野菜が癌のリスクを低下させ、
その通過路に発生する癌を抑制するのに役立つ可能性がある。
「抗癌作用をもつ食事」が現実に存在するわけではないが、
ある種の果物と野菜を多量に摂取することは、
発癌リスクを低下させるのに役立つと、研究者らは報告。
その知見は、果物と野菜の摂取量が多いことが癌リスクの低下と
関連することを明らかにした、以前の研究を確認および補強するもの。
最新の「A」リストには、ブラックラズベリーが食道癌の予防、
ブロッコリーのようなアブラナ科の生野菜が膀胱癌の予防に推奨。
オハイオ州立大学総合癌センター(コロンブス)の栄養学の准教授
Laura Krestyは、「魔法のような効果のある食物はない。
重要なことは、多様な果物と野菜を食べよ、旬のものを食べよということ。
本当に目指すべきことは、果物と野菜の総摂取量を増やし、
野菜中心の食事を摂るように努めること」。
ブラックラズベリーを食べることが、
食道癌になるリスクの高い人々を保護する可能性がある。
動物実験において、ブラックラズベリーが口腔、食道、結腸の癌を抑制。
果物は、酸化ストレス、フリーラジカルによる細胞破壊を減らし、
DNA損傷と細胞増殖速度を軽減する。
バレット食道と呼ばれる食道の前癌病変を有する高リスク患者を対象。
バレット食道患者は食道癌のリスクが30 - 40倍高い。
食道癌は致死的であり、5年生存率は15%。
20例の患者が、凍結乾燥したブラックラズベリーを1日に1オンス(28.3g)
または1.5オンス(42.5g)(男性はより多く)、26週間摂取。
酸化ストレスのマーカーである尿中8-イソプラスタンを測定。
「58%の患者は、8-イソプラスタンが顕著に減少」。
発癌物質の無毒化を促進するGSTpiという酵素の組織内レベルも検討。
37%の患者で、保護作用を有する酵素が増加。
癌が発生した人々が減少したかどうか、長期追跡調査は行われなかったが、
Kresty博士は、果物には「保護作用がある」と。
Roswell Park癌研究所(ニューヨーク州バッファロー)の研究者らは、
ブロッコリー、ブロッコリースプラウト、キャベツ、カリフラワーのような
アブラナ科の生野菜は、膀胱癌のリスクを約40%低下させる。
それらの野菜には、膀胱癌に対する保護効果を有すると考えられる
イソチオシアン酸塩、ITCという化合物を含む。
Roswell Park研究所Li Tang, MDは、
「生のアブラナ科の野菜は、加熱調理した野菜よりも良い。
調理中にイソチオシアン酸塩の量が60% - 90%減少する」。
膀胱癌と診断された275例、健康な被験者825例の食習慣を調査。
診断前の生および加熱調理済みの野菜の摂取、喫煙習慣、
他のリスクファクターについて質問。
1カ月にそれらの野菜を3食分以上摂取した非喫煙者は、
1カ月に3食分未満しか摂取しなかった喫煙者と比較して、
膀胱癌になる可能性が約73%低い。
Roswell Park癌研究所の腫瘍学の教授Yuesheng Zhangは、
ブロッコリースプラウトは膀胱癌の予防に、より優れている可能性がある。
4群の動物を用い、1つの群には膀胱癌を誘発する溶液を飲ませ、
ブロッコリースプラウトの凍結乾燥抽出物を摂取。
他群には、ブロッコリー抽出物のみ、発癌物質のみを摂取。
もう1つの群は対照群とし、何もしなかった。
10カ月後、「発癌物質のみを摂取した動物の96%に、腫瘍が発生」。
発癌物質とブロッコリー抽出物の両方を摂取した動物のうち、
癌が発生したのは37匹のみ。
この場合も、保護効果を示すと考えられるのはITC。
ブロッコリースプラウトは、発癌物質を無毒化する上で
重要な2つの酵素を活性化することによって効果を発揮。
American Association for Cancer Research's Sixth Annual International Conference on Frontiers in Cancer Prevention Research, Philadelphia, Dec. 5-8, 2007. Laura Kresty, PhD, assistant professor of nutrition, Comprehensive Cancer Center, Ohio State University, Columbus. Yuesheng Zhang, MD, PhD, professor of oncology, Roswell Park Cancer Institute, Buffalo, N.Y. Li Tang, MD, PhD, Roswell Park Cancer Institute, Buffalo, N.Y.
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=64059
新しい波/252 野球独立リーグ/中 香川、リピーター増
(毎日 11月10日)
赤字経営が続く四国アイランドリーグで、
黒字転換にめどをつけた球団がある。
今季、2連覇を果たした香川オリーブガイナーズ(高松市)。
小崎貴紀球団社長(37)は、
「リピーターを戦略的に作ることができた」。
ホームの1試合平均観客数は、前年比約1・6倍の1592人。
年間集客数は、7万1634人でリーグの史上最多記録を更新。
カギは、無料チケットの有効活用。
初年度は、リーグ全体で約40万枚をばらまき、赤字が膨らむ要因に。
香川では、地域別の配布枚数と実際に訪れた観客数の「着券率」を集約。
着券率の高い地域で営業を強化し、安定した集客を実現。
「家族客」の取り込みも効果的。
市内の全公立小中学校約3万5000人の児童・生徒に、
無料チケット付きのチラシを配布した結果、
保護者を含めたリピーターが増えた。
リーグ1球団の年間経費は、1億~1億3000万円。
香川は今季、リーグ最多となる約40社のスポンサーから6000万円、
チケット3000万円、グッズ1300万円、飲食1200万円に加え、
2人がプロ球団入りを果たし、契約金や初年度年俸の2割が収入となり、
総収入は1億2500万円に達する見通し。
昨季から独立採算制に移行し、独自の経営戦略が可能になったことも大きい。
香川は、職員を6人に倍増して積極経営を選んだ。
元広島投手やアテネ五輪銀メダリストの豪州代表スラッガーを獲得し、
戦力アップにも取り組んだ。試合の質の向上は、集客に直結。
一時は球団存続が危ぶまれた高知は今オフ、
阪神・藤川球児投手の兄が球団代表に就任し、営業戦略を練り直し。
来季から新加入の長崎は、米独立リーグ人気球団と提携して
米国流のイベント充実に力を注ぐ。
今季スタートしたBCリーグの村山哲二代表(43)は、
「まず1球団だけでも、黒字化のモデルをつくりたい」。
香川の職員は、今季途中に徳島へ派遣され、
来季は別の職員が福岡の新球団で運営に携わる。
香川のノウハウは各地へ波及している。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/news/20071110ddm035050027000c.html
赤字経営が続く四国アイランドリーグで、
黒字転換にめどをつけた球団がある。
今季、2連覇を果たした香川オリーブガイナーズ(高松市)。
小崎貴紀球団社長(37)は、
「リピーターを戦略的に作ることができた」。
ホームの1試合平均観客数は、前年比約1・6倍の1592人。
年間集客数は、7万1634人でリーグの史上最多記録を更新。
カギは、無料チケットの有効活用。
初年度は、リーグ全体で約40万枚をばらまき、赤字が膨らむ要因に。
香川では、地域別の配布枚数と実際に訪れた観客数の「着券率」を集約。
着券率の高い地域で営業を強化し、安定した集客を実現。
「家族客」の取り込みも効果的。
市内の全公立小中学校約3万5000人の児童・生徒に、
無料チケット付きのチラシを配布した結果、
保護者を含めたリピーターが増えた。
リーグ1球団の年間経費は、1億~1億3000万円。
香川は今季、リーグ最多となる約40社のスポンサーから6000万円、
チケット3000万円、グッズ1300万円、飲食1200万円に加え、
2人がプロ球団入りを果たし、契約金や初年度年俸の2割が収入となり、
総収入は1億2500万円に達する見通し。
昨季から独立採算制に移行し、独自の経営戦略が可能になったことも大きい。
香川は、職員を6人に倍増して積極経営を選んだ。
元広島投手やアテネ五輪銀メダリストの豪州代表スラッガーを獲得し、
戦力アップにも取り組んだ。試合の質の向上は、集客に直結。
一時は球団存続が危ぶまれた高知は今オフ、
阪神・藤川球児投手の兄が球団代表に就任し、営業戦略を練り直し。
来季から新加入の長崎は、米独立リーグ人気球団と提携して
米国流のイベント充実に力を注ぐ。
今季スタートしたBCリーグの村山哲二代表(43)は、
「まず1球団だけでも、黒字化のモデルをつくりたい」。
香川の職員は、今季途中に徳島へ派遣され、
来季は別の職員が福岡の新球団で運営に携わる。
香川のノウハウは各地へ波及している。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/news/20071110ddm035050027000c.html
大学と企業を渡り歩いた経験を、バイオベンチャー育成に生かす!
(nature Asia-Pacific)
株式会社トランスサイエンス・キャリア 顧問 池本文彦
今や、2人に1人が大学に進学する時代。
その1割は大学院にまで進み、理系に限ると大学院進学率は3割を超える。
ところが、大学における研究ポストはそれほど増えておらず、
公的研究機関では終身雇用の研究職が増えるどころか、減少の傾向。
一方、ライフサイエンスやIT、環境、食品など、
産業における研究者や技術者の需要は大きく、優秀な人材の確保が急務。
トランスサイエンス・キャリア社は、バイオ・メディカル分野において
研究者と民間企業との架け橋となるべく、
ベンチャー企業などの人材と組織を育成支援。
2005年に設立されたトランスサイエンス・キャリア社は、
ベンチャーキャピタルであるトランスサイエンス社と協同運営。
薬理学研究者である池本文彦博士は、大学と製薬企業とを渡り歩き、
2004年にトランスサイエンス社の顧問に着任。
2006年からはトランスサイエンス・キャリア社の顧問も兼任。
「トランスサイエンス社は、160億円のファンドを国内外の52社に投資し、
トランスサイエンス・キャリア社の方は発足からわずか2年で、
経営幹部層を含め70人を超える人材を紹介してきた」。
人材の紹介先は、創薬ベンチャーからバイオインフラ企業、
コンサルティングファームと多岐にわたり、
着任ポストも代表取締役CEO、開発本部長、社長室長、薬理部長とさまざま。
1961年に神戸大学理学部生物学科遺伝学教室を卒業した池本博士は、
自活していくためにやむを得ず製薬企業に就職。
その後、大学での研究が捨てきれずに、製薬企業に籍を置いたまま
大阪市立大学医学部の研究生となり、
病態発生機序における細胞の能動輸送系障害の意義についての
研究をテーマとし、1972年に医学博士を取得。
1977年に製薬企業を退職し、同大学医学部の講師に就任して以来、
レニン・アンジオテンシン系の研究で成果を上げ、
助教授までを務めあげたが、1989年に依願退職。
1990年、万有製薬株式会社つくば研究所創薬研究所の副所長、
取締役開発研究所長などを歴任し、
2004年の退任後にトランスサイエンス社顧問となり現在に至る。
「好きな生き方をして、さまざまな経験をしてきたので、
少しでもご恩返しをしたい」。
自らを「珍種の存在」と語る池本博士は、現職への思いをそう話す。
一攫千金を狙ったバイオベンチャー設立ブームは記憶に新しいが、
安定した経営が行えている企業はきわめて少ない。
「私は利益のみを追うことはせず、大企業では難しい特化した領域を
発展させることに貢献したい。
利益は、社会への貢献についてくるといわれている。
大企業とベンチャーは、競合ではなく共存できるはずだ」。
「研究者は、アカデミックなサイエンスと、サイエンスを生かす事業とを
区別して認識しなければならない」。
研究を事業に結びつけるのは、
発端となる基礎研究を行った研究者だけでは不可能で、
医療応用の実現までを事業として考える企業や人材に
うまくバトンを渡す必要がある。
「新しい知見が得られた時、
社会に還元するために何ができ、何ができないのかを、
研究スタッフと経営者が同じ目線で話し合える環境が必要。
松下、ソニー、ホンダなども最初はベンチャーだったが、
技術者と優れた経営陣の両面が揃っていたから成功したのだろう」。
バイオベンチャー事業の成功の鍵は、優秀な人材をいかに活用するかにある。
研究者が、自分のスキルや興味に応じて、大学、公的研究機関、
大手の民間企業、ベンチャーの間を自由に行き来できる体制が必要。
「難病の指定を受けている疾患の治療に結びつく事業を応援したい」。
自らの経験を生かし、経営陣やスタッフの
よきアドバイザーとして活躍する日々が続く。
http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=47
株式会社トランスサイエンス・キャリア 顧問 池本文彦
今や、2人に1人が大学に進学する時代。
その1割は大学院にまで進み、理系に限ると大学院進学率は3割を超える。
ところが、大学における研究ポストはそれほど増えておらず、
公的研究機関では終身雇用の研究職が増えるどころか、減少の傾向。
一方、ライフサイエンスやIT、環境、食品など、
産業における研究者や技術者の需要は大きく、優秀な人材の確保が急務。
トランスサイエンス・キャリア社は、バイオ・メディカル分野において
研究者と民間企業との架け橋となるべく、
ベンチャー企業などの人材と組織を育成支援。
2005年に設立されたトランスサイエンス・キャリア社は、
ベンチャーキャピタルであるトランスサイエンス社と協同運営。
薬理学研究者である池本文彦博士は、大学と製薬企業とを渡り歩き、
2004年にトランスサイエンス社の顧問に着任。
2006年からはトランスサイエンス・キャリア社の顧問も兼任。
「トランスサイエンス社は、160億円のファンドを国内外の52社に投資し、
トランスサイエンス・キャリア社の方は発足からわずか2年で、
経営幹部層を含め70人を超える人材を紹介してきた」。
人材の紹介先は、創薬ベンチャーからバイオインフラ企業、
コンサルティングファームと多岐にわたり、
着任ポストも代表取締役CEO、開発本部長、社長室長、薬理部長とさまざま。
1961年に神戸大学理学部生物学科遺伝学教室を卒業した池本博士は、
自活していくためにやむを得ず製薬企業に就職。
その後、大学での研究が捨てきれずに、製薬企業に籍を置いたまま
大阪市立大学医学部の研究生となり、
病態発生機序における細胞の能動輸送系障害の意義についての
研究をテーマとし、1972年に医学博士を取得。
1977年に製薬企業を退職し、同大学医学部の講師に就任して以来、
レニン・アンジオテンシン系の研究で成果を上げ、
助教授までを務めあげたが、1989年に依願退職。
1990年、万有製薬株式会社つくば研究所創薬研究所の副所長、
取締役開発研究所長などを歴任し、
2004年の退任後にトランスサイエンス社顧問となり現在に至る。
「好きな生き方をして、さまざまな経験をしてきたので、
少しでもご恩返しをしたい」。
自らを「珍種の存在」と語る池本博士は、現職への思いをそう話す。
一攫千金を狙ったバイオベンチャー設立ブームは記憶に新しいが、
安定した経営が行えている企業はきわめて少ない。
「私は利益のみを追うことはせず、大企業では難しい特化した領域を
発展させることに貢献したい。
利益は、社会への貢献についてくるといわれている。
大企業とベンチャーは、競合ではなく共存できるはずだ」。
「研究者は、アカデミックなサイエンスと、サイエンスを生かす事業とを
区別して認識しなければならない」。
研究を事業に結びつけるのは、
発端となる基礎研究を行った研究者だけでは不可能で、
医療応用の実現までを事業として考える企業や人材に
うまくバトンを渡す必要がある。
「新しい知見が得られた時、
社会に還元するために何ができ、何ができないのかを、
研究スタッフと経営者が同じ目線で話し合える環境が必要。
松下、ソニー、ホンダなども最初はベンチャーだったが、
技術者と優れた経営陣の両面が揃っていたから成功したのだろう」。
バイオベンチャー事業の成功の鍵は、優秀な人材をいかに活用するかにある。
研究者が、自分のスキルや興味に応じて、大学、公的研究機関、
大手の民間企業、ベンチャーの間を自由に行き来できる体制が必要。
「難病の指定を受けている疾患の治療に結びつく事業を応援したい」。
自らの経験を生かし、経営陣やスタッフの
よきアドバイザーとして活躍する日々が続く。
http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=47
2007年12月19日水曜日
地球温暖化防止求める集会、世界各地で開催
(CNN 12月9日)
インドネシア東部バリ島で開幕した
気候変動枠組み条約第13回締約国会議(COP13)に合わせ、
地球温暖化の防止を求める集会が、世界50都市以上で開かれた。
フィリピンの首都マニラでは、風車付きの帽子をかぶったり、
太陽を模したダンボールの面をかぶった何百人もの人々が市内を行進。
台北では、1500人前後の人々が、二酸化炭素排出に抗議する
スローガンが書かれた横断幕やプラカードを掲げた。
バリ島のCOP13会場前でも、大規模なデモ行進があり、
ニュージーランドの首都オークランドでは、
350人以上が草地に横たわって「気候SOS」の人文字を描いた。
ベルリンのブランデンブルク門では、
氷の彫刻家が15トンの氷からシロクマを制作。
また、ドイツ各地で商店街が5分間消灯した。
ロンドン市内では、大勢の市民が、国会議事堂広場に
自転車で乗り入れる抗議行動があった。
参加者らはかけがえのない地球を守るよう求め、
COP13進展の足かせとなっているブッシュ米政権を批判した。
主催者は、この日の抗議行動の最後に米大使館前に移動する考え。
フィンランドの首都ヘルシンキでは、商店街のアスファルトの道路に
スキーを履いた50人前後が現れ、
雪が降る寒い冬を呼び戻すよう指導者らに促した。
米国でもマサチューセッツ州ウォルデン池で、50人規模の集会があり、
シロクマに扮した参加者などが大統領や議員らの真剣な取り組みを求めた。
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200712090006.html
インドネシア東部バリ島で開幕した
気候変動枠組み条約第13回締約国会議(COP13)に合わせ、
地球温暖化の防止を求める集会が、世界50都市以上で開かれた。
フィリピンの首都マニラでは、風車付きの帽子をかぶったり、
太陽を模したダンボールの面をかぶった何百人もの人々が市内を行進。
台北では、1500人前後の人々が、二酸化炭素排出に抗議する
スローガンが書かれた横断幕やプラカードを掲げた。
バリ島のCOP13会場前でも、大規模なデモ行進があり、
ニュージーランドの首都オークランドでは、
350人以上が草地に横たわって「気候SOS」の人文字を描いた。
ベルリンのブランデンブルク門では、
氷の彫刻家が15トンの氷からシロクマを制作。
また、ドイツ各地で商店街が5分間消灯した。
ロンドン市内では、大勢の市民が、国会議事堂広場に
自転車で乗り入れる抗議行動があった。
参加者らはかけがえのない地球を守るよう求め、
COP13進展の足かせとなっているブッシュ米政権を批判した。
主催者は、この日の抗議行動の最後に米大使館前に移動する考え。
フィンランドの首都ヘルシンキでは、商店街のアスファルトの道路に
スキーを履いた50人前後が現れ、
雪が降る寒い冬を呼び戻すよう指導者らに促した。
米国でもマサチューセッツ州ウォルデン池で、50人規模の集会があり、
シロクマに扮した参加者などが大統領や議員らの真剣な取り組みを求めた。
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200712090006.html
新しい波/251 野球独立リーグ/上 6チームで再出発
(毎日 11月3日)
四国アイランドリーグの運営会社IBLJの鍵山誠社長(40)は
今、安堵している。
昨夏から温め続けたリーグ広域化構想が、ついに実現。
「小さなリーグでは限界がある。
いろんな地域とアライアンス(同盟)を組み、
戦略的に運営しないと四国は孤立する」。
1年目は3億円、2年目は1億5000万円、
今季も1億円以内の赤字経営が続く。
経費節減が限界に達する中、経営基盤強化のために、拡大路線は必然。
日本初の独立リーグとして05年4月、4チームでスタートした四国リーグは
来季、長崎、福岡両県の新球団を加えた6チームで
「四国・九州アイランドリーグ」として再出発。
将来的には、西日本で16チームへの拡大を目指す。
広域化の狙いは、対戦カードの充実による集客アップや、
市場拡大によるスポンサー収入増にある。
1球団当たりの遠征費用は、
約360万円増の年間1000万円に膨らむが、補える計算だ。
今季が3年契約の最終年となるメーンスポンサーの
四国コカ・コーラボトリング(本社・高松市)は、既にスポンサー継続を決めた。
橋本建夫社長(62)は、「6チームになれば、
ゲームの魅力が増してお客さんも増える。知名度もアップする」。
人口約400万人の四国から、長崎、福岡を加えた約1000万人のマーケットへ。
多くのスポンサーとの契約更新交渉は順調。
1試合平均の集客目標は、今季の1100人より400人増の1500人、
計36万人に設定。
ライバルリーグも広域化の道を歩む。
新潟、富山、石川、長野の4チームによる北信越BCリーグは
2年目の来季、群馬、福井両県の球団を含めた6チームに拡大。
新名称は、BCリーグとなった。
運営会社の村山哲二社長(43)は、
「6チームはプロスポーツの最低単位。土台づくりを進める」。
四国・九州リーグの所属選手は、四国リーグより80人増の計180人。
鍵山社長は、「独立リーグのパイを広げれば、
チャレンジできる若者も増える。競争にもまれることでリーグは発展していく」。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/news/20071103ddm035050036000c.html
四国アイランドリーグの運営会社IBLJの鍵山誠社長(40)は
今、安堵している。
昨夏から温め続けたリーグ広域化構想が、ついに実現。
「小さなリーグでは限界がある。
いろんな地域とアライアンス(同盟)を組み、
戦略的に運営しないと四国は孤立する」。
1年目は3億円、2年目は1億5000万円、
今季も1億円以内の赤字経営が続く。
経費節減が限界に達する中、経営基盤強化のために、拡大路線は必然。
日本初の独立リーグとして05年4月、4チームでスタートした四国リーグは
来季、長崎、福岡両県の新球団を加えた6チームで
「四国・九州アイランドリーグ」として再出発。
将来的には、西日本で16チームへの拡大を目指す。
広域化の狙いは、対戦カードの充実による集客アップや、
市場拡大によるスポンサー収入増にある。
1球団当たりの遠征費用は、
約360万円増の年間1000万円に膨らむが、補える計算だ。
今季が3年契約の最終年となるメーンスポンサーの
四国コカ・コーラボトリング(本社・高松市)は、既にスポンサー継続を決めた。
橋本建夫社長(62)は、「6チームになれば、
ゲームの魅力が増してお客さんも増える。知名度もアップする」。
人口約400万人の四国から、長崎、福岡を加えた約1000万人のマーケットへ。
多くのスポンサーとの契約更新交渉は順調。
1試合平均の集客目標は、今季の1100人より400人増の1500人、
計36万人に設定。
ライバルリーグも広域化の道を歩む。
新潟、富山、石川、長野の4チームによる北信越BCリーグは
2年目の来季、群馬、福井両県の球団を含めた6チームに拡大。
新名称は、BCリーグとなった。
運営会社の村山哲二社長(43)は、
「6チームはプロスポーツの最低単位。土台づくりを進める」。
四国・九州リーグの所属選手は、四国リーグより80人増の計180人。
鍵山社長は、「独立リーグのパイを広げれば、
チャレンジできる若者も増える。競争にもまれることでリーグは発展していく」。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/news/20071103ddm035050036000c.html
質の良い研究室のウェブサイト作成は、研究室の世界をより明確に示す
(nature Asia-Pacific)
先進国の多くの人々にとって、インターネットは日常生活に浸透しつつある。
インターネットは買い物、お勧めのレストラン情報の入手、
休日の楽しみの検索に利用。
そう遠くない将来、研究者は就職先として最も望ましい研究室を
探すに当たって、いい所を物色し、自分を売り込むために
ウェブを利用するだろう。
ウェブサイトは、研究室とコンタクトを取る最初の接点である場合が多く、
研究室の活動を紹介するデジタルウィンドウのようなものである。
研究室のウェブサイトの多くは、研究プログラムを明らかにし、
研究員の名前と連絡先を記載している。
良いサイトは、共同研究を探す手段も提供している。
特に優れたサイトでは、将来研究員となる人々が、
過去および現在の研究員が
何を目的として研究を続けているかを知ることができる。
もし私が新しい研究室を検索するとしたら、
今までの研究員が研究責任者の指導の下で論文を発表しているか、
彼らが学術界、企業、政府機関を問わず、専門内外を含めて、
私自身が追求してみたい職業に就いているかを知りたい。
また、研究室の体質についても知りたい。
研究員達が仕事上、またプライベートで交流しているかどうか?
彼らにはユーモアのセンスがあり、協力の精神を持っているか?
こうした「最高の仕事」を探すために、
幹細胞研究者であり、ブロッガーでもある大学院生Attila Csordásは、
ブログ上で研究室のウェブサイトのコンテストを主催
(http://pimm.wordpress.com/)。
Csordásの見解によると、メディアの技術を最大限生かしている
研究室のウェブサイトはほとんどなく、
これらは研究室の業績や体質について検索者が知りたいと思っている
情報を提供していないという。
「大学の研究室のほとんどのウェブサイトが、進化した、最新の、
絶えず変化しているウェブの基準を満たしていない」
Csordásは、自分の研究分野の合格点に近いサイトを数例紹介しているが、
世界中の生命科学の研究室に、最高の研究成果を共有するように求めている。
この挑戦を受けて立つことは、
研究室がその実績を売り込む助けとなり、将来有望な若い研究者を
自分達の研究室に誘致することができるだろう。
NatureVol. 447, P. 347, May 2007
http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=13
先進国の多くの人々にとって、インターネットは日常生活に浸透しつつある。
インターネットは買い物、お勧めのレストラン情報の入手、
休日の楽しみの検索に利用。
そう遠くない将来、研究者は就職先として最も望ましい研究室を
探すに当たって、いい所を物色し、自分を売り込むために
ウェブを利用するだろう。
ウェブサイトは、研究室とコンタクトを取る最初の接点である場合が多く、
研究室の活動を紹介するデジタルウィンドウのようなものである。
研究室のウェブサイトの多くは、研究プログラムを明らかにし、
研究員の名前と連絡先を記載している。
良いサイトは、共同研究を探す手段も提供している。
特に優れたサイトでは、将来研究員となる人々が、
過去および現在の研究員が
何を目的として研究を続けているかを知ることができる。
もし私が新しい研究室を検索するとしたら、
今までの研究員が研究責任者の指導の下で論文を発表しているか、
彼らが学術界、企業、政府機関を問わず、専門内外を含めて、
私自身が追求してみたい職業に就いているかを知りたい。
また、研究室の体質についても知りたい。
研究員達が仕事上、またプライベートで交流しているかどうか?
彼らにはユーモアのセンスがあり、協力の精神を持っているか?
こうした「最高の仕事」を探すために、
幹細胞研究者であり、ブロッガーでもある大学院生Attila Csordásは、
ブログ上で研究室のウェブサイトのコンテストを主催
(http://pimm.wordpress.com/)。
Csordásの見解によると、メディアの技術を最大限生かしている
研究室のウェブサイトはほとんどなく、
これらは研究室の業績や体質について検索者が知りたいと思っている
情報を提供していないという。
「大学の研究室のほとんどのウェブサイトが、進化した、最新の、
絶えず変化しているウェブの基準を満たしていない」
Csordásは、自分の研究分野の合格点に近いサイトを数例紹介しているが、
世界中の生命科学の研究室に、最高の研究成果を共有するように求めている。
この挑戦を受けて立つことは、
研究室がその実績を売り込む助けとなり、将来有望な若い研究者を
自分達の研究室に誘致することができるだろう。
NatureVol. 447, P. 347, May 2007
http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=13
2007年12月18日火曜日
低脂肪食は閉経後女性の卵巣癌発生率を低下させる可能性
(Medscape 10月17日)
低脂肪食パターンは、閉経後女性において卵巣癌の発生率を低下させる
可能性があることを示す研究結果が報告。
フレッド・ハッチンソン癌研究センター(Fred Hutchinson Cancer Research Center)
のRoss L. Prenticeらは、
「Women's Health Initiative [WHI] Dietary Modification (DM)
Randomized Controlled Trial(女性の健康イニチアチブ食事改良
ランダム化比較対照試験)において、
「低脂肪食パターンが、慢性疾患の発生率に及ぼす効果を
乳癌と大腸癌、卵巣癌と子宮内膜癌で評価した」。
1993-1998年に、閉経後女性48,835例がDM介入(n=19,541)または
通常食(n=29,294)にランダム化された。平均追跡期間は8.1年間。
DM介入の目的は、総脂肪摂取を消費エネルギーの20%に減少、
野菜、果物、穀物の摂取量を増加させること。
癌の転帰を確認し、重み付けしたログランク検定を用いて、
卵巣、子宮内膜の浸潤癌、全浸潤癌、他部位の浸潤癌の発生率を群間で比較。
通常食群と比較して、DM介入群は卵巣癌のリスクが低かった。
全卵巣癌のハザード比(HR)は、統計学的に有意ではないが、
HRはDM介入の期間が長くなるにつれて低下。
最初の4年間は、卵巣癌のリスクは両群とも同程度
(介入群0.52 対 対照群0.45例/1000人-年)。
しかし、次の4.1年間に、DM介入群では同リスクが低下
(介入群0.38 対 対照群0.64例/1000人-年)。
子宮内膜癌のリスクは群間に差がないが、
全浸潤癌の推定リスクは対照群より介入群の方がわずかに低い。
研究の限界として、
5種類の癌のリスクに関する多重比較のための補正が、
同知見の統計学的有意性を低下させた可能性、
全期間に介入効果の一貫性が認められず、効果の確実性が低いこと、
対照群より介入群で卵巣癌が早く検出された場合には
累積ハザード推定値が歪められた可能性。
「低脂肪食パターンは、閉経後女性において
卵巣癌の発生率を低下させる可能性がある。
DM試験は、全浸潤癌の減少の可能性も示唆。
被験者に対して非介入で追跡を継続しており、
低脂肪食パターンがこうした癌の発生率に及ぼす効果について
更に有益な評価が行える可能性がある」
J Natl Cancer Inst. 2007;99:1534-1543.
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=58911
低脂肪食パターンは、閉経後女性において卵巣癌の発生率を低下させる
可能性があることを示す研究結果が報告。
フレッド・ハッチンソン癌研究センター(Fred Hutchinson Cancer Research Center)
のRoss L. Prenticeらは、
「Women's Health Initiative [WHI] Dietary Modification (DM)
Randomized Controlled Trial(女性の健康イニチアチブ食事改良
ランダム化比較対照試験)において、
「低脂肪食パターンが、慢性疾患の発生率に及ぼす効果を
乳癌と大腸癌、卵巣癌と子宮内膜癌で評価した」。
1993-1998年に、閉経後女性48,835例がDM介入(n=19,541)または
通常食(n=29,294)にランダム化された。平均追跡期間は8.1年間。
DM介入の目的は、総脂肪摂取を消費エネルギーの20%に減少、
野菜、果物、穀物の摂取量を増加させること。
癌の転帰を確認し、重み付けしたログランク検定を用いて、
卵巣、子宮内膜の浸潤癌、全浸潤癌、他部位の浸潤癌の発生率を群間で比較。
通常食群と比較して、DM介入群は卵巣癌のリスクが低かった。
全卵巣癌のハザード比(HR)は、統計学的に有意ではないが、
HRはDM介入の期間が長くなるにつれて低下。
最初の4年間は、卵巣癌のリスクは両群とも同程度
(介入群0.52 対 対照群0.45例/1000人-年)。
しかし、次の4.1年間に、DM介入群では同リスクが低下
(介入群0.38 対 対照群0.64例/1000人-年)。
子宮内膜癌のリスクは群間に差がないが、
全浸潤癌の推定リスクは対照群より介入群の方がわずかに低い。
研究の限界として、
5種類の癌のリスクに関する多重比較のための補正が、
同知見の統計学的有意性を低下させた可能性、
全期間に介入効果の一貫性が認められず、効果の確実性が低いこと、
対照群より介入群で卵巣癌が早く検出された場合には
累積ハザード推定値が歪められた可能性。
「低脂肪食パターンは、閉経後女性において
卵巣癌の発生率を低下させる可能性がある。
DM試験は、全浸潤癌の減少の可能性も示唆。
被験者に対して非介入で追跡を継続しており、
低脂肪食パターンがこうした癌の発生率に及ぼす効果について
更に有益な評価が行える可能性がある」
J Natl Cancer Inst. 2007;99:1534-1543.
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=58911
新しい波/250 ドーピング対策/下 高まる国の責任
(毎日 7月21日)
国際オリンピック委員会(IOC)は、
今月上旬にグアテマラで開いた総会でユース五輪の創設を決めた。
14~18歳を対象にした大会は、競技力を争うだけでなく、
五輪精神や反ドーピング(禁止薬物使用)などの
教育活動が盛り込まれている。
IOCのロゲ会長は、「若者への投資」と話した。
ユネスコ(国連教育科学文化機関)の
「スポーツにおけるドーピングの防止に関する国際規約」
(ユネスコ規約、2月1日発効)も継続的な教育の必要性を掲げる。
ドーピング防止活動は、検査による「取り締まり」だけでなく、
薬物に手を出させない教育も重要視。
国内でも、反ドーピング教育の議論は始まっている。
文部科学省と日本オリンピック委員会(JOC)などが主催した
6月のスポーツコーチサミットでも分科会テーマに取り上げ、
「学校での教育の充実」や
「薬物乱用防止キャンペーンなど社会運動との連動」などの手法が語られた。
だが、まだ学校教育では高校の保健体育の教科書で触れられている程度で、
教員や教材の確保など課題も。
日本は、ドーピング検査の陽性率が0・14%(05年)で、
その大半が不注意によるものとされる。
ドーピングへの危機感は海外ほどではない。
ただ、五輪の商業イベント化が進み、注目度や選手の報酬が高まる中、
選手にはますます勝利への重圧がかかる。
一方で、麻薬などの乱用も社会問題に。
取り巻く環境の変化を考えれば、
「容易にドーピングのリスクの高い国になる可能性だってある」と
日本アンチ・ドーピング機構の浅川伸事務局長は訴える。
12月には、国内初のナショナルトレーニングセンターが東京都北区に完成。
国としても、五輪でのメダル獲得に取り組み始めるだけに、
ドーピング対策の責任も高まる。
16年夏季五輪の東京招致は、
国内で反ドーピング教育を広げるチャンスでもある。
スポーツの価値を守る反ドーピング活動は、
オリンピックムーブメント(五輪精神を広げる活動)に通じる。
日本は、ユネスコ規約の批准をはじめ法整備では国際的基準に達した。
実際に、ドーピング対策にどう取り組んでいるかを示せなければ、
招致活動への国際的な理解も得られないだろう。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/archive/news/2007/20070721ddm035070063000c.html
国際オリンピック委員会(IOC)は、
今月上旬にグアテマラで開いた総会でユース五輪の創設を決めた。
14~18歳を対象にした大会は、競技力を争うだけでなく、
五輪精神や反ドーピング(禁止薬物使用)などの
教育活動が盛り込まれている。
IOCのロゲ会長は、「若者への投資」と話した。
ユネスコ(国連教育科学文化機関)の
「スポーツにおけるドーピングの防止に関する国際規約」
(ユネスコ規約、2月1日発効)も継続的な教育の必要性を掲げる。
ドーピング防止活動は、検査による「取り締まり」だけでなく、
薬物に手を出させない教育も重要視。
国内でも、反ドーピング教育の議論は始まっている。
文部科学省と日本オリンピック委員会(JOC)などが主催した
6月のスポーツコーチサミットでも分科会テーマに取り上げ、
「学校での教育の充実」や
「薬物乱用防止キャンペーンなど社会運動との連動」などの手法が語られた。
だが、まだ学校教育では高校の保健体育の教科書で触れられている程度で、
教員や教材の確保など課題も。
日本は、ドーピング検査の陽性率が0・14%(05年)で、
その大半が不注意によるものとされる。
ドーピングへの危機感は海外ほどではない。
ただ、五輪の商業イベント化が進み、注目度や選手の報酬が高まる中、
選手にはますます勝利への重圧がかかる。
一方で、麻薬などの乱用も社会問題に。
取り巻く環境の変化を考えれば、
「容易にドーピングのリスクの高い国になる可能性だってある」と
日本アンチ・ドーピング機構の浅川伸事務局長は訴える。
12月には、国内初のナショナルトレーニングセンターが東京都北区に完成。
国としても、五輪でのメダル獲得に取り組み始めるだけに、
ドーピング対策の責任も高まる。
16年夏季五輪の東京招致は、
国内で反ドーピング教育を広げるチャンスでもある。
スポーツの価値を守る反ドーピング活動は、
オリンピックムーブメント(五輪精神を広げる活動)に通じる。
日本は、ユネスコ規約の批准をはじめ法整備では国際的基準に達した。
実際に、ドーピング対策にどう取り組んでいるかを示せなければ、
招致活動への国際的な理解も得られないだろう。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/archive/news/2007/20070721ddm035070063000c.html
2007年12月17日月曜日
国は違ってもポスドク過剰は同じ
(nature ASia-Pacific)
多くの政府が、GDPの大部分を研究開発に投資し、
活気ある科学文化を構築、維持しようと努力している。
最終的に国家、経済および社会全体に利益をもたらす
科学研究を奨励することがその目的であろう。
雇用機会創出にも目が向けられている。
ところが、過ぎたるは及ばざるがごとしということもある。
2000年までにポスドクを1万人にする、という
日本の大胆なイニシアチブの目的は、
科学関連の雇用創出を改善し発見を促すことであったが、
それは極めて重大な問題に直面。
今やポスドクが過剰となり就職口が不足している。
日本政府は1995年当時、若い研究者らが以前よりも独立性を高め、
独自の研究を行う機会を増やすために、
ポスドクの数を増やす必要があると認識。
計画より1年早い1999年にその目標は達成され、
2005年にはポスドクは1万5千人。61%は理工学専攻。
そして、アカデミックな正規雇用ポストの枯渇が始まった。
生物医学を初めとする米国の科学者にとって、
この一連の出来事は非常に身近であろう。
数年来、米国の学会および科学界のメンバーは、
ポスドクの過剰および新参者向けの研究職需要の不足を認識
(Nature 422, 354–355; 2003)。
日本と米国では文化は異なるものの、
ポスドク問題を解決しうる共通のテーマを持っている。
全米アカデミーによる「独立への架け橋」(Bridges to Independence)と
呼ばれる2005年の報告では、いくつかの解決策が提言。
ポスドクは、自身の研究のための資金をできるだけ多く獲得し、
個々の研究責任者の下で働く時間には制限を課され、
そのタイムリミットを過ぎたら別の形態の正規従業員になるべき。
革新および発見、そして優秀な科学者のために持続可能な研究機会を
最大限に促進することを目的とした科学分野の労働力の調整にあたって、
各国は共通の課題に直面しているように思える。
Nature Vol. 449, P. 1083, 24 October 2007
http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=58
多くの政府が、GDPの大部分を研究開発に投資し、
活気ある科学文化を構築、維持しようと努力している。
最終的に国家、経済および社会全体に利益をもたらす
科学研究を奨励することがその目的であろう。
雇用機会創出にも目が向けられている。
ところが、過ぎたるは及ばざるがごとしということもある。
2000年までにポスドクを1万人にする、という
日本の大胆なイニシアチブの目的は、
科学関連の雇用創出を改善し発見を促すことであったが、
それは極めて重大な問題に直面。
今やポスドクが過剰となり就職口が不足している。
日本政府は1995年当時、若い研究者らが以前よりも独立性を高め、
独自の研究を行う機会を増やすために、
ポスドクの数を増やす必要があると認識。
計画より1年早い1999年にその目標は達成され、
2005年にはポスドクは1万5千人。61%は理工学専攻。
そして、アカデミックな正規雇用ポストの枯渇が始まった。
生物医学を初めとする米国の科学者にとって、
この一連の出来事は非常に身近であろう。
数年来、米国の学会および科学界のメンバーは、
ポスドクの過剰および新参者向けの研究職需要の不足を認識
(Nature 422, 354–355; 2003)。
日本と米国では文化は異なるものの、
ポスドク問題を解決しうる共通のテーマを持っている。
全米アカデミーによる「独立への架け橋」(Bridges to Independence)と
呼ばれる2005年の報告では、いくつかの解決策が提言。
ポスドクは、自身の研究のための資金をできるだけ多く獲得し、
個々の研究責任者の下で働く時間には制限を課され、
そのタイムリミットを過ぎたら別の形態の正規従業員になるべき。
革新および発見、そして優秀な科学者のために持続可能な研究機会を
最大限に促進することを目的とした科学分野の労働力の調整にあたって、
各国は共通の課題に直面しているように思える。
Nature Vol. 449, P. 1083, 24 October 2007
http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=58
新しい波/249 ドーピング対策/中 厳格対応のIOC
(毎日 7月14日)
グアテマラで4日にあった国際オリンピック委員会(IOC)総会で、
ソチ(ロシア)が決選投票の末に、平昌(韓国)を上回って
14年冬季五輪の開催地に決まった。
国際大会の経験が豊富で知名度も高いザルツブルク(オーストリア)は、
第1回目の投票で敗れた。
ドーピング(禁止薬物使用)対策の不手際が、惨敗の決定打に。
オーストリアは、昨年のトリノ五輪でバイアスロンの男子選手ら6人が
ドーピング規則に違反した。
IOCは、4月の理事会で6選手を五輪から永久追放とし、
オーストリアに対する補助金100万ドル(約1億2000万円)支払いも差し止め。
検査では陰性だった6人を、「禁止薬物の所持」という状況証拠で
厳しい処分にしたことはIOCの断固たる姿勢を象徴。
その中で、IOC委員がザルツブルクを高く評価するのは無理があった。
IOCではこれまで、72年ミュンヘン五輪での選手村襲撃事件や、
東西両陣営による80年モスクワ、84年ロサンゼルス両五輪の
ボイコットの応酬など、五輪の存在を揺るがす危機的状況に対応。
近年のIOCの動きをみると、ドーピング問題も、
それらの事件と同じくらいの重みをもった懸案事項に。
競技の公平性と選手の健康を損なう危険は、スポーツの根幹にかかわる問題。
そうした状況の下、東京都が招致を目指す16年夏季大会も
反ドーピングへの姿勢が問われる。
日本は、IOCが立候補の前提としているユネスコ(国連教育科学文化機関)の
「スポーツにおけるドーピングの防止に関する国際規約」を批准。
世界反ドーピング機関(WADA)の常任理事国でもあり、
アジア・オセアニア地域事務所も東京・国立スポーツ科学センター内にある。
検査の陽性率は0・14%(05年)と低く、クリーンなイメージも定着。
東京オリンピック招致委員会の河野一郎事務総長は、
日本オリンピック委員会アンチ・ドーピング委員長も兼ねる。
禁止薬物対策の重要性を認識しているだけに
「日本は、国際的には貢献度が高い。
ただ招致を実現するには今後、
国の協力など国内での取り組み強化が求められる」。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/archive/news/2007/20070714ddm035070152000c.html
グアテマラで4日にあった国際オリンピック委員会(IOC)総会で、
ソチ(ロシア)が決選投票の末に、平昌(韓国)を上回って
14年冬季五輪の開催地に決まった。
国際大会の経験が豊富で知名度も高いザルツブルク(オーストリア)は、
第1回目の投票で敗れた。
ドーピング(禁止薬物使用)対策の不手際が、惨敗の決定打に。
オーストリアは、昨年のトリノ五輪でバイアスロンの男子選手ら6人が
ドーピング規則に違反した。
IOCは、4月の理事会で6選手を五輪から永久追放とし、
オーストリアに対する補助金100万ドル(約1億2000万円)支払いも差し止め。
検査では陰性だった6人を、「禁止薬物の所持」という状況証拠で
厳しい処分にしたことはIOCの断固たる姿勢を象徴。
その中で、IOC委員がザルツブルクを高く評価するのは無理があった。
IOCではこれまで、72年ミュンヘン五輪での選手村襲撃事件や、
東西両陣営による80年モスクワ、84年ロサンゼルス両五輪の
ボイコットの応酬など、五輪の存在を揺るがす危機的状況に対応。
近年のIOCの動きをみると、ドーピング問題も、
それらの事件と同じくらいの重みをもった懸案事項に。
競技の公平性と選手の健康を損なう危険は、スポーツの根幹にかかわる問題。
そうした状況の下、東京都が招致を目指す16年夏季大会も
反ドーピングへの姿勢が問われる。
日本は、IOCが立候補の前提としているユネスコ(国連教育科学文化機関)の
「スポーツにおけるドーピングの防止に関する国際規約」を批准。
世界反ドーピング機関(WADA)の常任理事国でもあり、
アジア・オセアニア地域事務所も東京・国立スポーツ科学センター内にある。
検査の陽性率は0・14%(05年)と低く、クリーンなイメージも定着。
東京オリンピック招致委員会の河野一郎事務総長は、
日本オリンピック委員会アンチ・ドーピング委員長も兼ねる。
禁止薬物対策の重要性を認識しているだけに
「日本は、国際的には貢献度が高い。
ただ招致を実現するには今後、
国の協力など国内での取り組み強化が求められる」。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/archive/news/2007/20070714ddm035070152000c.html
音楽が女性ホルモンと作用 性別で不安緩和効果に差
(共同通信社 2007年11月15日)
音楽を聴くと不安が和らぐ効果には、女性ホルモンの作用が関係し、
これが性別による効果の差を生んでいる可能性があることを、
徳島大の近久幸子・助教(環境生理学)らの研究チームが
マウスを用いた実験で突き止めた。
不安が音楽によって取り除かれるとの報告は多いが、
男性より女性で効果が強く現れる傾向があり、理由は不明。
高所で不安定な実験装置にマウスを入れて行動を分析。
メスにクラシック音楽を聴かせると、装置から落ちそうな場所を避けるなど
不安を示す行動が減った。
オスではこの効果がなく、女性ホルモンの一種プロゲステロンを
働かなくしたメスでも効果が消失。
この物質が、音楽による不安緩和に重要な役割を果たしており、
性別で効果の差が出る一因と結論。
マウスでは、単純な音階とリズムの組み合わせでも緩和効果がみられ、
近久助教は、「どのような聴覚要素が効くのか突き止めたい」。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=61394
音楽を聴くと不安が和らぐ効果には、女性ホルモンの作用が関係し、
これが性別による効果の差を生んでいる可能性があることを、
徳島大の近久幸子・助教(環境生理学)らの研究チームが
マウスを用いた実験で突き止めた。
不安が音楽によって取り除かれるとの報告は多いが、
男性より女性で効果が強く現れる傾向があり、理由は不明。
高所で不安定な実験装置にマウスを入れて行動を分析。
メスにクラシック音楽を聴かせると、装置から落ちそうな場所を避けるなど
不安を示す行動が減った。
オスではこの効果がなく、女性ホルモンの一種プロゲステロンを
働かなくしたメスでも効果が消失。
この物質が、音楽による不安緩和に重要な役割を果たしており、
性別で効果の差が出る一因と結論。
マウスでは、単純な音階とリズムの組み合わせでも緩和効果がみられ、
近久助教は、「どのような聴覚要素が効くのか突き止めたい」。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=61394
2007年12月16日日曜日
第3部・科学者の倫理とは 私の提言/下 山崎茂明・愛知淑徳大教授
(毎日 12月9日)
科学におけるミスコンダクト(不正行為)は、
必ず起こりうる病気と考えるべき。
病気には、公衆衛生学的なアプローチ、
つまり大学を中心とした研究環境改善が解決の道であり、
倫理教育が重要な役割を果たす。
「ウソを言ってはいけない」と、説いたところでインパクトはない。
これまでの不正の事例に向き合い、何が問題で発生したのか背景を考え、
そこから学ぶ努力が大切。
日本の科学政策は近年、競争的な研究活動を促し、産学連携を推進。
その結果、大学は研究資金の獲得や金もうけに奔走し、
自身の首を絞めている。
こうした状況が、大学のよさをつぶしていると考える人は多い。
そうした問題意識を共有していかないと、国の方針に負けてしまう。
産学連携の功罪も、みていく必要。
企業から、研究助成金やコンサルタント収入を得るのは悪いことではない。
しかし、その企業に有利なデータを発表しようと考える人は当然いる。
こうした利害衝突(利益相反)が起こりうることを科学者に認識させ、
金銭的な関係を公開していくことが重要。
不正行為を、科学コミュニティーだけで解決しようというのはナンセンス。
自分たちの世界だけで何かをやろうというのは限界がある。
研究活動の多くは、税金である政府資金に依存しており、
社会や国民が政府による規制を求めれば、それを拒絶する理由はない。
例えば米国では、研究者が倫理教育プログラムを受講していないと、
国立衛生研究所(NIH)の研究に加われない。
これも規制の一つだろう。
NIHは、独自の倫理教育プログラムも持っている。
研究資金を配分する機関の役割はそれだけ大きい。
倫理教育では、科学論文などの著者の資格(オーサーシップ)
についても教えていくべきだ。
なぜなら、共著者同士による論文内容のチェック機能が、
不正の最初の防波堤になるから。
研究室トップを著者に入れるのは当たり前という日本の風潮は、
世界的な基準からみると妥当でない。
著者の資格をもっと厳しくみる必要がある。
不正行為によって、組織の何が問題なのかが浮かび上がってくる。
単に悪いことだと糾弾するのでなく、
若手もいきいきと研究できるような環境改善の一つの材料ととらえ、
前向きに取り組んだ方がいい。
私は、不正に手を染めた研究者自らが、
倫理教育の場で語るような時代がくればいい。
研究に携わる以上、不正行為をする可能性はだれにもあるからだ。
健康になったら、病気だったときの体験を語る、
それによって悩む人や将来ある人たちの力になれる。
米国の健康福祉省公衆衛生庁に属する研究公正局がまとめた
研究不正に対する調査報告書を読むと、
「調査の過程も教育なんだ」と気づく。
不正行為をした研究者に聴取する中のやり取りで、
自分のしたことの重大性を自覚させる作業をしている。
日本の科学界も、こうした報告書に触れて、
どうやって対処すべきなのか学んでほしい。
==============
■人物略歴◇やまざき・しげあき
47年生まれ。専門は科学コミュニケーション。
東京慈恵会医科大医学情報センター講師を経て、99年から現職。
近著「パブリッシュ・オア・ペリッシュ 科学者の発表倫理」(みすず書房)。
http://mainichi.jp/select/science/rikei/news/20071209ddm016040026000c.html
科学におけるミスコンダクト(不正行為)は、
必ず起こりうる病気と考えるべき。
病気には、公衆衛生学的なアプローチ、
つまり大学を中心とした研究環境改善が解決の道であり、
倫理教育が重要な役割を果たす。
「ウソを言ってはいけない」と、説いたところでインパクトはない。
これまでの不正の事例に向き合い、何が問題で発生したのか背景を考え、
そこから学ぶ努力が大切。
日本の科学政策は近年、競争的な研究活動を促し、産学連携を推進。
その結果、大学は研究資金の獲得や金もうけに奔走し、
自身の首を絞めている。
こうした状況が、大学のよさをつぶしていると考える人は多い。
そうした問題意識を共有していかないと、国の方針に負けてしまう。
産学連携の功罪も、みていく必要。
企業から、研究助成金やコンサルタント収入を得るのは悪いことではない。
しかし、その企業に有利なデータを発表しようと考える人は当然いる。
こうした利害衝突(利益相反)が起こりうることを科学者に認識させ、
金銭的な関係を公開していくことが重要。
不正行為を、科学コミュニティーだけで解決しようというのはナンセンス。
自分たちの世界だけで何かをやろうというのは限界がある。
研究活動の多くは、税金である政府資金に依存しており、
社会や国民が政府による規制を求めれば、それを拒絶する理由はない。
例えば米国では、研究者が倫理教育プログラムを受講していないと、
国立衛生研究所(NIH)の研究に加われない。
これも規制の一つだろう。
NIHは、独自の倫理教育プログラムも持っている。
研究資金を配分する機関の役割はそれだけ大きい。
倫理教育では、科学論文などの著者の資格(オーサーシップ)
についても教えていくべきだ。
なぜなら、共著者同士による論文内容のチェック機能が、
不正の最初の防波堤になるから。
研究室トップを著者に入れるのは当たり前という日本の風潮は、
世界的な基準からみると妥当でない。
著者の資格をもっと厳しくみる必要がある。
不正行為によって、組織の何が問題なのかが浮かび上がってくる。
単に悪いことだと糾弾するのでなく、
若手もいきいきと研究できるような環境改善の一つの材料ととらえ、
前向きに取り組んだ方がいい。
私は、不正に手を染めた研究者自らが、
倫理教育の場で語るような時代がくればいい。
研究に携わる以上、不正行為をする可能性はだれにもあるからだ。
健康になったら、病気だったときの体験を語る、
それによって悩む人や将来ある人たちの力になれる。
米国の健康福祉省公衆衛生庁に属する研究公正局がまとめた
研究不正に対する調査報告書を読むと、
「調査の過程も教育なんだ」と気づく。
不正行為をした研究者に聴取する中のやり取りで、
自分のしたことの重大性を自覚させる作業をしている。
日本の科学界も、こうした報告書に触れて、
どうやって対処すべきなのか学んでほしい。
==============
■人物略歴◇やまざき・しげあき
47年生まれ。専門は科学コミュニケーション。
東京慈恵会医科大医学情報センター講師を経て、99年から現職。
近著「パブリッシュ・オア・ペリッシュ 科学者の発表倫理」(みすず書房)。
http://mainichi.jp/select/science/rikei/news/20071209ddm016040026000c.html
新しい波/248 ドーピング対策/上 基準、世界レベルに
(毎日 7月7日)
来年の北京五輪を目指す選手は、パソコンが必需品に。
選手は、アンチ・ドーピング(反禁止薬物使用)管理システム
「ADAMS」にアクセスして練習場、自宅など
「居場所情報」を日常的に提供し、抜き打ち検査に備えなければならない。
検査を実施する日本アンチ・ドーピング機構(JADA)によると、
ADAMSには日本オリンピック委員会(JOC)の
強化指定選手ら約1000人が登録。
悪質な違反例が少ない日本の選手には窮屈とも思えるシステムだが、
抜き打ち検査をはじめとする厳しいドーピング対策は今や世界の大きな流れ。
かつて取り組みの遅れが指摘された日本も、
国際的な流れに沿って対応を急ぎ始めた。
政府は昨年12月、ユネスコ(国連教育科学文化機関)が定めた
「スポーツにおけるドーピングの防止に関する国際規約」(ユネスコ規約)を締結。
03年3月に採択された世界反ドーピング機関(WADA)規定に基づいた
スポーツ団体の自浄作用だけではなく、
国を挙げて取り組む宣言をしたことを意味。
世界では56カ国(6月1日現在)が締結。
文部科学省は、今年5月9日に
「スポーツにおけるドーピングの防止に関するガイドライン(指針)」を策定、
JADAも日本ドーピング防止規定を発効。
いずれも、WADA規定に準じたもので考え方に大きな違いはない。
しかし、指針には、選手が違反で処分されたり、指針を順守しない時に、
所属競技団体などへの補助金を停止することが盛り込まれた。
居場所情報の提供も、競技団体の義務として挙げられたもので、
守らなければ補助金が止まる。
国を挙げての取り組みであることを反映した項目。
防止規定でも、違反した選手への聴聞会の実施主体が
従来の競技団体からJADA規律パネルに変わった。
これで公平性が確保され、競技団体による「身内に甘い」処分はできない。
JADAの浅川伸事務局長は、
「世界で日本だけが低調な取り組みでいいはずはない。
これで日本も国際基準に達した」。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/archive/news/2007/20070707ddm035070078000c.html
来年の北京五輪を目指す選手は、パソコンが必需品に。
選手は、アンチ・ドーピング(反禁止薬物使用)管理システム
「ADAMS」にアクセスして練習場、自宅など
「居場所情報」を日常的に提供し、抜き打ち検査に備えなければならない。
検査を実施する日本アンチ・ドーピング機構(JADA)によると、
ADAMSには日本オリンピック委員会(JOC)の
強化指定選手ら約1000人が登録。
悪質な違反例が少ない日本の選手には窮屈とも思えるシステムだが、
抜き打ち検査をはじめとする厳しいドーピング対策は今や世界の大きな流れ。
かつて取り組みの遅れが指摘された日本も、
国際的な流れに沿って対応を急ぎ始めた。
政府は昨年12月、ユネスコ(国連教育科学文化機関)が定めた
「スポーツにおけるドーピングの防止に関する国際規約」(ユネスコ規約)を締結。
03年3月に採択された世界反ドーピング機関(WADA)規定に基づいた
スポーツ団体の自浄作用だけではなく、
国を挙げて取り組む宣言をしたことを意味。
世界では56カ国(6月1日現在)が締結。
文部科学省は、今年5月9日に
「スポーツにおけるドーピングの防止に関するガイドライン(指針)」を策定、
JADAも日本ドーピング防止規定を発効。
いずれも、WADA規定に準じたもので考え方に大きな違いはない。
しかし、指針には、選手が違反で処分されたり、指針を順守しない時に、
所属競技団体などへの補助金を停止することが盛り込まれた。
居場所情報の提供も、競技団体の義務として挙げられたもので、
守らなければ補助金が止まる。
国を挙げての取り組みであることを反映した項目。
防止規定でも、違反した選手への聴聞会の実施主体が
従来の競技団体からJADA規律パネルに変わった。
これで公平性が確保され、競技団体による「身内に甘い」処分はできない。
JADAの浅川伸事務局長は、
「世界で日本だけが低調な取り組みでいいはずはない。
これで日本も国際基準に達した」。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/archive/news/2007/20070707ddm035070078000c.html
研究室におけるエコ志向の重要性
(nature Asia-Pacific)
最近、エコ志向がよく叫ばれている。
エコ志向とその研究の発信拠点となることが多い大学では、
科学研究所も含めて、自己点検と自らの活動の実態調査。
ほとんどの大学は、さらなる低消費化とエコ化に耐えうるだろう。
科学者達は、自分たちが日常活動でどうエネルギーを使っているか、
エネルギー効率を上げるためには何ができるかを考え始めるべき。
これは、必ずしも簡単ではない。
研究責任者には既に多くの仕事がある。
研究、交付申請、雇用、時には教育も。
その上に炭酸ガスの排出削減。こんなに小さい研究室で?
とは言っても、研究室には無駄な消費が多いことは明らか。
Natureの記事(Nature 445, 590–591; 2007)で指摘されているように、
従来型のドラフトは年間で米国の3世帯相当分のエネルギーを消費。
イリノイ州バタビアの米エネルギー省フェルミラボでは、
毎月の電気代に100万ドルを費やしている。
英国では、People and Planetと呼ばれる学生グループが、
最もエコな国内の大学をランク付けし、
The Times Higher Education Supplementにそのリストを発表。
当グループは、「エコ通学計画」、移動手段での対策努力、
再生可能資源からのエネルギー回収の実施などの要素をランク付け。
1位となったのはリーズメトロポリタン大学であった。
米国では、政府主催の組織Labs21が、
効率の良い研究室設計や設備について科学者に助言。
国内の大学および専門大学の学長らがClimate Commitmentを発表。
参加大学は、気候変動への対策を始めることを約束。
例えば、参加すると1年以内に、光熱使用、通勤通学、航空機利用による
大学からの温暖化ガスの総排出量の一覧をまとめる。
これまでに、280大学が本誓約に参加。
科学者や研究室は、反エコ的活動の主犯格というわけではないが、
しかし対策の一翼を担うのは当然である。
つまり、既に山積みの日常業務に「エコ活動」を追加すること。
Nature Vol. 447, P. 1027, June 2007
http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=29
最近、エコ志向がよく叫ばれている。
エコ志向とその研究の発信拠点となることが多い大学では、
科学研究所も含めて、自己点検と自らの活動の実態調査。
ほとんどの大学は、さらなる低消費化とエコ化に耐えうるだろう。
科学者達は、自分たちが日常活動でどうエネルギーを使っているか、
エネルギー効率を上げるためには何ができるかを考え始めるべき。
これは、必ずしも簡単ではない。
研究責任者には既に多くの仕事がある。
研究、交付申請、雇用、時には教育も。
その上に炭酸ガスの排出削減。こんなに小さい研究室で?
とは言っても、研究室には無駄な消費が多いことは明らか。
Natureの記事(Nature 445, 590–591; 2007)で指摘されているように、
従来型のドラフトは年間で米国の3世帯相当分のエネルギーを消費。
イリノイ州バタビアの米エネルギー省フェルミラボでは、
毎月の電気代に100万ドルを費やしている。
英国では、People and Planetと呼ばれる学生グループが、
最もエコな国内の大学をランク付けし、
The Times Higher Education Supplementにそのリストを発表。
当グループは、「エコ通学計画」、移動手段での対策努力、
再生可能資源からのエネルギー回収の実施などの要素をランク付け。
1位となったのはリーズメトロポリタン大学であった。
米国では、政府主催の組織Labs21が、
効率の良い研究室設計や設備について科学者に助言。
国内の大学および専門大学の学長らがClimate Commitmentを発表。
参加大学は、気候変動への対策を始めることを約束。
例えば、参加すると1年以内に、光熱使用、通勤通学、航空機利用による
大学からの温暖化ガスの総排出量の一覧をまとめる。
これまでに、280大学が本誓約に参加。
科学者や研究室は、反エコ的活動の主犯格というわけではないが、
しかし対策の一翼を担うのは当然である。
つまり、既に山積みの日常業務に「エコ活動」を追加すること。
Nature Vol. 447, P. 1027, June 2007
http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=29
2007年12月15日土曜日
マラリア対策に340万ドル ゲイツ氏助成、愛媛大参加
(共同通信社 2007年12月5日)
愛媛大は、マラリアのワクチン開発を進めている国際研究チームに、
米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長らが運営する慈善団体が、
340万ドル(約3億8000万円)を助成することになったと発表。
オーストラリアの研究所が、病気の原因となるマラリア原虫の
遺伝子を絞り込み、愛媛大の遠藤弥重太教授らが
標的となるタンパク質を合成。
ワクチンの役目を果たす抗体をつくり動物実験で効果を確かめる。
発展途上国を中心に、毎年200万人超がマラリアで死亡。
遠藤教授らは、「実用化されたマラリアのワクチンはまだない。
根絶のためにも今回のプロジェクトは非常に重要だ」。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=63539
愛媛大は、マラリアのワクチン開発を進めている国際研究チームに、
米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長らが運営する慈善団体が、
340万ドル(約3億8000万円)を助成することになったと発表。
オーストラリアの研究所が、病気の原因となるマラリア原虫の
遺伝子を絞り込み、愛媛大の遠藤弥重太教授らが
標的となるタンパク質を合成。
ワクチンの役目を果たす抗体をつくり動物実験で効果を確かめる。
発展途上国を中心に、毎年200万人超がマラリアで死亡。
遠藤教授らは、「実用化されたマラリアのワクチンはまだない。
根絶のためにも今回のプロジェクトは非常に重要だ」。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=63539
理系白書’07:第3部・科学者の倫理とは 私の提言/上 浅島誠・東京大学副学長
(毎日 12月2日)
科学者は、いわゆる「象牙の塔」にいて、社会と距離を置いてきた面がある。
だが、今は、先端的な医療技術が生命倫理を巡る議論を引き起こすなど、
科学技術が社会生活に大きな影響を与える。
地球温暖化問題のように、一分野の科学の域を超えて
政治的、社会的な問題になっている分野も。
社会に対するインパクトが増大するにつれ、科学者の責任も大きくなっている。
にもかかわらず、近年、国内外の著名な大学や研究機関で、
論文データの捏造などの不正が続発。
不正行為は、「どんな業界にもルールを破る人はいる」と、
軽く見過ごすことはできない。
科学者コミュニティー全体、ひいては科学という
営み自体に対する信頼を損なうことに。
国民から、「科学者に任せておいたのでは、何をするか分からない」と
思われていては、社会生活に直結するような研究は成り立たない。
そこで、科学者コミュニティーを代表する日本学術会議が
06年にまとめた「科学者の行動規範」では、
自ら規範を示してそれを守っていく「自律と説明責任」の大切さを強調。
研究を束縛・規制するものではなく、
科学者が自律性を発揮し、透明性を高めていかなければ、
国民の信頼を取り戻すことができず、結果的に研究も進められない、
というメッセージだ。
大学の独立法人化などで、研究環境は大きく変わった。
最近は、科学コミュニティー全体が研究費を獲得したり、
次のポストを得るために、何かに追われるように
仕事をしているように感じられてならない。
短期間で成果を求める傾向が強まり、
不正行為の背景となる側面がある。
研究効率を求めるあまり、極端な分業体制を取り入れると、
隣の人が何をしているのかも分からなくなる。
指導者の望み通りの結果が出れば、十分な検討や議論もないまま
発表するというようなことも起こりうる。
重要なのは、研究室をオープンな雰囲気にすること。
指導者の主張や隣のグループの実験結果にも、
自由に議論ができる雰囲気があれば、
データ捏造やアカデミックハラスメントなどの問題は起こりにくい。
日ごろからそういう雰囲気に慣れていれば、
学会の場でも感情的にならず、学問上の真の批判や討論ができる。
これが、専門家による相互チェック機能として働き、
疑念を持たれるような研究は淘汰される。
本来、科学の研究とは知的冒険であり、独創性を持って
自らの課題に挑戦し情熱を傾けることのできる楽しい作業であるはず。
若い研究者がいきいきと希望を持って研究できるような環境を、
自分たちが主体となって社会と一緒に作っていかなければならない。
==============
■人物略歴
44年生まれ。東京大教養学部長などを歴任。専門は発生生物学。
89年、受精卵がさまざまな器官に分化するのを誘導する物質
「アクチビン」を発見。日本学術会議副会長も務める。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2007/12/02/20071202ddm016040053000c.html
科学者は、いわゆる「象牙の塔」にいて、社会と距離を置いてきた面がある。
だが、今は、先端的な医療技術が生命倫理を巡る議論を引き起こすなど、
科学技術が社会生活に大きな影響を与える。
地球温暖化問題のように、一分野の科学の域を超えて
政治的、社会的な問題になっている分野も。
社会に対するインパクトが増大するにつれ、科学者の責任も大きくなっている。
にもかかわらず、近年、国内外の著名な大学や研究機関で、
論文データの捏造などの不正が続発。
不正行為は、「どんな業界にもルールを破る人はいる」と、
軽く見過ごすことはできない。
科学者コミュニティー全体、ひいては科学という
営み自体に対する信頼を損なうことに。
国民から、「科学者に任せておいたのでは、何をするか分からない」と
思われていては、社会生活に直結するような研究は成り立たない。
そこで、科学者コミュニティーを代表する日本学術会議が
06年にまとめた「科学者の行動規範」では、
自ら規範を示してそれを守っていく「自律と説明責任」の大切さを強調。
研究を束縛・規制するものではなく、
科学者が自律性を発揮し、透明性を高めていかなければ、
国民の信頼を取り戻すことができず、結果的に研究も進められない、
というメッセージだ。
大学の独立法人化などで、研究環境は大きく変わった。
最近は、科学コミュニティー全体が研究費を獲得したり、
次のポストを得るために、何かに追われるように
仕事をしているように感じられてならない。
短期間で成果を求める傾向が強まり、
不正行為の背景となる側面がある。
研究効率を求めるあまり、極端な分業体制を取り入れると、
隣の人が何をしているのかも分からなくなる。
指導者の望み通りの結果が出れば、十分な検討や議論もないまま
発表するというようなことも起こりうる。
重要なのは、研究室をオープンな雰囲気にすること。
指導者の主張や隣のグループの実験結果にも、
自由に議論ができる雰囲気があれば、
データ捏造やアカデミックハラスメントなどの問題は起こりにくい。
日ごろからそういう雰囲気に慣れていれば、
学会の場でも感情的にならず、学問上の真の批判や討論ができる。
これが、専門家による相互チェック機能として働き、
疑念を持たれるような研究は淘汰される。
本来、科学の研究とは知的冒険であり、独創性を持って
自らの課題に挑戦し情熱を傾けることのできる楽しい作業であるはず。
若い研究者がいきいきと希望を持って研究できるような環境を、
自分たちが主体となって社会と一緒に作っていかなければならない。
==============
■人物略歴
44年生まれ。東京大教養学部長などを歴任。専門は発生生物学。
89年、受精卵がさまざまな器官に分化するのを誘導する物質
「アクチビン」を発見。日本学術会議副会長も務める。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2007/12/02/20071202ddm016040053000c.html
新しい波/239 広がる人工芝/4止 撤去問題は停滞
(毎日 4月28日)
関西にある私立大学の人工芝グラウンドは、メーカーの予測が外れ、
施工からわずか3年足らずでダメに。
最大の原因は、使い過ぎだ。
本来ならば、はがして張り替える代わりに、
旧タイプの上に新タイプの人工芝を載せた。オーバーレイ工法という。
耐用年数が過ぎた人工芝は大抵、産業廃棄物として処分。
サッカー場の場合、撤去処理費用として約1000万円かかるという。
オーバーレイ工法によって費用は浮いた。
だが、そのメーカーの担当者は、「何度もできるわけではなく、
問題を先延ばしにしているだけ。根本的な解決にはなっていない」。
劣化はしても、消滅しない人工芝。
将来、どんなに品質や性能が向上しても、この点だけは、
自然の産物である天然芝を超えられない。
撤去処理問題が、「一番の懸案事項」であることはメーカーも認識。
衝撃を吸収する充てん物(目砂やゴムチップ)を、
ポリエチレン素材の人工芝と分離してリサイクルに回すことが検討。
開発に着手しているメーカーもあるが、問題はコスト。
あるメーカーは、「リサイクルできる原料をどれだけ使うか。
お金をかければリサイクルは可能だが、製品に反映され、ユーザーに負担が。
どの製品でも、最近はリサイクルが言われている。
メーカーとしては『できません』とは言えない」。
来年開催の大分国体でラグビー会場となるグラウンドは現在、
天然芝から人工芝への工事中。
天然芝の場合、維持費が年間約800万円。
人工芝の施工費は、2面(約2万2000平方メートル)で約2億5000万円。
大分県由布市の国体推進室は、「安全性や耐久性のほか、
環境への配慮など総合的に判断した。
その際、張り替えをどうするかという話は出なかった。
使用規定を作ったり、管理をよくしたりして、できるだけ長く持たせたい」。
人工芝のリサイクルについて、自治体などユーザー側の意識はまだ高くない。
だが、今後、張り替え需要が出てくるにつれて
社会問題化する可能性は十分、ある。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/archive/news/2007/20070428ddm035070019000c.html
関西にある私立大学の人工芝グラウンドは、メーカーの予測が外れ、
施工からわずか3年足らずでダメに。
最大の原因は、使い過ぎだ。
本来ならば、はがして張り替える代わりに、
旧タイプの上に新タイプの人工芝を載せた。オーバーレイ工法という。
耐用年数が過ぎた人工芝は大抵、産業廃棄物として処分。
サッカー場の場合、撤去処理費用として約1000万円かかるという。
オーバーレイ工法によって費用は浮いた。
だが、そのメーカーの担当者は、「何度もできるわけではなく、
問題を先延ばしにしているだけ。根本的な解決にはなっていない」。
劣化はしても、消滅しない人工芝。
将来、どんなに品質や性能が向上しても、この点だけは、
自然の産物である天然芝を超えられない。
撤去処理問題が、「一番の懸案事項」であることはメーカーも認識。
衝撃を吸収する充てん物(目砂やゴムチップ)を、
ポリエチレン素材の人工芝と分離してリサイクルに回すことが検討。
開発に着手しているメーカーもあるが、問題はコスト。
あるメーカーは、「リサイクルできる原料をどれだけ使うか。
お金をかければリサイクルは可能だが、製品に反映され、ユーザーに負担が。
どの製品でも、最近はリサイクルが言われている。
メーカーとしては『できません』とは言えない」。
来年開催の大分国体でラグビー会場となるグラウンドは現在、
天然芝から人工芝への工事中。
天然芝の場合、維持費が年間約800万円。
人工芝の施工費は、2面(約2万2000平方メートル)で約2億5000万円。
大分県由布市の国体推進室は、「安全性や耐久性のほか、
環境への配慮など総合的に判断した。
その際、張り替えをどうするかという話は出なかった。
使用規定を作ったり、管理をよくしたりして、できるだけ長く持たせたい」。
人工芝のリサイクルについて、自治体などユーザー側の意識はまだ高くない。
だが、今後、張り替え需要が出てくるにつれて
社会問題化する可能性は十分、ある。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/archive/news/2007/20070428ddm035070019000c.html
2007年12月14日金曜日
5歳チンパンジー、短期記憶の能力は人間の成人上回ると
(CNN 12月4日)
わずか5歳のチンパンジーが持つ短期記憶の能力は、
人間の成人をはるかに上回ることを、
京都大学霊長類研究所の松沢哲郎教授が発表。
松沢教授は、世界で初めて、
「チンパンジーの子どもの記憶能力が、チンパンジーのおとなよりも、
さらには人間のおとなよりも優れている」ことを示した。
大人と子供のチンパンジーに、1~9までの数字の順番を教え込ませ、
コンピュータのディスプレイ画面に表示された数字を
順番通りに触れるように訓練。
その後、画面に数字を表示させたところを見せ、
さらに数字を白い四角に置き換えても、数字の順番通りに触れば、
四角が消えていくテストを実施。
その結果、数字の表示時間をどんどんと短くしていっても、
チンパンジーの子供3頭は、ほぼ一瞬でどの数字が
どの場所にあったかを記憶出来たという。
一方、同様のテストを人間の成人で実施すると、
チンパンジーの子供にかなわなかった。
特に、一番成績の良かった5歳のチンパンジー、アユムは、
9個の数字を約0.7秒で記憶。
人間の成人は誰も記憶できない時間だった。
松沢教授は、アユムたちチンパンジーの子供の能力が、
人間の子供でも知られている「直観像記憶」に似ていると指摘。
人間でもまれに、複雑なパターンの細部を一瞬見ただけで
記憶できる子供がいるが、年齢が上がるとその能力が減退するとして、
人間の脳の進化を知る手がかりになる。
http://www.cnn.co.jp/fringe/CNN200712040016.html
わずか5歳のチンパンジーが持つ短期記憶の能力は、
人間の成人をはるかに上回ることを、
京都大学霊長類研究所の松沢哲郎教授が発表。
松沢教授は、世界で初めて、
「チンパンジーの子どもの記憶能力が、チンパンジーのおとなよりも、
さらには人間のおとなよりも優れている」ことを示した。
大人と子供のチンパンジーに、1~9までの数字の順番を教え込ませ、
コンピュータのディスプレイ画面に表示された数字を
順番通りに触れるように訓練。
その後、画面に数字を表示させたところを見せ、
さらに数字を白い四角に置き換えても、数字の順番通りに触れば、
四角が消えていくテストを実施。
その結果、数字の表示時間をどんどんと短くしていっても、
チンパンジーの子供3頭は、ほぼ一瞬でどの数字が
どの場所にあったかを記憶出来たという。
一方、同様のテストを人間の成人で実施すると、
チンパンジーの子供にかなわなかった。
特に、一番成績の良かった5歳のチンパンジー、アユムは、
9個の数字を約0.7秒で記憶。
人間の成人は誰も記憶できない時間だった。
松沢教授は、アユムたちチンパンジーの子供の能力が、
人間の子供でも知られている「直観像記憶」に似ていると指摘。
人間でもまれに、複雑なパターンの細部を一瞬見ただけで
記憶できる子供がいるが、年齢が上がるとその能力が減退するとして、
人間の脳の進化を知る手がかりになる。
http://www.cnn.co.jp/fringe/CNN200712040016.html
新しい波/238 広がる人工芝/3 体への負荷増大
(毎日 4月21日)
同志社大学の京田辺キャンパス。
風が吹くと、砂ぼこりが舞っていたラグビー部のグラウンドが今週、
ドイツ製の人工芝に生まれ変わった。
中尾晃監督は、「理想は天然芝」というが、
100人を超える部員が毎日、足を踏み入れることを考えれば、ベターな選択。
地面に落ちているボールへの反応は、土と芝では格段に違う。
けがへの不安や恐怖心、ためらいがなくなり、
技術の向上に役立っていることは、複数の指導者や選手が明言。
世界の普及状況を考慮して日本ラグビー協会は04年、
丈の長いロングパイル人工芝を導入する際のガイドラインを作成。
日本サッカー協会も、03年に人工芝の公認規定などを作成。
サッカーは現在、国内約50カ所のピッチが公認。
両協会とも、人工芝はあくまでも天然芝の代用品である、との立場だ。
人工芝になって、すり傷や打撲などが減った代わりに
足首のねんざのほか、じん帯や半月板損傷などのけがが多くなった、
との声がメーカーにも寄せられている。
スクラムを組んだ際、芝がめくれることで選手にかかる力を逃す天然芝に対し、
人工芝はスパイクの引っかかりが強いため、
選手への負荷が天然芝より大きく、腰やひざ、足首の故障を誘発しやすい。
あるメーカーは、導入数カ月間は人工芝の上を裸足で歩くことを勧めている。
足の裏で芝をつかむ感覚に慣れれば、
スパイクを履いた時に力の加減が分かる。
担当者は、「土のグラウンドと違う筋肉を使うので、そこに疲労がたまる。
あらかじめ刺激してやれば、早く順応でき、けがが少なくなる」。
これは、天然芝にも共通する考え方。
ラグビー19歳以下日本代表のフィットネス&コンディショニングを担当する
下農裕久コーチは、けがの予防策として
ウオーミングアップでストップ、ターンを重視。
「普段、土で練習している高校生にとって環境の変化は大きい。
今は大きな問題が起きているわけではないが、考慮しないといけない」。
けがの分析など検証を進めながら、
人工芝との正しい付き合い方を探る段階にきている。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/archive/news/2007/20070421ddm035070132000c.html
同志社大学の京田辺キャンパス。
風が吹くと、砂ぼこりが舞っていたラグビー部のグラウンドが今週、
ドイツ製の人工芝に生まれ変わった。
中尾晃監督は、「理想は天然芝」というが、
100人を超える部員が毎日、足を踏み入れることを考えれば、ベターな選択。
地面に落ちているボールへの反応は、土と芝では格段に違う。
けがへの不安や恐怖心、ためらいがなくなり、
技術の向上に役立っていることは、複数の指導者や選手が明言。
世界の普及状況を考慮して日本ラグビー協会は04年、
丈の長いロングパイル人工芝を導入する際のガイドラインを作成。
日本サッカー協会も、03年に人工芝の公認規定などを作成。
サッカーは現在、国内約50カ所のピッチが公認。
両協会とも、人工芝はあくまでも天然芝の代用品である、との立場だ。
人工芝になって、すり傷や打撲などが減った代わりに
足首のねんざのほか、じん帯や半月板損傷などのけがが多くなった、
との声がメーカーにも寄せられている。
スクラムを組んだ際、芝がめくれることで選手にかかる力を逃す天然芝に対し、
人工芝はスパイクの引っかかりが強いため、
選手への負荷が天然芝より大きく、腰やひざ、足首の故障を誘発しやすい。
あるメーカーは、導入数カ月間は人工芝の上を裸足で歩くことを勧めている。
足の裏で芝をつかむ感覚に慣れれば、
スパイクを履いた時に力の加減が分かる。
担当者は、「土のグラウンドと違う筋肉を使うので、そこに疲労がたまる。
あらかじめ刺激してやれば、早く順応でき、けがが少なくなる」。
これは、天然芝にも共通する考え方。
ラグビー19歳以下日本代表のフィットネス&コンディショニングを担当する
下農裕久コーチは、けがの予防策として
ウオーミングアップでストップ、ターンを重視。
「普段、土で練習している高校生にとって環境の変化は大きい。
今は大きな問題が起きているわけではないが、考慮しないといけない」。
けがの分析など検証を進めながら、
人工芝との正しい付き合い方を探る段階にきている。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/archive/news/2007/20070421ddm035070132000c.html
生活習慣病やがんの年代間伸び、「40-50代」最大 1人当たり医療費
(毎日新聞 2007年11月15日)
都民1人当たりにかかった医療費のうち、
生活習慣病やがんの年代間の伸びは、「40~50代」が最も大きいことが、
都福祉保健局が発表した医療費分析報告書で分かった。
「40代からの予防の取り組みが重要」と結論、
都の医療費適正化計画にこうした分析結果を生かす方針。
都が都民の医療費を詳しく分析するのは今回が初めて。
▽都国民健康保険団体連合会から昨年11月分のレセプト
(診療報酬明細書)437万6664件、
▽被用者保険2組合からレセプト計7万5360件、
の提供を受け、双方を比較したところ、
年齢階層別の疾病構造が同様の傾向だったため、
国保の医療費データを使って特徴を探った。
40代以上の1人当たりの医療費の伸びを年齢階層別に見ると、
生活習慣病の一つの高血圧性疾患は
「40~50代」が3・3倍に上ったが、「50~60代」は1・7倍にとどまった。
脳梗塞も「40~50代」が3・3倍、胃がんも2・8倍と伸びが大きい。
一方、05年度の都民医療費の総額は2兆8124億円で、
このうち70歳以上の老人医療費が約4割の1兆1344億円。
都の人口の将来推計では、75歳以上の高齢者は05年の98万9000人、
25年には2倍超えの205万5000人になり、老人医療費の激増が予想。
また、都民1人当たりの医療費は23万5000円で全国32位、
入院医療費は8万2000円で同43位、
入院外医療費は13万1000円で同13位。
都内は人口比の病床数が全国平均より少なく、
一般診療所が多いことなどから、入院医療費が低くなった。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=61445
都民1人当たりにかかった医療費のうち、
生活習慣病やがんの年代間の伸びは、「40~50代」が最も大きいことが、
都福祉保健局が発表した医療費分析報告書で分かった。
「40代からの予防の取り組みが重要」と結論、
都の医療費適正化計画にこうした分析結果を生かす方針。
都が都民の医療費を詳しく分析するのは今回が初めて。
▽都国民健康保険団体連合会から昨年11月分のレセプト
(診療報酬明細書)437万6664件、
▽被用者保険2組合からレセプト計7万5360件、
の提供を受け、双方を比較したところ、
年齢階層別の疾病構造が同様の傾向だったため、
国保の医療費データを使って特徴を探った。
40代以上の1人当たりの医療費の伸びを年齢階層別に見ると、
生活習慣病の一つの高血圧性疾患は
「40~50代」が3・3倍に上ったが、「50~60代」は1・7倍にとどまった。
脳梗塞も「40~50代」が3・3倍、胃がんも2・8倍と伸びが大きい。
一方、05年度の都民医療費の総額は2兆8124億円で、
このうち70歳以上の老人医療費が約4割の1兆1344億円。
都の人口の将来推計では、75歳以上の高齢者は05年の98万9000人、
25年には2倍超えの205万5000人になり、老人医療費の激増が予想。
また、都民1人当たりの医療費は23万5000円で全国32位、
入院医療費は8万2000円で同43位、
入院外医療費は13万1000円で同13位。
都内は人口比の病床数が全国平均より少なく、
一般診療所が多いことなどから、入院医療費が低くなった。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=61445
2007年12月13日木曜日
消石灰で視力障害98件 学校でライン引き使用 文科省、初の注意通知
(共同通信社 2007年12月3日)
運動場のライン引きなどに使っている消石灰(水酸化カルシウム)が、
児童生徒の目に入り視力が低下するなどの障害が残ったケースが、
これまでに98件あったことが、日本眼科医会の調査で分かった。
文部科学省は、より安全性の高い炭酸カルシウムに変えるよう
求める初の通知を出した。
消石灰は、強アルカリ性で、目に入ると角膜や結膜が損傷。
日本眼科医会は、「実際、もっと多くの事故が起こっているとみられる」。
消石灰の使用を禁止するよう呼び掛けている。
調査は今年9月、学校医や教委への聞き取りなどで実施。
小中高校での消石灰の使用や事故の有無などを聞いた。
管内の学校で、消石灰を使っているとしたのは29支部。
「ほとんどで使用」10支部、「半分ぐらい」4支部、「一部」15支部。
「視力障害が残った症例を経験したことがあるか」との問いに、
18支部から計98件の報告。
症状の内容は問わず、過去2年間に限れば、
消石灰が目に入って医師の診察を受けるなどした事故は、
18支部で計51件。
原因は、「風による飛入」が最も多く、「器具の横転」、「ふざけて遊んでいて」順。
日本眼科医会は、弱アルカリ性でより安全な炭酸カルシウムを
使うよう文科省に要請。
文科省は、これまで学校安全に関する参考資料で、
石灰の取り扱いの注意を促すにとどまっていたが、今回の通知に。
----------------------------
▽消石灰
生石灰(酸化カルシウム)に水を反応させてつくる
水酸化カルシウムを主成分とし、運動場などのライン引きのほか、
酸性化した土を中和させる改良剤などに使用。
強アルカリ性のため、目に入ると角膜などを傷つけ、失明するケースも。
消毒作用もあり、鳥インフルエンザが発生した場に散布。
2004年度の国内消費量は、約60万トン。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=63290
運動場のライン引きなどに使っている消石灰(水酸化カルシウム)が、
児童生徒の目に入り視力が低下するなどの障害が残ったケースが、
これまでに98件あったことが、日本眼科医会の調査で分かった。
文部科学省は、より安全性の高い炭酸カルシウムに変えるよう
求める初の通知を出した。
消石灰は、強アルカリ性で、目に入ると角膜や結膜が損傷。
日本眼科医会は、「実際、もっと多くの事故が起こっているとみられる」。
消石灰の使用を禁止するよう呼び掛けている。
調査は今年9月、学校医や教委への聞き取りなどで実施。
小中高校での消石灰の使用や事故の有無などを聞いた。
管内の学校で、消石灰を使っているとしたのは29支部。
「ほとんどで使用」10支部、「半分ぐらい」4支部、「一部」15支部。
「視力障害が残った症例を経験したことがあるか」との問いに、
18支部から計98件の報告。
症状の内容は問わず、過去2年間に限れば、
消石灰が目に入って医師の診察を受けるなどした事故は、
18支部で計51件。
原因は、「風による飛入」が最も多く、「器具の横転」、「ふざけて遊んでいて」順。
日本眼科医会は、弱アルカリ性でより安全な炭酸カルシウムを
使うよう文科省に要請。
文科省は、これまで学校安全に関する参考資料で、
石灰の取り扱いの注意を促すにとどまっていたが、今回の通知に。
----------------------------
▽消石灰
生石灰(酸化カルシウム)に水を反応させてつくる
水酸化カルシウムを主成分とし、運動場などのライン引きのほか、
酸性化した土を中和させる改良剤などに使用。
強アルカリ性のため、目に入ると角膜などを傷つけ、失明するケースも。
消毒作用もあり、鳥インフルエンザが発生した場に散布。
2004年度の国内消費量は、約60万トン。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=63290
統合失調症に関与の遺伝子特定
(毎日 2007.11.13)
幻覚や妄想などの統合失調症に関与するとみられる遺伝子を、
理化学研究所の吉川武男チームリーダー(精神医学)を中心とする
グループがマウスの実験で突き止め、発表。
この遺伝子は、脳でドコサヘキサエン酸(DHA)などの不飽和脂肪酸と
結び付くタンパク質をつくる「Fabp7」。
脳が発達する胎児期に、これらの脂肪酸が不足したことが
発症に影響している可能性を示す。
確認されれば、妊婦への栄養指導による発症予防にも道を開く。
大きな音を聞く直前に小さな音を聞くと、
通常は大きな音だけのときより驚き方が小さくなるのに、
統合失調症患者では驚きが変化しにくいことに着目。
マウスの中にも、患者のように驚きが変化しにくいタイプを見つけ、
正常に反応するマウスと比較し、
この反応をつかさどる遺伝子がFabp7であることをまず突き止めた。
この遺伝子は通常、脳の発達期に働きが高まり、成長後は低下するが、
驚き方が変化しないマウスでは逆に、脳発達期に働きが低下し、
成長後増加していた。
Fabp7を持たないマウスをつくって調べると、
脳の発達期に神経細胞の増殖が低下。
死亡した大人の統合失調症患者の脳でも、
この遺伝子の働きが高まっていたことなどから、
グループは原因遺伝子の1つと判断。
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/071113/trd0711131012001-n1.htm
幻覚や妄想などの統合失調症に関与するとみられる遺伝子を、
理化学研究所の吉川武男チームリーダー(精神医学)を中心とする
グループがマウスの実験で突き止め、発表。
この遺伝子は、脳でドコサヘキサエン酸(DHA)などの不飽和脂肪酸と
結び付くタンパク質をつくる「Fabp7」。
脳が発達する胎児期に、これらの脂肪酸が不足したことが
発症に影響している可能性を示す。
確認されれば、妊婦への栄養指導による発症予防にも道を開く。
大きな音を聞く直前に小さな音を聞くと、
通常は大きな音だけのときより驚き方が小さくなるのに、
統合失調症患者では驚きが変化しにくいことに着目。
マウスの中にも、患者のように驚きが変化しにくいタイプを見つけ、
正常に反応するマウスと比較し、
この反応をつかさどる遺伝子がFabp7であることをまず突き止めた。
この遺伝子は通常、脳の発達期に働きが高まり、成長後は低下するが、
驚き方が変化しないマウスでは逆に、脳発達期に働きが低下し、
成長後増加していた。
Fabp7を持たないマウスをつくって調べると、
脳の発達期に神経細胞の増殖が低下。
死亡した大人の統合失調症患者の脳でも、
この遺伝子の働きが高まっていたことなどから、
グループは原因遺伝子の1つと判断。
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/071113/trd0711131012001-n1.htm
新しい波/237 広がる人工芝/2 耐久性が課題
(毎日 4月14日)
ひねって、こすって……。
衝撃吸収性や手触り感は天然芝に限りなく近く、
より耐久期間の長い製品を開発するためのラボテストが繰り返される。
スポーツ用人工芝のシェアでは国内トップにある、
SRIハイブリッドの加古川工場を訪ねた。
スポーツ人工芝ビジネスチームの西川知幸課長は、
耐久年数について「最近は7年から10年」。
天然芝と比べて約3倍かかる初期投資額(施工費)、
約10分の1の年間維持費を勘案すると、
最低でも7年は持たせないとコスト面のメリットが生じない。
だが、天然芝のグラウンドがあちこちにあって
人工芝は補完的な役割にとどまる欧州と、
人工芝が土のグラウンドを代替する日本とでは、事情が異なる。
西川課長は、「日本の使用頻度は(欧州の)5倍」。
都内にあるサッカー場の場合、1日12時間の使用で休日は月1回程度。
ある大学では、体育会の課外活動だけでなく、正課(体育)の授業でも使用。
踏みつけによる倒伏、変色など、ヘビーユース(使い過ぎ)によって劣化は加速。
人工芝は永遠に不滅、ではない。
人工芝のスタジアムでプロサッカーの公式戦も行われる欧州では、
耐久性よりも、ボールの転がりや跳ね方、
スライディングによるやけど防止など、プレー性が重視。
欧州スペック(仕様、性能)の人工芝をそのまま持ち込んでも、
日本では具合が悪い。
天然芝の葉茎に当たる部分は、ヤーンと呼ばれるポリエチレンベース素材。
それを用途に応じ、分量や間隔、長さを変えて、布に縫い付ければ、
人工芝が出来上がる。
ヤーンはテープ状で、縦に引っ張る力には強いが、横には弱い。
各メーカーは、厚みを増すなどして、摩耗しても先割れしにくい
ヤーンの研究開発にしのぎを削る。
JIS(日本工業規格)のように、品質や形状などが定量化できれば、
開発目標は明確になる。
「だが、使う人の感覚で優劣が決まる製品なので難しい」。
本格的な導入が始まって5、6年。
客観的な基準を確立するには、もう少し時間が必要。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/archive/news/2007/20070414ddm035070046000c.html
ひねって、こすって……。
衝撃吸収性や手触り感は天然芝に限りなく近く、
より耐久期間の長い製品を開発するためのラボテストが繰り返される。
スポーツ用人工芝のシェアでは国内トップにある、
SRIハイブリッドの加古川工場を訪ねた。
スポーツ人工芝ビジネスチームの西川知幸課長は、
耐久年数について「最近は7年から10年」。
天然芝と比べて約3倍かかる初期投資額(施工費)、
約10分の1の年間維持費を勘案すると、
最低でも7年は持たせないとコスト面のメリットが生じない。
だが、天然芝のグラウンドがあちこちにあって
人工芝は補完的な役割にとどまる欧州と、
人工芝が土のグラウンドを代替する日本とでは、事情が異なる。
西川課長は、「日本の使用頻度は(欧州の)5倍」。
都内にあるサッカー場の場合、1日12時間の使用で休日は月1回程度。
ある大学では、体育会の課外活動だけでなく、正課(体育)の授業でも使用。
踏みつけによる倒伏、変色など、ヘビーユース(使い過ぎ)によって劣化は加速。
人工芝は永遠に不滅、ではない。
人工芝のスタジアムでプロサッカーの公式戦も行われる欧州では、
耐久性よりも、ボールの転がりや跳ね方、
スライディングによるやけど防止など、プレー性が重視。
欧州スペック(仕様、性能)の人工芝をそのまま持ち込んでも、
日本では具合が悪い。
天然芝の葉茎に当たる部分は、ヤーンと呼ばれるポリエチレンベース素材。
それを用途に応じ、分量や間隔、長さを変えて、布に縫い付ければ、
人工芝が出来上がる。
ヤーンはテープ状で、縦に引っ張る力には強いが、横には弱い。
各メーカーは、厚みを増すなどして、摩耗しても先割れしにくい
ヤーンの研究開発にしのぎを削る。
JIS(日本工業規格)のように、品質や形状などが定量化できれば、
開発目標は明確になる。
「だが、使う人の感覚で優劣が決まる製品なので難しい」。
本格的な導入が始まって5、6年。
客観的な基準を確立するには、もう少し時間が必要。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/archive/news/2007/20070414ddm035070046000c.html
2007年12月12日水曜日
世界最小のクマ、マレーグマが絶滅の危機
(CNN 2007.11.14)
世界で一番小さなクマとして知られるマレーグマが、
森林伐採や密猟のために絶滅の危機に瀕していると、
国際自然保護連合(IUCN)が報告。
マレーグマだけではなく、世界各地に生息する
クマ8種のうち6種が絶滅の危機にさらされている。
マレーグマは、インドからインドネシアにかけての
東南アジアに生息するクマ。
体長は1.2メートルほど、体重は40─54キロほどで、
クマの仲間でも最も小さいことで知られる。
IUCNによると、マレーグマの個体数は過去30年間で30%まで急減し、
現在も同じ速度で減少している。
現在の生息数は、推定で約1万頭。
森林伐採による生息場所の減少のほか、
漢方薬の原料として密猟が絶えないことから、数が減り続けている。
東南アジアで唯一タイだけが、森林伐採と密猟を禁止し、
厳重な取り締まりを行っており、タイにおける生息数は安定している模様。
しかし、それ以外の国では、ほとんど対策が取られていない。
IUCNはマレーグマのほか、北極圏に生息するホッキョクグマや、
アジア各地のツキノワグマ、インドのナマケグマ、南米のメガネグマが、
いずれも絶滅の危機にあると警告、何らかの対策が必要だと訴えている。
一方、北米に広く生息するヒグマやアメリカグマは、絶滅の恐れはないとしている。
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200711140028.html
世界で一番小さなクマとして知られるマレーグマが、
森林伐採や密猟のために絶滅の危機に瀕していると、
国際自然保護連合(IUCN)が報告。
マレーグマだけではなく、世界各地に生息する
クマ8種のうち6種が絶滅の危機にさらされている。
マレーグマは、インドからインドネシアにかけての
東南アジアに生息するクマ。
体長は1.2メートルほど、体重は40─54キロほどで、
クマの仲間でも最も小さいことで知られる。
IUCNによると、マレーグマの個体数は過去30年間で30%まで急減し、
現在も同じ速度で減少している。
現在の生息数は、推定で約1万頭。
森林伐採による生息場所の減少のほか、
漢方薬の原料として密猟が絶えないことから、数が減り続けている。
東南アジアで唯一タイだけが、森林伐採と密猟を禁止し、
厳重な取り締まりを行っており、タイにおける生息数は安定している模様。
しかし、それ以外の国では、ほとんど対策が取られていない。
IUCNはマレーグマのほか、北極圏に生息するホッキョクグマや、
アジア各地のツキノワグマ、インドのナマケグマ、南米のメガネグマが、
いずれも絶滅の危機にあると警告、何らかの対策が必要だと訴えている。
一方、北米に広く生息するヒグマやアメリカグマは、絶滅の恐れはないとしている。
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200711140028.html
エコノミー症候群:大半は女性 「トイレ行きたくない」水飲まず--日医大が分析
(毎日 12月2日)
長時間の空の旅などで起きる「肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)」は
女性客に集中的に発生していることが、
日本医科大千葉北総病院など成田空港利用客のデータ分析で分かった。
同病院は、「女性患者には、トイレに行きたくないから水分を取らなかった
という人が多い。水を飲まないのはよくない」。
分析は、94年1月~07年7月、重症の循環器病のため
成田国際空港クリニックから同病院の集中治療室に転送された
旅客72人(男性38人、女性34人、平均年齢59・7歳)を対象。
最も多かったのは、エコノミー症候群で31人。
急性心筋梗塞23人、原因不明の胸痛5人、
うっ血性心不全と不整脈各3人が続く。うち2人は、病院で死亡。
エコノミー症候群の31人のうち、29人は女性。
31人中27人は、帰りの飛行機着陸後に発症。
一方、急性心筋梗塞は23人中20人が男性。
発症時期は、行きの飛行機に乗る前が7人、行きの機内4人、
渡航先滞在中7人で、往路や滞在中が多い。
エコノミー症候群は、長時間同じ姿勢をとることで、
足などにできた血栓が肺の静脈に詰まり、呼吸困難になることも。
女性は更年期を境に、血液が固まりやすくなる。
同病院の畑典武・集中治療部長は、
「肺血栓塞栓症を起こした女性患者の中には、10時間以上
一度もトイレに行かなかった人もいる。
じっとしていれば血流が悪くなるし、脱水状態は血栓ができやすい」。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2007/12/02/20071202ddm041040095000c.html
長時間の空の旅などで起きる「肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)」は
女性客に集中的に発生していることが、
日本医科大千葉北総病院など成田空港利用客のデータ分析で分かった。
同病院は、「女性患者には、トイレに行きたくないから水分を取らなかった
という人が多い。水を飲まないのはよくない」。
分析は、94年1月~07年7月、重症の循環器病のため
成田国際空港クリニックから同病院の集中治療室に転送された
旅客72人(男性38人、女性34人、平均年齢59・7歳)を対象。
最も多かったのは、エコノミー症候群で31人。
急性心筋梗塞23人、原因不明の胸痛5人、
うっ血性心不全と不整脈各3人が続く。うち2人は、病院で死亡。
エコノミー症候群の31人のうち、29人は女性。
31人中27人は、帰りの飛行機着陸後に発症。
一方、急性心筋梗塞は23人中20人が男性。
発症時期は、行きの飛行機に乗る前が7人、行きの機内4人、
渡航先滞在中7人で、往路や滞在中が多い。
エコノミー症候群は、長時間同じ姿勢をとることで、
足などにできた血栓が肺の静脈に詰まり、呼吸困難になることも。
女性は更年期を境に、血液が固まりやすくなる。
同病院の畑典武・集中治療部長は、
「肺血栓塞栓症を起こした女性患者の中には、10時間以上
一度もトイレに行かなかった人もいる。
じっとしていれば血流が悪くなるし、脱水状態は血栓ができやすい」。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2007/12/02/20071202ddm041040095000c.html
新しい波/236 広がる人工芝/1 維持費も1/10以下
(毎日 4月7日)
初めてピッチに足を踏み入れた時、
サッカー元日本代表主将の宮本恒靖は戸惑った。
ボールの跳ね方が、天然芝とは違うような気がした。
移籍したオーストリア1部リーグ、ザルツブルクの本拠地
ブルズ・アリーナは人工芝。
このドイツ製の人工芝は、国際サッカー連盟(FIFA)の最高規格
「ツースター」の認定を受けていて、国際試合もできる。
同じ製品を国内で輸入販売しているのが、積水樹脂。
「安全性だけでなく、初期と同じ状態でプレーできるよう耐久性も重視」。
葉茎に相当する部分が短く、
スライディングするとやけどが付き物だった「第1世代」、
クッション用の砂をまいてテニスコートなどに多用された「第2世代」を経て、
現在は丈の長い(5~6センチ)ロングパイルと呼ばれる「第3世代」が主流。
安全性や耐久性、プレー性が高まったことで、
ラグビーでも社会人や大学を中心に人工芝導入が相次いでいる。
国内トップシェアを誇る、住友ゴムグループ「SRIハイブリッド」の担当者は、
「市場は、倍々ゲームで伸びている」。
施工面積は、5万平方メートル(00年度)から10万(01年度)、20万(02年度)、
40万(03年度)、70万(04年度)、110万平方メートル(05、06年度)。
この2年間の件数は、170(05年度)から200(06年度)に。
市場規模は、100億~200億円。
人工芝は、サッカー場1面の場合、
施工費は天然芝の約3倍、1億~1億5000万円。
年間の維持費になると、1000万~1500万円の天然芝に対し、
人工芝は50万~100万円程度で済む、というのがセールスポイント。
サッカー、ラグビーの有力チームについては、ほぼ行き渡った。
次なるターゲットは、流行のフットサル。
「そして、学校の校庭が人工芝になると、面白い市場が形成される」
とあるメーカーの担当者。
今後の張り替え需要を含めると、
施工面積は年間140万平方メートルまで達する、と予測。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/archive/news/2007/20070407ddm035070105000c.html
初めてピッチに足を踏み入れた時、
サッカー元日本代表主将の宮本恒靖は戸惑った。
ボールの跳ね方が、天然芝とは違うような気がした。
移籍したオーストリア1部リーグ、ザルツブルクの本拠地
ブルズ・アリーナは人工芝。
このドイツ製の人工芝は、国際サッカー連盟(FIFA)の最高規格
「ツースター」の認定を受けていて、国際試合もできる。
同じ製品を国内で輸入販売しているのが、積水樹脂。
「安全性だけでなく、初期と同じ状態でプレーできるよう耐久性も重視」。
葉茎に相当する部分が短く、
スライディングするとやけどが付き物だった「第1世代」、
クッション用の砂をまいてテニスコートなどに多用された「第2世代」を経て、
現在は丈の長い(5~6センチ)ロングパイルと呼ばれる「第3世代」が主流。
安全性や耐久性、プレー性が高まったことで、
ラグビーでも社会人や大学を中心に人工芝導入が相次いでいる。
国内トップシェアを誇る、住友ゴムグループ「SRIハイブリッド」の担当者は、
「市場は、倍々ゲームで伸びている」。
施工面積は、5万平方メートル(00年度)から10万(01年度)、20万(02年度)、
40万(03年度)、70万(04年度)、110万平方メートル(05、06年度)。
この2年間の件数は、170(05年度)から200(06年度)に。
市場規模は、100億~200億円。
人工芝は、サッカー場1面の場合、
施工費は天然芝の約3倍、1億~1億5000万円。
年間の維持費になると、1000万~1500万円の天然芝に対し、
人工芝は50万~100万円程度で済む、というのがセールスポイント。
サッカー、ラグビーの有力チームについては、ほぼ行き渡った。
次なるターゲットは、流行のフットサル。
「そして、学校の校庭が人工芝になると、面白い市場が形成される」
とあるメーカーの担当者。
今後の張り替え需要を含めると、
施工面積は年間140万平方メートルまで達する、と予測。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/archive/news/2007/20070407ddm035070105000c.html
2007年12月11日火曜日
野口英世アフリカ賞初受賞者、来年3月決定 記念講演は地元福島で
(毎日新聞社 2007年12月5日)
アフリカの医学、医療分野で優れた功績を残した人を
国が表彰する「野口英世アフリカ賞」について、
初めてとなる授賞者を来年3月に決定すると発表。
猪苗代町出身の野口英世(1876-1928)を顕彰し、
小泉純一郎元首相が発案した賞で、
受賞者の講演会を出身地で開催することも検討。
同賞は、医学研究、医療活動の2部門で構成。
アフリカの人々の健康や福祉の向上に貢献し、
推薦委員会が推した人の中から、
各部門1人(共同研究では最大3人)に賞金1億円を贈る。
内閣府は同賞担当室を設けており、大山研次・同室長補佐によると、
国内外の100を超える個人・団体の推薦が挙がっている。
年内に候補者を各部門3人に絞り、来年2月に同賞委員会で各1人を選出。
同3月に授賞者を最終決定する。
授賞式は、来年5月に横浜市で開かれる国際会議
「第4回アフリカ開発会議」に合わせて行う予定。
さらに同月、受賞者の記念講演会を、
ゆかりの猪苗代町か隣接する会津若松市内で開催する計画。
国は賞金計2億円のうち、1億円は寄付金で賄う方針だが、
これまで集まった寄付は約2000万円強という。
「野口英世アフリカ賞を、ノーベル賞に匹敵する賞にしたい。
人類の平和に貢献する趣旨で、一人でも多くの人に募金してもらえれば」。
募金は個人が1口1000円、団体は1口10万円から。
問い合わせは内閣府の担当室(03・3539・8902)。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=63592
アフリカの医学、医療分野で優れた功績を残した人を
国が表彰する「野口英世アフリカ賞」について、
初めてとなる授賞者を来年3月に決定すると発表。
猪苗代町出身の野口英世(1876-1928)を顕彰し、
小泉純一郎元首相が発案した賞で、
受賞者の講演会を出身地で開催することも検討。
同賞は、医学研究、医療活動の2部門で構成。
アフリカの人々の健康や福祉の向上に貢献し、
推薦委員会が推した人の中から、
各部門1人(共同研究では最大3人)に賞金1億円を贈る。
内閣府は同賞担当室を設けており、大山研次・同室長補佐によると、
国内外の100を超える個人・団体の推薦が挙がっている。
年内に候補者を各部門3人に絞り、来年2月に同賞委員会で各1人を選出。
同3月に授賞者を最終決定する。
授賞式は、来年5月に横浜市で開かれる国際会議
「第4回アフリカ開発会議」に合わせて行う予定。
さらに同月、受賞者の記念講演会を、
ゆかりの猪苗代町か隣接する会津若松市内で開催する計画。
国は賞金計2億円のうち、1億円は寄付金で賄う方針だが、
これまで集まった寄付は約2000万円強という。
「野口英世アフリカ賞を、ノーベル賞に匹敵する賞にしたい。
人類の平和に貢献する趣旨で、一人でも多くの人に募金してもらえれば」。
募金は個人が1口1000円、団体は1口10万円から。
問い合わせは内閣府の担当室(03・3539・8902)。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=63592
スポーツ界から地球温暖化防止を発信!JOC竹田会長らが鴨下一郎環境大臣を表敬訪問
(みんなで止めよう!温暖化 2007年12月4日)
チーム・マイナス6%に協力している、
財団法人日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恆和会長、
水野正人副会長、JOCスポーツ環境専門委員会の板橋一太委員長、
そしてJOC環境アンバサダーの松岡修造さんは、
鴨下一郎環境大臣を表敬訪問。
竹田会長は、「JOCにおいても、加盟スポーツ団体及びスポーツ選手を
通じた温暖化防止の啓発活動に積極的に取り組んできたが、
今後、スポーツ大会や団体活動において
環境保全活動をより強力に推進し、CO2排出削減に向けた
具体的なアクションを実施していく」。
鴨下環境大臣への表敬訪問を終えた竹田会長は、
「環境保全は、スポーツ界にも密接な関係があります。
2016年のオリンピック招致は、立候補している都市がいかに
環境問題に取り組んでいるかがキーポイント。
オリンピック招致に向けて、環境省にも協力をお願いした」。
JOC環境アンバサダーの松岡さんは、
「自分がテニスプレーヤーとして、過去一度だけ棄権した原因が
光化学スモッグだったこともあり、
スポーツが環境と密接な関係にあることを実感している。
スポーツ選手として、ルールを守ることはとても大切なことだから、
環境保全についてもきっちりルールを守っていくべき」と、
温暖化防止活動への強い決意。
http://www.team-6.jp/report/movement/2007/12/071204a.html
チーム・マイナス6%に協力している、
財団法人日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恆和会長、
水野正人副会長、JOCスポーツ環境専門委員会の板橋一太委員長、
そしてJOC環境アンバサダーの松岡修造さんは、
鴨下一郎環境大臣を表敬訪問。
竹田会長は、「JOCにおいても、加盟スポーツ団体及びスポーツ選手を
通じた温暖化防止の啓発活動に積極的に取り組んできたが、
今後、スポーツ大会や団体活動において
環境保全活動をより強力に推進し、CO2排出削減に向けた
具体的なアクションを実施していく」。
鴨下環境大臣への表敬訪問を終えた竹田会長は、
「環境保全は、スポーツ界にも密接な関係があります。
2016年のオリンピック招致は、立候補している都市がいかに
環境問題に取り組んでいるかがキーポイント。
オリンピック招致に向けて、環境省にも協力をお願いした」。
JOC環境アンバサダーの松岡さんは、
「自分がテニスプレーヤーとして、過去一度だけ棄権した原因が
光化学スモッグだったこともあり、
スポーツが環境と密接な関係にあることを実感している。
スポーツ選手として、ルールを守ることはとても大切なことだから、
環境保全についてもきっちりルールを守っていくべき」と、
温暖化防止活動への強い決意。
http://www.team-6.jp/report/movement/2007/12/071204a.html
大腸がんの細胞増殖を抑制するmiRNAを発見
(nature Asia-Pacific)
国立がんセンター研究所生化学部 中釜斉副所長
土屋直人研究員、田澤大研究員
-----------------------------------------
RNAの研究が進むにつれて、タンパクをコードしない
ncRNA(non-coding RNA)の役割が注目。
代表的なncRNAの一つであるmiRNA(micro-RNA)については、
細胞の増殖やアポトーシスなどとの関係が徐々に明らかになり、
とくにがんの発生や増殖に関する研究が盛ん。
実験的に用いるsiRNAは、特定の遺伝子のmRNAに結合して
mRNAを分解するのに対し、
miRNAの場合は標的となる遺伝子が1種類のmiRNAにつき
100~200種類あると推定。
miRNA前駆体は、ヘアピン型のループ構造を持ち、
最終的に成熟したmiRNA が、RISC(RNA induced silencing complex)
と呼ばれる、タンパク・核酸の複合体とともにmRNAに結合し、
mRNAからタンパクへの翻訳を抑制する。
ヒトmiRNAは、現在500種ほどが同定されているが、
未知のmiRNAがさらに同数ほど存在する可能性が。
国立がんセンター研究所の中釜斉副所長らのグループは、
大腸がんに関して、培養細胞の増殖を抑制し、
患者のがん組織で発現低下しているmiRNAを同定。
大腸がんの培養細胞HCT116を、アドリアマイシン100ng/mlで処理して
細胞増殖を抑制し、16時間後に発現上昇しているmiRNAの同定を試みた。
アドリアマイシンは、DNAにダメージを与える作用があり、抗がん剤として使用。
100ng/mlでは、HCT116細胞の増殖は止めるが、アポトーシスは起こさない。
解析したmiRNA157種類のうち、アドリアマイシン処理後に
発現が2倍以上に上昇したものは、7種類。
反復実験により、再現性をもって発現誘導されるものとして、
miR-34a、miR-34b、miR-34cのmiR-34ファミリーを同定でき、
最も安定的に発現していたmiR-34aは、
アドリアマイシン処理後8時間で約3倍、48時間で約10倍にも増加。
この結果、miR-34ファミリーは細胞増殖と関係するmiRNAと考えられた。
大腸がん培養細胞HCT116では、がん抑制遺伝子p53が正常に働き、
アドリアマイシン処理後、miR-34a発現量の増加に先行して、p53が蓄積。
p53が変異している別の大腸がん培養細胞では、
アドリアマイシン処理後もmiR-34aが誘導されないことから、
「大腸がんでは細胞増殖の停止の際、miR-34aがp53蓄積に連動して働く」。
miR-34aが細胞増殖を止める可能性を検証するために、
HCT116と別の大腸がん培養細胞RKO(p53は野生型)に
それぞれmiR-34aを導入したところ、予想通り細胞増殖が抑えられた。
このときの遺伝子発現変化を、マイクロアレイで網羅的に調べると、
発現が抑えられた287遺伝子の中に、細胞周期や細胞増殖に関わる
E2F転写因子E2F-1、E2F-2と複数のE2Fターゲット遺伝子が含まれていた。
E2F-1のタンパク量についてHCT116とRKOで調べると、
miR-34aの導入により発現が抑制されることが確認。
miR-34a未導入細胞(コントロール群)と比べ、
導入細胞では細胞周期が止まり、細胞そのものが肥大化。
これは、細胞老化に特徴的な現象であることから、
細胞老化の指標であるSA-β-ガラクトシダーゼで染色すると、
老化様の変化を起こしていた。
「miR-34aは、E2F転写因子やそのターゲット遺伝子の発現を
抑制することで、細胞の増殖を止め、がん細胞を老化様に変化させる」。
ヌードマウスに、大腸がん培養細胞を移植して腫瘍を形成させ、
miR-34aを導入したところ、HCT116細胞では6日間、
RKO細胞では4日間、腫瘍の増殖がほぼ停止。
国立がんセンター中央病院で施行された大腸がん手術で得られた
大腸がん組織検体25症例中9症例(36%)で、miR-34aの発現低下。
「大腸がんでのp53遺伝子変異の頻度が4~5割であり、
36%というのは高い数値」。
世界の6グループから、p53による細胞増殖抑制やアポトーシス誘導作用への
miR-34の関与を示唆する論文が発表。
miR-34のp53による発現制御に関しては意見が揃いつつあるが、
miR-34aの細胞増殖抑制や細胞老化・アポトーシス誘導のメカニズムは未解明。
生化学部では、すでに大腸がん以外の培養細胞でも
miR-34aが細胞増殖を止めることを確認。
「今後は、miR-34aが細胞増殖を止めるメカニズムと発がんとの関連を解析し、
miR-34aによる細胞増殖抑制にRISCがどう関わっているかを明らかにしたい」。
miR-34aを突破口に、発がんの新たなメカニズム解明に向けて、
研究が始まっている。
http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=62
国立がんセンター研究所生化学部 中釜斉副所長
土屋直人研究員、田澤大研究員
-----------------------------------------
RNAの研究が進むにつれて、タンパクをコードしない
ncRNA(non-coding RNA)の役割が注目。
代表的なncRNAの一つであるmiRNA(micro-RNA)については、
細胞の増殖やアポトーシスなどとの関係が徐々に明らかになり、
とくにがんの発生や増殖に関する研究が盛ん。
実験的に用いるsiRNAは、特定の遺伝子のmRNAに結合して
mRNAを分解するのに対し、
miRNAの場合は標的となる遺伝子が1種類のmiRNAにつき
100~200種類あると推定。
miRNA前駆体は、ヘアピン型のループ構造を持ち、
最終的に成熟したmiRNA が、RISC(RNA induced silencing complex)
と呼ばれる、タンパク・核酸の複合体とともにmRNAに結合し、
mRNAからタンパクへの翻訳を抑制する。
ヒトmiRNAは、現在500種ほどが同定されているが、
未知のmiRNAがさらに同数ほど存在する可能性が。
国立がんセンター研究所の中釜斉副所長らのグループは、
大腸がんに関して、培養細胞の増殖を抑制し、
患者のがん組織で発現低下しているmiRNAを同定。
大腸がんの培養細胞HCT116を、アドリアマイシン100ng/mlで処理して
細胞増殖を抑制し、16時間後に発現上昇しているmiRNAの同定を試みた。
アドリアマイシンは、DNAにダメージを与える作用があり、抗がん剤として使用。
100ng/mlでは、HCT116細胞の増殖は止めるが、アポトーシスは起こさない。
解析したmiRNA157種類のうち、アドリアマイシン処理後に
発現が2倍以上に上昇したものは、7種類。
反復実験により、再現性をもって発現誘導されるものとして、
miR-34a、miR-34b、miR-34cのmiR-34ファミリーを同定でき、
最も安定的に発現していたmiR-34aは、
アドリアマイシン処理後8時間で約3倍、48時間で約10倍にも増加。
この結果、miR-34ファミリーは細胞増殖と関係するmiRNAと考えられた。
大腸がん培養細胞HCT116では、がん抑制遺伝子p53が正常に働き、
アドリアマイシン処理後、miR-34a発現量の増加に先行して、p53が蓄積。
p53が変異している別の大腸がん培養細胞では、
アドリアマイシン処理後もmiR-34aが誘導されないことから、
「大腸がんでは細胞増殖の停止の際、miR-34aがp53蓄積に連動して働く」。
miR-34aが細胞増殖を止める可能性を検証するために、
HCT116と別の大腸がん培養細胞RKO(p53は野生型)に
それぞれmiR-34aを導入したところ、予想通り細胞増殖が抑えられた。
このときの遺伝子発現変化を、マイクロアレイで網羅的に調べると、
発現が抑えられた287遺伝子の中に、細胞周期や細胞増殖に関わる
E2F転写因子E2F-1、E2F-2と複数のE2Fターゲット遺伝子が含まれていた。
E2F-1のタンパク量についてHCT116とRKOで調べると、
miR-34aの導入により発現が抑制されることが確認。
miR-34a未導入細胞(コントロール群)と比べ、
導入細胞では細胞周期が止まり、細胞そのものが肥大化。
これは、細胞老化に特徴的な現象であることから、
細胞老化の指標であるSA-β-ガラクトシダーゼで染色すると、
老化様の変化を起こしていた。
「miR-34aは、E2F転写因子やそのターゲット遺伝子の発現を
抑制することで、細胞の増殖を止め、がん細胞を老化様に変化させる」。
ヌードマウスに、大腸がん培養細胞を移植して腫瘍を形成させ、
miR-34aを導入したところ、HCT116細胞では6日間、
RKO細胞では4日間、腫瘍の増殖がほぼ停止。
国立がんセンター中央病院で施行された大腸がん手術で得られた
大腸がん組織検体25症例中9症例(36%)で、miR-34aの発現低下。
「大腸がんでのp53遺伝子変異の頻度が4~5割であり、
36%というのは高い数値」。
世界の6グループから、p53による細胞増殖抑制やアポトーシス誘導作用への
miR-34の関与を示唆する論文が発表。
miR-34のp53による発現制御に関しては意見が揃いつつあるが、
miR-34aの細胞増殖抑制や細胞老化・アポトーシス誘導のメカニズムは未解明。
生化学部では、すでに大腸がん以外の培養細胞でも
miR-34aが細胞増殖を止めることを確認。
「今後は、miR-34aが細胞増殖を止めるメカニズムと発がんとの関連を解析し、
miR-34aによる細胞増殖抑制にRISCがどう関わっているかを明らかにしたい」。
miR-34aを突破口に、発がんの新たなメカニズム解明に向けて、
研究が始まっている。
http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=62
2007年12月10日月曜日
万能細胞で貧血治療 米研究チーム、マウスで 再生医療実現へ前進
(毎日新聞社 2007年12月7日)
貧血症のマウスの皮膚細胞から作った万能細胞
「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を使い、貧血症を治療することに、
米国の研究チームが成功。
iPS細胞を使い、動物の病気の治療に成功したのは世界で初めて。
すでに京都大などのチームが、ヒトの皮膚細胞からiPS細胞を作ることに
成功しており、再生医療の実現へまた一歩前進。
米マサチューセッツ工科大などの研究チームは、
「鎌状赤血球貧血症」のマウスの尾から皮膚細胞を採取。
京都大のチームと同じ四つの遺伝子を導入して、
さまざまな細胞に分化する能力のあるiPS細胞を作った。
四つの遺伝子のうち、一つはがん遺伝子だったが、
ウイルスを使って特殊な酵素をiPS細胞に導入し、この遺伝子を取り除いた。
次に、iPS細胞の中にある貧血の原因遺伝子を健康な遺伝子に組み換え、
赤血球や白血球など血液のさまざまな細胞を作り出す
元となる造血幹細胞に分化させた。
この造血幹細胞を、細胞を採取したマウス3匹の尾の静脈に注射したところ、
体内で健康な血液を作り始め、約3カ月後には血液中の成分が大幅に改善。
「さまざまな細胞に分化できる能力を持たせるための遺伝子の導入や、
iPS細胞になってからの遺伝子組み換えなどは、
がんを含む副作用を引き起こす可能性がある。
ヒトに応用するには、これらの問題を解決し、
安全な方法を開発する必要がある」。
ヒトiPS細胞の作成に成功した山中伸弥・京都大教授は、
「iPS細胞を患者自身の細胞から作り、遺伝子の異常を修復し、
必要な細胞を分化させ、同じ患者に戻して治療するという、
理想とする治療が実現できることを、マウスを使って示した重要な研究」。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=63863
貧血症のマウスの皮膚細胞から作った万能細胞
「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を使い、貧血症を治療することに、
米国の研究チームが成功。
iPS細胞を使い、動物の病気の治療に成功したのは世界で初めて。
すでに京都大などのチームが、ヒトの皮膚細胞からiPS細胞を作ることに
成功しており、再生医療の実現へまた一歩前進。
米マサチューセッツ工科大などの研究チームは、
「鎌状赤血球貧血症」のマウスの尾から皮膚細胞を採取。
京都大のチームと同じ四つの遺伝子を導入して、
さまざまな細胞に分化する能力のあるiPS細胞を作った。
四つの遺伝子のうち、一つはがん遺伝子だったが、
ウイルスを使って特殊な酵素をiPS細胞に導入し、この遺伝子を取り除いた。
次に、iPS細胞の中にある貧血の原因遺伝子を健康な遺伝子に組み換え、
赤血球や白血球など血液のさまざまな細胞を作り出す
元となる造血幹細胞に分化させた。
この造血幹細胞を、細胞を採取したマウス3匹の尾の静脈に注射したところ、
体内で健康な血液を作り始め、約3カ月後には血液中の成分が大幅に改善。
「さまざまな細胞に分化できる能力を持たせるための遺伝子の導入や、
iPS細胞になってからの遺伝子組み換えなどは、
がんを含む副作用を引き起こす可能性がある。
ヒトに応用するには、これらの問題を解決し、
安全な方法を開発する必要がある」。
ヒトiPS細胞の作成に成功した山中伸弥・京都大教授は、
「iPS細胞を患者自身の細胞から作り、遺伝子の異常を修復し、
必要な細胞を分化させ、同じ患者に戻して治療するという、
理想とする治療が実現できることを、マウスを使って示した重要な研究」。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=63863
がんと闘う筑紫哲也さんに聞く 無常だからこそ感謝
(毎日新聞 2007年11月26日)
紅茶2杯で3時間。
斜光の入るレストランの個室で、筑紫哲也さん(72)は終始ニコニコしていた。
「がんは面白い病気」と語れるようになった筑紫さんは今、
無常だからこそ輝く人生を、そのありがたさを感じているという。
事務所のある赤坂のビルまで迎えに上がると、
青いシャツに黒のジャケットというラフな格好で下りてきた。
療養中にしては、はつらつとしている。
半年ぶりにテレビ出演した先月は、つけ毛が話題になったが、
「生えてきたので、今は自毛です」と少し恥ずかしそうな顔をした。
「もともと髪が多いから、局で『視聴者がショックを受ける』なんて言われて、
つけ毛にされて。でも、嫌だから自分でばらしたんです」
以前、お会いしたのは2年前。
日比谷のホテルのバーでアフリカの話をした。
もともとがヘビースモーカーなので、灰皿が吸い殻の山に。
病後、たばこをやめた。
困ることが出てきた。大好きなマージャンと原稿書き。
「一服できないと、全然面白くない」。
長年愛してきたのは、ハイライトとマールボロの赤。
ニコチンが強く、のどに強い圧迫感のある本物のたばこだ。
「長生きには、吸わないのがいいのか、吸うのがいいのか、
議論のあるところでね。たばこで死ぬ人も、糖尿など食い過ぎで死ぬ人もいる。
もう一つは、たばこや食に急ブレーキかけて、そのストレスで死ぬ人。
屁理屈だけど」
論は勢いを増す。
「百害あって一利なしと言うけど、文化は悪徳が高い分、深い。
人類が発明した偉大な文化であり、たばこの代わりはありませんよ。
これを知らずに人生を終わる人を思うと、
何とものっぺらぼうで、気の毒な気がしますね」
でも、そんな文化ががんをもたらした、と向けると、
「そうとも言えない」と首を振る。
「肺がんに直結しているようだけど、たばこは引き金で、本当の原因はストレス」
たばこが原因だとは今でも思っていないのだ。
◇「Must(-ねばならない)」から「Want(-したい)」へ
では、どのようなストレスがあったのか?
「簡単に言えば、Mustが多すぎた。
だから、MustからWantに変えればいい。
でも、長年、僕を知る人は笑う。
『お前は好きなことしかやらないじゃないか』と」
それでも、TBSテレビの「ニュース23」に出ずっぱりというのは、
やはり負担もあったのだろう。
「そう。僕は約束を破ったり、会議に出なかったり、いいかげんなんですが、
放送は18年間、月曜から金曜まで1秒も遅刻せずにやった。
自分がやりたいことだから、苦痛はなかった。
東京だけにいてはこの国は見えないと、週末は講演など理由をつけては
地方を回ったんです。これも、楽しかった」
ただ、心は楽しんでも、体は違った。
「加齢ですね。体が文句を言っても、ペースを崩さなかった。
人はそもそも心身が分裂しているものなんです。
美空ひばりは東京ドームで歌い終わり、ぐじゃっと倒れた。
僕もそういうところ、あると思う」
◇語るたびに自己嫌悪だった
30年間、朝日新聞社で記者、雑誌編集長を務め、キャスターに転身。
活字の世界にない気遣いもあった。
後任キャスター、共同通信社の前編集局長、後藤謙次さんにこう助言した。
「テレビは、軽率で不完全なメディアだから、
家で奥さんと反省会をやるのはやめなさい、とね。
僕は毎晩、自己嫌悪でした。
原稿ってのは、へたくそでも活字になると、まあ自己満足できるでしょ。
でも、テレビは見るたびに自己嫌悪でね。
ボディーランゲージが大きなウエートを占めるし。
『なんであんなことを言ったのか』というのがストレスになってね」
「僕がキャスターを始めたころ、朝日新聞では、テレビは下賤なメディアで
一度さわったら体が腐る、とさえ言われた」。
テレビに移ったのは、新聞に限界を感じていたからだ。
「何百万も部数があるから、書いたものが相手に届くと思っていた。
でも、ある時気づいたのは、ほとんど何も届かない。
特に国際報道は、どんなに大変な思いをしても何も届かない。
多くの人に届けるには、テレビが手っ取り早いと気づいたんです」
キャスターとしてどれだけのことを伝えられたのか?
「こうあってほしいと思うことを語ってきたが、
その方向に世の中が進んだことはない」。
語るたびに、どんどん自分が少数派になってゆくと感じた。
それでも自分を突き動かすものがあるとすれば?
「うーん、おせっかいな好奇心ですかね。
でも、この(報道の)仕事って、おせっかいですよね」
◇予約つき人生、今日が大事
がんになり、発見があった。
一つは、患者と有権者が似ていること。
「いくら情報を与えられても、自分で思うほど賢くはなれない」。
結局は他人に言われるままになる。
そして悪い結果が出れば「自分の責任」となる。
「底にあるのは、人間は賢者になれるという壮大なフィクション。
世界経済の影響で酪農家が破産すれば、
『お前の責任』と言われ、フリーターや社会からこぼれる人が叱責される。
でも、弱い患者と同じく、有権者にすべての責任があるわけじゃない」
ごく自然に東洋医学に向かった。
「僕の体は空爆されたイラクみたいなもの。
放射線でがんはほぼ撃退したけど、体中が被爆している。
西洋医学は敵を攻めるばかりだが、東洋医学は、がんを生む体に
ならないようにすることを心がける。それが自分には合っている」。
今は月の半分を奈良の東洋医学専門家、松元密峰さんのもとで過ごす。
放射線医療の後遺症でのどが膨れ上がったとき、はり治療などで救われた。
「がんは面白い病気でね、これくらい個人差があり、
気持ちに左右されるものはない。心臓が急に止まるのと違い、
余命率がどれくらいという、一種予約つきの人生になる。
年数はわからない。ラッキーだと延びるし、短い人もいる」
日々、「ありがたい」と思うことがある。
「倒れるまで、一日、一日なんて、特に考えないで過ごしてきたけど、
先が限られていると思うとね。例えばきょう一日も、とても大事というかね。
うん。お墓には何も持っていけないから、大事なのは、どれくらい、
自分が人生を楽しんだかということ。それが最後の自分の成績表だと」
今は週に1回、立命館大で講義し、
あとは「源氏物語」を猛烈な勢いで読んでいるそうだ。
「入院中にじっくり読んだのは、新渡戸稲造の『武士道』。
古典が面白くてね。それと、仏像や日本画をしみじみと見るというのかな……。
これって、なんだろうと思う。
これから先、見ることはないという、見納めの心理も働いているんでしょうが、
すべてにありがたさを感じる。
そう思いながら味わえる何日かが、あとどのくらい続くか分からないけど。
その日々、月日があるというのは、急に逝くよりいいんじゃないか、なんて思うんです」
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=62482
紅茶2杯で3時間。
斜光の入るレストランの個室で、筑紫哲也さん(72)は終始ニコニコしていた。
「がんは面白い病気」と語れるようになった筑紫さんは今、
無常だからこそ輝く人生を、そのありがたさを感じているという。
事務所のある赤坂のビルまで迎えに上がると、
青いシャツに黒のジャケットというラフな格好で下りてきた。
療養中にしては、はつらつとしている。
半年ぶりにテレビ出演した先月は、つけ毛が話題になったが、
「生えてきたので、今は自毛です」と少し恥ずかしそうな顔をした。
「もともと髪が多いから、局で『視聴者がショックを受ける』なんて言われて、
つけ毛にされて。でも、嫌だから自分でばらしたんです」
以前、お会いしたのは2年前。
日比谷のホテルのバーでアフリカの話をした。
もともとがヘビースモーカーなので、灰皿が吸い殻の山に。
病後、たばこをやめた。
困ることが出てきた。大好きなマージャンと原稿書き。
「一服できないと、全然面白くない」。
長年愛してきたのは、ハイライトとマールボロの赤。
ニコチンが強く、のどに強い圧迫感のある本物のたばこだ。
「長生きには、吸わないのがいいのか、吸うのがいいのか、
議論のあるところでね。たばこで死ぬ人も、糖尿など食い過ぎで死ぬ人もいる。
もう一つは、たばこや食に急ブレーキかけて、そのストレスで死ぬ人。
屁理屈だけど」
論は勢いを増す。
「百害あって一利なしと言うけど、文化は悪徳が高い分、深い。
人類が発明した偉大な文化であり、たばこの代わりはありませんよ。
これを知らずに人生を終わる人を思うと、
何とものっぺらぼうで、気の毒な気がしますね」
でも、そんな文化ががんをもたらした、と向けると、
「そうとも言えない」と首を振る。
「肺がんに直結しているようだけど、たばこは引き金で、本当の原因はストレス」
たばこが原因だとは今でも思っていないのだ。
◇「Must(-ねばならない)」から「Want(-したい)」へ
では、どのようなストレスがあったのか?
「簡単に言えば、Mustが多すぎた。
だから、MustからWantに変えればいい。
でも、長年、僕を知る人は笑う。
『お前は好きなことしかやらないじゃないか』と」
それでも、TBSテレビの「ニュース23」に出ずっぱりというのは、
やはり負担もあったのだろう。
「そう。僕は約束を破ったり、会議に出なかったり、いいかげんなんですが、
放送は18年間、月曜から金曜まで1秒も遅刻せずにやった。
自分がやりたいことだから、苦痛はなかった。
東京だけにいてはこの国は見えないと、週末は講演など理由をつけては
地方を回ったんです。これも、楽しかった」
ただ、心は楽しんでも、体は違った。
「加齢ですね。体が文句を言っても、ペースを崩さなかった。
人はそもそも心身が分裂しているものなんです。
美空ひばりは東京ドームで歌い終わり、ぐじゃっと倒れた。
僕もそういうところ、あると思う」
◇語るたびに自己嫌悪だった
30年間、朝日新聞社で記者、雑誌編集長を務め、キャスターに転身。
活字の世界にない気遣いもあった。
後任キャスター、共同通信社の前編集局長、後藤謙次さんにこう助言した。
「テレビは、軽率で不完全なメディアだから、
家で奥さんと反省会をやるのはやめなさい、とね。
僕は毎晩、自己嫌悪でした。
原稿ってのは、へたくそでも活字になると、まあ自己満足できるでしょ。
でも、テレビは見るたびに自己嫌悪でね。
ボディーランゲージが大きなウエートを占めるし。
『なんであんなことを言ったのか』というのがストレスになってね」
「僕がキャスターを始めたころ、朝日新聞では、テレビは下賤なメディアで
一度さわったら体が腐る、とさえ言われた」。
テレビに移ったのは、新聞に限界を感じていたからだ。
「何百万も部数があるから、書いたものが相手に届くと思っていた。
でも、ある時気づいたのは、ほとんど何も届かない。
特に国際報道は、どんなに大変な思いをしても何も届かない。
多くの人に届けるには、テレビが手っ取り早いと気づいたんです」
キャスターとしてどれだけのことを伝えられたのか?
「こうあってほしいと思うことを語ってきたが、
その方向に世の中が進んだことはない」。
語るたびに、どんどん自分が少数派になってゆくと感じた。
それでも自分を突き動かすものがあるとすれば?
「うーん、おせっかいな好奇心ですかね。
でも、この(報道の)仕事って、おせっかいですよね」
◇予約つき人生、今日が大事
がんになり、発見があった。
一つは、患者と有権者が似ていること。
「いくら情報を与えられても、自分で思うほど賢くはなれない」。
結局は他人に言われるままになる。
そして悪い結果が出れば「自分の責任」となる。
「底にあるのは、人間は賢者になれるという壮大なフィクション。
世界経済の影響で酪農家が破産すれば、
『お前の責任』と言われ、フリーターや社会からこぼれる人が叱責される。
でも、弱い患者と同じく、有権者にすべての責任があるわけじゃない」
ごく自然に東洋医学に向かった。
「僕の体は空爆されたイラクみたいなもの。
放射線でがんはほぼ撃退したけど、体中が被爆している。
西洋医学は敵を攻めるばかりだが、東洋医学は、がんを生む体に
ならないようにすることを心がける。それが自分には合っている」。
今は月の半分を奈良の東洋医学専門家、松元密峰さんのもとで過ごす。
放射線医療の後遺症でのどが膨れ上がったとき、はり治療などで救われた。
「がんは面白い病気でね、これくらい個人差があり、
気持ちに左右されるものはない。心臓が急に止まるのと違い、
余命率がどれくらいという、一種予約つきの人生になる。
年数はわからない。ラッキーだと延びるし、短い人もいる」
日々、「ありがたい」と思うことがある。
「倒れるまで、一日、一日なんて、特に考えないで過ごしてきたけど、
先が限られていると思うとね。例えばきょう一日も、とても大事というかね。
うん。お墓には何も持っていけないから、大事なのは、どれくらい、
自分が人生を楽しんだかということ。それが最後の自分の成績表だと」
今は週に1回、立命館大で講義し、
あとは「源氏物語」を猛烈な勢いで読んでいるそうだ。
「入院中にじっくり読んだのは、新渡戸稲造の『武士道』。
古典が面白くてね。それと、仏像や日本画をしみじみと見るというのかな……。
これって、なんだろうと思う。
これから先、見ることはないという、見納めの心理も働いているんでしょうが、
すべてにありがたさを感じる。
そう思いながら味わえる何日かが、あとどのくらい続くか分からないけど。
その日々、月日があるというのは、急に逝くよりいいんじゃないか、なんて思うんです」
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=62482
2007年12月9日日曜日
理系白書’07:第3部・科学者の倫理とは/5 始まる規範教育
(毎日 11月25日)
「これで、皆さんは晴れて研究の申請ができる。
ぜひ、社会から信頼される研究をしてほしい」。
東京大で開かれた研究倫理セミナーにて、
医学部倫理委員長を務める赤林朗・大学院医学系研究科教授が呼びかけた。
セミナーでは、「専門職の倫理とは」との総論から、
各種指針、臨床試験の審査体制、手続きなど実践的な内容が説明。
03年から、医学部での臨床研究に携わるすべての医師や研究者に受講が義務化。
2年間有効の受講証が発行され、受講証がないと研究申請できない。
同大大学院修士課程の根本努さんは、
「自分の研究を倫理という視点から見ることで、気付かなかった点も発見できた」。
臨床研究には、倫理面からのチェックが欠かせない。
だが、その仕組みを理解し、倫理的な判断ができる人材は限られる。
赤林教授は04年、東大に医療倫理人材養成ユニットを設立。
「どんな研究でも、人に応用する段階はくる。
身体上のリスク、個人情報の取り扱いなど問題は多い。
倫理委員会がきちんと働かないと、医療は先に進まない」。
実験室で最先端の研究に挑む研究者と、倫理問題を検討する研究者を
隔てる「垣根」が、生命科学分野での研究倫理の醸成をさまたげているのでは?
そんな疑問を抱いた双方の立場の研究者が、声明文を発表。
「社会との共生を実現し研究を進めるには、
倫理的・法的・社会的観点など多面的な視点からの検討と配慮が不可欠。
自然科学と人文・社会科学が協働し、さまざまな立場の人と研究者が
協働する共通のプラットフォームを構築すべきだ」
科学技術振興機構社会技術研究開発センターが、
9人の研究者(生物学、脳機能研究、科学コミュニケーションなど)に
呼びかけ、声明が策定。
取りまとめ役の札野順・金沢工業大科学技術応用倫理研究所長は、
「自然科学の研究現場は多忙で、倫理を考える余裕がない。
一方、倫理の研究者は現場を知らない。
両者が同じ土俵で語り、問題を抽出し、解決へ導く取り組みが必要。
英国では科学者育成の初期から、倫理への配慮を学ばせている。
日本も人材育成に倫理面を取り入れ、その人材が活躍できる場を整備すべき」。
科学の発展は、私たちの暮らしを豊かにした一方、
最先端の科学は市民の手を離れ「ブラックボックス化」。
命に直接かかわる生命科学や医療の進歩は、社会の価値観をも揺るがす。
研究者には社会と向き合い、自らを律する規範も求められている。
そのような研究者を育てる取り組みは、緒に就いたばかり。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2007/11/25/20071125ddm016040068000c.html
「これで、皆さんは晴れて研究の申請ができる。
ぜひ、社会から信頼される研究をしてほしい」。
東京大で開かれた研究倫理セミナーにて、
医学部倫理委員長を務める赤林朗・大学院医学系研究科教授が呼びかけた。
セミナーでは、「専門職の倫理とは」との総論から、
各種指針、臨床試験の審査体制、手続きなど実践的な内容が説明。
03年から、医学部での臨床研究に携わるすべての医師や研究者に受講が義務化。
2年間有効の受講証が発行され、受講証がないと研究申請できない。
同大大学院修士課程の根本努さんは、
「自分の研究を倫理という視点から見ることで、気付かなかった点も発見できた」。
臨床研究には、倫理面からのチェックが欠かせない。
だが、その仕組みを理解し、倫理的な判断ができる人材は限られる。
赤林教授は04年、東大に医療倫理人材養成ユニットを設立。
「どんな研究でも、人に応用する段階はくる。
身体上のリスク、個人情報の取り扱いなど問題は多い。
倫理委員会がきちんと働かないと、医療は先に進まない」。
実験室で最先端の研究に挑む研究者と、倫理問題を検討する研究者を
隔てる「垣根」が、生命科学分野での研究倫理の醸成をさまたげているのでは?
そんな疑問を抱いた双方の立場の研究者が、声明文を発表。
「社会との共生を実現し研究を進めるには、
倫理的・法的・社会的観点など多面的な視点からの検討と配慮が不可欠。
自然科学と人文・社会科学が協働し、さまざまな立場の人と研究者が
協働する共通のプラットフォームを構築すべきだ」
科学技術振興機構社会技術研究開発センターが、
9人の研究者(生物学、脳機能研究、科学コミュニケーションなど)に
呼びかけ、声明が策定。
取りまとめ役の札野順・金沢工業大科学技術応用倫理研究所長は、
「自然科学の研究現場は多忙で、倫理を考える余裕がない。
一方、倫理の研究者は現場を知らない。
両者が同じ土俵で語り、問題を抽出し、解決へ導く取り組みが必要。
英国では科学者育成の初期から、倫理への配慮を学ばせている。
日本も人材育成に倫理面を取り入れ、その人材が活躍できる場を整備すべき」。
科学の発展は、私たちの暮らしを豊かにした一方、
最先端の科学は市民の手を離れ「ブラックボックス化」。
命に直接かかわる生命科学や医療の進歩は、社会の価値観をも揺るがす。
研究者には社会と向き合い、自らを律する規範も求められている。
そのような研究者を育てる取り組みは、緒に就いたばかり。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2007/11/25/20071125ddm016040068000c.html
アルツハイマー:アミロイド斑の関連物質発見 福島医大
(毎日 12月8日)
アルツハイマー病の原因とされるアミロイド斑(老人斑)を
生じさせる「βセクレターゼ」の活性が、
脳細胞から分泌される「シアロ糖たんぱく質」と関連していることを、
福島県立医科大の橋本康弘教授(生化学)らが発表。
シアロ糖たんぱく質が、アルツハイマー病の早期発見の目安になると期待。
アミロイド斑は、神経毒性の「Aβペプチド」が沈着して生じる。
沈着を引き起こす「βセクレターゼ」の活性度測定が、
アルツハイマー病診断につながることは分かっていた。
しかし、βセクレターゼの活性度の測定は困難。
研究チームは、βセクレターゼが活性化すると、
シアロ糖たんぱく質も増えることをマウス実験で確認。
将来、脳せきずい液でシアロ糖たんぱく質の増加量を測定し、
診断に応用できるという。
βセクレターゼの活性化を防げば、アルツハイマー病の予防につながる。
橋本教授は、「早期発見により、アルツハイマー病の進行を
遅らせることができる。将来的には早期診断と特効薬で、
アルツハイマー病が治るようになるのではないか」。
http://mainichi.jp/select/science/news/20071208k0000m040093000c.html
アルツハイマー病の原因とされるアミロイド斑(老人斑)を
生じさせる「βセクレターゼ」の活性が、
脳細胞から分泌される「シアロ糖たんぱく質」と関連していることを、
福島県立医科大の橋本康弘教授(生化学)らが発表。
シアロ糖たんぱく質が、アルツハイマー病の早期発見の目安になると期待。
アミロイド斑は、神経毒性の「Aβペプチド」が沈着して生じる。
沈着を引き起こす「βセクレターゼ」の活性度測定が、
アルツハイマー病診断につながることは分かっていた。
しかし、βセクレターゼの活性度の測定は困難。
研究チームは、βセクレターゼが活性化すると、
シアロ糖たんぱく質も増えることをマウス実験で確認。
将来、脳せきずい液でシアロ糖たんぱく質の増加量を測定し、
診断に応用できるという。
βセクレターゼの活性化を防げば、アルツハイマー病の予防につながる。
橋本教授は、「早期発見により、アルツハイマー病の進行を
遅らせることができる。将来的には早期診断と特効薬で、
アルツハイマー病が治るようになるのではないか」。
http://mainichi.jp/select/science/news/20071208k0000m040093000c.html
2007年12月8日土曜日
TH2細胞の活性化とアレルギー性気道疾患の発現に不可欠なTRAILとCCL20との関連
(nature medicine 11月号Vol.13 No.11 / P.1308 - 1315)
2型ヘルパーT(TH2)リンパ球が仲介する免疫応答で、
腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)の
担う役割は明らかになっていない。
本論文では、TRAIL欠損(Tnfsf10-/-)マウスとTRAILを標的とする
短鎖干渉RNAに暴露したマウスを使って、
アレルギー性気道疾患発症の特徴を明らかにする。
TRAILは、アレルギーマウスの気道上皮に大量に発現していること、
そのシグナル伝達を抑制すると、ケモカインCCL20の産生と
骨髄性樹状細胞およびCCR6とCD4を発現するT細胞の
気道へのホーミングが低下することがわかった。
ホーミングの低下により、TH2サイトカインの放出、炎症、気道過敏性
および転写活性化因子STAT6の発現が制限される。
Tnfsf10-/- マウスでは、インターロイキン13によるSTAT6の
活性化によって気道過敏性が復活する。
組換え型TRAILは、喘息の発症徴候を誘発し、
またヒト気管支上皮初代培養細胞でCCL20の産生を促進する。
TRAILはまた、喘息患者の痰でも増加。
気道上皮におけるTRAILの機能から、
この分子は喘息治療の標的であることが示される。
[原文]Critical link between TRAIL and CCL20 for the activation of TH2 cells and the expression of allergic airway disease
Markus Weckmann1, Adam Collison2, Jodie L Simpson2,3, Matthias V Kopp1, Peter A B Wark2,3, Mark J Smyth4, Hideo Yagita5, Klaus I Matthaei6, Nicole Hansbro2, Bruce Whitehead7, Peter G Gibson2,3, Paul S Foster2,6 & Joerg Mattes1,2,7
1 Department of Paediatrics and Adolescent Medicine, Albert Ludwigs University Freiburg, 79106 Freiburg, Germany.
2 Centre for Asthma and Respiratory Diseases (CARD), School of Biomedical Science, Faculty of Health, University of Newcastle and Hunter Medical Research Institute, Newcastle 2301, Australia.
3 Department of Respiratory and Sleep Medicine, Hunter Medical Research Institute, Newcastle 2305, New South Wales, Australia.
4 Cancer Immunology Program, Peter MacCallum Cancer Centre, East Melbourne 3002, Australia.
5 Department of Immunology, Juntendo University School of Medicine, 113-8421 Tokyo, Japan.
6 Division of Molecular Biosciences, John Curtin School of Medical Research, Australian National University, Canberra 2601, Australia.
7 Paediatric Respiratory and Sleep Medicine, Department of Paediatrics, John Hunter Children's Hospital, Newcastle 2305, Australia.
The role of tumor necrosis factor?related apoptosis-inducing ligand (TRAIL) in immune responses mediated by T-helper 2 (TH2) lymphocytes is unknown. Here we characterize the development of allergic airway disease in TRAIL-deficient (Tnfsf10-/-) mice and in mice exposed to short interfering RNA targeting TRAIL. We show that TRAIL is abundantly expressed in the airway epithelium of allergic mice and that inhibition of signaling impairs production of the chemokine CCL20 and homing of myeloid dendritic cells and T cells expressing CCR6 and CD4 to the airways. Attenuated homing limits TH2 cytokine release, inflammation, airway hyperreactivity and expression of the transcriptional activator STAT6. Activation of STAT6 by interleukin-13 restores airway hyperreactivity in Tnfsf10-/- mice. Recombinant TRAIL induces pathognomic features of asthma and stimulates the production of CCL20 in primary human bronchial epithelium cells. TRAIL is also increased in sputum of asthmatics. The function of TRAIL in the airway epithelium identifies this molecule as a target for the treatment of asthma.
http://www.m3.com/tools/MedicalLibrary/nature/200711/nature_medicine/03.html?Mg=4a9047687808fea9276ce35389724222&Eml=12b55b931cb52b4152963c77864c5aec&F=h&portalId=mailmag
2型ヘルパーT(TH2)リンパ球が仲介する免疫応答で、
腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)の
担う役割は明らかになっていない。
本論文では、TRAIL欠損(Tnfsf10-/-)マウスとTRAILを標的とする
短鎖干渉RNAに暴露したマウスを使って、
アレルギー性気道疾患発症の特徴を明らかにする。
TRAILは、アレルギーマウスの気道上皮に大量に発現していること、
そのシグナル伝達を抑制すると、ケモカインCCL20の産生と
骨髄性樹状細胞およびCCR6とCD4を発現するT細胞の
気道へのホーミングが低下することがわかった。
ホーミングの低下により、TH2サイトカインの放出、炎症、気道過敏性
および転写活性化因子STAT6の発現が制限される。
Tnfsf10-/- マウスでは、インターロイキン13によるSTAT6の
活性化によって気道過敏性が復活する。
組換え型TRAILは、喘息の発症徴候を誘発し、
またヒト気管支上皮初代培養細胞でCCL20の産生を促進する。
TRAILはまた、喘息患者の痰でも増加。
気道上皮におけるTRAILの機能から、
この分子は喘息治療の標的であることが示される。
[原文]Critical link between TRAIL and CCL20 for the activation of TH2 cells and the expression of allergic airway disease
Markus Weckmann1, Adam Collison2, Jodie L Simpson2,3, Matthias V Kopp1, Peter A B Wark2,3, Mark J Smyth4, Hideo Yagita5, Klaus I Matthaei6, Nicole Hansbro2, Bruce Whitehead7, Peter G Gibson2,3, Paul S Foster2,6 & Joerg Mattes1,2,7
1 Department of Paediatrics and Adolescent Medicine, Albert Ludwigs University Freiburg, 79106 Freiburg, Germany.
2 Centre for Asthma and Respiratory Diseases (CARD), School of Biomedical Science, Faculty of Health, University of Newcastle and Hunter Medical Research Institute, Newcastle 2301, Australia.
3 Department of Respiratory and Sleep Medicine, Hunter Medical Research Institute, Newcastle 2305, New South Wales, Australia.
4 Cancer Immunology Program, Peter MacCallum Cancer Centre, East Melbourne 3002, Australia.
5 Department of Immunology, Juntendo University School of Medicine, 113-8421 Tokyo, Japan.
6 Division of Molecular Biosciences, John Curtin School of Medical Research, Australian National University, Canberra 2601, Australia.
7 Paediatric Respiratory and Sleep Medicine, Department of Paediatrics, John Hunter Children's Hospital, Newcastle 2305, Australia.
The role of tumor necrosis factor?related apoptosis-inducing ligand (TRAIL) in immune responses mediated by T-helper 2 (TH2) lymphocytes is unknown. Here we characterize the development of allergic airway disease in TRAIL-deficient (Tnfsf10-/-) mice and in mice exposed to short interfering RNA targeting TRAIL. We show that TRAIL is abundantly expressed in the airway epithelium of allergic mice and that inhibition of signaling impairs production of the chemokine CCL20 and homing of myeloid dendritic cells and T cells expressing CCR6 and CD4 to the airways. Attenuated homing limits TH2 cytokine release, inflammation, airway hyperreactivity and expression of the transcriptional activator STAT6. Activation of STAT6 by interleukin-13 restores airway hyperreactivity in Tnfsf10-/- mice. Recombinant TRAIL induces pathognomic features of asthma and stimulates the production of CCL20 in primary human bronchial epithelium cells. TRAIL is also increased in sputum of asthmatics. The function of TRAIL in the airway epithelium identifies this molecule as a target for the treatment of asthma.
http://www.m3.com/tools/MedicalLibrary/nature/200711/nature_medicine/03.html?Mg=4a9047687808fea9276ce35389724222&Eml=12b55b931cb52b4152963c77864c5aec&F=h&portalId=mailmag
理系白書’07:第3部・科学者の倫理とは/4 相次ぐ論文不正疑惑
(毎日 11月18日)
「そうそうたるメンバーが一堂に会し、熱い議論が交わされた」、
「今後のRNA(リボ核酸)分野の広がりを感じさせる素晴らしい1週間」。
米国・キーストンで05年1月に開かれ、数百人が参加した国際シンポジウム。
多比良和誠・東京大大学院教授(当時)は、専門誌で会場の様子をこう記した。
皮肉にもこのシンポジウムが、多比良氏に対する論文不正疑惑の発端に。
多比良氏は、前年に英科学誌「ネイチャー」に、
短い2本鎖RNAをヒトの細胞に入れると、
核の中で遺伝子の働きを抑制できたとする論文(後に取り下げ)を発表。
一方、ほぼ同時期に米国の研究者が異なる手法で同じ結果を出した論文を発表。
両者が招かれ、それぞれの論文をテーマに講演するはずだった。
多比良氏は、論文の核心には踏み込まず、具体的なデータも示さなかった。
外国の研究者から、「論文の手法では核内にRNAを導入できず、
うまくいかないはずだ」など批判的な質問が相次いでも、
多比良氏は明確に答えなかった。
「お茶を濁すような対応で、会場が騒然となった」。
日本RNA学会は05年4月、多比良氏の論文12本を検証するよう東京大に求めた。
4本を調査した東京大は06年3月、「信頼性はない」と結論を下した。
根拠となる実験ノートや生データは存在せず、実験結果を再現できなかった。
捏造などは確認できなかったが、大学は06年12月、
「科学の発展を脅かし、大学の名誉を傷つけた」などとして、
多比良氏と実験を担当した川崎広明助手(当時)を懲戒解雇。
多比良氏は、処分について「『再現性のない論文』とまでは断定できず、
過去の処分事例と比較しても重すぎる」と主張。
大学に教授職の地位確認などを求め、東京地裁で係争中。
調査委員長を務めた松本洋一郎・同大学院工学系研究科長は、
「生データや実験ノートがなく、正しさを説明できないこと自体が
科学の世界では“不正”だ」。
近年、東京大や大阪大、早稲田大など日本を代表する大学で、
研究者の論文不正疑惑が相次いで発覚。
だが、科学の世界では、意図的でないミスで
間違った結論を導いてしまうことも少なくない。
不正かどうかの認定は容易ではない。
「ミス」と「不正」をどう見分けるか?
専門分野が細分化した現在、その役割を果たすことが期待されているのは、
各分野の専門家集団である学会。
しかし、06年の日本学術会議の調査によると、回答した国内610学会のうち、
倫理綱領を策定していたのは93学会(策定中を含む)、
倫理に関する常設委員会を持っていたのは74学会。
日本分子生物学会は昨年12月、研究倫理委員会を発足。
きっかけは、杉野明雄・元大阪大教授が昨年、
染色体の複製に関する論文でデータを捏造したとして受けた懲戒解雇処分。
倫理委は現在、杉野氏の論文を過去にさかのぼって検証。
一研究者の業績を、学会がここまで徹底的に洗い直すことは極めて珍しい。
委員会設置を決めた前会長の花岡文雄・大阪大教授は、
「日本の学会には、仲間の批判を躊躇する雰囲気があり、
取り組みが遅れた。だが、科学が間違った方向へ行ったのなら、
その分野を一番理解している専門家が正さなければならない。
捏造の背景や、見過ごされてきた原因も含めて明らかにする責任がある」。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2007/11/18/20071118ddm016040148000c.html
「そうそうたるメンバーが一堂に会し、熱い議論が交わされた」、
「今後のRNA(リボ核酸)分野の広がりを感じさせる素晴らしい1週間」。
米国・キーストンで05年1月に開かれ、数百人が参加した国際シンポジウム。
多比良和誠・東京大大学院教授(当時)は、専門誌で会場の様子をこう記した。
皮肉にもこのシンポジウムが、多比良氏に対する論文不正疑惑の発端に。
多比良氏は、前年に英科学誌「ネイチャー」に、
短い2本鎖RNAをヒトの細胞に入れると、
核の中で遺伝子の働きを抑制できたとする論文(後に取り下げ)を発表。
一方、ほぼ同時期に米国の研究者が異なる手法で同じ結果を出した論文を発表。
両者が招かれ、それぞれの論文をテーマに講演するはずだった。
多比良氏は、論文の核心には踏み込まず、具体的なデータも示さなかった。
外国の研究者から、「論文の手法では核内にRNAを導入できず、
うまくいかないはずだ」など批判的な質問が相次いでも、
多比良氏は明確に答えなかった。
「お茶を濁すような対応で、会場が騒然となった」。
日本RNA学会は05年4月、多比良氏の論文12本を検証するよう東京大に求めた。
4本を調査した東京大は06年3月、「信頼性はない」と結論を下した。
根拠となる実験ノートや生データは存在せず、実験結果を再現できなかった。
捏造などは確認できなかったが、大学は06年12月、
「科学の発展を脅かし、大学の名誉を傷つけた」などとして、
多比良氏と実験を担当した川崎広明助手(当時)を懲戒解雇。
多比良氏は、処分について「『再現性のない論文』とまでは断定できず、
過去の処分事例と比較しても重すぎる」と主張。
大学に教授職の地位確認などを求め、東京地裁で係争中。
調査委員長を務めた松本洋一郎・同大学院工学系研究科長は、
「生データや実験ノートがなく、正しさを説明できないこと自体が
科学の世界では“不正”だ」。
近年、東京大や大阪大、早稲田大など日本を代表する大学で、
研究者の論文不正疑惑が相次いで発覚。
だが、科学の世界では、意図的でないミスで
間違った結論を導いてしまうことも少なくない。
不正かどうかの認定は容易ではない。
「ミス」と「不正」をどう見分けるか?
専門分野が細分化した現在、その役割を果たすことが期待されているのは、
各分野の専門家集団である学会。
しかし、06年の日本学術会議の調査によると、回答した国内610学会のうち、
倫理綱領を策定していたのは93学会(策定中を含む)、
倫理に関する常設委員会を持っていたのは74学会。
日本分子生物学会は昨年12月、研究倫理委員会を発足。
きっかけは、杉野明雄・元大阪大教授が昨年、
染色体の複製に関する論文でデータを捏造したとして受けた懲戒解雇処分。
倫理委は現在、杉野氏の論文を過去にさかのぼって検証。
一研究者の業績を、学会がここまで徹底的に洗い直すことは極めて珍しい。
委員会設置を決めた前会長の花岡文雄・大阪大教授は、
「日本の学会には、仲間の批判を躊躇する雰囲気があり、
取り組みが遅れた。だが、科学が間違った方向へ行ったのなら、
その分野を一番理解している専門家が正さなければならない。
捏造の背景や、見過ごされてきた原因も含めて明らかにする責任がある」。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2007/11/18/20071118ddm016040148000c.html
井口、医療機器を寄贈 ダイエー時代から慈善活動
(共同通信社 2007年12月5日)
米大リーグ、フィリーズからフリーエージェント(FA)となった
井口資仁内野手が、老人福祉施設へ
自動体外式除細動器(AED)などを寄贈。
14日に北海道・洞爺湖町の社会福祉法人「幸清会」の施設を訪問し、
AED1台のほか、車いす3台を贈る。
井口は、ダイエー(現ソフトバンク)に入団した1997年から車いすの寄贈や、
盲導犬育成のための寄付など積極的にチャリティー活動を行ってきた。
今回の寄贈について、同選手は、
「野球でも、AEDがあれば助かっていたという痛ましい事故も起きている。
少しでも多くの命が救えれば」。
AEDは、心臓の拍動がリズムを失い、全身に血液が送り出せなくなった
患者に、電気ショックを与え心拍を正常に戻す医療機器。
心臓突然死から患者を救う装置として期待。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=63540
米大リーグ、フィリーズからフリーエージェント(FA)となった
井口資仁内野手が、老人福祉施設へ
自動体外式除細動器(AED)などを寄贈。
14日に北海道・洞爺湖町の社会福祉法人「幸清会」の施設を訪問し、
AED1台のほか、車いす3台を贈る。
井口は、ダイエー(現ソフトバンク)に入団した1997年から車いすの寄贈や、
盲導犬育成のための寄付など積極的にチャリティー活動を行ってきた。
今回の寄贈について、同選手は、
「野球でも、AEDがあれば助かっていたという痛ましい事故も起きている。
少しでも多くの命が救えれば」。
AEDは、心臓の拍動がリズムを失い、全身に血液が送り出せなくなった
患者に、電気ショックを与え心拍を正常に戻す医療機器。
心臓突然死から患者を救う装置として期待。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=63540
2007年12月7日金曜日
万能細胞の安全性向上 がん遺伝子なしで成功
(共同通信社 2007年12月3日)
人の皮膚から、さまざまな細胞に成長できる万能性をもつ
「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を、世界で初めてつくった
京都大再生医科学研究所の山中伸弥教授らが、作製法を改良し、
より安全なiPS細胞を得ることに成功。
これまで、がん遺伝子を含む4つの遺伝子を皮膚細胞に組み込んでいたが、
がん遺伝子を除く3つの遺伝子でもできることを確認。
人体に有害な恐れがあるウイルスは依然として使っているが、
安全性をめぐる問題の1つが解決でき、
傷んだ組織を修復する再生医療の実用に向け前進。
山中教授は、「ゴールは先だが、一歩一歩着実に前進している」。
今後は、細胞作製の効率をいかに向上させるかが課題。
成人女性の顔から採った皮膚とマウスの皮膚で、それぞれiPS細胞をつくった。
マウス実験によると、3つの遺伝子を組み込む改良法では、
iPS細胞ができるまでの日数が2-3週間と、従来法の倍以上かかり、
細胞の量も大幅に少なかった。
がんの危険性を比較するため、従来法と改良法でつくったマウスのiPS細胞を、
それぞれ別の受精卵の中に入れ、赤ちゃんマウスを誕生。
がん遺伝子入り細胞を持つマウスは、37匹のうち6匹(16%)ががんになり、
生まれて100日以内に死んだが、がん遺伝子なしの26匹は、
同期間内に1匹も死なず、安全性がより高いことが確認。
--------------------------------
人工多能性幹細胞(iPS細胞)
既に役割が定まった体細胞に遺伝子操作を加えて、万能性がある
胚性幹細胞(ES細胞)のように多様な細胞に成長できる能力を持たせた細胞。
山中伸弥・京都大教授らが2006年、世界で初めてマウスの皮膚細胞から作製。
人の皮膚からの作製には、山中教授と米ウィスコンシン大チームが
07年11月、同時に成功。
ES細胞と違い、育てば赤ちゃんになる受精卵(胚)を材料にするという
倫理問題を回避できるのが最大の利点で、
再生医療研究を大きく加速する成果として注目。
--------------------------------
【解説】
人工多能性幹細胞(iPS細胞)は、治療に使うには安全面で2つの難題。
1つが、「がん遺伝子」を組み込んでいること。
今回の成功でこの点はひとまず解決したため、
再生医療の実用化に向け、大きく前進。
残る難題は、遺伝子の導入に「レトロウイルス」と呼ばれる、
発がんの危険が否定できないウイルスを使っていること。
ある専門家は「特定の遺伝子の除去よりこちらの方が難しい」。
解決にはかなりの時間がかかるとの見方も。
この研究は、iPS細胞づくりと並行して進められ、
初の作製成功の発表からわずか10日ほどでの成果。
研究競争の激しさを強く印象。
競争はさらに激化し、日本発の技術を適正に推進する方策が求められる。
------------------------------
山中伸弥・京都大学教授
「20年近く研究をやってきて、初めて人の役に立つかもしれないと思えた。
ゴールはまだ遠いが、山頂は見えた」。
1987年、神戸大医学部を卒業。
研修医時代にリウマチの重症患者に触れたことなどから、基礎研究の世界に。
奈良先端科学技術大学院大で、受精卵を壊してつくる
胚性幹細胞(ES細胞)と異なる道を探り始めた。
きっかけの1つを、「約10年前に人の受精卵を顕微鏡で見た時。
受精卵は、子どもに育つ可能性がある。小さかった娘2人の姿と重なった。
ほかに道があるなら受精卵を使いたくないと思った」
マウスで成功して1年あまり。
試行錯誤して、人の万能細胞に必要な遺伝子を突き止めた。
「実験に取り組んだスタッフが頑張った。
成功した時に浮かんだのは、『すごいな、おまえら』の言葉」
と約20人の研究室スタッフをねぎらう。
世界的な競争が激化する研究分野。
複数の大学教授がチームで協力する欧米を「駅伝」、
個人技が主体の日本を「マラソン」に例える。
「臨床応用に向けて、日本も研究者同士の壁を取り除く必要がある」。
気晴らしは、大学周辺のジョギング。
「けがをしない保証があれば、学生時代のように柔道とラグビーをやりたい」
大阪府出身。45歳。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=63297
人の皮膚から、さまざまな細胞に成長できる万能性をもつ
「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を、世界で初めてつくった
京都大再生医科学研究所の山中伸弥教授らが、作製法を改良し、
より安全なiPS細胞を得ることに成功。
これまで、がん遺伝子を含む4つの遺伝子を皮膚細胞に組み込んでいたが、
がん遺伝子を除く3つの遺伝子でもできることを確認。
人体に有害な恐れがあるウイルスは依然として使っているが、
安全性をめぐる問題の1つが解決でき、
傷んだ組織を修復する再生医療の実用に向け前進。
山中教授は、「ゴールは先だが、一歩一歩着実に前進している」。
今後は、細胞作製の効率をいかに向上させるかが課題。
成人女性の顔から採った皮膚とマウスの皮膚で、それぞれiPS細胞をつくった。
マウス実験によると、3つの遺伝子を組み込む改良法では、
iPS細胞ができるまでの日数が2-3週間と、従来法の倍以上かかり、
細胞の量も大幅に少なかった。
がんの危険性を比較するため、従来法と改良法でつくったマウスのiPS細胞を、
それぞれ別の受精卵の中に入れ、赤ちゃんマウスを誕生。
がん遺伝子入り細胞を持つマウスは、37匹のうち6匹(16%)ががんになり、
生まれて100日以内に死んだが、がん遺伝子なしの26匹は、
同期間内に1匹も死なず、安全性がより高いことが確認。
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人工多能性幹細胞(iPS細胞)
既に役割が定まった体細胞に遺伝子操作を加えて、万能性がある
胚性幹細胞(ES細胞)のように多様な細胞に成長できる能力を持たせた細胞。
山中伸弥・京都大教授らが2006年、世界で初めてマウスの皮膚細胞から作製。
人の皮膚からの作製には、山中教授と米ウィスコンシン大チームが
07年11月、同時に成功。
ES細胞と違い、育てば赤ちゃんになる受精卵(胚)を材料にするという
倫理問題を回避できるのが最大の利点で、
再生医療研究を大きく加速する成果として注目。
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【解説】
人工多能性幹細胞(iPS細胞)は、治療に使うには安全面で2つの難題。
1つが、「がん遺伝子」を組み込んでいること。
今回の成功でこの点はひとまず解決したため、
再生医療の実用化に向け、大きく前進。
残る難題は、遺伝子の導入に「レトロウイルス」と呼ばれる、
発がんの危険が否定できないウイルスを使っていること。
ある専門家は「特定の遺伝子の除去よりこちらの方が難しい」。
解決にはかなりの時間がかかるとの見方も。
この研究は、iPS細胞づくりと並行して進められ、
初の作製成功の発表からわずか10日ほどでの成果。
研究競争の激しさを強く印象。
競争はさらに激化し、日本発の技術を適正に推進する方策が求められる。
------------------------------
山中伸弥・京都大学教授
「20年近く研究をやってきて、初めて人の役に立つかもしれないと思えた。
ゴールはまだ遠いが、山頂は見えた」。
1987年、神戸大医学部を卒業。
研修医時代にリウマチの重症患者に触れたことなどから、基礎研究の世界に。
奈良先端科学技術大学院大で、受精卵を壊してつくる
胚性幹細胞(ES細胞)と異なる道を探り始めた。
きっかけの1つを、「約10年前に人の受精卵を顕微鏡で見た時。
受精卵は、子どもに育つ可能性がある。小さかった娘2人の姿と重なった。
ほかに道があるなら受精卵を使いたくないと思った」
マウスで成功して1年あまり。
試行錯誤して、人の万能細胞に必要な遺伝子を突き止めた。
「実験に取り組んだスタッフが頑張った。
成功した時に浮かんだのは、『すごいな、おまえら』の言葉」
と約20人の研究室スタッフをねぎらう。
世界的な競争が激化する研究分野。
複数の大学教授がチームで協力する欧米を「駅伝」、
個人技が主体の日本を「マラソン」に例える。
「臨床応用に向けて、日本も研究者同士の壁を取り除く必要がある」。
気晴らしは、大学周辺のジョギング。
「けがをしない保証があれば、学生時代のように柔道とラグビーをやりたい」
大阪府出身。45歳。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=63297
理系白書’07:第3部・科学者の倫理とは/3 アカデミック・ハラスメント
(毎日 11月11日)
応用物理学を専攻する国立大准教授の40代男性は
最近、ようやく体調が戻りつつある。
以前は研究室に来て、上着をハンガーにかけるのも、おっくうだった。
前に在籍した大学で、教授から嫌がらせを受け、うつ状態になったため。
企業研究者だったとき、大学院時代に知り合った教授から
「別の大学に移る。どうしても一緒に来てほしい」と請われ、誘いを受けた。
助手として赴任した初日、勤務時間を尋ねると、教授は、
「ここは企業とは違う。勤務時間だけ働けばいいと思ったら大間違いだ」と、
いきなり怒鳴りつけられた。
以来、学生の前で、たびたび怒鳴られた。
独力で論文を書き上げたある日。
研究室の外の廊下で教授から、
「場所代だから、著者名に(教授の名前を)入れるのは当然だろう」。
反論を許さない口調に、しぶしぶ応じたものの不満だった。
論文内容に関する議論など、教授とはまったくなかった。
教授は、男性が親しくしていた学生らにも、いいがかりをつけ攻撃する。
男性は、学生との接触を避けた。
精神的な圧迫感で研究どころではなく、通院するようになった。
「大学は研究室単位で動いており、
予算と人事権を握る教授は中小企業の社長のようなもの。
研究室の問題は、外の人が口出しできない」。
この教授は取材に対し、「コメントできない」などと話している。
アカデミック・ハラスメント(アカハラ)とは、
「教育・研究現場での権力を利用した嫌がらせ」。
多くの論文を書くことは、科学者の業績や評価につながる。
研究に関与しなくても、共著者として論文に名前が載れば、成果とみなされる。
共著者を強要し、研究成果を横取りするのは、アカハラの典型例。
NPO法人「アカデミック・ハラスメントをなくすネットワーク」代表理事の
御輿久美子・奈良県立医科大助教らがまとめた
准教授、講師、助教を対象にしたアンケート(回答者931人)によると、
研究論文の作成で、1割が
「上司に論文の筆頭著者(ファースト・オーサー)をとられたことがある」。
筆頭著者を他の人に譲るように強要されたという回答も1割近く。
「上司から、実験データの改ざんや捏造を強要された」という教員もおり、
権力関係が論文捏造の背景に。
「自分で取った研究費が、教授の研究費として使われてしまう」、
「任期付きの職のため、次のポストを探さなければならないが、
上司に推薦状を書いてもらえない」という訴えも。
同ネットワークには1年間で、約1200件の相談が全国から寄せられた。
御輿さんは、最近の成果主義やプロジェクトの大型化が、
アカハラを誘発しやすくしているのではないかと懸念。
多額の公的研究費を受ける研究室からの相談が目立っている。
御輿さんは、「多額の資金を得れば、それに見合う成果が求められ、
若手研究者や大学院生は、上から決められた仕事を長時間強いられる。
思うようなデータが出ないと、辞めろと叱責される。
こうした環境では、アカハラが連鎖的に拡大しかねず、
捏造などの不正を招くかもしれない。悪循環だ」。
過去に所属した研究機関でアカハラを受けたと公表している
若山信子さん(65)=茨城県つくば市=は、
「被害者は、自分に落ち度があるのではないかと感じ、泣き寝入り。
こじれる前に、解決できる身近な相談場所が必要」。
セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)に続き、
アカハラの相談窓口をつくる大学が増えてきた。
アカハラ訴訟を担当してきた若林実弁護士(第2東京弁護士会)は、
「大学に相談体制があっても、申し立てることによって
2次的な嫌がらせを受けたり、研究がストップしてしまうなど、
被害者は不利な状況に置かれがち。
身内をかばい、隠ぺいとみられるケースもあり、自浄能力が十分でない」。
-----------------------------------------------
<大学などがアカハラを認めた最近の主な例>
07年10月:大阪市立大教授が、博士論文の指導をしていた大学院生に対し、
一方的に学生指導の補佐から外す。停職3カ月。
07年6月:広島工業大准教授が、国の研究費を不正使用。
卒論作成時期の学生を学外調査に動員。停職6カ月。准教授は依願退職
06年1月:福岡県立大教員3人が、教授による研究や授業妨害、退職強要が
あったとして、人権救済を申し立てた。
福岡法務局が人権侵害を一部認め、教授に反省を促す措置
05年7月:山口大助教授が、学生にプリンターのトナー代を要求し、
研究員からは給料の10%を出すように強要。戒告処分
05年6月:九州大助教授が、大学院生に理不尽な叱責や
長時間の説教を繰り返した。戒告処分
05年6月:岡山大教授が、学生に自分の実験データ解釈を強制しようとして
恐怖や不安を与えた。学生のデータをもとに了承を得ず、
共著で論文を発表しようとした。減給処分
04年11月:九州大教授が、20年以上にわたり大学院生の自宅に
電話し専攻の変更を迫った。セクハラ行為も。諭旨免職
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2007/11/11/20071111ddm016040078000c.html
応用物理学を専攻する国立大准教授の40代男性は
最近、ようやく体調が戻りつつある。
以前は研究室に来て、上着をハンガーにかけるのも、おっくうだった。
前に在籍した大学で、教授から嫌がらせを受け、うつ状態になったため。
企業研究者だったとき、大学院時代に知り合った教授から
「別の大学に移る。どうしても一緒に来てほしい」と請われ、誘いを受けた。
助手として赴任した初日、勤務時間を尋ねると、教授は、
「ここは企業とは違う。勤務時間だけ働けばいいと思ったら大間違いだ」と、
いきなり怒鳴りつけられた。
以来、学生の前で、たびたび怒鳴られた。
独力で論文を書き上げたある日。
研究室の外の廊下で教授から、
「場所代だから、著者名に(教授の名前を)入れるのは当然だろう」。
反論を許さない口調に、しぶしぶ応じたものの不満だった。
論文内容に関する議論など、教授とはまったくなかった。
教授は、男性が親しくしていた学生らにも、いいがかりをつけ攻撃する。
男性は、学生との接触を避けた。
精神的な圧迫感で研究どころではなく、通院するようになった。
「大学は研究室単位で動いており、
予算と人事権を握る教授は中小企業の社長のようなもの。
研究室の問題は、外の人が口出しできない」。
この教授は取材に対し、「コメントできない」などと話している。
アカデミック・ハラスメント(アカハラ)とは、
「教育・研究現場での権力を利用した嫌がらせ」。
多くの論文を書くことは、科学者の業績や評価につながる。
研究に関与しなくても、共著者として論文に名前が載れば、成果とみなされる。
共著者を強要し、研究成果を横取りするのは、アカハラの典型例。
NPO法人「アカデミック・ハラスメントをなくすネットワーク」代表理事の
御輿久美子・奈良県立医科大助教らがまとめた
准教授、講師、助教を対象にしたアンケート(回答者931人)によると、
研究論文の作成で、1割が
「上司に論文の筆頭著者(ファースト・オーサー)をとられたことがある」。
筆頭著者を他の人に譲るように強要されたという回答も1割近く。
「上司から、実験データの改ざんや捏造を強要された」という教員もおり、
権力関係が論文捏造の背景に。
「自分で取った研究費が、教授の研究費として使われてしまう」、
「任期付きの職のため、次のポストを探さなければならないが、
上司に推薦状を書いてもらえない」という訴えも。
同ネットワークには1年間で、約1200件の相談が全国から寄せられた。
御輿さんは、最近の成果主義やプロジェクトの大型化が、
アカハラを誘発しやすくしているのではないかと懸念。
多額の公的研究費を受ける研究室からの相談が目立っている。
御輿さんは、「多額の資金を得れば、それに見合う成果が求められ、
若手研究者や大学院生は、上から決められた仕事を長時間強いられる。
思うようなデータが出ないと、辞めろと叱責される。
こうした環境では、アカハラが連鎖的に拡大しかねず、
捏造などの不正を招くかもしれない。悪循環だ」。
過去に所属した研究機関でアカハラを受けたと公表している
若山信子さん(65)=茨城県つくば市=は、
「被害者は、自分に落ち度があるのではないかと感じ、泣き寝入り。
こじれる前に、解決できる身近な相談場所が必要」。
セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)に続き、
アカハラの相談窓口をつくる大学が増えてきた。
アカハラ訴訟を担当してきた若林実弁護士(第2東京弁護士会)は、
「大学に相談体制があっても、申し立てることによって
2次的な嫌がらせを受けたり、研究がストップしてしまうなど、
被害者は不利な状況に置かれがち。
身内をかばい、隠ぺいとみられるケースもあり、自浄能力が十分でない」。
-----------------------------------------------
<大学などがアカハラを認めた最近の主な例>
07年10月:大阪市立大教授が、博士論文の指導をしていた大学院生に対し、
一方的に学生指導の補佐から外す。停職3カ月。
07年6月:広島工業大准教授が、国の研究費を不正使用。
卒論作成時期の学生を学外調査に動員。停職6カ月。准教授は依願退職
06年1月:福岡県立大教員3人が、教授による研究や授業妨害、退職強要が
あったとして、人権救済を申し立てた。
福岡法務局が人権侵害を一部認め、教授に反省を促す措置
05年7月:山口大助教授が、学生にプリンターのトナー代を要求し、
研究員からは給料の10%を出すように強要。戒告処分
05年6月:九州大助教授が、大学院生に理不尽な叱責や
長時間の説教を繰り返した。戒告処分
05年6月:岡山大教授が、学生に自分の実験データ解釈を強制しようとして
恐怖や不安を与えた。学生のデータをもとに了承を得ず、
共著で論文を発表しようとした。減給処分
04年11月:九州大教授が、20年以上にわたり大学院生の自宅に
電話し専攻の変更を迫った。セクハラ行為も。諭旨免職
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2007/11/11/20071111ddm016040078000c.html
2007年12月6日木曜日
理系白書’07:第3部・科学者の倫理とは/2 ロボット研究と軍事転用
(毎日 11月4日)
受話器を取ると、カタコトの日本語が聞こえてきた。
「ちょっと話を聞かせてほしい」。
数年前、筑波大の山海嘉之教授(49)の研究室にかかった1本の電話。
相手は、「某外国の軍事関係者」。
山海教授は、ロボット工学や脳神経科学、情報科学などを融合させた
「サイバニクス」の第一人者。
当時、歩いたり、物を持ち上げたりする人間の動作を補助する
ロボットスーツ「HAL」の開発に取り組んでいた。
身体障害者や高齢者、介護者の役に立ちたいという思いからの研究。
筋肉を動かそうとすると、脳から筋肉に神経を伝わって微弱な電流が流れる。
この電流を体外から読み取り、筋肉の動きを助けるように装着した機械を
動かそうと考えていた。
だが、電話を受けたのは、このアイデアをまだほとんど公にしていない時期。
「なぜ、研究内容を知っているんだろう」。
山海教授は驚いたが、
「私の技術は人間を助けるためのもの。軍事利用に興味はない」と断り、電話を切った。
似たような接触は、今でもときどきある。
米国は、軍や国防総省が積極的にロボット研究に乗り出している。
米カーネギーメロン大ロボット研究所の金出武雄教授(62)は、
「『軍関係のカネはもらわない』という研究者もいるが、少数派。
軍事というより国防という意味で、社会からの要請がある。
一番の目的は、人的被害を減らすことだ」。
国防総省の高等研究計画局(DARPA)は、
ロボットや通信、画像認識などの技術開発や基礎研究に
年間約30億ドル(3500億円)を拠出。
金出教授も、DARPAの計画に参加し、ビデオ映像から自動的に
人物の顔を認識できる技術などの開発に取り組む。
空港や駅などでテロリストを見つけるのに有効だが、
監視社会化やプライバシーの問題が懸念。
金出教授は、「あらゆる技術は、もろ刃の剣。
研究者には一市民以上の責任があり、いち早く危険性を指摘したり、
悪用されないよう手を尽くさなければならない。
だが、技術をどう使うか、何が『悪用』なのかは結局、社会が決める。
20年以上米国に住んでいるが、米社会にはその判断力がある」。
「HAL」が完成に近づいた04年、
山海教授は事業化のためベンチャー企業を設立。
技術が流出しないよう、製品はレンタル方式。
買収を防ぐため、資金は議決権のない株式だけで調達。
個人で持っていた特許は、すべて大学に寄付。
税務当局は、この特許の価値を13億円以上と査定。
「技術が社会に与える影響が大きくなり、研究のテーマそのもの、
研究の手法が問われる。考えられる限りの策を講じるのが研究者のモラル」
テレビ番組の収録で、岡山市の出身小学校を訪れた山海教授は、
児童にHALを紹介した後、1本のビデオを見せた。
ロボット兵器ともいえる米国の無人偵察機が、
地上で地雷を埋めようとしていた人間を攻撃する映像。
3人の人影が吹っ飛ぶと、子供たちは無言で息をのんだ。
「何か意見ある?」と問いかける山海教授。
「ゲームみたいに一瞬で人を殺すなんて」、
「お金のある国なら何機も作れるから、ますます強くなる」、
「ロボットを悪用する人の心には暗い世界しかない」。
山海教授は涙ぐんでうなずいた。
「HALにも同じことが言えるかもしれないんだよ」
山海教授は、この番組の収録を振り返る。
「米国の子供なら、攻撃の場面で『Cool(すごい)!』と叫ぶかもしれない。
(原爆を開発した)マンハッタン計画では、優秀な科学者がわれ先に集まった。
今の日本はまだ、技術で人をあやめることに国民がノーと言える。
その良識を失ってはならない」。
科学技術は、人々の暮らしを便利に豊かにする一方、
使い方によっては悪影響も及ぼす。
科学者や技術者は、自らが開発した技術の使われ方に、
どこまで責任を負うべきなのか?
この点が問われているのが、「ウィニー裁判」。
匿名性の高いファイル交換ソフト「ウィニー」を開発・公開した
元東京大助手の男性が、著作物の違法コピーを助長したとして
著作権法違反のほう助罪に問われ、昨年12月に有罪判決(控訴中)。
ウィニーを巡っては、音楽や映画の違法コピーやコンピューターウイルス
による情報流出が社会問題に。
男性は、「純粋に技術的な検証が目的だった」と主張したが、
判決は、「技術自体は価値中立」と認めた上で、
違法かどうかは「現実の利用状況やそれに対する認識などによる」。
利用者の多くが、著作権を侵害するであろうことを認識しながら
ウィニーを公開していたことを「独善的かつ無責任」と非難。
判決について、研究者の間で賛否が分かれる。
生殖補助医療や遺伝子操作など他の分野も含め、
研究者は、技術が社会に与える影響に無関心ではいられないことを浮き彫りに。
受話器を取ると、カタコトの日本語が聞こえてきた。
「ちょっと話を聞かせてほしい」。
数年前、筑波大の山海嘉之教授(49)の研究室にかかった1本の電話。
相手は、「某外国の軍事関係者」。
山海教授は、ロボット工学や脳神経科学、情報科学などを融合させた
「サイバニクス」の第一人者。
当時、歩いたり、物を持ち上げたりする人間の動作を補助する
ロボットスーツ「HAL」の開発に取り組んでいた。
身体障害者や高齢者、介護者の役に立ちたいという思いからの研究。
筋肉を動かそうとすると、脳から筋肉に神経を伝わって微弱な電流が流れる。
この電流を体外から読み取り、筋肉の動きを助けるように装着した機械を
動かそうと考えていた。
だが、電話を受けたのは、このアイデアをまだほとんど公にしていない時期。
「なぜ、研究内容を知っているんだろう」。
山海教授は驚いたが、
「私の技術は人間を助けるためのもの。軍事利用に興味はない」と断り、電話を切った。
似たような接触は、今でもときどきある。
米国は、軍や国防総省が積極的にロボット研究に乗り出している。
米カーネギーメロン大ロボット研究所の金出武雄教授(62)は、
「『軍関係のカネはもらわない』という研究者もいるが、少数派。
軍事というより国防という意味で、社会からの要請がある。
一番の目的は、人的被害を減らすことだ」。
国防総省の高等研究計画局(DARPA)は、
ロボットや通信、画像認識などの技術開発や基礎研究に
年間約30億ドル(3500億円)を拠出。
金出教授も、DARPAの計画に参加し、ビデオ映像から自動的に
人物の顔を認識できる技術などの開発に取り組む。
空港や駅などでテロリストを見つけるのに有効だが、
監視社会化やプライバシーの問題が懸念。
金出教授は、「あらゆる技術は、もろ刃の剣。
研究者には一市民以上の責任があり、いち早く危険性を指摘したり、
悪用されないよう手を尽くさなければならない。
だが、技術をどう使うか、何が『悪用』なのかは結局、社会が決める。
20年以上米国に住んでいるが、米社会にはその判断力がある」。
「HAL」が完成に近づいた04年、
山海教授は事業化のためベンチャー企業を設立。
技術が流出しないよう、製品はレンタル方式。
買収を防ぐため、資金は議決権のない株式だけで調達。
個人で持っていた特許は、すべて大学に寄付。
税務当局は、この特許の価値を13億円以上と査定。
「技術が社会に与える影響が大きくなり、研究のテーマそのもの、
研究の手法が問われる。考えられる限りの策を講じるのが研究者のモラル」
テレビ番組の収録で、岡山市の出身小学校を訪れた山海教授は、
児童にHALを紹介した後、1本のビデオを見せた。
ロボット兵器ともいえる米国の無人偵察機が、
地上で地雷を埋めようとしていた人間を攻撃する映像。
3人の人影が吹っ飛ぶと、子供たちは無言で息をのんだ。
「何か意見ある?」と問いかける山海教授。
「ゲームみたいに一瞬で人を殺すなんて」、
「お金のある国なら何機も作れるから、ますます強くなる」、
「ロボットを悪用する人の心には暗い世界しかない」。
山海教授は涙ぐんでうなずいた。
「HALにも同じことが言えるかもしれないんだよ」
山海教授は、この番組の収録を振り返る。
「米国の子供なら、攻撃の場面で『Cool(すごい)!』と叫ぶかもしれない。
(原爆を開発した)マンハッタン計画では、優秀な科学者がわれ先に集まった。
今の日本はまだ、技術で人をあやめることに国民がノーと言える。
その良識を失ってはならない」。
科学技術は、人々の暮らしを便利に豊かにする一方、
使い方によっては悪影響も及ぼす。
科学者や技術者は、自らが開発した技術の使われ方に、
どこまで責任を負うべきなのか?
この点が問われているのが、「ウィニー裁判」。
匿名性の高いファイル交換ソフト「ウィニー」を開発・公開した
元東京大助手の男性が、著作物の違法コピーを助長したとして
著作権法違反のほう助罪に問われ、昨年12月に有罪判決(控訴中)。
ウィニーを巡っては、音楽や映画の違法コピーやコンピューターウイルス
による情報流出が社会問題に。
男性は、「純粋に技術的な検証が目的だった」と主張したが、
判決は、「技術自体は価値中立」と認めた上で、
違法かどうかは「現実の利用状況やそれに対する認識などによる」。
利用者の多くが、著作権を侵害するであろうことを認識しながら
ウィニーを公開していたことを「独善的かつ無責任」と非難。
判決について、研究者の間で賛否が分かれる。
生殖補助医療や遺伝子操作など他の分野も含め、
研究者は、技術が社会に与える影響に無関心ではいられないことを浮き彫りに。
J1:鹿島・田代 ゴールのたびに心臓病の君思い胸たたく
(毎日 12月4日)
サッカーのJリーグ1部(J1)で、逆転優勝を決めた鹿島アントラーズ。
快進撃の立役者となったFW(25)が、ゴールを決めるたびに見せた
左胸をたたくパフォーマンスは、故郷の福岡市で心臓病と闘う
宇野純平さん(22)=同市西区=と交わした約束。
「今日、田代さんが先発で出てくれますよ。
左胸をたたいてくれたらいいのになあ」
9月22日、アルビレックス新潟戦の朝。
病室から知人に電話した宇野さんの声は、弾んでいた。
サッカー少年だった宇野さんは2年前、心臓移植以外に治療法のない
特発性拡張型心筋症を発症。
臓器提供者の少ない国内では、治療の見通しが立たないため、
人工心臓に頼りながら米国での手術を待つ日々。
田代選手は今年7月、小学校が隣同士だった縁で宇野さんを見舞った。
約束したパフォーマンスには、宇野さんの心臓が
いつまでも動き続けるようにとの願いを込めた。
このアルビレックス戦で、ヒーローインタビューに立った田代選手は
「最後まであきらめません」と宣言。
そこから破竹の9連勝でリーグ戦を制した。
「今度は僕が頑張る番」。
田代選手の活躍を見届けた宇野さんは自らに誓っている。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20071204k0000m050186000c.html
************************
これはいい話ですね。
スポーツが、いろんな人の勇気を与えてくれる。
ソフトバンクの和田投手も、三振をとるたびにワクチンを寄付しています。
田代選手も、たくさんゴールをあげて、
たくさんの人たちに、そして宇野さんに希望を与えてほしい。
サッカーのJリーグ1部(J1)で、逆転優勝を決めた鹿島アントラーズ。
快進撃の立役者となったFW(25)が、ゴールを決めるたびに見せた
左胸をたたくパフォーマンスは、故郷の福岡市で心臓病と闘う
宇野純平さん(22)=同市西区=と交わした約束。
「今日、田代さんが先発で出てくれますよ。
左胸をたたいてくれたらいいのになあ」
9月22日、アルビレックス新潟戦の朝。
病室から知人に電話した宇野さんの声は、弾んでいた。
サッカー少年だった宇野さんは2年前、心臓移植以外に治療法のない
特発性拡張型心筋症を発症。
臓器提供者の少ない国内では、治療の見通しが立たないため、
人工心臓に頼りながら米国での手術を待つ日々。
田代選手は今年7月、小学校が隣同士だった縁で宇野さんを見舞った。
約束したパフォーマンスには、宇野さんの心臓が
いつまでも動き続けるようにとの願いを込めた。
このアルビレックス戦で、ヒーローインタビューに立った田代選手は
「最後まであきらめません」と宣言。
そこから破竹の9連勝でリーグ戦を制した。
「今度は僕が頑張る番」。
田代選手の活躍を見届けた宇野さんは自らに誓っている。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20071204k0000m050186000c.html
************************
これはいい話ですね。
スポーツが、いろんな人の勇気を与えてくれる。
ソフトバンクの和田投手も、三振をとるたびにワクチンを寄付しています。
田代選手も、たくさんゴールをあげて、
たくさんの人たちに、そして宇野さんに希望を与えてほしい。
2007年12月5日水曜日
理系白書’07:第3部・科学者の倫理とは/1 産学連携で収入・保有株申告
(毎日 10月28日)
防衛費を上回る額となった科学技術予算。
研究者同士や分野間の競争が激化し、
論文捏造や研究費の不正など負の側面が現れ始めた。
生命操作技術や情報技術など、社会的に影響の大きな技術も
現実のものとなり、人々の価値観を一変させかねない事態も。
科学者は、社会にどのような責任を負うのか?
社会は、科学技術をどう律していくべきなのか?
************************
「金もうけのためじゃない。技術発展や日本経済への貢献のためにやっている。
なぜ、懐具合まで探られなくてはならないのか」。
東北大の西沢昭夫総長特別補佐は、学内の説明会で、
ある教員からこうかみつかれた。
共同研究や技術移転先の企業からの収入額や株の保有状況を、
大学に申告してほしいと求めたから。
東北大は、実学志向が強く、企業との連携に積極的。
05年には、1企業から年間100万円以上の収入があれば
自己申告するという学内ルールを定めた。
企業との金銭関係の透明性を高め、個人の利益を目的にしているとの
疑惑を持たれないようにするため。
だが、教員たちの理解が進んだとは言い難い。
西沢さんは、「『先生たちの善意が誤解されないよう、社会に説明するため』
と話しても、けんか腰になる人もいる。
悪いことをしていると、疑われていると感じるようだ」。
日本の大学では、「金もうけはうしろめたいこと」という意識が根強い。
しかし、産業の国際競争力低下に危機感を抱いた政府は、
国策として産学連携を促進する方針。
98年には、「大学等技術移転促進法(TLO法)」が施行。
研究成果の社会還元は、教育、研究に続く大学の「第3の責務」に。
98年度に148社だった大学発ベンチャー企業は、1500社超(06年度)。
企業の共同研究実績も、06年度で約1万2000件(98年度の5倍増)。
一方、産学連携が進めば進むほど、研究者が利益を優先し、
教育や研究という本来の業務がおろそかになる「利益相反」が生じかねない。
どの程度なら許されるのか?
文部科学省は、利益相反への対応方針と学内の体制整備のモデルをまとめ、
各大学に自主的な取り組みを求めた。
国立大学など92機関のうち、60機関が利益相反への対応方針を作成。
方針を持つ大学では、企業から得た報酬や謝金などの金銭的利益、
株の保有状況などを、教職員に定期的に申告。
学内の専門委員会が内容をチェックし、必要があれば改善を求める。
だが、申告させる金額の線引きは、各大学でまちまち。
統一された基準がないため、現場には戸惑いも。
岩手大は04年、全国の大学に先行して対応方針をまとめた。
大学の規模は大きくないものの、
研究成果を商業化する大学発ベンチャー企業は20社。
生産量日本一の雑穀を使ったパン、植物研究から端を発した解析技術など
地域振興と深く結びつく。
だが、役員を兼務する教員の多くは、企業から報酬を得ていない。
学内ルールでは、兼業も報酬も認められているにもかかわらず、である。
同大地域連携推進センターの対馬正秋・技術移転マネジャーは、
「米国なら、教員は休職してベンチャー社長に専念するから、
大手を振ってもうけることができる。
日本では、大学教員と社長の二つの顔を持つため、
『(本業をおろそかにして)もうけている』と後ろ指さされるのを気にする」。
インフルエンザ治療薬「タミフル」は、
服用後に起きる飛び降りなどの異常行動との関連が問題。
副作用を調査する厚生労働省研究班の班員の所属する機関に、
タミフル輸入販売元の中外製薬の寄付金が支出されていたことが発覚。
「調査の中立性が損なわれるのではないか」と議論。
研究班は、患者約2万5000人を調査する計画。
厚労省は、400万円しか準備しなかったため、
班員の所属機関が中外製薬から寄付を受け、一部を研究にあてることに。
同省も了解していた。
ところが寄付の存在が報道されると、寄付を受けた3人を研究班から除外。
国立大学への企業からの寄付金は、TLO法施行以降増加。
文部科学省によると、06年度の総額は660億円で、98年度の1・4倍。
利益相反ルール作りを促す指針を策定した検討班の班長、
曽根三郎・徳島大ヘルスバイオサイエンス研究部長は、
「大学の多くが、企業からの奨学寄付金を受け取り、
一線の研究者ほど利益相反状態に置かれる。
タミフルも利益相反状態だった。だが、利益相反=悪なのではない」。
実際、企業から寄付を受けた科学者が、
その企業の利益になるような行動を取る可能性はあるのか?
米国の消費者団体が、米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会の
審査を調べたところ、企業から研究費を受けている専門家は、
むしろ、その企業に厳しい投票をする傾向。
曽根さんは、「研究者が専門的知識を生かすことは、国民の利益につながる。
研究者を排除するのではなく、参加させて、
ルール違反した場合にきちんと処分する制度を整備すべき」。
しかし、ルール作りは遅れている。
78の大学医学部のうち、利益相反ルールを定めたのは22に過ぎない。
-------------------------------
■坂口力・元厚労相に聞く
元厚生労働相の坂口力衆院議員は、タミフル問題をめぐる
厚生労働省の対応について、厚生労働委員会で「看過できない」とただした。
研究者と企業からの寄付金について聞いた。
◆産学連携の進展に伴い、企業から研究機関への寄付が増えています。
最近の研究者は、産業界とタイアップしなければ、研究を進められない。
国立大学が法人化され、地域産業との連携が求められる。
◆タミフル問題では、企業からの寄付金が問題視されました。
タミフルの副作用は、販売する製薬会社が調べるべき。
それを厚労省研究班が引き受けたうえ、予算が非常に少なかった。
研究班は、自分で工面するしかなく、
タミフルの販売会社からの金しか使えなかったという構図。
厚労省は、研究者だけを悪者にして、
「企業から金をもらっている先生にはもう頼みません」と、幕引き。
これはおかしい。
厚労省が想定外の問題を研究班に投げたのだから、
研究班の先生にしてみれば迷惑な話。
厚労省が責任を持って処理すべきだった。
◆「企業からの研究費ももらっていない研究者に、
専門的なことが分かるのか」との指摘も。
企業から、個人で報酬やコンサルタント料のような金をもらっている場合、
研究への参加を見送るべきケースはある。
しかし、所属する大学などの組織が寄付金を受け、研究者に配分している
場合まで、研究に参加できないとするのは行きすぎでは?
組織が研究費を配分する段階で、企業の色は消されている。
大学が企業から寄付金を受けることが特別ではない今、
企業の寄付金を受け取っていない組織の研究者はいない。
◆透明性を確保した産学連携のため、何が必要でしょうか。
産学連携に参加する企業側は、当然「利益」を目的に。
臨床試験などでは、企業からの財政支援によって進められてきた。
そのような現実を認めたうえで、利益によって結果がゆがめられたり、
研究者が不適切な利益を得ることがないようなルールを作るべき。
現在、役所や大学で個別にルール作りが進んでいるが、
バラバラなルールになることは、かえって国民を混乱に。
研究と企業からの金の関係について、国全体でルールを作ることが必要。
==============
◇利益相反
産学連携活動に伴って、教職員や大学が得る利益(兼業報酬、未公開株式など)と、
教育・研究という大学での責任が衝突。
教職員が企業に負う職務遂行責任と、大学での職務遂行責任が両立できない状態。
法令違反ではないが、社会から不信を持たれる可能性も。
==============
■人物略歴 ◇さかぐち・ちから
65年三重県立大学大学院医学研究科修了(医学博士)。
69年三重県赤十字血液センター所長。72年衆院議員初当選。
00~04年まで厚生、厚生労働相。73歳。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2007/10/28/20071028ddm016040088000c.html
防衛費を上回る額となった科学技術予算。
研究者同士や分野間の競争が激化し、
論文捏造や研究費の不正など負の側面が現れ始めた。
生命操作技術や情報技術など、社会的に影響の大きな技術も
現実のものとなり、人々の価値観を一変させかねない事態も。
科学者は、社会にどのような責任を負うのか?
社会は、科学技術をどう律していくべきなのか?
************************
「金もうけのためじゃない。技術発展や日本経済への貢献のためにやっている。
なぜ、懐具合まで探られなくてはならないのか」。
東北大の西沢昭夫総長特別補佐は、学内の説明会で、
ある教員からこうかみつかれた。
共同研究や技術移転先の企業からの収入額や株の保有状況を、
大学に申告してほしいと求めたから。
東北大は、実学志向が強く、企業との連携に積極的。
05年には、1企業から年間100万円以上の収入があれば
自己申告するという学内ルールを定めた。
企業との金銭関係の透明性を高め、個人の利益を目的にしているとの
疑惑を持たれないようにするため。
だが、教員たちの理解が進んだとは言い難い。
西沢さんは、「『先生たちの善意が誤解されないよう、社会に説明するため』
と話しても、けんか腰になる人もいる。
悪いことをしていると、疑われていると感じるようだ」。
日本の大学では、「金もうけはうしろめたいこと」という意識が根強い。
しかし、産業の国際競争力低下に危機感を抱いた政府は、
国策として産学連携を促進する方針。
98年には、「大学等技術移転促進法(TLO法)」が施行。
研究成果の社会還元は、教育、研究に続く大学の「第3の責務」に。
98年度に148社だった大学発ベンチャー企業は、1500社超(06年度)。
企業の共同研究実績も、06年度で約1万2000件(98年度の5倍増)。
一方、産学連携が進めば進むほど、研究者が利益を優先し、
教育や研究という本来の業務がおろそかになる「利益相反」が生じかねない。
どの程度なら許されるのか?
文部科学省は、利益相反への対応方針と学内の体制整備のモデルをまとめ、
各大学に自主的な取り組みを求めた。
国立大学など92機関のうち、60機関が利益相反への対応方針を作成。
方針を持つ大学では、企業から得た報酬や謝金などの金銭的利益、
株の保有状況などを、教職員に定期的に申告。
学内の専門委員会が内容をチェックし、必要があれば改善を求める。
だが、申告させる金額の線引きは、各大学でまちまち。
統一された基準がないため、現場には戸惑いも。
岩手大は04年、全国の大学に先行して対応方針をまとめた。
大学の規模は大きくないものの、
研究成果を商業化する大学発ベンチャー企業は20社。
生産量日本一の雑穀を使ったパン、植物研究から端を発した解析技術など
地域振興と深く結びつく。
だが、役員を兼務する教員の多くは、企業から報酬を得ていない。
学内ルールでは、兼業も報酬も認められているにもかかわらず、である。
同大地域連携推進センターの対馬正秋・技術移転マネジャーは、
「米国なら、教員は休職してベンチャー社長に専念するから、
大手を振ってもうけることができる。
日本では、大学教員と社長の二つの顔を持つため、
『(本業をおろそかにして)もうけている』と後ろ指さされるのを気にする」。
インフルエンザ治療薬「タミフル」は、
服用後に起きる飛び降りなどの異常行動との関連が問題。
副作用を調査する厚生労働省研究班の班員の所属する機関に、
タミフル輸入販売元の中外製薬の寄付金が支出されていたことが発覚。
「調査の中立性が損なわれるのではないか」と議論。
研究班は、患者約2万5000人を調査する計画。
厚労省は、400万円しか準備しなかったため、
班員の所属機関が中外製薬から寄付を受け、一部を研究にあてることに。
同省も了解していた。
ところが寄付の存在が報道されると、寄付を受けた3人を研究班から除外。
国立大学への企業からの寄付金は、TLO法施行以降増加。
文部科学省によると、06年度の総額は660億円で、98年度の1・4倍。
利益相反ルール作りを促す指針を策定した検討班の班長、
曽根三郎・徳島大ヘルスバイオサイエンス研究部長は、
「大学の多くが、企業からの奨学寄付金を受け取り、
一線の研究者ほど利益相反状態に置かれる。
タミフルも利益相反状態だった。だが、利益相反=悪なのではない」。
実際、企業から寄付を受けた科学者が、
その企業の利益になるような行動を取る可能性はあるのか?
米国の消費者団体が、米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会の
審査を調べたところ、企業から研究費を受けている専門家は、
むしろ、その企業に厳しい投票をする傾向。
曽根さんは、「研究者が専門的知識を生かすことは、国民の利益につながる。
研究者を排除するのではなく、参加させて、
ルール違反した場合にきちんと処分する制度を整備すべき」。
しかし、ルール作りは遅れている。
78の大学医学部のうち、利益相反ルールを定めたのは22に過ぎない。
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■坂口力・元厚労相に聞く
元厚生労働相の坂口力衆院議員は、タミフル問題をめぐる
厚生労働省の対応について、厚生労働委員会で「看過できない」とただした。
研究者と企業からの寄付金について聞いた。
◆産学連携の進展に伴い、企業から研究機関への寄付が増えています。
最近の研究者は、産業界とタイアップしなければ、研究を進められない。
国立大学が法人化され、地域産業との連携が求められる。
◆タミフル問題では、企業からの寄付金が問題視されました。
タミフルの副作用は、販売する製薬会社が調べるべき。
それを厚労省研究班が引き受けたうえ、予算が非常に少なかった。
研究班は、自分で工面するしかなく、
タミフルの販売会社からの金しか使えなかったという構図。
厚労省は、研究者だけを悪者にして、
「企業から金をもらっている先生にはもう頼みません」と、幕引き。
これはおかしい。
厚労省が想定外の問題を研究班に投げたのだから、
研究班の先生にしてみれば迷惑な話。
厚労省が責任を持って処理すべきだった。
◆「企業からの研究費ももらっていない研究者に、
専門的なことが分かるのか」との指摘も。
企業から、個人で報酬やコンサルタント料のような金をもらっている場合、
研究への参加を見送るべきケースはある。
しかし、所属する大学などの組織が寄付金を受け、研究者に配分している
場合まで、研究に参加できないとするのは行きすぎでは?
組織が研究費を配分する段階で、企業の色は消されている。
大学が企業から寄付金を受けることが特別ではない今、
企業の寄付金を受け取っていない組織の研究者はいない。
◆透明性を確保した産学連携のため、何が必要でしょうか。
産学連携に参加する企業側は、当然「利益」を目的に。
臨床試験などでは、企業からの財政支援によって進められてきた。
そのような現実を認めたうえで、利益によって結果がゆがめられたり、
研究者が不適切な利益を得ることがないようなルールを作るべき。
現在、役所や大学で個別にルール作りが進んでいるが、
バラバラなルールになることは、かえって国民を混乱に。
研究と企業からの金の関係について、国全体でルールを作ることが必要。
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◇利益相反
産学連携活動に伴って、教職員や大学が得る利益(兼業報酬、未公開株式など)と、
教育・研究という大学での責任が衝突。
教職員が企業に負う職務遂行責任と、大学での職務遂行責任が両立できない状態。
法令違反ではないが、社会から不信を持たれる可能性も。
==============
■人物略歴 ◇さかぐち・ちから
65年三重県立大学大学院医学研究科修了(医学博士)。
69年三重県赤十字血液センター所長。72年衆院議員初当選。
00~04年まで厚生、厚生労働相。73歳。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2007/10/28/20071028ddm016040088000c.html
老化の記憶障害に関与 アルツハイマー関連物質
(毎日 2007.11.16)
理化学研究所は、アルツハイマー病発症に関与する
異常タンパク質の脳への蓄積が、老化に伴う記憶障害の原因にも
なっていることを、高島明彦チームリーダーらが発表。
記憶障害を手掛かりに、異常タンパク質の蓄積を早期に見つけられれば、
将来はアルツハイマー病の予防にもつながり得る。
このタンパク質は「タウ」と呼ばれ、
記憶障害や認知障害が起きるアルツハイマー病では、
過剰にリン酸化された異常な形で、脳の海馬や大脳皮質の神経細胞に沈着。
通常の老化でも「嗅内野」と呼ばれる、記憶の形成にかかわる
脳の特定部位に異常なタウが沈着することが知られていたが、
記憶障害との直接の関連は未解明。
高島さんらは、遺伝子操作で人間のタウを持たせ、
老化すると記憶障害を起こすマウスに対し、
プールを繰り返し泳がせ足場の場所を探させる記憶力テストを実施。
生後20カ月以上の老齢マウスは場所をなかなか覚えられず、
記憶力の低下が起きていることが分かったが、
このマウスの脳には、完全な沈着まではいかないものの
異常なタウが蓄積しており、それで神経活動が低下。
「異常タウは、沈着する前なら薬などで元に戻せる。
いかに早期に発見できるかが課題だ」。
理化学研究所プレスリリース
http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2007/071116/
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/071116/acd0711161736005-n1.htm
理化学研究所は、アルツハイマー病発症に関与する
異常タンパク質の脳への蓄積が、老化に伴う記憶障害の原因にも
なっていることを、高島明彦チームリーダーらが発表。
記憶障害を手掛かりに、異常タンパク質の蓄積を早期に見つけられれば、
将来はアルツハイマー病の予防にもつながり得る。
このタンパク質は「タウ」と呼ばれ、
記憶障害や認知障害が起きるアルツハイマー病では、
過剰にリン酸化された異常な形で、脳の海馬や大脳皮質の神経細胞に沈着。
通常の老化でも「嗅内野」と呼ばれる、記憶の形成にかかわる
脳の特定部位に異常なタウが沈着することが知られていたが、
記憶障害との直接の関連は未解明。
高島さんらは、遺伝子操作で人間のタウを持たせ、
老化すると記憶障害を起こすマウスに対し、
プールを繰り返し泳がせ足場の場所を探させる記憶力テストを実施。
生後20カ月以上の老齢マウスは場所をなかなか覚えられず、
記憶力の低下が起きていることが分かったが、
このマウスの脳には、完全な沈着まではいかないものの
異常なタウが蓄積しており、それで神経活動が低下。
「異常タウは、沈着する前なら薬などで元に戻せる。
いかに早期に発見できるかが課題だ」。
理化学研究所プレスリリース
http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2007/071116/
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/071116/acd0711161736005-n1.htm
2007年12月4日火曜日
小橋建太:腎臓がんから生還!不死鳥チョップ217発
(毎日 12月3日)
546日ぶりのリングで、217発のチョップをさく裂。
腎臓がんで長期欠場していた小橋建太(40)が、
高山善廣(41)とタッグを組んで三沢光晴(45)秋山準(38)組と対戦。
06年6月4日の札幌大会以来のリング。
敗れはしたが、満員の1万7000人のファンが待ち望んだ復帰戦で、
小橋は130連発を含む217発のチョップを放ち、病魔の克服をアピール。
超満員1万7000人の「小橋コール」が館内に響き渡った。
三沢、秋山にこん身の逆水平、大根斬りチョップを叩き込む。
圧巻は15分すぎ。
秋山に61発の逆水平を見舞うと、「青春の握り拳」を振り上げる。
さらに69発、計130発のマシンガンチョップ。
真っ赤に染まった秋山の胸こそが、鉄人復活の証。
心を鬼にしてエルボーを打ち込んできた三沢には、
堂々月面水爆でお返しした。剛腕ラリアットもさく裂。
チョップは計217発にも達した。
飛び散る汗。魂の雄叫び。何もかもが、全盛期の雄姿と同じだ。
最後は、三沢の雪崩式エメラルドフロウジョンに屈したものの、
その三沢と涙の抱擁をかわした小橋は、
「オレは生きている。リングは最高!」と絶叫した。
昨年6月に非情の宣告、「右腎臓に悪性の腫瘍がある」。
01年に、レスラー生命にかかわるひざの大ケガから生還したが、
再び病魔が襲いかかった。
主治医に、「まずは生きること」と絶望的な言葉。
「もうリングに上がることはできないのか…」。
自暴自棄になりかけたが、
「自分にはプロレスしかない」という信念が心の支えに。
手術後、初めて有明の練習場を訪れたとき、
真っ先にリングで大の字になった。
「自分の居場所を確かめたくて。ああ、生きているんだなって」。
練習を開始しても、1つしかない腎臓がリング復帰への最大の障害。
ハードな練習で生じる老廃物を処理できず、食生活も制限。
転機は、昨年12月10日の武道館。
小橋コールで埋め尽くされた会場で、「必ずリングに帰ってきます!」と約束。
「ファンの声援が、一番のリハビリだとあらためて感じた」。
この宣言のあと、腎臓の検査の数値は少しずつ回復に。
「病気をしている間に40代になった。40からが勝負。
オレを見てみんなに元気になってもらいたい」。
リングを取り囲んだ女性ファンのほとんどが泣いていた。
「勇気をありがとう」と書かれた横断幕を横目に花道を戻る際には、
足元がふらついて倒れそうになった。
それでも奇跡を起こした男は言った。
「これがゴールじゃない。これで止まらないし、レスラーとして生き続ける」。
人生最大の敵を倒した鉄人が、再び力強く歩き始めた。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20071203spn00m050022000c.html
*******************
これは、感動、感激ですね!!!
プロレスラーが不死鳥のようによみがえるシーンを
いくつも見てきたが、今回もまた目にすることが。
また素晴しいレスリングを見せて欲しい。
そして多くの勇気を与えて欲しい。
546日ぶりのリングで、217発のチョップをさく裂。
腎臓がんで長期欠場していた小橋建太(40)が、
高山善廣(41)とタッグを組んで三沢光晴(45)秋山準(38)組と対戦。
06年6月4日の札幌大会以来のリング。
敗れはしたが、満員の1万7000人のファンが待ち望んだ復帰戦で、
小橋は130連発を含む217発のチョップを放ち、病魔の克服をアピール。
超満員1万7000人の「小橋コール」が館内に響き渡った。
三沢、秋山にこん身の逆水平、大根斬りチョップを叩き込む。
圧巻は15分すぎ。
秋山に61発の逆水平を見舞うと、「青春の握り拳」を振り上げる。
さらに69発、計130発のマシンガンチョップ。
真っ赤に染まった秋山の胸こそが、鉄人復活の証。
心を鬼にしてエルボーを打ち込んできた三沢には、
堂々月面水爆でお返しした。剛腕ラリアットもさく裂。
チョップは計217発にも達した。
飛び散る汗。魂の雄叫び。何もかもが、全盛期の雄姿と同じだ。
最後は、三沢の雪崩式エメラルドフロウジョンに屈したものの、
その三沢と涙の抱擁をかわした小橋は、
「オレは生きている。リングは最高!」と絶叫した。
昨年6月に非情の宣告、「右腎臓に悪性の腫瘍がある」。
01年に、レスラー生命にかかわるひざの大ケガから生還したが、
再び病魔が襲いかかった。
主治医に、「まずは生きること」と絶望的な言葉。
「もうリングに上がることはできないのか…」。
自暴自棄になりかけたが、
「自分にはプロレスしかない」という信念が心の支えに。
手術後、初めて有明の練習場を訪れたとき、
真っ先にリングで大の字になった。
「自分の居場所を確かめたくて。ああ、生きているんだなって」。
練習を開始しても、1つしかない腎臓がリング復帰への最大の障害。
ハードな練習で生じる老廃物を処理できず、食生活も制限。
転機は、昨年12月10日の武道館。
小橋コールで埋め尽くされた会場で、「必ずリングに帰ってきます!」と約束。
「ファンの声援が、一番のリハビリだとあらためて感じた」。
この宣言のあと、腎臓の検査の数値は少しずつ回復に。
「病気をしている間に40代になった。40からが勝負。
オレを見てみんなに元気になってもらいたい」。
リングを取り囲んだ女性ファンのほとんどが泣いていた。
「勇気をありがとう」と書かれた横断幕を横目に花道を戻る際には、
足元がふらついて倒れそうになった。
それでも奇跡を起こした男は言った。
「これがゴールじゃない。これで止まらないし、レスラーとして生き続ける」。
人生最大の敵を倒した鉄人が、再び力強く歩き始めた。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20071203spn00m050022000c.html
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これは、感動、感激ですね!!!
プロレスラーが不死鳥のようによみがえるシーンを
いくつも見てきたが、今回もまた目にすることが。
また素晴しいレスリングを見せて欲しい。
そして多くの勇気を与えて欲しい。
星野ジャパン:約束通りの“北京切符”「選手のおかげ」
(毎日 12月3日)
試合中の厳しい表情が一気に緩んだ。
言葉を詰まらせ、「これでゆっくり、オフが過ごせるね」。
08年北京五輪アジア予選(アジア野球選手権)の台湾戦で、
日本代表が五輪出場権を獲得。
チームを率いた星野仙一監督(60)は韓国、台湾、フィリピンとの
「アジア枠1」の争いを制した選手たちを、
「日本の野球の底力を見せてくれた」とたたえ、目に涙を浮かべた。
プロ野球中日、阪神の監督を通算13年務め、計3度のリーグ優勝。
だが、国を代表して臨む国際大会は短期決戦で負けられないプレッシャーが。
総力戦で1点差勝ちした韓国戦後には、
「こんなに厳しい試合をしたのは初めて」。
それも覚悟の上で監督を引き受けた。
「今の自分があるのは野球のおかげ。野球界に『恩返し』をしなければ」。
東京六大学リーグで23勝を挙げた明治大時代は法政大の黄金期、
中日のエースとして活躍したのは巨人の9連覇の時期と重なる。
「強者に立ち向かうことに闘志を燃やす男」というイメージは、
野球を通じて確立された。
野球が公開競技だった1984年ロサンゼルス五輪以来、
6大会の代表監督には、ほぼ全員に話を聞いた。
国・地域別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」で
日本代表を率い「世界一」になった王貞治・ソフトバンク監督(67)からは
「打撃戦より投手戦の想定を」とアドバイス。
先輩の経験を吸収し、自ら対戦相手の情報収集、分析。
03年に体調不良を理由に阪神監督を退任した経緯もあり、
定期的に体の隅々まで検査して健康管理に気を配った。
グラウンドでは自らノックバットを手にとって指導、
試合中のダッグアウトでは「闘将」のイメージそのままに声を張り上げ続けた。
監督の熱意に応え、選手たちは勝ちにこだわるプレーを連発。
台湾戦では、一度逆転を許してからの再逆転勝利。
「(試合を見ている人には)ハラハラさせただろうが、
終わってみれば感動してもらえたかな。本当にいい選手を選べたと思う」。
最高の笑顔で振り返った。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20071204k0000m050127000c.html
*******************
アジアでは勝って当たり前、の野球。
確かに全体のレベルは、日本の方が韓国、台湾よりも上。
しかし、短期決戦ではどうなるか分かりません。
どんな種目でも、国際大会で勝つことは本当に難しい。
改めて、スポーツに絶対ということはないし、
プレッシャーに打ち勝つ精神力が大切だということを、
認識させられました。
日本の野球を、オリンピックでも存分に見せて欲しい。
試合中の厳しい表情が一気に緩んだ。
言葉を詰まらせ、「これでゆっくり、オフが過ごせるね」。
08年北京五輪アジア予選(アジア野球選手権)の台湾戦で、
日本代表が五輪出場権を獲得。
チームを率いた星野仙一監督(60)は韓国、台湾、フィリピンとの
「アジア枠1」の争いを制した選手たちを、
「日本の野球の底力を見せてくれた」とたたえ、目に涙を浮かべた。
プロ野球中日、阪神の監督を通算13年務め、計3度のリーグ優勝。
だが、国を代表して臨む国際大会は短期決戦で負けられないプレッシャーが。
総力戦で1点差勝ちした韓国戦後には、
「こんなに厳しい試合をしたのは初めて」。
それも覚悟の上で監督を引き受けた。
「今の自分があるのは野球のおかげ。野球界に『恩返し』をしなければ」。
東京六大学リーグで23勝を挙げた明治大時代は法政大の黄金期、
中日のエースとして活躍したのは巨人の9連覇の時期と重なる。
「強者に立ち向かうことに闘志を燃やす男」というイメージは、
野球を通じて確立された。
野球が公開競技だった1984年ロサンゼルス五輪以来、
6大会の代表監督には、ほぼ全員に話を聞いた。
国・地域別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」で
日本代表を率い「世界一」になった王貞治・ソフトバンク監督(67)からは
「打撃戦より投手戦の想定を」とアドバイス。
先輩の経験を吸収し、自ら対戦相手の情報収集、分析。
03年に体調不良を理由に阪神監督を退任した経緯もあり、
定期的に体の隅々まで検査して健康管理に気を配った。
グラウンドでは自らノックバットを手にとって指導、
試合中のダッグアウトでは「闘将」のイメージそのままに声を張り上げ続けた。
監督の熱意に応え、選手たちは勝ちにこだわるプレーを連発。
台湾戦では、一度逆転を許してからの再逆転勝利。
「(試合を見ている人には)ハラハラさせただろうが、
終わってみれば感動してもらえたかな。本当にいい選手を選べたと思う」。
最高の笑顔で振り返った。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20071204k0000m050127000c.html
*******************
アジアでは勝って当たり前、の野球。
確かに全体のレベルは、日本の方が韓国、台湾よりも上。
しかし、短期決戦ではどうなるか分かりません。
どんな種目でも、国際大会で勝つことは本当に難しい。
改めて、スポーツに絶対ということはないし、
プレッシャーに打ち勝つ精神力が大切だということを、
認識させられました。
日本の野球を、オリンピックでも存分に見せて欲しい。
気仙サミット2007 合併テーマに公開討論
(東海新報 12月2日)
将来の広域合併を見据えた「気仙サミット2007」が開かれた。
甘竹勝郎大船渡市長が旧三陸町との合併効果を 強調しながら、
“三本の矢”が一つになる必要性を訴えたのに対し、
中里長門陸前高田市長と多田欣一住田町長は“時期尚早”との立場から、
水産や農林業など基幹産業の振興を図りながら従来通り
「当面、単独・自立」の方向性を歩んでいく考えを示した。
達増拓也知事は、「合併は最終的に住民が判断すること」としながら、
「県としてもできるかぎりの支援をしたい」。
「気仙の将来を考える」をテーマにした今回のサミットは、
青年会議所(大船渡・古川季宏理事長、陸前高田・宮樫正義理事長)が主催。
両会議所は、「気仙は一つ」の共通認識を持って活動しており、
知事と三首長を招いて、「将来のまちづくりのあり方や
地方行政などについて幅広く議論してもらおう」と企画。
3年前には陸前高田青年会議所が主催し、三首長討論会を開いた。
討論会は、岩手日報社の達下雅一論説委員長が司会を務めて進行。
達増知事はじめ甘竹市長、中里市長、多田町長がパネリストとして登壇。
広域合併についての考えを聞かれた甘竹市長は、
平成13年に三陸町と合併し、財政面で大きな効果を上げていることを強調。
「三陸町民からも、『合併して良かった』との声が。
国や県から91億円支援、6億円の人件費削減により、
市民会館の建設、学校や医療福祉施設、産業基盤の整備につながっている」。
多田町長は、「当面、自立は住民の意向であり、
いまは小さい町だからこそできるまちづくりが大切。
仮に合併すると、本町は中心地から離れた周辺地域になることが懸念。
合併後の人口は約7万5千人と少なく、将来的にはもっと大きな合併を
想定することも必要ではないか」。
中里市長は、「将来の合併は避けて通れないと思うが、
今すぐに協議のスタートラインに立てる状況にはない。
市民アンケート(平成15年)では、7割が合併に否定、慎重な意見が多い。
本市の財政は厳しいが、合併することによって解決できるものではなく、
特色あるまちづくりを進めていくことが先決」。
甘竹市長は、現在の気仙の人口や産業構造規模だと、
合併後の役所職員数を長期的に238人削減できることを指摘。
「職員1人年間6百万円の平均給与だとすると、
15億円近い人件費をまちづくりに使えることになる」。
また、広域連携の必要性については認めている中里市長は、
「産業振興などの面で幅広く進めていきたい」。
多田町長も、「気仙に住む人たちの共通した優しさを定住促進、
人口増につなげていきたい」。
終了後、大船渡市の会社員・男性(46)は
「こうした機会を設けたのは良かったが、
合併についてもっと突っ込んだ議論をしてほしかった。
三首長とも『気仙は一つ』の考えが根底にあることを感じたが、
現在の思いはそれぞれ違うのかな、という印象」。
陸前高田市の農業・男性(59)は、
「個人的には合併を進めてもらいたいが、三首長の考えは温度差があるよう。
中里市長は以前のアンケート結果を話していたが、
当時と今とでは市民の認識も変わってきているのでは。
もう一度合併に関する市民アンケートを行ってほしい」。
http://www.tohkaishimpo.com/
*******************
このような機会をつくることは、とても有意義なことです。
政治家の生の声、考えを聞く、ぶつけ合うことはなかなかないですから。
選挙の時以外は。
私は、気仙地区は出来るだけ早く合併して、一つになるべきです。
経済、教育、文化については一つの活動圏になっている。
政治だけが、わざわざ分裂したまま。
大船渡から住田を通って奥州、盛岡、秋田方面へ、
また大船渡から高田を通って気仙沼、仙台方面へ、
道路と鉄道を整備、発展させるには合併することが大切。
政治家は、地方の発展のために将来のビジョンを明確にすべき。
気仙地区が一つになった方がいいなら、さっさと行動すべきです。
将来の広域合併を見据えた「気仙サミット2007」が開かれた。
甘竹勝郎大船渡市長が旧三陸町との合併効果を 強調しながら、
“三本の矢”が一つになる必要性を訴えたのに対し、
中里長門陸前高田市長と多田欣一住田町長は“時期尚早”との立場から、
水産や農林業など基幹産業の振興を図りながら従来通り
「当面、単独・自立」の方向性を歩んでいく考えを示した。
達増拓也知事は、「合併は最終的に住民が判断すること」としながら、
「県としてもできるかぎりの支援をしたい」。
「気仙の将来を考える」をテーマにした今回のサミットは、
青年会議所(大船渡・古川季宏理事長、陸前高田・宮樫正義理事長)が主催。
両会議所は、「気仙は一つ」の共通認識を持って活動しており、
知事と三首長を招いて、「将来のまちづくりのあり方や
地方行政などについて幅広く議論してもらおう」と企画。
3年前には陸前高田青年会議所が主催し、三首長討論会を開いた。
討論会は、岩手日報社の達下雅一論説委員長が司会を務めて進行。
達増知事はじめ甘竹市長、中里市長、多田町長がパネリストとして登壇。
広域合併についての考えを聞かれた甘竹市長は、
平成13年に三陸町と合併し、財政面で大きな効果を上げていることを強調。
「三陸町民からも、『合併して良かった』との声が。
国や県から91億円支援、6億円の人件費削減により、
市民会館の建設、学校や医療福祉施設、産業基盤の整備につながっている」。
多田町長は、「当面、自立は住民の意向であり、
いまは小さい町だからこそできるまちづくりが大切。
仮に合併すると、本町は中心地から離れた周辺地域になることが懸念。
合併後の人口は約7万5千人と少なく、将来的にはもっと大きな合併を
想定することも必要ではないか」。
中里市長は、「将来の合併は避けて通れないと思うが、
今すぐに協議のスタートラインに立てる状況にはない。
市民アンケート(平成15年)では、7割が合併に否定、慎重な意見が多い。
本市の財政は厳しいが、合併することによって解決できるものではなく、
特色あるまちづくりを進めていくことが先決」。
甘竹市長は、現在の気仙の人口や産業構造規模だと、
合併後の役所職員数を長期的に238人削減できることを指摘。
「職員1人年間6百万円の平均給与だとすると、
15億円近い人件費をまちづくりに使えることになる」。
また、広域連携の必要性については認めている中里市長は、
「産業振興などの面で幅広く進めていきたい」。
多田町長も、「気仙に住む人たちの共通した優しさを定住促進、
人口増につなげていきたい」。
終了後、大船渡市の会社員・男性(46)は
「こうした機会を設けたのは良かったが、
合併についてもっと突っ込んだ議論をしてほしかった。
三首長とも『気仙は一つ』の考えが根底にあることを感じたが、
現在の思いはそれぞれ違うのかな、という印象」。
陸前高田市の農業・男性(59)は、
「個人的には合併を進めてもらいたいが、三首長の考えは温度差があるよう。
中里市長は以前のアンケート結果を話していたが、
当時と今とでは市民の認識も変わってきているのでは。
もう一度合併に関する市民アンケートを行ってほしい」。
http://www.tohkaishimpo.com/
*******************
このような機会をつくることは、とても有意義なことです。
政治家の生の声、考えを聞く、ぶつけ合うことはなかなかないですから。
選挙の時以外は。
私は、気仙地区は出来るだけ早く合併して、一つになるべきです。
経済、教育、文化については一つの活動圏になっている。
政治だけが、わざわざ分裂したまま。
大船渡から住田を通って奥州、盛岡、秋田方面へ、
また大船渡から高田を通って気仙沼、仙台方面へ、
道路と鉄道を整備、発展させるには合併することが大切。
政治家は、地方の発展のために将来のビジョンを明確にすべき。
気仙地区が一つになった方がいいなら、さっさと行動すべきです。
2007年12月3日月曜日
粗食長寿説(3)『養生訓』が導いた誤り
(毎日 2007.11.12)
仏教の伝来により、食肉を禁止する思想がかなり定着した。
日本は、食肉を禁止しても、沿岸では魚介類に恵まれ、
気候風土が米作に適していた。
ヨーロッパなどは稲を作る条件に恵まれず、麦を作ることしかできなかった。
植物性食品のうち、大豆のタンパク質のアミノ酸構成がベストで、米が次ぐ。
日本人は、食肉の不足をこの2つの食品で必死に補ってきた。
非公式には、食肉を摂っていた。
肉食を意味する薬食(くすりぐい)などという言い方も。
また、ウサギはトリとみなし、1羽、2羽…と数えて食べた。
トリは禁止されていなかった。
東北地方のマタギ族は、日本には珍しい狩猟部族。
国民の栄養源となるには、あまりにも少ない食肉の摂取量。
平均寿命は、江戸時代にも30歳代とされ、
間引きなどを考慮すると20歳代であった可能性も。
支配者階級は、質素・倹約を下級武士や農民に押しつける必要。
江戸幕府の武家諸法度などよい例。
“まずいものを食べ、一生懸命働くのが長寿につながる”という
粗食長寿説もこのような時代背景の中から出現。
イデオローグ(理論的唱導者)の代表が、貝原益軒(1630~1714年)。
彼は、江戸初期の儒学者で、父が黒田家の医官であり、
医学に対する深い見識をもっていた。
1713年、『養生訓』を完成。
この本は、食事、運動、酒の飲み方、性生活にわたる幅広い健康読本。
後世に大きな影響を与え、現代にも通ずる内容を含んでいる。
しかし、過食の戒めは書いてあっても、粗食の害は書いていない。
上級武士や富裕な商人など、特権階級のために書かれた健康読本である。
この時代、米を主食にしていたのは特権階級のみで、
下級武士や農民は、ヒエ、アワ、麦、イモを主食にしているのが一般的。
『養生訓』には、“肥えると、脳卒中になりやすい”と。
しかし、昭和30年代の日本の農民でさえ、
“やせていて”高血圧の人が脳卒中になるのが普通。
『養生訓』が、いかに特殊な階層の人々を観察し、
その人々のために書かれたものであるかが分かる。
低栄養の民衆にまで、「もっと生臭いものを遠ざけ、もっと働けば長生きする」と、
『養生訓』は信じ込ませてしまった。
(桜美林大学大学院老年学教授 柴田博)
http://sankei.jp.msn.com/life/body/071112/bdy0711120802000-n1.htm
仏教の伝来により、食肉を禁止する思想がかなり定着した。
日本は、食肉を禁止しても、沿岸では魚介類に恵まれ、
気候風土が米作に適していた。
ヨーロッパなどは稲を作る条件に恵まれず、麦を作ることしかできなかった。
植物性食品のうち、大豆のタンパク質のアミノ酸構成がベストで、米が次ぐ。
日本人は、食肉の不足をこの2つの食品で必死に補ってきた。
非公式には、食肉を摂っていた。
肉食を意味する薬食(くすりぐい)などという言い方も。
また、ウサギはトリとみなし、1羽、2羽…と数えて食べた。
トリは禁止されていなかった。
東北地方のマタギ族は、日本には珍しい狩猟部族。
国民の栄養源となるには、あまりにも少ない食肉の摂取量。
平均寿命は、江戸時代にも30歳代とされ、
間引きなどを考慮すると20歳代であった可能性も。
支配者階級は、質素・倹約を下級武士や農民に押しつける必要。
江戸幕府の武家諸法度などよい例。
“まずいものを食べ、一生懸命働くのが長寿につながる”という
粗食長寿説もこのような時代背景の中から出現。
イデオローグ(理論的唱導者)の代表が、貝原益軒(1630~1714年)。
彼は、江戸初期の儒学者で、父が黒田家の医官であり、
医学に対する深い見識をもっていた。
1713年、『養生訓』を完成。
この本は、食事、運動、酒の飲み方、性生活にわたる幅広い健康読本。
後世に大きな影響を与え、現代にも通ずる内容を含んでいる。
しかし、過食の戒めは書いてあっても、粗食の害は書いていない。
上級武士や富裕な商人など、特権階級のために書かれた健康読本である。
この時代、米を主食にしていたのは特権階級のみで、
下級武士や農民は、ヒエ、アワ、麦、イモを主食にしているのが一般的。
『養生訓』には、“肥えると、脳卒中になりやすい”と。
しかし、昭和30年代の日本の農民でさえ、
“やせていて”高血圧の人が脳卒中になるのが普通。
『養生訓』が、いかに特殊な階層の人々を観察し、
その人々のために書かれたものであるかが分かる。
低栄養の民衆にまで、「もっと生臭いものを遠ざけ、もっと働けば長生きする」と、
『養生訓』は信じ込ませてしまった。
(桜美林大学大学院老年学教授 柴田博)
http://sankei.jp.msn.com/life/body/071112/bdy0711120802000-n1.htm
「チーム北島」の河合氏 マックSSで水泳フォーム指導
(東海新報 12月2日)
大船渡市大船渡町のマックスイミングスクールで、
アテネ五輪金メダリスト・北島康介選手の泳法分析を担当した
工学博士・河合正治氏によるスクール生対象の泳法技術指導が行われた。
選手らは、世界レベルのアドバイスを熱心に聞き、
今後の飛躍への足がかりとしていた。
同スクールでは、選手のフォーム改善を目的に、
河合氏に三年ほど前から定期的な分析を依頼。
これまでは雫石町の県営プールなどで行われていたが、
大船渡市の同スクールでの指導は初めて。
河合氏は、工学的な泳法分析の第一人者で、
数多くのトップスイマーを技術面で支援。
北島選手には、中学三年時からフォーム改善の助言を与え、
アテネ五輪前には科学的な側面も取り入れながら北島選手を支えた
「チーム北島」の一員として、金メダル獲得に大きく貢献。
スクール生への講義と泳法撮影が行われ、
小学生から大学生までの選手と保護者ら約六十入が参加。
講義で河合氏は、模式図や水中映像を使い、
水の抵抗を受けにくいターン技術などを指導。
「種目によりターンで、0・3~0・5秒差が出る」と聞いた選手らは
熱心に耳を傾けていた。
撮影した水中映像にコンピューターで解析を加え、
選手一人ひとりにフォーム改善をアドバイス。
画面上でスクール生と北島選手とのフォーム比較も行われるなど、
レベルの高い指導が展開された。
選手らもその場で体を動かしてフォームを確かめるなど、
指導内容を忘れないよう必死。
「これでタイムが1秒は縮まるはず」、「来年は県新を目指そう」など、
具体的な目標を与えられ笑顔でうなずく姿も。
盛小五年の鈴木寿真くんは、
「前回より泳ぎの姿勢が良くなったと言われてうれしかった。
泳ぎ込みを頑張りたい」と笑顔。
大船渡中一年の佐藤亘くんも、
「教わったことは難しい内容だけど、努力して改善したい」。
http://www.tohkaishimpo.com/
*********************
これは、選手にとって素晴しい経験ですね。
トップレベルのアスリートはどういう指導を受け、泳ぎ方をしているのか、
直接教わり、アドバイスをもらう機会はなかなかないです。
特に地方では。
水泳がもっともっと発展するためにも、
このような機会がたくさんあってほしいですね。
大船渡市大船渡町のマックスイミングスクールで、
アテネ五輪金メダリスト・北島康介選手の泳法分析を担当した
工学博士・河合正治氏によるスクール生対象の泳法技術指導が行われた。
選手らは、世界レベルのアドバイスを熱心に聞き、
今後の飛躍への足がかりとしていた。
同スクールでは、選手のフォーム改善を目的に、
河合氏に三年ほど前から定期的な分析を依頼。
これまでは雫石町の県営プールなどで行われていたが、
大船渡市の同スクールでの指導は初めて。
河合氏は、工学的な泳法分析の第一人者で、
数多くのトップスイマーを技術面で支援。
北島選手には、中学三年時からフォーム改善の助言を与え、
アテネ五輪前には科学的な側面も取り入れながら北島選手を支えた
「チーム北島」の一員として、金メダル獲得に大きく貢献。
スクール生への講義と泳法撮影が行われ、
小学生から大学生までの選手と保護者ら約六十入が参加。
講義で河合氏は、模式図や水中映像を使い、
水の抵抗を受けにくいターン技術などを指導。
「種目によりターンで、0・3~0・5秒差が出る」と聞いた選手らは
熱心に耳を傾けていた。
撮影した水中映像にコンピューターで解析を加え、
選手一人ひとりにフォーム改善をアドバイス。
画面上でスクール生と北島選手とのフォーム比較も行われるなど、
レベルの高い指導が展開された。
選手らもその場で体を動かしてフォームを確かめるなど、
指導内容を忘れないよう必死。
「これでタイムが1秒は縮まるはず」、「来年は県新を目指そう」など、
具体的な目標を与えられ笑顔でうなずく姿も。
盛小五年の鈴木寿真くんは、
「前回より泳ぎの姿勢が良くなったと言われてうれしかった。
泳ぎ込みを頑張りたい」と笑顔。
大船渡中一年の佐藤亘くんも、
「教わったことは難しい内容だけど、努力して改善したい」。
http://www.tohkaishimpo.com/
*********************
これは、選手にとって素晴しい経験ですね。
トップレベルのアスリートはどういう指導を受け、泳ぎ方をしているのか、
直接教わり、アドバイスをもらう機会はなかなかないです。
特に地方では。
水泳がもっともっと発展するためにも、
このような機会がたくさんあってほしいですね。
2007年12月2日日曜日
厄介者の巨大クラゲから、有用ネバネバ成分を抽出!
(NPG Nature Asia-Pacific)
理化学研究所中央研究所環境ソフトマテリアル研究ユニット 丑田公規ユニットリーダー(UL)
数年来、日本海で巨大クラゲが大量発生。
クラゲの傘の直径は1メートルにも達し、重さは100キロ以上。
暖流の対馬海流に乗って日本海を北上してくるが、
その際に、定置網や魚を傷つけ、漁業に深刻な影響を与えている。
ミズクラゲなどの小さなクラゲが大量発生すると、
海水を冷却水に用いている沿岸部の原子力発電所や火力発電所が
運転停止に追い込まれることも。
駆除や解体、廃棄もままならないなか、
クラゲの体から、医薬品や食品添加物として使えそうな
有用物質を抽出するのに成功。
丑田ULらが抽出したのは、糖タンパク質であるムチンの一種。
ムチンは動物の粘液や、里芋、オクラに含まれるネバネバ成分の総称。
抗菌作用や保湿効果をもち、化粧品などに利用されているが、
構造が明らかでないものがほとんど。
丑田ULらが発見したのは、ヒト胃液などの主成分である「MUC5AC」。
古事記のなかに出てくる「久羅下」にちなみ、
「国を生む」という日本語をもじって「クニウムチン」と名付け。
10年前に、細胞の外側の骨格成分「ヒアルロン酸」の研究を始めた。
「ヒアルロン酸も糖鎖高分子の一種で、性質はよくわかってきていた。
2004年の夏頃、大量発生するクラゲの質感をみて、
大部分がヒアルロン酸のような糖鎖高分子ではないかと直感」。
ヒアルロン酸の抽出法をクラゲで試したところ、
大量のクニウムチンが出てきた。
クニウムチンは、8つのアミノ酸の繰り返し構造からなるペプチド鎖をもつ。
「クニウムチンは、アミノ酸配列も糖鎖の構造も、
きわめてシンプルかつ原始的な純度の高いムチン」。
現状では、クニウムチンのような単純なムチンでも人工合成は難しい。
丑田ULは、クニウムチンを原材料にして改変を施すことで、
免疫作用や粘膜の保護作用など、多彩な機能をもつムチンを作り出し、
抗菌剤、保湿剤、人工胃液、食品添加物などの用途に。
「クラゲは食用にもなり、クニウムチンを経口投与しても毒性はない。
きわめてシンプルな構造なので、生体に用いても免疫反応や
アレルギー反応をおこす可能性が非常に低い」。
クニウムチンは、エチゼンクラゲやミズクラゲなどの日本海側でみられる
クラゲに共通して大量に含まれ、クラゲ約1トンから300グラム程度抽出。
「日本で年間数十万トンは発生しているので、ほぼ無尽蔵に原料が存在。
クラゲがムチンをもっていたのは幸運だった」。
その幸運は、丑田ULが長年続けてきたヒアルロン酸の研究、
ムチンの有用性とマーケット拡大を見抜く先見の明がもたらした。
「回収作業で多少の収入が得られるようになれば、
漁業関係者の“ただ働き状態”を軽減することにも」。
今後は研究者や民間企業の手を借りることで、
できるかぎり多くの用途をみつけたい。
http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=60
理化学研究所中央研究所環境ソフトマテリアル研究ユニット 丑田公規ユニットリーダー(UL)
数年来、日本海で巨大クラゲが大量発生。
クラゲの傘の直径は1メートルにも達し、重さは100キロ以上。
暖流の対馬海流に乗って日本海を北上してくるが、
その際に、定置網や魚を傷つけ、漁業に深刻な影響を与えている。
ミズクラゲなどの小さなクラゲが大量発生すると、
海水を冷却水に用いている沿岸部の原子力発電所や火力発電所が
運転停止に追い込まれることも。
駆除や解体、廃棄もままならないなか、
クラゲの体から、医薬品や食品添加物として使えそうな
有用物質を抽出するのに成功。
丑田ULらが抽出したのは、糖タンパク質であるムチンの一種。
ムチンは動物の粘液や、里芋、オクラに含まれるネバネバ成分の総称。
抗菌作用や保湿効果をもち、化粧品などに利用されているが、
構造が明らかでないものがほとんど。
丑田ULらが発見したのは、ヒト胃液などの主成分である「MUC5AC」。
古事記のなかに出てくる「久羅下」にちなみ、
「国を生む」という日本語をもじって「クニウムチン」と名付け。
10年前に、細胞の外側の骨格成分「ヒアルロン酸」の研究を始めた。
「ヒアルロン酸も糖鎖高分子の一種で、性質はよくわかってきていた。
2004年の夏頃、大量発生するクラゲの質感をみて、
大部分がヒアルロン酸のような糖鎖高分子ではないかと直感」。
ヒアルロン酸の抽出法をクラゲで試したところ、
大量のクニウムチンが出てきた。
クニウムチンは、8つのアミノ酸の繰り返し構造からなるペプチド鎖をもつ。
「クニウムチンは、アミノ酸配列も糖鎖の構造も、
きわめてシンプルかつ原始的な純度の高いムチン」。
現状では、クニウムチンのような単純なムチンでも人工合成は難しい。
丑田ULは、クニウムチンを原材料にして改変を施すことで、
免疫作用や粘膜の保護作用など、多彩な機能をもつムチンを作り出し、
抗菌剤、保湿剤、人工胃液、食品添加物などの用途に。
「クラゲは食用にもなり、クニウムチンを経口投与しても毒性はない。
きわめてシンプルな構造なので、生体に用いても免疫反応や
アレルギー反応をおこす可能性が非常に低い」。
クニウムチンは、エチゼンクラゲやミズクラゲなどの日本海側でみられる
クラゲに共通して大量に含まれ、クラゲ約1トンから300グラム程度抽出。
「日本で年間数十万トンは発生しているので、ほぼ無尽蔵に原料が存在。
クラゲがムチンをもっていたのは幸運だった」。
その幸運は、丑田ULが長年続けてきたヒアルロン酸の研究、
ムチンの有用性とマーケット拡大を見抜く先見の明がもたらした。
「回収作業で多少の収入が得られるようになれば、
漁業関係者の“ただ働き状態”を軽減することにも」。
今後は研究者や民間企業の手を借りることで、
できるかぎり多くの用途をみつけたい。
http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=60
しっかり眠れば太らない? 小学生対象の米研究
(CNN 2007.11.10)
小学校3年生の時点で、十分な睡眠時間を取っている子どもは、
6年生で肥満になる確率が明らかに低くなるとの研究結果を、
米ミシガン大のチームが発表。
睡眠が足りないと、食欲ホルモンの分泌が乱れたり、
日中の運動不足を招いたりするためではないかと考えられる。
チームでは、連邦当局が過去に実施した調査のデータから、
小学校3年生と6年生の時点の睡眠時間や身長、体重が記録されている
子ども785人を抽出し、相関関係を分析。
3年生の平均睡眠時間は、約9時間半。
7時間しか眠らない子や12時間眠る子も。
同じ子どもたちが、6年生になった時の肥満率に注目。
睡眠時間が9時間未満だったグループと、
10‐12時間眠っていたグループに分けると、
肥満の範囲に入る子の率は前者で約22%、後者で約12%と、明確な差。
3年生の時点で太っていたかどうかという要因を考慮しても、
大きな差があることに変わりはなかった。
さらに詳細な分析の結果、境目は9時間45分の線にあり、
これを超えると肥満率がぐんと下がることが明らかに。
睡眠時間と肥満の関係を調べた研究は、これまでにもいくつか発表。
米シカゴ大の内分泌学者らが成人を対象に実施した調査では、
睡眠が不足すると、体内の食欲増進ホルモン「グレリン」が増え、
食欲抑制ホルモン「レプチン」が減るとの結果が報告。
睡眠が足りない子どもは日中、体を動かすより寝そべって菓子などを
食べている時間が長くなり、これが肥満につながるとの説も。
専門家の間には、「睡眠不足が肥満の原因になるのとは反対に、
肥満が原因で睡眠時無呼吸症候群などが起き、
眠りが妨げられることも考えられる」との指摘もあり、
睡眠時間と肥満の因果関係は確立するまでに至っていない。
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200711100001.html
小学校3年生の時点で、十分な睡眠時間を取っている子どもは、
6年生で肥満になる確率が明らかに低くなるとの研究結果を、
米ミシガン大のチームが発表。
睡眠が足りないと、食欲ホルモンの分泌が乱れたり、
日中の運動不足を招いたりするためではないかと考えられる。
チームでは、連邦当局が過去に実施した調査のデータから、
小学校3年生と6年生の時点の睡眠時間や身長、体重が記録されている
子ども785人を抽出し、相関関係を分析。
3年生の平均睡眠時間は、約9時間半。
7時間しか眠らない子や12時間眠る子も。
同じ子どもたちが、6年生になった時の肥満率に注目。
睡眠時間が9時間未満だったグループと、
10‐12時間眠っていたグループに分けると、
肥満の範囲に入る子の率は前者で約22%、後者で約12%と、明確な差。
3年生の時点で太っていたかどうかという要因を考慮しても、
大きな差があることに変わりはなかった。
さらに詳細な分析の結果、境目は9時間45分の線にあり、
これを超えると肥満率がぐんと下がることが明らかに。
睡眠時間と肥満の関係を調べた研究は、これまでにもいくつか発表。
米シカゴ大の内分泌学者らが成人を対象に実施した調査では、
睡眠が不足すると、体内の食欲増進ホルモン「グレリン」が増え、
食欲抑制ホルモン「レプチン」が減るとの結果が報告。
睡眠が足りない子どもは日中、体を動かすより寝そべって菓子などを
食べている時間が長くなり、これが肥満につながるとの説も。
専門家の間には、「睡眠不足が肥満の原因になるのとは反対に、
肥満が原因で睡眠時無呼吸症候群などが起き、
眠りが妨げられることも考えられる」との指摘もあり、
睡眠時間と肥満の因果関係は確立するまでに至っていない。
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200711100001.html
2007年12月1日土曜日
健康に必須「オメガ3」 摂取なら、やはり魚
(毎日 2007.11.12)
心臓病やがんの予防、脳や目の機能維持に
効果があるとされるオメガ3脂肪酸。
最近、オメガ3を含むことを売りにした新製品が続々と登場しているが、
含有量の少ないものも多いようだ。
オメガ3を含む商品としては、ミルク、卵、ヨーグルト、コーンフレーク、
オレンジジュース、代用バター、マヨネーズなど。
しかし、栄養学の専門家は、
「オメガ3を多く含む魚を買い物リストから外さない方がよい。
新商品に含まれているオメガ3は微量。
なかには全く含まれていないものもある」と忠告。
公共利益のための科学センターのボニー・リーブマンさんは、
「消費者はミスリードされやすい状況にある。よくラベルを読んでも、
ブレイヤーズ社のスマートDHA(ドコサヘキサエン酸)オメガ3ヨーグルトに、
サケ小さじ1杯分のDHAしか含まれていないことを知ることは難しい」。
ブレイヤーズ社のオメガ3ヨーグルト170グラムに含まれる
DHAとEPA(エイコサペンタエン酸)は30ミリグラム。
これに対し、同に重さの大西洋サケのDHA、EPAは3650ミリグラム。
http://sankei.jp.msn.com/life/body/071112/bdy0711122328001-n1.htm
心臓病やがんの予防、脳や目の機能維持に
効果があるとされるオメガ3脂肪酸。
最近、オメガ3を含むことを売りにした新製品が続々と登場しているが、
含有量の少ないものも多いようだ。
オメガ3を含む商品としては、ミルク、卵、ヨーグルト、コーンフレーク、
オレンジジュース、代用バター、マヨネーズなど。
しかし、栄養学の専門家は、
「オメガ3を多く含む魚を買い物リストから外さない方がよい。
新商品に含まれているオメガ3は微量。
なかには全く含まれていないものもある」と忠告。
公共利益のための科学センターのボニー・リーブマンさんは、
「消費者はミスリードされやすい状況にある。よくラベルを読んでも、
ブレイヤーズ社のスマートDHA(ドコサヘキサエン酸)オメガ3ヨーグルトに、
サケ小さじ1杯分のDHAしか含まれていないことを知ることは難しい」。
ブレイヤーズ社のオメガ3ヨーグルト170グラムに含まれる
DHAとEPA(エイコサペンタエン酸)は30ミリグラム。
これに対し、同に重さの大西洋サケのDHA、EPAは3650ミリグラム。
http://sankei.jp.msn.com/life/body/071112/bdy0711122328001-n1.htm
日本語は6位 人気はアラビア語と中国語 米大学履修
(毎日 2007.11.14)
米国の現代言語協会は、全米約2800の大学で
2006年度に学生が履修した外国語の講座数に関する調査結果を発表。
4年前と比べて、フランス語、ドイツ語が伸び悩んだ一方、
アラビア語が倍増、中国語などアジア系言語も人気。
日本語は6位。
「学生は将来、世界がどうなるかを考え言語を履修する傾向がある」。
経済発展が著しいアジアや、政治情勢が激動している中東に
関心が向いていると分析。
外国語の履修者数は、約157万8000人で12・9%の伸び。
1位はスペイン語(伸び率は10・3%)、2位フランス語(同2・2%)、
3位ドイツ語(同3・5%)。
02年には1万584人に過ぎなかったアラビア語の履修者が
2万3974人と一気に126・5%増。
中国語も、51%増で7位に浮上、朝鮮語も37・1%増と健闘し、
アジア系言語が人気を集めていることを示した。
日本語も27・5%増で、アニメや漫画人気が反映。
ユニークなところでは、米国式の手話が29・7%増で4位。
http://sankei.jp.msn.com/world/america/071114/amr0711141021005-n1.htm
米国の現代言語協会は、全米約2800の大学で
2006年度に学生が履修した外国語の講座数に関する調査結果を発表。
4年前と比べて、フランス語、ドイツ語が伸び悩んだ一方、
アラビア語が倍増、中国語などアジア系言語も人気。
日本語は6位。
「学生は将来、世界がどうなるかを考え言語を履修する傾向がある」。
経済発展が著しいアジアや、政治情勢が激動している中東に
関心が向いていると分析。
外国語の履修者数は、約157万8000人で12・9%の伸び。
1位はスペイン語(伸び率は10・3%)、2位フランス語(同2・2%)、
3位ドイツ語(同3・5%)。
02年には1万584人に過ぎなかったアラビア語の履修者が
2万3974人と一気に126・5%増。
中国語も、51%増で7位に浮上、朝鮮語も37・1%増と健闘し、
アジア系言語が人気を集めていることを示した。
日本語も27・5%増で、アニメや漫画人気が反映。
ユニークなところでは、米国式の手話が29・7%増で4位。
http://sankei.jp.msn.com/world/america/071114/amr0711141021005-n1.htm
2007年11月30日金曜日
適応免疫系の細胞は初期の自然免疫応答を調節する
(nature medicine 10月号Vol.13 No.10 / P.1248 - 1252)
Toll様受容体(TLR)は、
病原体関連分子パターンと呼ばれる、保存された微生物構造を認識。
TLRからのシグナル伝達は、
T細胞プライミングを増強する共刺激分子の発現上昇や、
自然免疫系の細胞による炎症性サイトカインの分泌を引き起こす。
リンパ球を欠く宿主は、急性感染で死亡することが多いが、
これはおそらく効果的に病原体を除去する適応免疫応答を欠くため。
しかし本論文では、常在するT細胞が存在しないことで
抑制が解除された自然免疫応答も直接の死因になりうることを示す。
T細胞またはリンパ球を欠損するマウスに、ウイルスを感染させるか、
TLR3のリガンドであるポリ(I:C)を投与すると、
NK細胞と腫瘍壊死因子に依存する形でサイトカインの急激な産生、
つまり「サイトカインの嵐」状態が引き起こされた。
また、野生型マウスでのCD4+およびCD8+細胞の除去、
Rag1欠失マウスへのTリンパ球の移入により、
早期の自然免疫応答の抑制にはT細胞が必要、
これだけで十分であることも明らかになった。
本来的に存在する調節性T細胞の影響に加えて、
休止状態CD4+CD25Foxp3、CD8+ T細胞の自然免疫系細胞との
濃密接触によっても、さまざまな自然免疫系細胞によるサイトカインの
急激な産生増大を抗原非依存的に抑制できた。
したがって、適応免疫系の細胞には、初期自然免疫応答の調節という
予想外の役割があると考えられる。
[原文]Adaptive immune cells temper initial innate responses
Kwang Dong Kim1,2,3, Jie Zhao1,3, Sogyong Auh2, Xuanming Yang1, Peishuang Du1, Hong Tang1 & Yang-Xin Fu1,2 1 Center for Infection and Immunity and National Laboratory of Biomacromolecules, Institute of Biophysics, Chinese Academy of Sciences, 15 Da Tun Road, Chaoyang District, Beijing 100101, China.2 Department of Pathology, University of Chicago, Chicago, Illinois 60637, USA,3
Toll-like receptors (TLRs) recognize conserved microbial structures called pathogen-associated molecular patterns. Signaling from TLRs leads to upregulation of co-stimulatory molecules for better priming of T cells and secretion of inflammatory cytokines by innate immune cells1, 2, 3, 4. Lymphocyte-deficient hosts often die of acute infection, presumably owing to their lack of an adaptive immune response to effectively clear pathogens. However, we show here that an unleashed innate immune response due to the absence of residential T cells can also be a direct cause of death. Viral infection or administration of poly(I:C), a ligand for TLR3, led to cytokine storm in T-cell- or lymphocyte-deficient mice in a fashion dependent on NK cells and tumor necrosis factor. We have further shown, through the depletion of CD4+ and CD8+ cells in wild-type mice and the transfer of T lymphocytes into Rag-1-deficient mice, respectively, that T cells are both necessary and sufficient to temper the early innate response. In addition to the effects of natural regulatory T cells, close contact of resting CD4+CD25-Foxp3- or CD8+ T cells with innate cells could also suppress the cytokine surge by various innate cells in an antigen-independent fashion. Therefore, adaptive immune cells have an unexpected role in tempering initial innate responses.
http://www.m3.com/tools/MedicalLibrary/nature/200710/nature_medicine/11.html
Toll様受容体(TLR)は、
病原体関連分子パターンと呼ばれる、保存された微生物構造を認識。
TLRからのシグナル伝達は、
T細胞プライミングを増強する共刺激分子の発現上昇や、
自然免疫系の細胞による炎症性サイトカインの分泌を引き起こす。
リンパ球を欠く宿主は、急性感染で死亡することが多いが、
これはおそらく効果的に病原体を除去する適応免疫応答を欠くため。
しかし本論文では、常在するT細胞が存在しないことで
抑制が解除された自然免疫応答も直接の死因になりうることを示す。
T細胞またはリンパ球を欠損するマウスに、ウイルスを感染させるか、
TLR3のリガンドであるポリ(I:C)を投与すると、
NK細胞と腫瘍壊死因子に依存する形でサイトカインの急激な産生、
つまり「サイトカインの嵐」状態が引き起こされた。
また、野生型マウスでのCD4+およびCD8+細胞の除去、
Rag1欠失マウスへのTリンパ球の移入により、
早期の自然免疫応答の抑制にはT細胞が必要、
これだけで十分であることも明らかになった。
本来的に存在する調節性T細胞の影響に加えて、
休止状態CD4+CD25Foxp3、CD8+ T細胞の自然免疫系細胞との
濃密接触によっても、さまざまな自然免疫系細胞によるサイトカインの
急激な産生増大を抗原非依存的に抑制できた。
したがって、適応免疫系の細胞には、初期自然免疫応答の調節という
予想外の役割があると考えられる。
[原文]Adaptive immune cells temper initial innate responses
Kwang Dong Kim1,2,3, Jie Zhao1,3, Sogyong Auh2, Xuanming Yang1, Peishuang Du1, Hong Tang1 & Yang-Xin Fu1,2 1 Center for Infection and Immunity and National Laboratory of Biomacromolecules, Institute of Biophysics, Chinese Academy of Sciences, 15 Da Tun Road, Chaoyang District, Beijing 100101, China.2 Department of Pathology, University of Chicago, Chicago, Illinois 60637, USA,3
Toll-like receptors (TLRs) recognize conserved microbial structures called pathogen-associated molecular patterns. Signaling from TLRs leads to upregulation of co-stimulatory molecules for better priming of T cells and secretion of inflammatory cytokines by innate immune cells1, 2, 3, 4. Lymphocyte-deficient hosts often die of acute infection, presumably owing to their lack of an adaptive immune response to effectively clear pathogens. However, we show here that an unleashed innate immune response due to the absence of residential T cells can also be a direct cause of death. Viral infection or administration of poly(I:C), a ligand for TLR3, led to cytokine storm in T-cell- or lymphocyte-deficient mice in a fashion dependent on NK cells and tumor necrosis factor. We have further shown, through the depletion of CD4+ and CD8+ cells in wild-type mice and the transfer of T lymphocytes into Rag-1-deficient mice, respectively, that T cells are both necessary and sufficient to temper the early innate response. In addition to the effects of natural regulatory T cells, close contact of resting CD4+CD25-Foxp3- or CD8+ T cells with innate cells could also suppress the cytokine surge by various innate cells in an antigen-independent fashion. Therefore, adaptive immune cells have an unexpected role in tempering initial innate responses.
http://www.m3.com/tools/MedicalLibrary/nature/200710/nature_medicine/11.html
iPS細胞:ヒトの皮膚から万能細胞 京大などが成功
(毎日 11月21日)
ヒトの皮膚細胞から、心筋細胞や神経細胞などさまざまな細胞に
分化する能力を持つ万能細胞「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を
作り出すことに、日米二つの研究チームが成功。
患者自身の遺伝子を持つ細胞を作り、治療に利用することに道を開く技術。
クローン胚から作る同様の能力を持つ胚性幹細胞(ES細胞)と違い、
作成に未受精卵を使うなどの倫理的問題を回避できる。
拒絶反応のない細胞移植治療などの再生医療や新薬開発など、
幅広い応用に向けた研究が加速しそうだ。
京都大などのチーム、米ウィスコンシン大などのチームが発表。
京大の山中伸弥教授と高橋和利助教らは、
体細胞を胚の状態に戻し、さまざまな細胞に分化する能力を
よみがえらせる「初期化」には四つの遺伝子が必要なことを発見し、
昨年8月にマウスの皮膚細胞からiPS細胞を作ることに成功。
これを受け、世界の研究者がヒトのiPS細胞の開発を目指し、
激しい競争を繰り広げていた。
山中教授らは、マウスでの4遺伝子と同様の働きをするヒトの4遺伝子を
成人の皮膚細胞に導入し、ヒトのiPS細胞を開発することに成功。
この細胞が、容器内で拍動する心筋や神経などの各種細胞に分化する。
iPS細胞をマウスに注入すると、さまざまな細胞や組織を含むこぶができ、
多能性を持つことが示された。
ウィスコンシン大のジェームズ・トムソン教授らは、
胎児や新生児の皮膚細胞から、京大チームとは異なる組み合わせの
4遺伝子を使い、iPS細胞を作ることに成功。
世界初の体細胞クローン動物、羊のドリーを誕生させた
英国のイアン・ウィルムット博士は、ヒトクローン胚研究を断念する方針。
クローン胚由来のES細胞より、iPS細胞の方が治療には有望。
一方、初期化に使う4遺伝子にはがん遺伝子も含まれ、
発がんなどの危険性がある。
今後は安全性の確保が研究の焦点に。
http://mainichi.jp/select/science/news/20071121k0000m040170000c.html
ヒトの皮膚細胞から、心筋細胞や神経細胞などさまざまな細胞に
分化する能力を持つ万能細胞「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を
作り出すことに、日米二つの研究チームが成功。
患者自身の遺伝子を持つ細胞を作り、治療に利用することに道を開く技術。
クローン胚から作る同様の能力を持つ胚性幹細胞(ES細胞)と違い、
作成に未受精卵を使うなどの倫理的問題を回避できる。
拒絶反応のない細胞移植治療などの再生医療や新薬開発など、
幅広い応用に向けた研究が加速しそうだ。
京都大などのチーム、米ウィスコンシン大などのチームが発表。
京大の山中伸弥教授と高橋和利助教らは、
体細胞を胚の状態に戻し、さまざまな細胞に分化する能力を
よみがえらせる「初期化」には四つの遺伝子が必要なことを発見し、
昨年8月にマウスの皮膚細胞からiPS細胞を作ることに成功。
これを受け、世界の研究者がヒトのiPS細胞の開発を目指し、
激しい競争を繰り広げていた。
山中教授らは、マウスでの4遺伝子と同様の働きをするヒトの4遺伝子を
成人の皮膚細胞に導入し、ヒトのiPS細胞を開発することに成功。
この細胞が、容器内で拍動する心筋や神経などの各種細胞に分化する。
iPS細胞をマウスに注入すると、さまざまな細胞や組織を含むこぶができ、
多能性を持つことが示された。
ウィスコンシン大のジェームズ・トムソン教授らは、
胎児や新生児の皮膚細胞から、京大チームとは異なる組み合わせの
4遺伝子を使い、iPS細胞を作ることに成功。
世界初の体細胞クローン動物、羊のドリーを誕生させた
英国のイアン・ウィルムット博士は、ヒトクローン胚研究を断念する方針。
クローン胚由来のES細胞より、iPS細胞の方が治療には有望。
一方、初期化に使う4遺伝子にはがん遺伝子も含まれ、
発がんなどの危険性がある。
今後は安全性の確保が研究の焦点に。
http://mainichi.jp/select/science/news/20071121k0000m040170000c.html
2007年11月28日水曜日
バイオ燃料:メキシコで研究、サボテンから
(毎日 11月27日)
エスピノサ・メキシコ外相は、サボテンの一種を原料とした
バイオ燃料(植物由来の代替燃料)について研究中であることを明らかに。
バイオ燃料は、温暖化対策の一環として注目を集めているが、
メキシコでは、トウモロコシを原料とするバイオ燃料を促進している
米国のあおりを受け、主食のトルティーヤの価格が上昇。
エスピノサ外相は、「消費者価格に影響を与えない
バイオ燃料の原料を探す必要がある。サボテンの一種が、
バイオ燃料の生産に適しているかどうか研究中だ」。
また、気候変動枠組み条約第13回締約国会議(COP13)について、
ポスト京都議定書の枠組み構築に向け、
「合意形成のため日本と密接に連絡を取り合う」と表明。
http://mainichi.jp/select/science/news/20071127ddm007030098000c.html
エスピノサ・メキシコ外相は、サボテンの一種を原料とした
バイオ燃料(植物由来の代替燃料)について研究中であることを明らかに。
バイオ燃料は、温暖化対策の一環として注目を集めているが、
メキシコでは、トウモロコシを原料とするバイオ燃料を促進している
米国のあおりを受け、主食のトルティーヤの価格が上昇。
エスピノサ外相は、「消費者価格に影響を与えない
バイオ燃料の原料を探す必要がある。サボテンの一種が、
バイオ燃料の生産に適しているかどうか研究中だ」。
また、気候変動枠組み条約第13回締約国会議(COP13)について、
ポスト京都議定書の枠組み構築に向け、
「合意形成のため日本と密接に連絡を取り合う」と表明。
http://mainichi.jp/select/science/news/20071127ddm007030098000c.html
概日リズム睡眠障害の管理に関するガイドライン
(Medscape 11月5日)
米国睡眠医学会(AASM)は、概日リズム睡眠障害(CRSDs)の
臨床評価と治療に関する診療パラメーターを発表。
診療パラメーターは、2つの付随する包括的レビューに基づいて、
CRSDsの評価と治療のための勧告を提示。
主な診断ツールは、睡眠記録、アクティグラフィー、
朝型~夜型質問紙調査(Morningness-Eveningness Questionnaire:MEQ)、
生物学的フェーズマーカー(biologic phase markers)、睡眠ポリグラフ計」。
付随レビューは、2部から構成。
第1部は、概日リズム生物学の概要と「外因性」CRSDs
(交代勤務睡眠障害、時差症候群)について、
第2部は、「内因性」CRSDs(睡眠相前進症候群、睡眠相後退症候群、
不規則睡眠覚醒リズム、非24時間睡眠覚醒症候群 [非同調型] または
自由継続型)について。
両レビューは、2006年10月までに発表された科学文献を要約したものであり、
Oxford System for Evidence-Based Medicineに準じてエビデンスを評価。
AASMの診療標準委員会は、スタンダード(確実性が最も高いレベル)、
ガイドライン(中間レベル)、オプション(最も低いレベル)の治療勧告のレベルを決定。
改正診療パラメーターでは、アクティグラフィー、光線療法の使用が取り上げられた。
各勧告は次の通り。
* CRSD疑いの患者の評価には、睡眠記録、日記を使用(ガイドライン)。
* CRSDs疑いの患者の評価の一助として、アクティグラフィーが使用。
どのCRSDかにより、勧告の強度は「オプション」から「ガイドライン」まで。
* CRSDsの診断には、睡眠ポリグラフ計は使用されない。
しかし、別の原発性睡眠障害の可能性を除外するためには、
睡眠ポリグラフ計が必要な場合も(スタンダード)。
* CRSDsの通常の臨床評価について、MEQの使用が妥当と言えるほどの
十分なエビデンスは得られていない(オプション)。
* 目の見える患者、見えない患者に、概日周期を判定し、
自由継続型睡眠障害の診断を確定するには、生物学的周期マーカーは有用。
交代勤務睡眠障害、時差症候群、睡眠相前進障害、睡眠相後退障害、
不規則睡眠覚醒リズムの診断に、十分なエビデンスはない(オプション)。
* CRSDs治療に、アクティグラフィーは有用な評価尺度(ガイドライン)。
利用できる治療法には、計画的睡眠スケジュール(planned sleep schedules)、
定時の光照射、定時のメラトニン投与、睡眠剤、精神刺激剤、覚醒薬。
* 睡眠スケジュールは、時差症候群、交代勤務睡眠障害、睡眠相後退症候群、
睡眠相前進症候群、不規則睡眠覚醒リズム、自由継続型睡眠障害に使用(オプション)。
* 定時の光照射は、概日障害に使用、奏効度は各診断によって様々(オプション)。
* メラトニン投与は、目の見える患者における交代勤務睡眠障害、
睡眠相前進障害、自由継続型睡眠障害(オプション)、
目の見えない患者の時差症候群、睡眠相後退障害、自由継続型障害(オプション)、
精神運動発達遅滞児における不規則睡眠覚醒リズム(オプション)に使用。
* 夜間勤務者における日中の睡眠を促進または改善に、睡眠剤を用いる(ガイドライン)。
* 時差による不眠の治療には、睡眠薬を用いることも可能(オプション)。
* 精神刺激薬は、時差症候群、交代勤務睡眠障害における覚醒を
改善するために用いる(オプション)が、リスクがあり、慎重な検討が必要。
* 交代勤務睡眠障害患者には、夜間勤務中の覚醒を改善するために
モダフィニル(modafinil)を用いる(ガイドライン)。
「睡眠障害は、内因性と外因性に分類されるが、
各障害の生理学的基盤はそれほど外科的に分かれていない。
内因性因子と外因性因子との組み合わせが各障害を発現させている」。
Sleep. 2007;00:000-000.
米国睡眠医学会(AASM)は、概日リズム睡眠障害(CRSDs)の
臨床評価と治療に関する診療パラメーターを発表。
AASMの診療標準委員会(Standards of Practice Committee)の
Timothy I. Morgenthalerらは、
「概日リズム睡眠障害(CRSDs)に関する臨床研究の文献が増え、
AASMは特別作業部会を招集し、レビューを作成した。
診療パラメーターは、2つの付随する包括的レビューに基づいて、
CRSDsの評価と治療のための勧告を提示。
主な診断ツールは、睡眠記録、アクティグラフィー、
朝型~夜型質問紙調査(Morningness-Eveningness Questionnaire:MEQ)、
生物学的フェーズマーカー(biologic phase markers)、睡眠ポリグラフ計」。
付随レビューは、2部から構成。
第1部は、概日リズム生物学の概要と「外因性」CRSDs
(交代勤務睡眠障害、時差症候群)について、
第2部は、「内因性」CRSDs(睡眠相前進症候群、睡眠相後退症候群、
不規則睡眠覚醒リズム、非24時間睡眠覚醒症候群 [非同調型] または
自由継続型)について。
両レビューは、2006年10月までに発表された科学文献を要約したものであり、
Oxford System for Evidence-Based Medicineに準じてエビデンスを評価。
AASMの診療標準委員会は、スタンダード(確実性が最も高いレベル)、
ガイドライン(中間レベル)、オプション(最も低いレベル)の治療勧告のレベルを決定。
改正診療パラメーターでは、アクティグラフィー、光線療法の使用が取り上げられた。
各勧告は次の通り。
* CRSD疑いの患者の評価には、睡眠記録、日記を使用(ガイドライン)。
* CRSDs疑いの患者の評価の一助として、アクティグラフィーが使用。
どのCRSDかにより、勧告の強度は「オプション」から「ガイドライン」まで。
* CRSDsの診断には、睡眠ポリグラフ計は使用されない。
しかし、別の原発性睡眠障害の可能性を除外するためには、
睡眠ポリグラフ計が必要な場合も(スタンダード)。
* CRSDsの通常の臨床評価について、MEQの使用が妥当と言えるほどの
十分なエビデンスは得られていない(オプション)。
* 目の見える患者、見えない患者に、概日周期を判定し、
自由継続型睡眠障害の診断を確定するには、生物学的周期マーカーは有用。
交代勤務睡眠障害、時差症候群、睡眠相前進障害、睡眠相後退障害、
不規則睡眠覚醒リズムの診断に、十分なエビデンスはない(オプション)。
* CRSDs治療に、アクティグラフィーは有用な評価尺度(ガイドライン)。
利用できる治療法には、計画的睡眠スケジュール(planned sleep schedules)、
定時の光照射、定時のメラトニン投与、睡眠剤、精神刺激剤、覚醒薬。
* 睡眠スケジュールは、時差症候群、交代勤務睡眠障害、睡眠相後退症候群、
睡眠相前進症候群、不規則睡眠覚醒リズム、自由継続型睡眠障害に使用(オプション)。
* 定時の光照射は、概日障害に使用、奏効度は各診断によって様々(オプション)。
* メラトニン投与は、目の見える患者における交代勤務睡眠障害、
睡眠相前進障害、自由継続型睡眠障害(オプション)、
目の見えない患者の時差症候群、睡眠相後退障害、自由継続型障害(オプション)、
精神運動発達遅滞児における不規則睡眠覚醒リズム(オプション)に使用。
* 夜間勤務者における日中の睡眠を促進または改善に、睡眠剤を用いる(ガイドライン)。
* 時差による不眠の治療には、睡眠薬を用いることも可能(オプション)。
* 精神刺激薬は、時差症候群、交代勤務睡眠障害における覚醒を
改善するために用いる(オプション)が、リスクがあり、慎重な検討が必要。
* 交代勤務睡眠障害患者には、夜間勤務中の覚醒を改善するために
モダフィニル(modafinil)を用いる(ガイドライン)。
「睡眠障害は、内因性と外因性に分類されるが、
各障害の生理学的基盤はそれほど外科的に分かれていない。
内因性因子と外因性因子との組み合わせが各障害を発現させている」。
Sleep. 2007;00:000-000.
2007年11月27日火曜日
熊本大:活性酸素減らす物質の体内メカニズム明らかに
(毎日 11月27日)
がんや動脈硬化、老化などの原因と言われる
活性酸素を減らす物質が体内で作られるメカニズムを、
熊本大学大学院医学薬学研究部の赤池孝章教授らのグループが明らかに。
研究が進めば、がんの予防・治療などへの応用につながりそう。
英科学誌「ネイチャー・ケミカルバイオロジー」11月号に紹介。
赤池教授らは、体内で作られ、血管拡張などの働きを持つ
「環状グアノシン1リン酸(cGMP)」という物質が、一酸化窒素と結び付くと、
ニトロ化環状グアノシン1リン酸(8ーニトロcGMP)
という新しい物質になることを発見。
この物質も血管拡張の働きを持つが、
その効果はcGMPの約100倍に達した。
さらに、8ーニトロcGMPが細胞内のある種のたんぱく質と結びつくと、
活性酸素を減らす酵素をたくさん作り出す。
活性酸素は、たばこやアルコール、油の取り過ぎなどで
多く発生するといわれ、動脈硬化やがんなどの原因の一つ。
98年には、cGMPの働きを明らかにした米国の研究者ら3人が
ノーベル医学・生理学賞を受賞しているが、
8ーニトロcGMPの存在や、その働きまではわかっていなかった。
東北大学大学院医学系研究科の下川宏明教授(循環器病態学)は、
赤池教授らの研究について、
「ガンや動脈硬化などの、新しい治療法の開発に結びつく可能性があり、
非常に素晴らしい研究だ」。
http://mainichi.jp/select/science/news/20071127k0000m040162000c.html
がんや動脈硬化、老化などの原因と言われる
活性酸素を減らす物質が体内で作られるメカニズムを、
熊本大学大学院医学薬学研究部の赤池孝章教授らのグループが明らかに。
研究が進めば、がんの予防・治療などへの応用につながりそう。
英科学誌「ネイチャー・ケミカルバイオロジー」11月号に紹介。
赤池教授らは、体内で作られ、血管拡張などの働きを持つ
「環状グアノシン1リン酸(cGMP)」という物質が、一酸化窒素と結び付くと、
ニトロ化環状グアノシン1リン酸(8ーニトロcGMP)
という新しい物質になることを発見。
この物質も血管拡張の働きを持つが、
その効果はcGMPの約100倍に達した。
さらに、8ーニトロcGMPが細胞内のある種のたんぱく質と結びつくと、
活性酸素を減らす酵素をたくさん作り出す。
活性酸素は、たばこやアルコール、油の取り過ぎなどで
多く発生するといわれ、動脈硬化やがんなどの原因の一つ。
98年には、cGMPの働きを明らかにした米国の研究者ら3人が
ノーベル医学・生理学賞を受賞しているが、
8ーニトロcGMPの存在や、その働きまではわかっていなかった。
東北大学大学院医学系研究科の下川宏明教授(循環器病態学)は、
赤池教授らの研究について、
「ガンや動脈硬化などの、新しい治療法の開発に結びつく可能性があり、
非常に素晴らしい研究だ」。
http://mainichi.jp/select/science/news/20071127k0000m040162000c.html
2007年11月25日日曜日
免疫:「危険」信号
(Nature Reviews Cancer 7(10), Oct 2007)
Toll様受容体(TLR)は、外因性および内因性の「危険」信号を認識するが、
瀕死の腫瘍細胞に対する効率的な免疫応答はどのように起こるのか?
G KroemerとL Zitvogelらは、これまで知られていなかった経路、
化学療法後に死滅しつつある腫瘍細胞がTLRによって認識され、
免疫応答の引き金となる経路について記載。
野生型TLRをもつか、TLR欠損したマウスの足蹠に、
ドキソルビシンまたはオキサリプラチンで治療した瀕死の
胸腺腫、肉腫、結腸癌細胞のいずれかを接種したところ、
腫瘍抗原による再刺激後のT細胞プライミング
(インターフェロンγ産生量を測定)に異常があったのは、Tlr4–/–マウスのみ。
野生型マウスの樹状細胞(DC)が枯渇すると、
瀕死の腫瘍細胞によるT細胞のプライミングは終息。
野生型、Tlr4–/–のいずれかのDCを、瀕死の腫瘍細胞に暴露し、
Tlr4–/–マウスに移入した結果、T細胞を活性化できなかったのは
TLR4のないDCのみであり、免疫応答にはTLR4+ DCが必要。
次に、共沈降法を用いて、瀕死の腫瘍細胞によって放出された
内因性のタンパク質high-mobility group box 1 protein(HMGB1)が
危険信号となり、DC上のTLR4に結合して刺激することで
免疫応答を動員することを明らかにした。
この信号が必要な理由は、HMGB1に対する短い二本鎖RNA(siRNA)
または中和抗体と腫瘍細胞とのプレインキュベーションが、
瀕死の腫瘍細胞によるDCの刺激能力を阻害したため。
瀕死の腫瘍細胞に暴露されたMyd88–/– DCは、
Tlr4–/– DCと同じ挙動をみせたことから、
HMGB1を認識したTLR4は、TLRアダプターである
myeloid differentiation primary response protein(MYD88)を
通じてシグナルを変換する。
HMGB1-TLR4-MYD88経路は、抗癌剤の効果にどう関与するのか?
Tlr4–/–マウス、またはHMGB1のない瀕死の腫瘍細胞は、
初回注入から1週間後に接種した同じ腫瘍細胞に対して、
効率的な抗腫瘍反応を誘発できなかった。
腫瘍が定着したマウスに、TLR4またはMYD88がなければ、
化学療法も局所放射線療法も、野生型マウスにみられたほどの
腫瘍増殖の抑制や生存期間の延長をもたらさなかった。
以上の所見は、患者とどうかかわってくるのだろうか?
白人の8~10%にはTLR4(Asp299Gly)に多型があり、
これが乳癌に対する化学療法の効果を弱める可能性がある。
この多型がTLR4とHMGB1との相互作用を抑え、
DCが瀕死の腫瘍細胞からの抗原を細胞傷害性T細胞に提示するのを妨ぐ。
また、リンパ節浸潤のため、術後にアントラサイクリン類による治療を受けた
非転移性乳癌患者280例を対象に、転移までの時間を分析。
術後5年までの転移率は、野生型TLR4をもつ患者が26.5%に対し、
変異型TLR4をもつ患者は40%であり、
変異型TLR4をもつ患者の無転移生存率も有意に低かった。
瀕死の腫瘍細胞は、治療の成功に必要な免疫応答を誘発し、
現在の化学療法における免疫原性の改善に利用できる可能性がある。
http://www.natureasia.com/japan/cancer/highlights/article.php?i=60561
Toll様受容体(TLR)は、外因性および内因性の「危険」信号を認識するが、
瀕死の腫瘍細胞に対する効率的な免疫応答はどのように起こるのか?
G KroemerとL Zitvogelらは、これまで知られていなかった経路、
化学療法後に死滅しつつある腫瘍細胞がTLRによって認識され、
免疫応答の引き金となる経路について記載。
野生型TLRをもつか、TLR欠損したマウスの足蹠に、
ドキソルビシンまたはオキサリプラチンで治療した瀕死の
胸腺腫、肉腫、結腸癌細胞のいずれかを接種したところ、
腫瘍抗原による再刺激後のT細胞プライミング
(インターフェロンγ産生量を測定)に異常があったのは、Tlr4–/–マウスのみ。
野生型マウスの樹状細胞(DC)が枯渇すると、
瀕死の腫瘍細胞によるT細胞のプライミングは終息。
野生型、Tlr4–/–のいずれかのDCを、瀕死の腫瘍細胞に暴露し、
Tlr4–/–マウスに移入した結果、T細胞を活性化できなかったのは
TLR4のないDCのみであり、免疫応答にはTLR4+ DCが必要。
次に、共沈降法を用いて、瀕死の腫瘍細胞によって放出された
内因性のタンパク質high-mobility group box 1 protein(HMGB1)が
危険信号となり、DC上のTLR4に結合して刺激することで
免疫応答を動員することを明らかにした。
この信号が必要な理由は、HMGB1に対する短い二本鎖RNA(siRNA)
または中和抗体と腫瘍細胞とのプレインキュベーションが、
瀕死の腫瘍細胞によるDCの刺激能力を阻害したため。
瀕死の腫瘍細胞に暴露されたMyd88–/– DCは、
Tlr4–/– DCと同じ挙動をみせたことから、
HMGB1を認識したTLR4は、TLRアダプターである
myeloid differentiation primary response protein(MYD88)を
通じてシグナルを変換する。
HMGB1-TLR4-MYD88経路は、抗癌剤の効果にどう関与するのか?
Tlr4–/–マウス、またはHMGB1のない瀕死の腫瘍細胞は、
初回注入から1週間後に接種した同じ腫瘍細胞に対して、
効率的な抗腫瘍反応を誘発できなかった。
腫瘍が定着したマウスに、TLR4またはMYD88がなければ、
化学療法も局所放射線療法も、野生型マウスにみられたほどの
腫瘍増殖の抑制や生存期間の延長をもたらさなかった。
以上の所見は、患者とどうかかわってくるのだろうか?
白人の8~10%にはTLR4(Asp299Gly)に多型があり、
これが乳癌に対する化学療法の効果を弱める可能性がある。
この多型がTLR4とHMGB1との相互作用を抑え、
DCが瀕死の腫瘍細胞からの抗原を細胞傷害性T細胞に提示するのを妨ぐ。
また、リンパ節浸潤のため、術後にアントラサイクリン類による治療を受けた
非転移性乳癌患者280例を対象に、転移までの時間を分析。
術後5年までの転移率は、野生型TLR4をもつ患者が26.5%に対し、
変異型TLR4をもつ患者は40%であり、
変異型TLR4をもつ患者の無転移生存率も有意に低かった。
瀕死の腫瘍細胞は、治療の成功に必要な免疫応答を誘発し、
現在の化学療法における免疫原性の改善に利用できる可能性がある。
http://www.natureasia.com/japan/cancer/highlights/article.php?i=60561
脳障害のメカニズム解明 てんかんでシナプス減少
(共同通信社 2007年11月8日)
慢性脳疾患のてんかんの中で、薬を服用しても発作が治まらない
「難治性てんかん」の患者が、記憶や学習に障害をきたす場合の
脳のメカニズムを、東京都神経科学総合研究所や大阪大などの
チームがラットなどで解明。
重度の患者に脳機能障害が起こるのを予防する
薬剤の開発につながる可能性があるという。
てんかんの強いけいれん発作が繰り返し起きると、
脳で情報がやりとりされる、神経細胞の接合部「シナプス」の数が減り、
記憶障害などを引き起こす場合がある。
発作が起きたときに、神経細胞内でタンパク質「アルカドリン」が
大量に作られていることを発見。
アルカドリンが、シナプス間を接着している神経細胞の
表面のタンパク質を減らす働きをすることを突き止めた。
難治性てんかんでは、アルカドリンが過剰になった結果、
シナプス間の接着が切れてシナプスが消失、数が減るらしい。
山形要人・同研究所副参事研究員(神経薬理学)は
「アルカドリンの働きにかかわる酵素を抑える物質が
薬の候補になり得る」。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=60626
慢性脳疾患のてんかんの中で、薬を服用しても発作が治まらない
「難治性てんかん」の患者が、記憶や学習に障害をきたす場合の
脳のメカニズムを、東京都神経科学総合研究所や大阪大などの
チームがラットなどで解明。
重度の患者に脳機能障害が起こるのを予防する
薬剤の開発につながる可能性があるという。
てんかんの強いけいれん発作が繰り返し起きると、
脳で情報がやりとりされる、神経細胞の接合部「シナプス」の数が減り、
記憶障害などを引き起こす場合がある。
発作が起きたときに、神経細胞内でタンパク質「アルカドリン」が
大量に作られていることを発見。
アルカドリンが、シナプス間を接着している神経細胞の
表面のタンパク質を減らす働きをすることを突き止めた。
難治性てんかんでは、アルカドリンが過剰になった結果、
シナプス間の接着が切れてシナプスが消失、数が減るらしい。
山形要人・同研究所副参事研究員(神経薬理学)は
「アルカドリンの働きにかかわる酵素を抑える物質が
薬の候補になり得る」。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=60626
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