(読売 9月1日)
道順などの記憶には、脳細胞の一部が新しく作られ続ける
必要があることを、京都大の影山龍一郎教授らがマウス実験で突き止めた。
記憶障害の仕組み解明につながる成果で、
科学誌ネイチャー・ニューロサイエンスに発表。
脳細胞は、減り続けるだけと考えられていたが、
近年、大人でも新しい細胞ができることが分かってきた。
影山教授らは、生後2か月以降のマウスの脳で、
新しくできた細胞を検知する技術を開発。
新しく脳細胞を作れなくする操作も使って、影響を調べた。
その結果、空間認識など複雑な記憶の中枢とされる
海馬の歯状回では、8か月間で細胞数が約15%増えることが判明。
新しい細胞を作れなくすると、1週間後には一度覚えた道順をたどれなくなった。
においを感じる脳前部の嗅球は、1年間で6~7割の細胞が
入れ替わっていた。
新しい細胞を作れなくすると3か月後、組織に空洞ができた。
ただ、においの記憶は残っており、道順などの記憶とは仕組みが違うらしい。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080831-OYT1T00646.htm
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