(共同通信社 2008年9月4日)
精製n-3多価不飽和脂肪酸(n-3PUFAs)の新たな画期的試験の結果を、
ルイジ・タバッツィ教授(GISSI-HF)が報告、
n-3PUFAsで症候性心不全患者の心臓病起因の
死亡、入院が減少したことが明らかに。
2008年8月31日のESC会議で報告。
GISSI-HFは、6975人の患者を対象とした3・9年間の
プロスペクティブ、マルチセンター、ダブルブラインド、偽薬方式の研究。
最適勧告療法(ORT:ACE阻害剤、ベータ遮断剤、利尿剤、
ジギタリス、スピロノラクトン)のバックグラウンドに対する偽薬との比較で、
毎日1gの投与量でn-3PUFAsはすべての原因による死亡を9%、
死亡と心臓病が原因の入院の合計を8%減少させた。
〈スタート表〉
▽主要到達目標 n-3PUFAs対偽薬(ORT)の改善率
すべての原因による死亡 9%(p=0・041)*
すべての原因による死亡か 8%(p=0・009)*
心臓病が原因の入院
▽副次到達目標 n-3PUFAs対偽薬(ORT)の改善率
心臓病による死亡 10%(p=0・045)*
心臓病による死亡か 6%(p=0・043)*
心不全などの理由による入院
心臓病が原因の入院 7%(p=0・026)*
心臓病による急死 7%(p=0・333)
すべての原因による入院 6%(p=0・049)
うっ血性心不全による入院 6%(p=0・147)
心筋梗塞 18%(p=0・121)
脳卒中 -16%(p=0・271)
*グループ間で統計的に意味のある相違(注1から採用した調整分析)
心筋梗塞後の左心室機能不全がある患者のサブグループが、
n-3PUFAsによってすべての原因による死亡と入院の減少を示した
GISSI-予防試験(編集者注参照)の事後分析の結果が良好、
GISSIグループはGISSI-HF試験を立案、設計、実施した(2)。
GISSI-HF試験の主要目的は、n-3PUFAs、ロスバスタチンが
すべての原因の死亡、心臓病が原因の入院を減少させるかどうか。
参加患者は、n-3PUFAs投与患者と偽薬(ORT)投与患者に無作為で分類。
研究参加患者の一部は、さらにロスバスタチン投与と偽薬投与に無作為分類。
n-3PUFAsの心臓病での結果、2番目に大規模なGISSI-HFは、
心筋梗塞後の患者での心臓病に対する効果がGISSI予防試験で確立された
n-3PUFAsの安全性を確認し、サポートする(3)。
したがって、n-3PUFAsの現在の適応症は
心筋梗塞後患者の2次予防とトリグリセリド過剰血症(高脂血症)の治療。
ほかの心臓病への適応に関するn-3PUFAsの継続中の研究で、
心臓病患者にとっての追加的な利点が明らかに。
ドイツのミュンヘン大学予防心臓学科主任の
クレメンス・フォン・シャッキー教授は、GISSI-HFの試験結果についても検討、
2008年ESCのソルベイ後援シンポジウムで臨床行為に対して
こうした試験結果が持つ意味を報告。
「さまざまなアプローチを使った一連のうっ血性心不全の
大規模な試験では、中立的か否定的だった。
GISSI-HFは、綿密に実施された試験であり、
この患者層でn-3PUFAsの安全性と効果を報告。
うっ血性心不全の確立された治療法に、
この治療法を追加するための証拠がガイドライン医院かに提供された」
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=79512
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