2008年9月29日月曜日

唾液からストレス値測定 岩手大開発器に学会賞

(岩手日報 9月24日)

岩手大工学部福祉システム工学科の山口昌樹教授(45)
研究グループは、ストレス測定器「唾液アミラーゼモニター」を開発
独創性に優れた機器に贈られるライフサポート学会の製品賞に輝いた。

唾液でストレスが数値化できる世界初の検査機器で、
心身ストレスが社会問題化する中、注目を集める。
児童生徒の不登校予防への応用も検討しており、
年度内にも県内の小中学校で調査研究に乗り出す。

測定器は、これまであいまいだったストレスの度合いを数値化。
自分の心身状態を判断する指標となり、
疾患予防や早期治療につながることが期待。

唾液を試験紙で採取し、本体機器に差し込むと
分析結果が表示される仕組み。
唾液に含まれる消化酵素の一つ、アミラーゼの濃度でストレス度合いを判定。
測定範囲は、10-200キロユニット/リットル
(1リットル当たりアミラーゼの濃度がどれくらいかを示す単位)。

個人差もあるが、目安として30キロユニット/リットル以下が正常、
それ以上になると興奮状態を示し、高い数値が続く場合は注意が必要。

人の健康を測る研究を続ける山口教授は、
2000年からニプロ(大阪市)と共同研究を始め、
05年にストレス測定器の製品化に成功。
07年には厚労省の認可を受け、医療機器として販売。

分析チップなど、測定器の技術開発にかかわる特許も日本と米国で取得。
価格は2万円程度で、個人のほか病院や民間企業、
マッサージサロンなどにも活用が広がっている。

山口教授は、測定器を使ったメンタルヘルスケア・システムの開発にも
取り組んでおり、大学生のケアや深刻化する児童生徒の
不登校予防への応用を検討。

子どもたちの不登校の予兆を早期に把握し、個々に応じた的確なケアを
可能にするシステムの確立を目指し、県内の小中学校で
調査研究を実施する予定で、科学技術振興機構(JST)の補助事業に申請。

山口教授は、「ストレス社会の中、困っている人たちに応用できることを
願っており、心の健康に向けた研究をさらに進めていきたい」。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20080924_3

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