2008年9月28日日曜日

ペレットで発電・給湯 明星大教授ら実用化目指す(東京多摩)

(読売 9月15日)

明星大学理工学部の浜口和洋教授らが、木を製材する際に生じる
木くずを加工して作った固形燃料「木質ペレット」を燃やして、
発電するとともに給湯もできる「一挙両得のシステム」の開発
に取り組んでいる。

木質ペレットは、もともと植物であるため、環境にやさしいとされる。
特に、寒冷地での公共施設などでの利用を想定。
浜口教授は、「2、3年以内に実用化したい」と意気込む。

システムには、熱効率がいい「スターリングエンジン」を使用
エンジンの内部には、熱で膨張しやすいヘリウムガスが入っており、
ペレットを燃やして加熱し、流水で冷やすと、ガスが膨張、収縮して
ピストンが動き、発電する。

7月には、最大1・7キロ・ワット時の電力量を生み出すことに成功し、
実用化に一歩進んだ。

エンジンを冷やした流水は、お湯として利用でき、
温度は50~60度で使うことを想定しているが、100度まで設定できる。
現在は、群馬県太田市のベンチャー企業が開発したエンジンを活用。

浜口教授は、灯油を使った同エンジンの研究を30年以上続けてきたが、
4年ほど前に、青梅市のペレット製造会社「東京ペレット」から、
「ペレットを使ってみてはどうか」と提案され、ペレットに着目。

ペレットは、製材の過程で生じる木くずを粉体にし、
圧縮したもの(直径約6・5ミリ、長さ約2センチ)。
灯油などに比べ、燃焼時の二酸化炭素排出量が少なく、
エコエネルギーとして注目。

浜口教授によると、ペレットを用いて、灯油を燃やすのと同じ発熱量を
生じさせるのにかかる費用は、安いものだと灯油の半額近くになる。

日本木質ペレット協会によると、
昨年の国内のペレット生産量は3万2600トン
ペレット用ストーブが高額なため、ペレット自体が一般に浸透していないが、
このシステムが普及すれば、木くずの有効活用にもなる。

欧米では、ペレットを使ったシステムの開発が進んでおり、
商品化が予定されているものもある。
しかし、輸入に頼るとコストがかかるため、浜口教授は
「国内で生産し、市場に出回りやすくして、環境に配慮した
燃料をうまく生かしたい」と抱負を語る。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news2/06/20080912-OYT1T00800.htm

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