(読売 2008年9月26日)
葉酸は、胎児の発育を促すだけでなく、
脳卒中や認知症のリスク軽減にも有効という報告があり、注目。
葉酸をPRし、市民の健康づくりに役立てようと試みる自治体も。
鶏卵を扱う業界最大手の「JA全農たまご」は、
自社ブランド「しんたまご」を改良し、葉酸含有量を約2倍に増やして発売。
10個入りが300-400円で、全国のスーパーなどで販売。
一般の卵の場合、100グラムあたりの葉酸量は43マイクロ・グラム。
「しんたまご」は80マイクロ・グラム含。
鶏のエサに、葉酸を添加することで開発に成功。
「加熱しても葉酸の量が減らないし、体内での吸収もいい。
健康に貢献できる商品を作りたかった」
首都圏を中心に約90店ある「ナチュラルローソン」では、
「葉酸玉子の厚焼玉子おにぎり」(158円)をはじめ、
葉酸入りのクッキーやあめなどを扱う。
葉酸は、ブロッコリーやホウレンソウなどに多く含まれるビタミンの一種。
胎児の正常な発育に欠かせないと言われ、
厚生労働省では妊娠を希望する女性に対し、
1日400マイクロ・グラムの摂取を推奨。
しかし、認知度は今ひとつで、若い女性の摂取量は1日250マイクロ・グラム前後。
葉酸の不足から、先天性の病気を持つ赤ちゃんが生まれる懸念も。
医師らを中心に、「葉酸と母子の健康を考える会」が昨年発足。
葉酸のPR活動に取り組んでいる。
最近では、脳卒中や認知症などのリスク軽減にも期待できることが、
各国の研究からわかってきた。
アメリカでは、成人の1日の摂取推奨量を、
日本の約2倍の400マイクロ・グラムに設定。
1998年からは、小麦などの穀物に葉酸の添加を義務づけるなど、
国策として葉酸摂取を推進。
食物への葉酸の添加は、カナダなど世界50か国以上で実施。
「アメリカでは、葉酸の添加を義務化して以降、脳卒中の発症が減っている。
毎日、摂取することで認知症や脳卒中の予防に効果が期待できる」と
女子栄養大副学長で医師の香川靖雄さん。
健康づくりを目的に埼玉県坂戸市では、
アメリカ並みの葉酸摂取を市民に促す「坂戸市葉酸プロジェクト」を
2006年にスタート。啓発活動に力を入れている。
葉酸を含む食品の開発支援も行う。
首都圏に約30店舗を展開するパン店「サンメリー」と地元のパン店4店は、
坂戸市の働きかけに応じ、「葉酸ブレッド」を発売、人気商品に。
葉酸入りのレトルトカレーや手打ちうどん、ドレッシングなども登場。
坂戸市健康づくり政策室は、
「自然の食品から必要量の葉酸を摂取できるのが理想だが、実際には難しい。
葉酸を添加した食品を、上手に生活に取り入れて無理なく摂取してほしい」
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=80325
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