2008年10月3日金曜日

栄養ドリンク:健康に有害か?

(WebMD 9月24日)

強い覚醒が期待でき、スポーツのパフォーマンス向上を
暗示されていることもあるカフェイン入りの栄養ドリンクには、
カフェイン量を明記したラベルを貼付すべき。

ジョンズホプキンス大医学部精神医学・神経科学教授Roland Griffithsは、
最高量のカフェインを含有する飲料では、
健康に対する危険性についても警告すべきである。

「飲料の多くには、カフェイン含量が表示されていない」
栄養ドリンクの中には、ソーダ14缶分に相当するカフェインを含むものも。

業界は、栄養ドリンクに含まれるカフェインは、
カップ1杯の浸出コーヒーと同量か、はるかに少ないとして反論。
American Beverage Associationの広報担当者であるMaureen Storeyは、
栄養ドリンクに、カフェイン含量を記載したラベルが必要なら、
コーヒー店のコーヒーにもラベルが必要。

◆栄養ドリンク:その経緯

米国市場に、最初に登場した栄養ドリンク、Red Bullが1997年に販売後、
この市場が急成長し、米国では年間に54億ドル以上を売り上げ。
数百種類の商品が存在。

FDAは、コーラタイプのソフトドリンクのカフェイン含量を、
12液量オンス(約355ml)あたり71mgに制限しているが、
栄養ドリンクにこのような制限はない。

「『栄養』ドリンクのメーカーは、栄養補助食品としてこれらを販売」
とFDAの広報担当者であるSiobhan DeLanceyは述べる。
栄養補助食品は、食品とは異なる規制がなされている。
FDAは、市販前にこれらの製品の承認や審査を行っていない。

◆栄養ドリンク:カフェイン含量

Griffiths博士らは、24社以上の栄養ドリンクメーカーに連絡をとり、
カフェイン含量を尋ねた。

Red Bull:1回量8.3オンス(約245ml)あたり80mg
Tab Energy:1回量10.5オンス(約311ml)あたり95 mg
Monster and Rockstar:1回量16オンス(約473ml)あたり160 mg
No Fear:1回量16オンス(約473ml)あたり174 mg
Fixx:1回量20オンス(約591ml)あたり500 mg
Wired X505:1回量24オンス(約710ml)あたり505 mg

Griffithsが参考にした値:
浸出したコーヒー:1回量12オンス(約355ml)あたり200 mg
インスタントコーヒー:1回量12オンス(約355ml)あたり140 mg
浸出した紅茶:1回量12オンス(約355ml)あたり80 mg
Mountain Dew:1回量12オンス(約355ml)あたり54 mg
Dr. Pepper:1回量12オンス(約355ml)あたり41 mg
Pepsi Cola:1回量12オンス(約355ml)あたり38 mg
Coca-Cola Classic:1回量12オンス(約355ml)あたり34.5 mg
缶または瓶入りの紅茶:1回量12オンス(約355ml)あたり20 mg

一部の栄養ドリンクは、カフェイン含量が少ない。
低カフェイン含量のものは以下の通り:
Bomba Energy:1回量8.4オンス(約248ml)あたり 75 mg
Whoop Ass:1回量8.5オンス(約251ml)あたり50 mg

◆栄養ドリンク:報告

Griffiths博士の研究から、栄養ドリンクはティーンおよび若者に
人気があることが明らかに。
2007年の大学生496名を対象とした調査では、
51%が過去1ヵ月間に1回以上栄養ドリンクを飲んだ。

栄養ドリンクに対する有害反応が、米国中毒事故管理センターに報告。
雑誌『Drug and Alcohol Dependence』に公表。
2002~2004年、高カフェイン飲料によるカフェイン乱用症例41例が報告。

栄養ドリンクRedlineに対する有害反応に関する9例の報告では、
患者が悪心・嘔吐、高血圧、振戦、めまい、しびれを訴えた。

栄養ドリンクを飲む人は、同時にアルコールも飲む可能性がある。
大学生の調査では、27%が過去1ヵ月に1回以上アルコールと
栄養ドリンクのカクテルを飲んだ。
「たとえ酒に酔った状態であっても、飲用者は運転可能なほどの
覚醒を感じる可能性がある」という危険性がある。

栄養ドリンクが、他の物質乱用の「入り口」になることがあることを懸念。
ある調査では、栄養ドリンクを飲用した大学生では、
後に遊びで興奮剤を使用する割合が高かった。

◆栄養ドリンク:業界の見解

American Beverage AssociationのStorey博士は、
Griffiths博士の意見に異議を唱えた。
Griffiths博士の報告は、「調査であって、試験ではない。
1つの調査から、多くのことを引き出すことについて慎重に。
Griffiths博士は、一部の試験にのみ注目した」

American Beverage Associationが公表した声明では、
栄養ドリンクのカフェイン含量は、一般のコーヒー店のコーヒーの
カフェイン含量の半分であると指摘。
16オンス(約473ml)のコーヒー店のコーヒーには、
約320 mgのカフェインが含まれ、16オンス(約473ml)の栄養ドリンクの
カフェイン含量は160 mgである。
栄養ドリンクに表示が必要であるなら、コーヒー店のコーヒーにも
カフェイン含量の表示が必要である。

ほとんどの企業は、責任をもって栄養ドリンクを販売している。
製品に、違法または挑発的な名称(例、物議を醸している栄養ドリンクCocaine)
をつけているのは、数社にすぎない。
「栄養ドリンクは上手に摂れば、バランスの取れたライフスタイルの一部に」

◆栄養ドリンク:Griffiths博士の反応

Griffiths博士は、最高カフェイン含量の栄養ドリンクに警告を表示することを
要求する提案を準備しているが、閾値は特定していない。

栄養ドリンクの販売と、従来のカフェイン飲料の販売には違いがある。
栄養ドリンクのメーカーは、「影響を受けやすい集団を対象として販売している」

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=80476

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