(東海新報 9月28日)
昨年3月から始まった大船渡港と韓国・釜山港を結ぶ
外貿コンテナ航路の今年度8月までの実績が、
昨年同期比で貨物量が約8割にとどまっていることが、
大船渡市のまとめで分かった。
今年度は、燃料費高騰による影響で、これまで週一便ぺースだった
寄港数がほぼ半減。
市側では、安定的な寄港に向けて調整を続けている半面、
市議会などからは今後の見通しに厳しい指摘も寄せられている。
今年度8月までの実績は、市議会決算審査特別委員会の場で説明。
8月まで5カ月間の実績は、荷物が入った状態の実入りで、
418TEU(1TEU=20フィートコンテナ一個)。
前年度は、8月までで507TEUで、取扱実績は約8割にとどまっている。
今年度の大船渡港への寄港便数は10便で、昨年同期に比べて8便少ない。
昨年度はほぼ週一便で訪れていたが、今年は一カ月に2便のぺース。
寄港のない週などには、仙台港にコンテナを移す「陸送」も約40TEUあった。
市側では、4月に今年度の取扱実績目標を3000TEUと公表。
昨年は、冷凍水産物輸出をはじめ、月間で100TEU以上の実績を残したが、
今年度は、昨年度実績1605TEUを上回ることさえ微妙。
減便の背景には、世界的な原油高による燃料費の高騰のほか、
製造業の低迷や、中国食品への農薬混入事件による貿易量の減少。
室井良雄港湾経済部長は、「速報値では、全国的な取扱実績は微増だが、
近隣の八戸港では10%、小名浜港でも28%の減少」。
大船渡市では昨年度、船会社に対して安定運航を目的とした
経費補助に約1億1千万円、コンテナ利用荷主に対する補助金に約1千万円、
コンテナターミナルの運営支援として大船渡港振興協会へ約2700万円を支出。
「現在の状況では、(支出を)見合わせることも必要では」と、
決算委員会では昨年度の支出のあり方を問う声も。
「どのくらいの取扱量があれば、船会社に補助をしなくてもよくなるのか」
との質問にも、市側では他の船会社や他港の誘致活動に対する影響を考慮し、
詳細は明らかにしていない。
市側では、コンテナ航路開設による昨年度の経済効果を20億円と試算、
市内にも水産業などで4億円あったことを挙げて、初期投資の必要性を強調。
甘竹勝郎市長は、「港湾、水産と海に力を入れなければならない。
釜石港もコンテナを始めるようだが、市が中心となる。
大船渡港は民間が中心となることで、支出も抑えられている」。
市や関係機関では引き続き、貨物量増加に力を入れる方針。
今年度に入り、寄港する曜日が安定していない現状もあり、
市港湾経済部では、「航路を見直してもらうことで、
大船渡に確実に回るよう調整を進めている。
荷主側の利便性を確保したい」
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