(朝日 2008年9月18日)
五輪との垣根は低くなった。
金メダル三つを獲得した両足義足のランナー、
オスカー・ピストリウス(南アフリカ)は、陸上男子400メートルで
12年ロンドン五輪出場を狙えるまで実力を伸ばしている。
スポーツ仲裁裁判所の裁定で、北京五輪に出場する資格を持っていた。
義足のスイマー、ナタリー・デュトワ(南アフリカ)は、
北京五輪オープンウオーター女子10キロで16位に入り、
パラリンピックで5種目を制した。
右ひじから先がない卓球女子のナタリア・パルティカ(ポーランド)も
五輪に出場し、パラリンピックではシングルスで金を獲得。
ピストリウスは、「この義足はスタートでは不利だが、
後半で速度が増して追いつける」と、カーボン製の義足に胸を張った。
アイスランドのオスール社製。
同社の広報担当者は、「衝撃を吸収しバネのように働くので、
従来の義足よりも動きがスムーズ。最高の義足と考えている」。
競技に特化した義足は、人間の足とは似ても似つかない。
J字形の黒い義足を、オスール社は「チーター」と名付けた。
後ろ脚に似ているからだ。
自転車で銀、銅計3個のメダルを取った藤田征樹(神奈川)の義足は、
足首から下がウマのひづめのような形。
ペダルをこぎやすくするためで、義肢装具士が独自に開発。
陸上では、新素材のカーボンファイバー(炭素繊維)で出来た
車いすが現れた。現在主流のアルミ製よりも軽く強い素材。
一方で加工しにくく、開発には費用がかかる。
ホンダの子会社の試作品に乗る山本浩之(福岡)は、
「F1で使われている素材で、空気抵抗も少ない。
仮に市販されたとしたら、数千万円になるでしょう」。
http://www2.asahi.com/olympic2008/news/TKY200809180132.html
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